「人と山、人と自然の関わりを思索する」。
これは山と溪谷社の創業から大切にしてきた姿勢です。
山·自然と人のあいだに立ち、その関わりに思考を巡らせ、
心ゆさぶる体験を多くの人々へ届けます。
今日まで受け継いできた使命を引き継ぐために。
山と溪谷社は昭和5年(1930年)4月1日、早稲田大学を卒業したての川崎吉蔵が創業しました。そして翌5月、「多くの人に読まれる山岳雑誌を発行したい」という思いを実現し、雑誌『山と溪谷』が誕生しました。
誌名は、吉蔵が敬愛する田部重治氏の著書の題名を譲ってもらい、題字は親友の坂野三郎氏に頼みましたが、創刊当時は人手もなく、編集、広告、販売、なにからなにまで一人でこなす多忙な日々でした。しかし、「何事も第一流をねらうこと」「意地でも成功させる」という川崎吉蔵の強い信念により『山と溪谷』創刊号は、雑誌でありながら三版売り切れという好スタートをきったのです。
以来、創業者の意志を継いで『山と溪谷』を柱に、山や自然、アウトドア、暮らしの分野での出版をはじめ、WEBメディア、デジタルコンテンツ制作、イベント企画、ソリューション事業など、活動の領域を広げながら、自然のすばらしさを未来へとつなぐ出版社として成長し続けています。
『山と溪谷』創刊当時の川崎吉蔵
モノクロフィルムの時代、岡田紅陽の瑞牆山の写真を使用した52号(1938年)
ADに芦澤一洋を迎え近藤辰郎がカメラマン兼モデルを担当した422号(1973年)