佐々木 亨さん

富士山の魅力を伝え続けて。

茶畑と富士山、村山古道をたどると山麓ではこんな風景が広がる(写真=佐々木 亨・2013年12月22日撮影)
佐々木さんは『学べる!山歩きの地図読み』など地図読みについての著書もあり、ヤマケイ登山教室の講座は毎回大人気。昨年11月のヤマケイ登山教室・秋の集中講座の1シーン(写真=週刊ヤマケイ編集部)

お正月といえば「富士山」。当社の『富士山ブック』や『登れる!富士山』などで、この山の魅力を伝え続けてくれている佐々木亨さんに聞いた。世界遺産登録を受けて、海外からの登山者も増えるなか、この1月には、佐々木さんが解説した、富士登山のための英語の電子版の販売も開始される予定だ。

週刊ヤマケイ(以下Y):佐々木さんが富士山に関わって、もうどれぐらいになりますか。その魅力ってなんでしょう。

佐々木(以下S):取材として本格的に取り組み始めてちょうど10年になります。取材では登山者によく話を聞くのですが、「なぜ富士山に登るの?」とたずねると、「日本一の山だから」という答の次に「家族や友人との絆を深める」「卒業や結婚の記念に」「自分に挑戦する」といった答が返ってきます。そんな想いを込めて登る山であることが、富士山の魅力のひとつだと感じています。

***

Y:世界遺産に登録されるなど、話題の多い富士山ですが、ずっと見続けてこられた佐々木さんは、ここ最近の状況をどう思われますか。

S:世界文化遺産登録は、ここがゴールではなく、「信仰の対象と芸術の源泉」という富士山の普遍的な価値を、後世へ受け継いでいくスタートだと思います。近年、富士登山は“ブーム”のような感じもありましたが、弾丸登山の自粛要請やマイカー規制の強化などにより、ここへ来て一段落。これからは、ブームを卒業して、世界文化遺産にふさわしい富士登山スタイルをつくっていく時期ですね。

***

Y:この1月に『Mt.Fuji Climbing Guide』という「英語版」の情報も発信されることになりました。海外から富士山を訪れる人たちに、どんなことを見て、知ってほしいですか。

S:富士登山というと五合目からの1泊2日行程が一般的です。1泊するといっても休憩・仮眠程度ですから、富士山に滞在するのは正味1日。考えてみると、かなり慌ただしいスケジュールです。だから海外から訪れる人たちには、そんな忙しい行程ではなく、ぜひ時間をかけてじっくり富士山に登ってもらいたいですね。

富士山の登山道は、麓から続いています。吉田口登山道なら山麓の北口本宮冨士浅間神社、もしくは富士山駅前の金鳥居から。大宮・村山口(現在の富士宮口)なら村山浅間神社、あるいは海抜0mの田子ノ浦から村山古道をたどる。山麓から登ることによって、富士山の雄大なスケールとともに、世界文化遺産としての富士山をより感じ取ることができるでしょう。

***

Y:この時期なら、周囲の山から眺めるのもいいですし、夏には山頂からご来光を見たりと、富士山の魅力って、ほんとうに限りなくありそうですね。

S:この冬の時期でも、富士登山はできます。もちろん中腹以上はごく限られたベテランの世界ですが、登山道の山麓部分なら富士山の眺望を楽しみながら歩けるでしょう。前述した村山古道の田子ノ浦から村山浅間神社までは、晴天になる日が多い今時期こそがベストシーズン。吉田口なら、御師住宅や胎内樹型、湧水地など、山麓の構成資産めぐりと組み合わせて歩くプランもいいでしょう。冬に山麓を歩き、春に中腹まで登り、そして夏に登頂する、そうして富士山を“完登する”。そんな富士登山を提案していきたいですね。

(聞き手=久保田賢次・『週刊ヤマケイ』編集長)

※英語版『Mt.Fuji Climbing Guide』についての詳細は、今後の号でお知らせします。

北アルプス西穂高の現場より。

西穂高岳・独標から望む朝焼け雲と日の出・八ヶ岳方面を望む(写真=渡辺幸雄)
西穂高岳山頂直下を登る登山者(写真=渡辺幸雄)

今年の新年は西穂山荘で迎えました。残念ながら気圧配置が冬型となってしまい、大晦日から元旦にかけて天候は雪でした。西穂山荘ではレストハウスでカウントダウンのイベントが行なわれ、年明けを大勢の登山者と一緒に迎えました。元旦にはおしるこのサービスがあり、悪天でほとんど外に出られませんでしたが、体が温まりました。

1日の昼前から2日昼ごろまでは、新穂高ロープウェイも強風のため一時運休となるほどでした。入山や下山でロープウェイの運転再会を待たれた登山者もあったことと思います。下山に関しては西穂山荘でも運行情報が取れますので、テント利用の方も山小屋で情報を入手しましょう。

この正月は北アルプスでは年末から天候が悪かったため、登山者は少なめでした。岐阜県警の山岳救助隊員3名も今年は12月31日から1月2日まで西穂山荘に詰めていて、登山者の安全指導にあたられていました。その甲斐もあってか、無理して行動した方もいなかったようで、西穂高岳では遭難事故がなく、静かな年明けでした。

ようやく天候が回復したのが2日。翌3日は快晴の登山日和となりました。

北アルプス稜線から拝めた日の出は、これが今年最初です。実質的な初日の出を見に早朝西穂山荘を出発して、独標でご来光を拝みました。東の空には少し雲が残り、雲が朝焼けで真っ赤に染まる荘厳な日の出でした。

この日は絶好の登山日和で、前日西穂山荘に宿泊した登山者も登っていましたが、独標から先、西穂高岳山頂に向かった登山者は10名程度。中にはピラミッドピークで引き返した方もいました。下山の時間を考えてなのかも知れませんが、決して無理しない登山を実行している方を目のあたりにして、ちょっと嬉しく思いました。それ以外の30名くらいの方は独標で引き返したようです。

西穂高岳へのルートは基本的に夏道にトレースがあります。しかし、一部は夏道から離れ稜線上を歩くトレースもありました。山頂直下も写真の様に稜線上と夏道上にあります。どちらを選ぶかはその時の状況によりますが、より安全と思われるルートを選んでください。山頂直下は、登りは夏道でも可能ですが、一枚バーンのため下りはシビアになります。写真右の稜線を下った方がリスクは少なくなります。

また今回はまだ大丈夫でしたが、西穂稜線では東側に雪庇が発達することもあります。ガスの際など間違って踏み込まないように注意も必要です。

※西穂独標から先は険しい岩稜が連続するので、ピッケル、アイゼンワークが確実にこなせる技術が必要になります。雪山初級者は独標までの行動にしましょう。

(渡辺幸雄/山岳カメラマン)

読者の皆さんから寄せられた「あなたがいままでに見た“危ない”登山者」像

まず圧倒的に多かった指摘は「装備不足」でした。次いで「急いでいる、やたら追い越していく登山者」と「遅い時間に行動している登山者」。そして地図が読めない、体力不足などの「登山力不足の登山者」。

では具体的な声をご紹介していきましょう。

***

実話です。北アルプスでたまたま一緒になった単独のご婦人と双六までご一緒しました。そのご婦人は私と一緒にもかかわらず、たびたび道を間違えられるのです。その時は雨風が強かったのですが、自分の足元ぐらいしか見ていないようでした。ご婦人は双六から三俣まで行くと言うので双六でお別れしましたが、その後、ご婦人は遭難されて15日後に発見されました。

(京都府・55歳・男性)

トレランの方も増えていますが、下る時のすれ違い時に、さほどスピードを落とさずにすり抜けるように下っていく方がいました。登りでバテている方がバランスを崩しそうで、見ていてヒヤッとしました。

(静岡県・59歳・女性)

初心者であろうパーティーが、かなり遅い時間に入山していきました。もちろん日帰り軽装で。こちらは下山中だったのですが、その後激しい雷雨となったため、彼らがどうなったか心配したことがあります。

(群馬県・39歳・男性)

ストックをきちんと閉めていなかったのか、下りでストックを付いたら短くなり、バランスを崩して頭から落ちた人がいた。

(長野県・61歳・男性)

***

安全に山を楽しむために、今後も週刊ヤマケイではさまざまな注意喚起情報を皆さんにお届けしてまいります。

北海道・東ヌプカウシヌプリ(東大雪)

かすかなトレースをたどり、スノーシューで山頂へ。

深雪の樹林帯をスノーシューで登っていく(写真=谷水 亨)
尾根に出ると青空が広がり、十勝平野が見えた(写真=谷水 亨)

1月4日、雪時々晴れ、積雪30~50cm

大雪山国立公園の南端に位置し、十勝平野を見下ろすようにそびえたつ東ヌプカウシヌプリ(1252m)が午後から晴れる予報だったので、11時ごろからひとりで登って来ました。

今年は積雪の少ない十勝地方だけあって、いつもは腰ほどある登山口の積雪はヒザ下までと、比較的楽な登山となりました。さらに朝に登ったと思われるトレースがかすかに残っており、ラッセルもさほどすることなく登ることが出来ました。

深雪の中、スノーシューを履いて樹林帯の木々を縫いながら、かすかなトレースと赤布を頼りに登っていきます。やがて青空が現われ、稜線に出るころには北側がすっかり晴れました。頂上から南側に見えるはずの十勝平野は最後まで顔を出すことはありませんでしたが、満足感あふれる登山になりました。

(文=谷水 亨)

青森県・吹越烏帽子

東北百名山へ、初登山。

標高427m地点より、吹越烏帽子山頂(写真=中村重明)
標高427m地点からの下山直後。奥に陸奥湾(写真=中村重明)

1月1日、雪のち晴れ

2014年の初登山は、下北半島の「斧の柄」のほぼ真ん中にそびえる吹越烏帽子(ふっこしえぼし・508m)へ。

無雪期は登山口まで車で行けますが、この日は登山口約1km地点の空き地に駐車しました。その先にも車のわだちはあったものの、チェーン装着ないし4WDでないとちょっと無理だったためです。登山口付近で積雪は10cm程度。トレースはまったくありませんが、テープや道標があり、ルートは明瞭で、つぼ足で順調に進みました。

ところが小一時間進んで傾斜が少しきつくなってきたあたりからは、膝上くらいのラッセル箇所も多くなり、大幅にペースダウンです。登山口から1時間半ほどでやっと樹林がまばらになり、吹越烏帽子の山頂が望める地点(標高約430m)に到着。ここまで無雪期コースタイムのほぼ倍の時間を要しました。しかもそこから先はかなりの強風で、山頂(508m)付近は雪煙が激しく舞っています。コンディションと時刻を勘案し、本日はここまでとすることにして引き返しました。

標高508mの低山とはいえ、さすが高い緯度にあり、また西からの風雪をさえぎるもののない下北半島に位置するだけあって、中部山岳地帯なら標高2000m程度には相当するように感じられました。

山頂を踏めなかったとはいえ、今年の初登山としてとても満足の行く行程でした。

(文=中村重明)

青森岩手県境・階上岳

八甲田山や太平洋を望む、展望の山へ。

山頂直下にて(写真=中村重明)
山頂より、八戸市街および太平洋を望む(写真=中村重明)

12月31日、晴れ

年末年始の帰省のついでに、青森・岩手県境の階上岳(はしかみだけ・740m)に登ってきました。牛が伏せたような山の形から臥牛山(がぎゅうさん)とも呼ばれている山です。

行程は、北側の階上町鳥谷部の登山口(標高150m)からの往復です。標高625mの大開平まで車道が通じているのですが、冬期は麓の登山口の先は一般車両通行止めとなります。

この時期、たまにまとまった降雪があった直後はわかんやスノーシューを使うこともあるようですが、大抵はそれほどの積雪量ではなく、つぼ足かアイゼンで登れるようです。この日も雪の量は登山口付近で数cm、山頂付近で50~60cm程度。結構入山者がいて、しっかりと踏み固められたトレースがついていました。雪面には小動物の足跡がたくさんあり、目を楽しませてくれます。

1時間半強で到着した山頂からは、北方向には八戸市の市街や太平洋が、そして北西方向には八甲田山を望むことができました。往復3時間強と短めながら、とても楽しめた行程でした。

(文=中村重明)

岩手県・岩山

盛岡市民に愛される里山に登りました。

登山道入り口の駐車場から15分ぐらいで山頂に着く(写真=清野 薫)
雪をまとった姫神山を望む(写真=清野 薫)

1月5日、晴れ

岩山は盛岡市内中心部から徒歩40分ほどで登れる、標高340mの里山です。地元の登山愛好家のトレーニングルートにもなっており、よく踏み固められた歩きやすい道となっています。この日はトレランシューズでも大丈夫でした。

山頂の展望台から、岩手山は残念ながら雲の中でしたが、姫神山がきれいに見えました。

(文=清野 薫)

宮城県・早馬山と安波山

唐桑半島の三方が海に囲まれた干支の山を訪ねて。

早馬山頂から眺めた広田湾と氷上山(写真=曽根田 卓)
気仙沼市街地から直近の距離にも関わらずカモシカが生息する安波山(写真=曽根田 卓)

1月4日、曇り

宮城県内には干支の馬・午・もしくは駒の漢字が使われた山名を持つ山が8山あります。その内、登山対象になっている山は、花の名山として有名な栗駒山。近くにアズマシャクナゲ北限の群生地がある御駒山。そしてザオウカラマツの自生する馬ノ神岳ぐらいで、他の山は一般登山者には知られていません。

そこで今回は、干支の山にこだわって気仙沼市の唐桑半島にある早馬山を目指しました。

この山は山頂部に早馬神社が祀られていて、漁火パークから参拝道を利用して子供連れでも簡単に登れます。山頂には展望台が設置されていて、360度の展望が楽しめます。太平洋の大海原を眺めて爽快感を味わえるでしょう。

この日は気仙沼市街地の北側にある安波山にも立ち寄ってみました。

山頂一帯は公園として整備されていて、毎日登られる地元の方々もおられるそうです。山頂からの展望は気仙沼市街地が眼下に見え、気仙沼湾に浮かぶ大島が一望できます。

しかし、東日本大震災の大津波で甚大な被害を受けた地区が広がっている様を見ると、震災の復興事業は未だ緒についただけと実感しました。

(文=曽根田 卓)

宮城蔵王・刈田岳

登頂ならずとも美しい雪景色を見ることができました。

空も木も全てが白の世界でした(写真=福井美津江)
樹氷見学ツアーの乗用雪上車(写真=福井美津江)

1月4日、曇りのち雪

新年あけましておめでとうございます。刈田岳山頂の刈田嶺神社へ、少し遅い初詣へと出かけました。

すみかわスノーパークからスキーで歩き始め、あとみゲレンデを登り観光道路へ。積雪期限定の中央コースも、あと少しで藪が雪で埋まりそうです。

小雪がちらついており、大黒天からは時折見通しがなくなるほどでしたので、冬季閉鎖しているエコーラインの車道をたどっただけで、刈田岳に取りつくのはあきらめました。次回は青空に恵まれますよう祈りつつ、スキーのシールを外し下山。樹氷見学ツアーの乗用雪上車が通っていきました。今後の樹氷の成長が楽しみです。

(文=福井美津江)

南アルプス・鳳凰三山

強風吹きすさぶ2014年元旦の縦走路。

薬師岳から観音岳に向けて風の強い稜線を進む(写真=木元康晴)
赤抜沢ノ頭から下り、地蔵岳手前の賽ノ河原へ(写真=木元康晴)

12月31日~1月2日、31日晴れ、1日晴れのち吹雪、2日晴れ

年末年始の3日間で、南アルプス鳳凰三山の縦走に行ってきました。

1日目は甲府駅からタクシーで夜叉神峠登山口に向かい、そこから登山スタート。ひと登りして夜叉神峠に着いた時点では、白峰三山は雲の中でしたが、杖立峠に差し掛かる頃にはすっきりと晴れ渡り、雄大な北岳の姿を望むことができました。

たどり着いた南御室小屋は、大晦日ということもあって大盛況。到着時間が遅かった我々は、キャンプ指定地の一番奥にテントを張りました。

翌日は、まだ暗いうちに出発。けれども森林限界を抜け出る前に明るくなって、木立の隙間から初日の出を見ることになりました。

その後、薬師岳小屋の前を通過する頃から天候は悪化。強風に交じる雪の量が次第に増えてくる中、慎重に薬師岳、観音岳と縦走していきます。そして時おり雪にまぎれて顔を打つ、小砂利の痛さに耐えつつも地蔵岳に到着。オベリスクは割愛して、凍結した斜面を下って鳳凰小屋に向かい、テントを張りました。

最終日は未明から猛烈な風が吹き抜け、テントが飛ばされるのではないかと心配に。やや風のおさまった出発時には、隣のテントの人と、大変だったねと言いながら顔を見合わせました。

その後は次第に積雪が少なくなる登山道を、御座石鉱泉まで一気に下って登山終了。入浴をした上で送迎車に乗り、穴山駅まで送っていただきました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

長野県・陣馬形山

美しい谷の真ん中にそびえる展望の山へ。

伊那谷の絶景を楽しめるスノーシューツアー(写真=高林清人)
初心者でもすぐに楽しめるのがスノーシューの魅力(写真=高林清人)

1月3日、快晴

伊那谷には、中央アルプスと南アルプスという東西に日本の背骨となる山々がそびえ立ち、谷底には天龍川が蛇行します。山々からもたらされる豊かな水は、起伏に富んだ河岸段丘と豊かな文化を育み、そこにはいまなお日本の原風景が多く残っています。

陣馬形山(1445m)は伊那谷の真ん中に突き出た山です。山頂に立って見渡せば、この伊那谷の大地が壮大なスケールで迫ってきます。

麓は人口5000人の小さな村・中川村で、『日本で最も美しい村』連合にも加盟する風光明媚な村です。樹齢百年のカキの木、600年以上のブナの大木、風の神様を祀った神社、そしてあの養命酒もこの地が発祥地です。棚田の水源として、狩猟の場として、薪山として、人々の暮らしは陣馬形山の恵みに支えられてきました。

アルプスネイチャークラブでは、この中川村の魅力を伝える企画として、2014年よりウインタートレッキングをスタートさせました。この日はツアー初日。山頂付近は30cmの積雪があり、スノーシューを装着して登りました。

山頂トレイルをぐるり一周すると、どちらを向いても深い蒼と白のコントラストに心洗われる雪上散歩になりました。中央アルプス駒ヶ岳、八ヶ岳、南アルプス仙丈ヶ岳、北岳、塩見岳、赤石岳。そして遠くには北アルプスが望めます。

帰り道では薬湯のある「望岳荘」の湯でほっこり。中川村では、この豊かな地を求めて暮らすアーティストの工房を訪ねたり、ゲストハウスに滞在もできます。冬の伊那谷においでなんしょ!

(文=久保田雄大/アルプスネイチャークラブ所属登山ガイド)

中央アルプス前衛・池山

新雪に覆われた展望の良い山を歩く。

今回の同行者はイラストレーターの橋尾歌子さん。背後には宝剣岳の頂上が見えています(写真=木元康晴)
林の中にひっそりと立つ池山小屋(写真=木元康晴)

12月24日~25日、晴れ

新雪の積もった、中央アルプスの池山を登ってきました。空木岳に向かう池山尾根の途中にある、比較的手頃な小ピークです。

駒ヶ根高原スキー場の先の駐車スペースまで車で入り、のんびりと出発。車止めゲートからショートカット道を交えながら林道終点へ。ここはあずまやの立つ展望地になっており、目の前には真っ白に輝く南アルプスの山並みが広がっていました。

ここからの登山道は例年よりも積雪量が多めですが、池山を巻くコースには空木岳を目指した登山者たちのトレースが続いていました。結局、ラッセルすることなく池山小屋に到着。快適なこの小屋で一夜を過ごしました。

翌日はトレースのない、池山山頂を経由して下山。池山の頂上は樹林に囲まれていますが、北西方向は開けていて、千畳敷カールの奥のとがった宝剣岳をくっきりと望むことができました。

なおこのコースの一帯は、途中に野生動物観察小屋も設置されるほど、多くの動物が棲息しています。今回もノウサギをはじめとする、たくさんの動物の足跡を目にしました。アニマルトラッキング目的で訪れても、楽しめるコースと言えるでしょう。

(文=木元康晴/登山ガイド)

高尾山

元旦の高尾山にて。

山頂の混雑ぶり(写真=三好和貴)
初日の出を浴びる富士山(写真=三好和貴)

1月1日、晴れ

高尾山薬王院でのお参りに加え、山頂からの初日の出と富士山が一度に望めるとあって、31日の夜から元旦にかけ、高尾山には毎年多くの人が詰めかけます。2014年の元旦も山頂は大変な混雑ぶり。昨年に引き続き、安全管理のために薬王院から上のゲートを閉める入山規制が行なわれるほどでした。

当日は幸い天気が良く、南東方向の地平線から一筋の光が見えはじめると一斉に歓声が沸き起こり、辺りは荘厳な雰囲気に包まれていました。

残念なことは、ひと通りのイベントが終わり山頂にいた人が一斉に帰路についた後、ゴミが辺り一面に散乱していることでした。普段はこのようなことはないのですが、暗闇の中ということと、「周りの人がやっているから」ということで気が緩んでしまうのかもしれません。「ゴミは持ち帰り」が原則だということを、今一度心に銘じておいて欲しいものです。

(文=三好和貴/東京都レンジャー 高尾地区)

丹沢・高畑山

足元を注意しながら楽しむ、森の落とし物。

雪の残る登山道(写真=谷脇美雪)
実のなりの良かった「オオウラジロノキ」(写真=谷脇美雪)

12月26日、曇り

青宇治橋から高畑山、御殿森ノ頭を通って宮ヶ瀬までのコースを歩いてきました。

青宇治橋からの登りは、鎖のある岩場や急登、斜面のトラバースがあります。落ち葉がたまり、足元の段差などがわかりにくい登山道や標高700m以上の北斜面や日影には雪も残っており、十分な注意が必要です。

高畑山から宮ヶ瀬までは比較的緩やかな尾根道となり、のんびりとした静かな森を楽しめます。

足元に注意しながら歩いていると、様々な森の落とし物に気付きます。登山道上には、動物たちの糞や足跡、食べ物を食べたあと、秋に熟した木の実、落ち葉、鳥の羽根など、様々なものが落ちています。木の実が落ちていれば、今年の実のなり具合を考えたり、糞が落ちていれば、誰の糞? 何を食べたの? などと考えてみたり……。

落とし物から生き物や森の様子を想像するのも、とても楽しいものです。足元を注意しながらも楽しめる、たくさんの発見。その発見を活かして、山々の自然を楽しんでください。

なお、丹沢では12月に入ってからまとまった雪が降りました。アイゼンなどの冬装備をしっかり持ち、十分に余裕のある山行計画をお願いいたします。

(文=谷脇美雪/神奈川県立宮ヶ瀬ビジターセンター)

丹沢・檜洞丸

雪山シーズンがやってきました。

檜洞丸山頂から蛭ヶ岳(写真=赤塚淳一)
檜洞丸山頂付近から富士山と山中湖(写真=赤塚淳一)

12月24日、快晴

西丹沢自然教室からツツジ新道を往復しました。例年丹沢で根雪になるのは1月ですが、2013年は12月中旬に2度の積雪があり、1ヶ月ほど早く雪山シーズンとなりました。

気温が下がり展望が良くなり、今回は富士山や南アルプスだけでなく、八ヶ岳、金峰山の五丈岩、初島なども確認することができました。

今回使った装備は6本爪の軽アイゼンとストックです。日差しが強いのでサングラスも必携です。他にはスパッツや耳を隠せる毛糸の帽子などの防寒具。手袋も厚手と薄手の2組あると調節がしやすいと思います。

西丹沢では降雪直後は深雪でラッセルに苦しめられます。そのためスノーシューやワカンを用いる人もいます。一方たくさんの登山者が訪れると雪が踏み固められ、氷のようになり大変滑りやすくなります。アイゼンを持ってくるのを忘れ、途中で引き返す人もいらっしゃいます。登山前には十分情報収集をして、その時にあった装備を選択し、安全な計画を立てるようにお願いします。

(文=赤塚淳一/神奈川県立西丹沢自然教室)

岡山鳥取県境・那岐山

2013年の納山行は那岐山に登りました。

三角点ピークの県境稜線に到着です(写真=舩越 仁)
一段と雪が深くなった樹氷の稜線、カンジキを履いて進む(写真=舩越 仁)

12月26日、雪

2013年の納山は、県境踏破続きの擬宝珠山分水嶺の予定でしたが、都合により新年お預けとし、別山域の那岐山となりました。

午後から雨の予報が出ていたので、駐車場には他の車はありません。例年の同時期より雪の量、質とも申し分なく、前日のトレースが続いています。頂上方向は雲に隠れていますが、下界の津山盆地には低く雲海もたなびいています。後ろから音もなく近付いて、追い越されたのは那岐の鉄人、笹尾さんでした。Cコースの大神岩を過ぎ、8合目にさしかかる頃、その鉄人は早や下って来られました。十数年間、回を重ねられ、本日で累計2429回、今年248回目とのことです。凄いですね。

県境尾根に出ると北西風が強く当たります。その稜線を右に下ると、コンクリート造りの避難小屋です。驚きました。入口側に新しく、立派な雪囲いができているではありませんか。それも明るくて広い。その上、扉も新品に取り換えられ、開閉がとてもスムーズになっています。さすが奈義町です。ありがたいですね。

下山は那岐山頂を乗り越えて、ドウダンツツジやアセビの樹氷稜線を東進します。見事な樹氷に疲れが吹っ飛びます。やがて鳥取側の東仙コースとの分岐です。私達は岡山側Aコースへ、そして6合目でBコースへ移る周回コースを下りました。この頃降り始めたみぞれは雨に変わりましたが、元気に歩けた2013年の素晴らしい納山となりました。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会会員)

福岡県・英彦山

初登りは英彦山へ、雪見登山。

南岳から中岳と英彦山神社上宮(写真=五十嵐 賢)
青空と白雪(写真=五十嵐 賢)

1月2日、晴れ

英彦山は北岳、中岳、南岳の3つのピークからなる修験の山で、それぞれのピークに向かう登山道は中岳山頂で合流しています。

初詣は英彦山神社へ、そして中岳山頂にある上宮へもお参りして今年の初登山にしようと、ひとりで正月2日に出かけました。

この日は元旦と同じ、薄曇りから晴れの予報でした。本殿までは雪もなく、参拝客も多い参道でしたが、登山道に入ると残雪が次第に凍結した道に変わり、中宮の手前のクサリ場でアイゼンを付けました。

次第に雪は深まり、参道の両脇は柔らかい雪がかぶさっていて、見上げると青空が広がっています。期待していた霧氷は見られずやや物足りないものの、正月らしいすがすがしい気分に浸って中岳山頂に立ちました。

休憩後、ブナの木を近景にして北岳を、逆光の南岳を、そして上宮の立つ中岳を青空をバックに撮影して雪の初登山を楽しみました。

この時期の英彦山は、いずれのコースもアイゼンなしでは危険です。雪道はトレースのあるところを選んで歩きましょう。

(文=五十嵐 賢/日本山岳会会員、環境省自然公園指導員)

鹿児島県・冠岳

徐福伝説と好展望に恵まれた九州百名山。

鎭国寺から見る冠岳(西岳)(写真=池田浩伸)
山頂からの展望(写真=池田浩伸)

12月21日、晴れ

冠岳展望公園から材木岳、冠岳(西岳)を周回しました。

冠岳展望公園には、秦の始皇帝の命で不老不死の霊薬を求めて日本に来たと言われる徐福の石像(高さ6mで日本一)が建っています。公園から車道を歩くと、煙草神社入り口の案内板があります。ここから巨岩の間を縫うように石段を登っていきました。断崖の上に、珍しい野生の煙草が自生しているという煙草神社が見えてきます。

尾根を北に進み分岐から東へ行くと、材木岳です。岩が積み重なった様子が材木を積んだように見えることから、材木岩とも呼ばれるそうです。祠があり、狭いながらも展望の良い場所です。

分岐まで戻り、西へ進むと京塚を経て冠岳(西岳)に到着です。山頂は広場になっていて、西岳神社があります。弓形になった長い海岸線の吹上浜や薩摩半島の先には、美しい円錐形の野間岳などが見ることができます。

下山は天狗岩に立ち寄り、西岳登山口へと下りました。展望公園までの途中にある鎭国寺にも立ち寄ってみましょう。徐福とも縁の深い所です。

途中トレランの男性から、「ここは迷いやすくて自分も2回迷ってここまできました。注意して登ってください」と話しかけられました。アドバイスに礼を言って山頂を目指しましたが、登山道は落ち葉や枯れ枝で歩きにくい箇所もありますが、要所には案内板も設置されていて迷う山ではありませんでした。走っていると視界が狭くなるので、迷ってしまったのでしょう。低山といえども地図とコンパスは必携です。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

鹿児島県・磯間嶽

九州百名山で岩稜歩きと展望を楽しむ。

今にも転げ落ちそうな小坊主岩(写真=池田浩伸)
屹立した磯間獄山頂(写真=池田浩伸)

12月23日、晴れ

登山口から30分で山頂に立てるコースもありますが、今回は変化に富んだ岩稜コースを選びました。上り下りを繰り返す難コースですが、岩峰に立てば絶景が広がっています。

地元の人と話をしても磯間嶽を知る人は少なく、以前に登った時は蜘蛛の巣を払いながら登るような山でした。しかし、今回は踏み跡もしっかりとしているように感じました。

岩稜コース入口の道路脇に1台分の駐車スペースを見つけて駐車。林道をしばらく歩くと岩稜コース登山口を示す案内板があります。

岩稜帯に出ると、不思議な形の大坊主岩が現れます。この先にロープの下がった大岩がありますが、ロープが岩に擦れ、驚くほど傷んでいたので巻き道を進むことにしました。

今にも転がり落ちそうな小坊主岩やオットセイに似た奇岩が続き、樹林帯の急登から325mピークに着きます。

中嶽に近づくと、好展望の岩場が現われ始め、長屋山や磯間嶽の尖った山頂が間近に見えてきます。

ワンコ岩とカエル岩を過ぎ、急斜面を下ると高い岩盤が現われました。これを登ると、岩の広場になり更に素晴らしい展望が楽しめます。遠くには開聞岳まで見ることができました。

この先は、およそ10mの垂直に近い岩壁をロープで下ることになります。ロープなどの装備がない場合は「巻き道」の案内に従いましょう。

山頂の巨大な岩峰はもう目の前。あの岩壁を登るのかと思うと、ワクワクしてきます。

岩峰基部に到着。クサリがつけられた岩を登ります。登り始めが滑りやすいところなので、ここでもロープで安全に確保します。縦に上り、斜め横へ移動して山頂へ立ちました。

363mとは思えない高度感と大展望。前日に登った冠岳や南さつまの山々、日本三大砂丘の吹上浜などが見渡せます。まさしくアルペンルートの磯間嶽。低山ながら、達成感を感じる山登りでした。

下山は大浦登山口へ。やや荒れた登山道をスタート地点に戻リました。

残置ロープがついた場所も幾つかありますが、ロープがあればより安全でしょう。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

八ヶ岳・赤岳

滑落の恐怖と闘いながら慎重に下山。

地蔵の頭から赤岳山頂を望む(写真=遅澤茂樹)

12月21日~22日、21日曇りのち雪、22日曇りのち晴れ

美濃戸口に駐車し、登山開始です。1日目は北沢経由赤岳鉱泉まで。定員100人のところに2倍の宿泊者が集まりながらも、暖かい室内で豪華な夕飯とおもてなしに感謝です。午後からの雪は夜も降り続き、中山乗越での雪崩の情報もあったため、アイスクライミングの練習に切り替えるという方もいました。

2日目は雪崩に注意しつつ、文三郎尾根から赤岳に登頂。文三郎尾根は大盛況で、登山者の列ができていました。頂上では風も強くなく、青空と太陽の光に恵まれ雪山の素晴らしい眺めが堪能できました。

下山は地蔵尾根から南沢を経由。どちらの尾根も柔らかい新雪に覆われ、滑落したらピッケルが効かない恐怖と闘いながら一歩一歩慎重に進みました。

(遅澤惠子/山梨県/51歳/よく行く山:山梨の山)

長野県・車山

初山登りで最高の眺望が得られました。

山頂から見た八島湿原と北アルプスの山々(写真=長岡 徹)

1月3日、快晴(山頂付近は強風)

2014年も前年同様に初山登りを霧ヶ峰の最高峰「車山」で始めるため、車山肩の駐車場へ向かいました。上信越自動車道を下りるころには北八ヶ岳もくっきり見えていたため、山頂からの眺めに期待が膨らみます。

駐車場に到着し、支度をすませて出発。途中の景色に目をとられて、時々トレースを外れると足が雪にとられることも。山頂からは大きなハート型をした八島湿原と、その先にはお気に入りの鷲ヶ峰が望めました。北アルプスから南アルプス、浅間山まで最高の眺望が得られ、2014年の良いスタートとなりました。

(長岡 徹/埼玉県/35歳/よく行く山:八ヶ岳、白馬、浅間、志賀高原など)

長野県・入笠山

快晴の雪山でスノーシューイング。

山頂から八ヶ岳を望む(写真=赤地和広)
中央アルプス方面を望む(写真=赤地和広)

12月23日、快晴、微風

富士見パノラマのスキー場からゴンドラに乗車。周囲の人は98%がスキーヤーやスノーボーダーです。山頂駅まで行き、そこでスノーシューを装着しました。

入笠湿原を歩き、マナスル山荘を過ぎると分岐が現われます。岩場道と岩場迂回道。登りはトレースがしっかり付いている迂回コースから進みました。

この分岐から30分ほどで山頂に到着です。山頂からは富士山、甲斐駒ヶ岳、中央アルプス、八ヶ岳、北アルプスが見えます。この日は残念ながら北アルプスの前には雲が流れていましたが、時折穂高が顔をのぞかせてくれました。

下山は岩場コースをたどりましたが、途中にクサリ場があるのでスノーシューでこのコースはおすすめできません。迂回コースを通った方がいいでしょう。

(赤地和広/千葉県/52歳/よく行く山:北アルプス)

三重県・錫杖ヶ岳

三角錐の形が美しい、展望の山。

錫杖ヶ岳と安濃ダムによる人造湖・錫杖湖(写真=中川喜久)
岩が並ぶ山頂(写真=中川喜久)

1月1日、晴れ時々曇り

今年の登り初めは、正月の帰省を利用して津市(旧芸濃町)と亀山市(旧関町)の境にある錫杖ヶ岳(しゃくじょうがたけ、676m)に行ってきました。三角錐の姿が美しく、昔から雨乞いの霊山として知られている山です。

登山道はいくつかのルートが整備されていますが、私が昔から見慣れている津市側からのルートをチョイス。安濃ダムで堰き止められて誕生した錫杖湖の上流端付近から入山し、1.5時間ほどで岩のゴツゴツした山頂に到着です。

西風が強く吹いていたにもかかわらず、山頂に立っても風が体に当たらなかったのは不思議でした。山頂からは伊勢湾、知多半島まで望むことができます。

登山道には適所に道標が整備され、よほどのことがなければ迷うことはないでしょう。しかし数年前の豪雨の影響で沢沿いの登山道は一部激しく損傷しています。復旧も進んでいないので、注意してください。

(中川喜久/岐阜県/51歳/よく行く山:日本アルプス、岐阜市近郊の山)

鳥取県・大山

シーズン初の雪山登山は伯耆国の名峰・大山へ。

六合目避難小屋にて。ここから上は厳しい冬山に一変(写真=山口敬二)
凍てる森を元谷へと下る(写真=山口敬二)

12月22日、曇り時々雪

前日から西日本の上空には強い寒気が流れ込み、日本海の低気圧が急速に発達し、気圧配置は強い冬型。しかし当日の朝は幸い風も無く、ふかふかの新雪と綺麗な樹氷に囲まれながら快適に登ります。

六合目の避難小屋で行動食を食べてひと息つくと、ここからはアイゼンとピッケル装備で身をかためました。樹林を抜けてここまで登ると様相は一変し、強い風雪が行く手を阻みます。六合目から上は、地元のガイドの方が設置された青いポールが随所に立っていますが、悪天時の下山では頂上台地で道を見失う危険性もあるため、八合目付近まで登りましたが、無理をせず引き返すことにしました。

帰りは六合目下の分岐から元谷へと下りました。急峻なルートですが、この日はトレースもしっかりしており、白く凍てつく神秘の森を満喫できました。

(山口敬二/奈良県/55歳/よく行く山:大峰、比良、北山、六甲)

広島県・弥山

初日の出を安芸の宮島・弥山から拝む。

ライトアップされた厳島神社大鳥居(写真=高木秀生)
弥山から望む2014年の「初日の出」(写真=高木秀生)

1月1日、晴れ

宮島周辺では、大晦日から元旦にかけて初詣客のためにJR西日本も宮島連絡船も終日運航しています。

宮島口駅へは4時29分に到着し、連絡船に乗って宮島桟橋に5時到着。厳島神社への参道は、初詣客と弥山登山客で大にぎわいでした。少しスタートが遅かったかなと一抹の不安を抱きながら、紅葉谷コースで弥山へ。

登山道に入ると真っ暗ながら、点々とライトの行列が続いており、富士山のご来光登山をした時の光景と同じでした。山頂はロープウェーの登山者などで満員状態。やむなく山頂直下の皇太子殿下ご展望跡地に場所を移動して、ご来光を待ちました。

頂上には日の出の1時間前に到着したのですが、水平線には厚い雲があり、なかなか太陽が出てきません。さらに待つこと30分。7時49分にご来光が雲の中から出てきたとき、突然湧きあがった拍手に私も思わず手をたたいていました。

いい年になってほしいと念じながら、2014年幕開けの登山となりました。

(高木秀生/広島県/63歳/よく行く山:広島県弥山、鳥取県大山)

くじゅう・沓掛山

霧氷のトンネルを抜けて、くじゅう連山を見渡す。

霧氷のトンネル。ここを抜けるとくじゅう連山が見える(写真=吉田雄治)
この後、急速に天候が悪化し、やむなく引き返しました(写真=吉田雄治)

12月30日、晴れのち雪

雪道運転に自信がないため、九州横断バスで牧ノ戸峠を目指しました。牧ノ戸峠には12時頃に到着。沓掛山や星生山斜面には霧氷がびっしり着いています。天気も良く、青空に映える木々の霧氷に嬉々としながら、星生崎付近を目指して登っていきました。

ところが、扇ヶ鼻分岐付近から行く手は真っ白。風も冷たくなってきたので、あわてて登山口に引き返しました。下山後の3時ごろには一層風雪が強まり、冬の厳しさを感じた登り納めとなりました。

(吉田雄治/熊本県/54歳/よく行く山:くじゅう、阿蘇)

週刊ヤマケイ「読者の登山レポート」「遭難防止オピニオン」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんの登山レポートを募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

「遭難防止オピニオン」につきましては、文字数400字程度でお願いします。ご自身の遭難体験についてお書きいただくときには、写真をつけていただくとありがたいです。お名前、メールアドレス、年齢、郵便番号と住所、登山歴、よく行く山名・山域も添えてください。「登山レポート」「オピニオン」ともに文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。また、日本山岳遺産基金のファイルに「蘇れ日本列島」というご投稿コーナーも設けました。全国各地の山岳地域で環境保全活動をなさっているかたがたのレポートなども、お待ちしております。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」または「週刊ヤマケイ・遭難防止オピニオン」「週刊ヤマケイ・蘇れ日本列島」とお書きください。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

山の装備はどんどん軽量化の時代。でも遭難対策は必要最低限の装備です。

軽い負担で、万一の補償が欲しい…そんなあなたにお勧めなのが、jRO(ジロー)の山岳遭難対策制度。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円。次年度以降会費は2000円+事後分担金(750円~1700円の見込み)です。いざというときに、備えましょう。

山の小屋閉めを追ったTVドキュメンタリー

1月11日(土)21:00~、『日本の名峰・絶景探訪』2時間特別企画

山小屋の大切な一日を手伝う永井大さん(C) BS-TBS
番組内では『山と溪谷』編集長(右)のインタビューシーンも放映されます(写真=週刊ヤマケイ編集部)

日本の山々と山を愛する人の姿を美しく、かつ臨場感ある映像で紹介するBS-TBSの『日本の名峰・絶景探訪』。番組好評につき、2時間特別企画が1月11日(土)に放映されます。

今回の舞台は甲武信岳。俳優の永井大さんが甲武信小屋の小屋閉めを手伝うべく、甲武信岳に登ります。山小屋の大切な一日を手伝い、山を全身で味わう永井さんの姿をぜひご覧ください。

なお、番組のなかでは田部井淳子さんや三浦豪太さんが日本や世界の山小屋について語りますが、『山と溪谷』編集長も登場します。こちらもお見逃しなく!


山の知識検定

Q:雪崩とは「斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる速さで流れ落ちる現象」と定義されている。雪粒同士の結合力が弱い層である弱層が形成されると、その上に積もった雪が滑り落ちる表層雪崩が発生しやすくなるが、その最高速度(時速)を次のなかから選びなさい。

50km・100km・150km・200km

平成24年度「山の知識検定シルバーコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて


山の知識検定

Q:雪崩とは「斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる速さで流れ落ちる現象」と定義されている。雪粒同士の結合力が弱い層である弱層が形成されると、その上に積もった雪が滑り落ちる表層雪崩が発生しやすくなるが、その最高速度(時速)を次のなかから選びなさい。

50km・100km・150km・200km

【正解】時速200km

表層雪崩の速度は時速100km~200kmといわれる。積雪がすべて滑り落ちる全層雪崩でも時速40km~100kmと自動車並みの速さとなるので、スキーなどで滑り降りても逃れるのは困難なことが多い。

平成24年度「山の知識検定シルバーコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

『ワンダーフォーゲル 2月号』

Q&Aで学ぶ100のメソッド

今回の特集は保存版企画「実践登山学100」PART1は軽量化と快適化、使いこなしと着回しをテーマにした「装備編」。PART2は備えておきたい「知識編」。PART3は山をもっと楽しむための「計画編」です。2014年の夏、3000m級の山を満喫するために学ぶべきことはすべてこの特集にあります。今回の特集で「登山初心者」を卒業しましょう!

http://www.yamakei.co.jp/products/2813914104.html

●発売日:2014年1月10日/ページ数:208ページ/判型:A4変形/販売価格:1000円

2014年1月~2月の新刊
商品名 発売日 販売価格(税込)
『山と溪谷 2014年2月号』 1/15 1,000円
『自転車人No.034 2014 WINTER』 1/15 1,200円
ヤマケイ文庫『定本 日本の秘境』 1/17 998円
『新版 草木染』 1/24 1,680円
新ヤマケイポケットガイド 8 『海水魚 改訂版』 1/24 1,260円
ヤマケイ文庫『K2に憑かれた男たち』 1/24 1,050円
ヤマケイ文庫『北極圏1万2000キロ』 1/24 1,050円
『ときめくコケ図鑑』 1/24 1,680円
『日本ロングトレイルガイドブック』 2/7 2,415円
『拾って探そう 落ち葉とドングリ・松ぼっくり』 2/7 2,310円
『新版 東海自転車散歩 愛知・三重・岐阜南部・静岡西部』 2/21 1,890円
『コウノトリの翼~エコロジストのまなざし~』 2/22 1,470円
『インドア・ボルダリング練習帖』 2/22 1,680円
ヤマケイ文庫『「槍・穂高」名峰誕生のミステリー 地質探偵ハラヤマ出動』 2/22 1,050円
ヤマケイ文庫『縄文人になる!縄文式生活技術教本』 2/22 840円
『定本 黒部の山賊 アルプスの怪』 2/22 1,260円


アルパインツアーサービスからのお知らせ

【国内】地図読み講座・特別企画「南房総・花嫁街道から烏場山」日帰り

ヤマケイ登山教室

地図読み講座で身につけた知識や技術をいかし、山の楽しみ方を広げましょう。これまで地図読み講座を受講された方におすすめのハイキングです。空気の澄む冬の快晴時には、太平洋の青い海原とともに富士山まで遠望できます。かつて花嫁行列も通った海辺の丘陵の道・花嫁街道を地図を読みながら歩きます。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=104662

日程 1月18日(土)
集合 JR東京駅丸ビル前 (7:30)
行程 JR東京駅丸ビル前(バス)花嫁街道入口(30m)~第2展望台(200m)~烏場山(267m)~金比羅山(121m)~黒滝~花嫁街道入口(バス)東京駅【解散】20:00~22:00(予定)
歩行時間:約4時間
登山レベル 初級レベル(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差500mの登りを2時間以内で登れる体力が必要です)
難易度 難易度2(往復、周回、縦走コース。登山道は比較的明瞭で、緩急はあるが、幅員もある。転滑落の危険個所が少ない。)
参加費 14,000円
講師 佐々木亨(山岳ライター)

【海外】アンナプルナ・ダウラギリ・パノラマトレッキング9日間

アンナプルナとダウラギリの巨峰群を眺める周遊コース

シャクナゲ咲き誇る春のヒマラヤ
山麓に暮らす村を結ぶ生活路を歩き、ヒマラヤを仰ぐ

毎日展望の優れた場所に宿泊するネパール・トレッキングのなかでも秀逸なコース。コンパクトな日程ながら、アンナプルナ山群のトレッキングコースを歩き、ヒマラヤの温泉体験やポカラに計2泊する充実の内容です。トレッキング最終日は、ブーンヒルからの展望を楽しんだ後、ダウラギリⅠ峰やニルギリ・サウスを眺めながらタトパニ温泉へ。コース中の最高宿泊地ゴラパニの標高が約2,900mと高山病の心配がないコースなので、初めてネパールを訪れる方にもおすすめです。

出発日~帰国日 旅行代金(東京・大坂・名古屋・福岡発着)
3月15日(土)~23日(日) 318,000円
3月22日(土)~30日(日) 318,000円
3月29日(土)~4月6日(日) 318,000円
4月12日(土)~20日(日) 306,000円
4月24日(木)~5月2日(金) 348,000円

【机上講習会】地図読み講座「地形図とコンパスの基礎知識」

ヤマケイ登山教室

地形図とコンパスの基礎知識を学びます。各自プレート付きのオリエンテーリングコンパスを必ず持参してください。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1159

開催日 1月15日(水)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 45名
受講料 1,000円
講師 佐々木亨(山岳ライター)

20141/9~1/22

1
9 八ヶ岳・阿弥陀岳・北西稜に積雪期単独初登(有山鎮明/1962年・昭和37年)
ギャラリー/山岳写真の会「白い峰」写真展・最終日
山岳写真家・白籏史朗さんが会長を務める山岳写真の会「白い峰」の写真展が東京・六本木の富士フイルムフォトサロンで開催され9日が最終日です。入館無料。
http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s12/140103012.html
10 NHK教育テレビが放送開始(1959年)
11 南アルプス・仙丈ヶ岳に厳冬期初登頂(今岡義夫、竹沢長衛、深沢松次郎/1926年・大正15年/積雪期初登頂は1925年3月22日)
イベント/山野井泰史さんトークショー
1月10日に愛媛県初出店となるモンベル松山店がオープニングイベントとして山野井さんのトークショーを開催します。時間は14:00~15:00。参加無料で、予約も不要です。詳細は下記URLにて。なお会場へはなるべく公共交通機関を利用するか、車を乗り合わせてご来場ください。
http://store.montbell.jp/search/shopinfo/indoor/?shop_no=678511
TV/BS-TBS『日本の名峰・絶景探訪』
名峰や日本の原風景を、臨場感あふれる映像で紹介する紀行ドキュメント番組。この日は2時間スペシャルで奥秩父の甲武信岳を放映。俳優の永井大さんが、甲武信小屋の小屋閉めを手伝うべく、甲武信岳に登ります。山と溪谷の吉野編集長のインタビューシーンも放映されます。21:00~21:54
http://www.bs-tbs.co.jp/meihou/
12 オーストリア陸軍レルヒ少佐、新潟県で日本初のスキー指導を行なう(1911年)
13 三河地震発生。M6.8で、死者2306人など大きな被害をもたらした(1945年)
14 中央アルプス・木曽駒ヶ岳から南駒ヶ岳に厳冬期初縦走(織田明、田中太郎/1935年・昭和10年1/6~1/14)
15 大英博物館が一般向けに開館(1759年)
写真教室/ニコン×ヤマケイPHOTOトレッキング「厳冬の山を撮る」
週刊ヤマケイの表紙写真を担当している山岳フォトグラファー、菊池哲男さんの写真教室。シュカブラや霧氷、樹氷など、その寒さからなる豊富なテーマを撮るためのテクニック、装備、機材について解説します。会場は東京・西新橋のアルパインツアーサービス特設説明会場で、19:00~20:30に開催。受講料は2000円。詳細は下記URLにて。
http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1202
ギャラリー/菊池哲男写真展・『新・山の星月夜』と4つのクラブ展
菊池哲男さんの大パネルによる作品展と、菊池さんが顧問を務める4つのクラブの写真展が1月15日から28日まで東京・新宿のヒルトン東京地下1階のヒルトピアアートスクエアにて開催されます。
http://hilartsq.com/index.html
16 南アルプス・甲斐駒ヶ岳、摩利支天東壁・明日にかける橋ルートを初登・積雪期初登。吹雪のなかをワンプッシュで登った(戸田暁人、田中幹也/1988年・昭和63年1/16~1/18)
17 阪神・淡路大震災(1995年)
18 谷川連峰のオキの耳・東尾根で日本初のヘリコプターによる直接的な救助が行なわれる(1967年・昭和42年/機長の判断で直接ザイルを吊り上げ、2名の生存者を救出。なお地上から出動した救助隊は二重遭難で、5名の死者を出している)
19 田部井淳子さん、南極最高峰ビンソンマシフに登頂。女性として初の六大陸最高峰登頂(1991年)
20 長谷川恒男、北アルプス・前穂高岳、屏風岩・1ルンゼから北尾根4峰正面壁・北条=新村ルート、前穂高岳東壁右岩稜・古川ルート、北穂高岳滝谷・クラック尾根を経て槍ヶ岳に到達(1975年・昭和50年1/1~1/20)
ヤマケイ登山教室/公開机上講座・スノーシュー入門
スノーシューの仕組み、ウェアなど必要な用具や装備と、冬のネイチャーウォッチングの魅力について解説します。講師は週刊ヤマケイでもおなじみ山岳ライターの石丸哲也さん。会場は東京・西新橋のアルパインツアーサービス特設説明会場で、19:00~20:30に開催。受講料は1000円。詳細は下記URLにて。
http://www.alpine-tour.com/japan/2013_10/p15_a.html
21 鑑真が苦難のすえ、来日をはたす(754年・旧暦天平勝宝5年12月10日)
22 作家・常盤新平、没す(2013年・享年81歳)


株式会社山と溪谷社
〒102-0075東京都千代田区三番町20番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

©2014 All rights reserved. Yama-Kei Publishers Co., Ltd.

本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。