山と溪谷社

山と溪谷社 80周年メッセージ


山と溪谷社 80周年メッセージ 登るチカラ、感じるチカラ、生きるチカラ。


 山と溪谷社は、創業80周年を迎えることができました。社名どおり、山あり溪谷ありの80年間でありましたが、これまで社業を続けてこられましたのも、ひとえに読者の皆さま、業界関係者の皆さまの変わらぬご支援によるものであります。心より御礼申し上げます。

 <「正しきアルピニズムの認識」を前提として、真面目に「人と山との」対照を思索して行かねばならぬと信じます。>1930年5月、創業者川崎吉蔵が、雑誌「山と溪谷」創刊号に表明した決意です。山と溪谷社は、創業者のこの想いを大切にし、80年間、真摯に「人と山との思索」に取り組んでまいりました。

 豊かな山岳環境は、人の五感を研ぎ澄まし、思索の契機を与え、感じるチカラを磨きます。山の奥深さを感じ、山の神秘に触れることは、人に自然への畏敬の念を授けます。環境を守るという意識とは次元の異なる、真に自然との共生を志向する、深く、前向きな自然に対する敬意を授けます。

 人は、登るという行為で、外界を感じ、心と身体のバランスを保持し、生きるリズムを刻みます。五感を使って自然の動きを読み解き、自らの意思で歩く道を選び、行動するチカラを得ます。

 山と、己の心と身体しか存在しない静謐な登る道程は、内なる自分と向き合う機会を与え、人に、自分の確かな可能性を発見させ勇気づけます。懐深い山岳環境がいざなう人と人との純朴な心の交流は、人と社会への揺るぎない信頼の気持ちを与えます。

 そう、豊かな山岳環境を五感で感じること、一歩一歩登ることは、人が本来持っている生きるチカラを確かめ育んでいく道程にほかならない、と我々は考えます。

 日本は山国です。そこで生まれ育った日本人は、山岳自然環境から多くの恩恵を受けています。日本人の豊かな感性、物静かで慎み深い行動様式、懐深い精神性、粘り強い生命力は、この豊かな山岳環境によって培われた国民性に違いありません。

 登山が、自然環境への正しい理解と深い敬意を醸成し、地球環境時代の豊かな知識社会に相応しい人材の育成につながっていくものと信じて、これからも真摯に活動してまいります。

 

株式会社 山と溪谷社
代表取締役社長
関本彰大
山と渓谷社
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