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中西俊明さん

山の写真を撮り続けて43年。多くの人に写真の楽しさを伝えたい。

ヨーロッパアルプスの撮影にも出かける。フランス、シャモニーにて

春爛漫の山梨県・新府桃源郷からの富士山(2013年4月撮影)

写真家の中西俊明さん。当社からも『山岳写真大全』という撮影本を刊行しているが、現在はヤマケイ登山教室の「山の写真入門講座」をはじめ、カメラメーカーのセミナーや、旅行社の撮影ツアーの講師として活躍している。さまざまな場を通して、山の写真の撮り方を体系的にお伝えすることで、山の写真を見ること、撮ることを好きになってくれる人が、ひとりでも増えることを願って活動中だ。

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週刊ヤマケイ(以下Y):これまでも、撮影講座を通じて何千人もの人と接してこられたと思いますが、中西さんが、山の写真と出会ったきっかけはなんですか。

中西(以下、N):生まれは、山とは縁のない千葉の九十九里浜なのですが、多感な20歳のころ尾瀬に行ったんです。当時の登山ガイドブックは、ほぼ文字だけでしたので、文章から草原に咲く花や湖を色々思い描いていましたが、実際に出会った景色は、その想像をはるかに超えて、本当にすばらしかった。

広々として瑞々しい草原、咲き競う花々、流れる霧や靄、カッコウの鳴き声……。一息に山の魅力にとりつかれてしまいました。

山岳写真とのかかわりは25歳のころ、友達の紹介で、山の写真のクラブに入会して本格的に撮り始め、1980年には『山と溪谷』の表紙写真も1年間担当する機会もありました。

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Y:一口に山岳写真といっても、ジャンルはさまざまですが、中西さんはどんな写真がお好きですか。

N:季節感あふれるおおらかな写真が好きですね。花、新緑、草原、清流、雲……。山域としても、こうした条件を満たした被写体に溢れている北アルプスの白馬岳や、南アルプスの北岳などに長く取り組んでいますし、上高地も写真集としてまとめることができました。

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Y:これから写真にとりくもうというかたに、アドバイスをいただけますか。

N:今はカメラの性能も良くなり、とても撮りやすい環境ですよね。カメラは軽いし、ズームレンズも、超広角から望遠まで、何でもそろえられる。大切なのは「自分の好きな被写体を見つける」ことです。花でも樹でも、雲でも。興味を持って目を向けられるものは何なのか。

それと、今はデジタルカメラになって、フィルム代も現像代もかからないので、数打てば当たると、あまり考えずに沢山撮影する人が多いようです。これでは写真に感動が盛り込まれません。数多くシャッターを切るより、被写体とじっくりと向き合い、撮りたい主役が際立つように構図などを考えることが大切です。また、いい写真を見たり、初心者向け講座に参加することも上達の早道です。

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Y:そうですよね。ついつい枚数を沢山撮影して、後で選べばいいと思いがちになってしまいます。近々、写真展など、実際に中西さんの写真を拝見したり、お話を聞ける機会はありますか。

N:ふたつあります。ひとつ目は以前代表を務めた「山岳写真同人四季」の写真展が東京西新宿のヒルトピアアートスクエアであり、3月2日には私が「山岳写真撮影術・デジタル写真の作画方法」と題してギャラリートークをします。

ふたつ目はEIZOガレリア銀座で4月1日~12日まで写真展があり、5日にはセミナーを開催します。お近くの方は、ぜひ聞きにいらしてください。

(聞き手=久保田賢次・『週刊ヤマケイ』編集長)

20142/27~3/12

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八ヶ岳、赤岳東壁・センターリッジ積雪期初登(山口耀久、石田亘、古平昭。1955年8月14日に山口耀久らが登ったルートの積雪期初登。1957年・昭和32年)
ギャラリー/山岳写真同人四季写真展「我が心に映る山」
東京・新宿のヒルトン東京B1F・ヒルトピア・アートスクエアにて、3月11日まで開催。10:00~19:00.3月2日には山岳写真家・中西俊明さんのギャラリートークも開催。詳細は下記URLより。
http://www.doujin-siki.com
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北アルプス、前穂高岳、下又白谷菱型岩壁・JECCルート積雪期初登(成瀬和男、磯野剛太、藤原一孝。1968年7月27日JECCの加藤滝男らの初登以来11年目の積雪期初登。1979年・昭和54年2/26~2/28)
ギャラリー/風景写真家・須賀武継写真展「奥会津」最終日
郡山在住の須賀武継さんの写真集『奥会津』の出版を記念して、東京・池袋のジュンク堂書店池袋本店7F壁面で開催されている写真展の最終日。詳細は下記URLより。同書店で「奥会津ブックフェア」も3月10日まで開催中。
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=4228
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1 谷川連峰、幽ノ沢、右俣・右俣リンネ積雪期初登(篠原隆夫、林与四郎。雪崩の危険が極めて大きいルートなので、意図して夜間登攀を行なった。1964年・昭和39年3/1~3/2)
TV/BS-TBS『日本の名峰・絶景探訪』
名峰や日本の原風景を、臨場感あふれる映像で紹介する紀行ドキュメント番組。この日は1月25日に放映され好評だった「雪煙舞う厳冬の安達太良山」のアンコール放映。温泉ソムリエの資格を持ち、温泉レポーターとしても活動する女優の春馬ゆかりさんが山腹の温泉を堪能します。21:00~21:54
http://www.bs-tbs.co.jp/meihou/
2 北アルプス、毛勝山・北西尾根から剱岳へ縦走(脇坂誠、斉藤惇生ら京都大学山岳部19名。剱岳北方稜線・毛勝山から剱岳まで積雪期に達した初めての記録。1955年・昭和30年3/2~3/30)
イベント/山岳写真家・中西俊明さんのギャラリートーク
2月27日から3月11日にかけて東京・新宿のヒルトン東京B1Fで開催されている山岳写真同人四季写真展「我が心に映る山」のギャラリートークイベント。13:00~15:00。申し込み受け付けは当日会場にて。参加無料。詳細は下記URLより。
http://www.doujin-siki.com
3 北アルプス、白馬岳から前穂高岳へ縦走(傘木徳十、増田昌司、小山義治、太田年春。たくみにサポート隊を配して大縦走に成功。部分的に同行したものはいるが、全行程を通して縦走したのは上記4人。1953年・昭和28年3/3~4/1)
机上講座/ヤマケイ登山教室・山岳気象大全「山の天気サイトの利用法」
山岳気象予報士の猪熊隆之氏を講師に迎え、山岳気象を学びます。15:00~16:30と19:00~20:30。昼の部はまだ空きがありますが、夜は残席わずかです。受講料1,000円。会場は東京・西新橋のアルパインツアーサービス本社特設説明会場。詳細は下記URLより。
http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1199(昼の部)
http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1157(夜の部)
4 河野兵市、北極点単独徒歩到達へ出発(ワードハント島から出発し、4回の補給を受けて北極点に到達。単独徒歩到達は世界で3人目。1997年・平成9年3/4~5/2)
ギャラリー/黒部と槍 冠松次郎と穂苅三寿雄
黒部渓谷の紀行と地域探査で知られる冠松次郎と、山岳写真や播隆上人の研究で知られる穂苅三寿雄を紹介する展覧会が東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催されます。現存するオリジナルプリントやさまざまな資料でふたりの偉業に触れられます。5月6日まで。詳細は下記URLにて。
https://syabi.com/contents/exhibition/index-2145.html
5 北アルプス、剱岳、黒部ダム~丸山南尾根~内蔵助平~八ツ峰1峰東面・3稜~主稜~剱岳登頂(菅沢豊蔵、節田重節、西村一夫、坂本文男。積雪期における末端から剱岳までの八ツ峰縦走は1963年3月31日~4月3日の1峰・2峰右稜~主稜に次ぐ記録。明治大学山岳部部員12名で入山、真砂尾根上にABC設営。1965年・昭和40年3/5~3/24)
6 登山家・加藤保男、埼玉県大宮市に生まれる(1949年・昭和24年)
7 北アルプス・北仙人尾根から剱岳登頂(傘木徳十、福島与一、蛭間猛臣ほか7名。傘木リーダーの下、極地法を駆使して3月25日、福島と蛭間が剱岳登頂。なお北仙人尾根はこのときが積雪期初登。1951年・昭和26年3/7~3/30)
8 北海道・利尻山、南稜に積雪期初登(小松英夫、太田年春、平沢行哉。昭和30年1955年3/8~4/3)
イベント/大阪アウトドアフェスティバル2014
大阪市のインテックス大阪で開催される、日本最大級のアウトドア・レジャー総合イベント。3月9日まで。入場料は大人1,000円、小学生500円。詳細は下記URLより。
http://www.tv-osaka.co.jp/outdoor/
9 長谷川恒男、アイガー北壁1938年ルートを冬季単独初登攀(前年のマッターホルンに次ぐ三大北壁ふたつめの冬季単独初登攀。1978年・昭和53年)
10 北アルプス・前穂高岳、屏風岩東壁雲稜ルート~前穂高岳東壁Dフェース・都立大ルート~北穂高岳滝谷・クラック尾根~槍ヶ岳に縦走(遠藤由加、長尾妙子。同年秋に予定のチョ・オユー南西壁のトレーニングの一環として行なわれた継続登攀。1994年・平成6年3/2~3/10)
机上講座/ヤマケイ登山教室・山岳スキルアップ講座「雪山発展技術・トレースのない山へ」
登山のスキルを総合的にブラッシュアップする机上講座です。講師は山岳ガイドの武川俊二氏。19:00~21:00、受講料1,000円。会場は東京・西新橋のアルパインツアーサービス本社特設説明会場。詳細は下記URLより。
http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1163
11 北アルプス・薬師岳から黒部五郎岳に縦走(山本保、森鼻英雄、滝山養、津野清也、佐伯宗作、佐伯福松。薬師には3月18日、黒部五郎には19日に登頂。1928年・昭和3年3/11~3/21)
机上講座/ヤマケイ登山教室・山のファーストエイド「リフティング、移動・搬送」
日本山岳協会遭難対策委員の悳(いさお)秀彦氏を講師に迎え、山で不測の事態が起きた時に必要な基礎知識とスキルを学びます。19:00~21:00、受講料2,500円(教材費含む)。会場は東京・西新橋のアルパインツアーサービス本社特設説明会場。詳細は下記URLより。
http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1136
12 北アルプス・鹿島槍ヶ岳・信州側トラバースに成功(井上奨、浅野喜雄、小山正衛、細井二郎、永井努。戦時下における、極めて特異なコースからの積雪期鹿島槍登頂。1943年・昭和18年3/12~3/29)
机上講座/ヤマケイ登山教室・地図読み入門「地形図とコンパスの基礎知識」
山岳ライターの佐々木亨氏を講師に迎え、地図読みを学びます。19:00~20:30、受講料1,000円。プレート付きのコンパスを持参のこと。会場は東京・西新橋のアルパインツアーサービス本社特設説明会場。詳細は下記URLより。
http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1160


北海道・旭岳

天候、雪面など好条件がそろった1日。

青空の中、旭岳頂上を目指して登る同行者(写真=谷水 亨)

北側の稜線から見た旭岳頂上と遠方にはトムラウシ山と十勝連峰(写真=谷水 亨)

2月25日、快晴

北海道の最高峰、旭岳(2290m)に友人と登ってきました。

ロープウェイ駅で得た情報では、姿見駅から上は5日ほど降雪が無いうえ、クラスト状態のためスキーやボードでは楽しめないとのことでしたので、私はスノーシューとアイゼンを持って登ることにしました。姿見駅からは坪足でも大丈夫なくらい氷面化しており、スノーシューを装着したものの、始めからアイゼンでも良かったくらいです。

天候も快晴で風もなく、順調に登り、2時間10分で山頂に着くことが出来ましたが、このままピストンで降りるのは面白味がありません。地獄谷の北側の稜線を登って来たので、谷を一回りするため南側の稜線を降りてきました。もちろん正規の登山ルートではないのですが、天候、雪面、降雪状態などの条件が揃っていたため判断できたルート設定でした。

(文=谷水 亨)

北海道・三段山

十勝連峰でバックカントリースキーを楽しむ。

1400m付近でヒザラッセルからようやく解放され、標高を稼ぎ出す同行者たち(写真=谷水 亨)

三段山頂上から富良野岳方面の眺望(2013年3月4日撮影・写真=谷水 亨)

2月20日、晴れ(頂上は曇り)

友人とふたりで楽しもうと三段山に出かけましたが、登山口の白銀荘で他の友人グループと出合い、総勢6名で登ることになりました。

昨晩15cmほどの降雪はあったもののトレースは残っており、比較的楽なラッセルで始まりました。しかしトレースの深さはヒザ上まであり、トレースがなくなり始めた1250mから1450m付近までヒザラッセルを友人と交代で登りました。

普段ならここからは風が付く所なので雪面はクラスト状態やシュカブラが多くなり、滑走には向かないのですが、今日はしっかりと雪が着いていたので、さらに登り詰めました。

しかし1600m付近で雪がちらつき始め、やがてホワイトアウト状態になり、これ以上登るのは危険と判断し、視界が開ける1500m付近までメンバーを確認しあいながら、小刻みに滑走して降りてきました。途中、緩斜面では腰まで埋まり、スキーでも漕がなくてはならない斜面もありました。

これからは気温も緩み、雪崩が多くなります。天候や降雪状態の把握はなるべく長い日数から調査し、地形の把握とリスクを回避するコース取り、滑走のルールを守ることが必要です。

(文=谷水 亨)

福島県・安達太良山

厳冬期には珍しく穏やかな安達太良山を楽しむ。

牛ノ背から沼ノ平を俯瞰する(写真=曽根田 卓)

峰の辻から安達太良山頂を望む(写真=曽根田 卓)

2月24日、晴れ

冬の安達太良山は晴れていても強風が吹き荒れることで有名な山です。

しかしあだたら高原スキー場を起点としてアプローチが簡単なため、冬山の入門編として多くの登山者に親しまれている山でもあります。この日は晴れの天気予報を見て久しぶりに安達太良山を目指しました。

今回はスキー場~薬師岳~安達太良山~牛ノ背~峰の辻~勢至平~スキー場の周回ルートです。従来はあだたらエキスプレスと呼ばれるゴンドラを利用して6~7分で薬師岳に達しましたが、この冬は諸般の事情によりゴンドラが休止になっていました。右手奥のゴールドラインリフト1基のみが登山者の利用が可能となっていて、シリウスゲレンデトップの標高1160mから自力で登って行かねばなりません。

五葉松平までは雪が深い場所もありますので、カンジキやスノーシューを履いたほうが楽に登れます。しかし、山頂直下の大雪原から上部は雪面がクラストしていますので、アイゼンの方が安全に登れるでしょう。

帰路は勢至平を周回しましたが、視界がきけばトレースがはっきりしているので、道迷いの心配はあまりないと思います。

(文=曽根田 卓)

福島県・磐梯山

厳冬期にのみ現われる「イエローフォール」。

雪をかぶったイエローフォール(写真=福井美津江)

強風の中、櫛ヶ峰山頂へ向かう(写真=福井美津江)

2月22日、くもり

厳冬期に現われる凍った滝「イエローフォール」は文字通り黄色の滝で、黄金色にも見えます。今年は特に色みがはっきりしているとのこと。

この日は裏磐梯スキー場ゲレンデ脇の林の中を登りはじめました。リフトを使うこともできます。凍って雪をかぶった銅沼の上を進み、雪原に出ると黄色の滝が見えてきます。ここはガイドさん付きのスノーシューツアーが人気のようです。

滝を眺めた後、磐梯山山頂のやや北東に位置する櫛ヶ峰を目指しました。厳しい登りです。残念なことに強風のため、磐梯山山頂との分岐で引き返しました。

(文=福井美津江)

北アルプス・槍ヶ岳

雪を確かめながら飛騨沢を登る。

槍ヶ岳(写真=兼岩一毅)

槍ヶ岳山頂より、手前に槍ヶ岳山荘、中央に中崎尾根、奥に笠ヶ岳が見える(写真=兼岩一毅)

2月22日~23日、晴れ

天候の良い週末を狙って、かねてから計画していた槍ヶ岳に登りました。

このところの大雪も安定したと判断し、スキーで飛騨沢に入ります。1日目は、林道をラッセルし、白出沢出合に出た後、さらにそこからトレースのない林や沢を槍平小屋まで進みました。槍平小屋の冬季小屋は、屋根に分厚い雪が覆いかぶさっており、また、ドアも半分埋まっていました。このため、ここに泊まることを諦め、近くの林間にツェルトを張ることにしましたが、この付近では2008年1月に雪崩による死亡事故も起きており、幕営する場所選びには細心の注意が必要です。

翌日は早朝4時半より行動を開始。

槍平小屋を起点に槍ヶ岳を目指すルートは、雪崩リスクを回避するため、ここから中崎尾根か南岳西尾根に登るのが一般的なようです。しかし積雪状況や当日の雪質、気温などから、私は雪崩が発生する確率は低いと判断し、引き続き飛騨乗越に向けて、沢を詰めることにしました。

早暁、雲ひとつない空に満天の星が輝いています。月明かりが雪面に反射し、歩くのに人工的な明かりは必要ありません。昨日の午後に日光で融けていた雪は朝の冷気で再び固まり、スキーがよく走ります。飛騨沢上部、稜線直下の斜面はクラストし、所々アイスバーンが出ていました。手元の温度計は零下20度を示しています。

傾斜が増したためアイゼンに履き替え、スキーを背負って登ります。

稜線に出ると、あとは槍ヶ岳山荘の陰にザックを置き、穂先を往復するのみ。

部分的にクサリが雪で埋まっているため、上り下りにはピッケルがあった方が良いと思われます。

飛騨沢の滑降は快適とは程遠く、凍てついた危険な斜面を慎重に滑るだけでしたが、無事にこれを終え、帰路につくことができました。

(文=兼岩一毅)

※編集部注:冬の槍ヶ岳は雪山上級者にのみ許されたところです。雪山レベルが中級以下の方は安易に入ることのないよう、注意してください。

北アルプス・西穂高岳

快晴の稜線歩き。

西穂高岳山頂から見た奥穂高岳(中央)。左に涸沢岳、右に前穂に伸びる吊り尾根が見える(写真=兼岩一毅)

西穂高岳山頂から歩いてきた道を振り返る。遠くに乗鞍岳、その手前に焼岳、左側に上高地が見える(写真=兼岩一毅)

2月24日、快晴

週末から好天が続く槍・穂高連峰ですが、この日は新穂高ロープウェイを利用して西穂高岳を目指しました。

この時期、山麓を出発するロープウェイの始発は9時と、登山にはやや遅い時間です。そのため日帰りの登山者は、独標までの往復とする場合が多いようです。西穂高岳の山頂を目指すには、通年営業の西穂山荘に宿泊する方が無難でしょう。

しかしこの日は快晴で、風もない絶好のコンディションです。独標でのタイムリミットを11時半と定め、それより遅い場合は山頂を諦めることにして、出発しました。

山荘から独標までの間は幅も広く、特に危険を感じるところはありません。

独標直下の傾斜が急なので、引き返すとしたら、この手前になるでしょう。この日は週末の登山者により、ここも完璧なステップが切られていました。

予定より早いペースで進んだので、山頂を目指すことにします。ここからはリッジが続きますが、明瞭なトレースとステップがあり、雪も固く締まっていたため、大きな不安はありませんでした。

山頂に正午ごろ着くと、ひと通り写真を撮ります。東には霞沢岳と上高地、西には笠ヶ岳、遥か遠くに白山が、南には乗鞍岳、焼岳、北には槍・穂高連峰が見えました。そして狭い山頂で小休止した後、慎重に来た道を戻りました。

この日はすべての条件が揃っていて、安全に登り下りすることができましたが、雪や気象条件によって、難易度は大きく変わります。その時々で慎重な判断が必要でしょう。

(文=兼岩一毅)

※編集部注:冬の西穂高岳は雪山上級者にのみ許されたところです。雪山レベルが中級以下の方は安易に入ることのないよう、注意してください。

浅間山・黒斑山

浅間山の絶景が眼前に。

トーミの頭と山頂の間の稜線上から見た浅間山の雄姿(写真=辻野 聡)

表コースから望む絶景。アサマ2000パークスキー場の向こうには北アルプスが(写真=辻野 聡)

2月11日、晴れ

大雪をもたらした低気圧の第1弾が通過した後の2月11日(火)、浅間山の外輪山の黒斑山に行ってきました。登山口は車坂峠にあり、アサマ2000スキー場手前の高峰高原ビジターセンターと高峰高原ホテルの間。ビジターセンター前に駐車場があります。この日は20台ぐらいで、ほぼ満車でした。

黒斑山への登山道は、表と中の2コース。表コースは尾根沿いなので景色はいいのですが、若干距離が長く急登が2ヶ所ほどあります。中コースは樹林帯のなかを登山道が続きます。稜線へはこちらが最短です。

登りは中コースへ。登山道はトレースがしっかりあり、アイゼン(12本爪)で問題なく登れました(時々踏み抜きましたが)。雪道に慣れていない方は、スノーシューのほうが楽かもしれません。

表コースとの合流地点で稜線に出て、浅間山の勇姿がお出迎え。浅間山の絶景スポットでもあるトーミの頭への急登は、凍っている箇所もあるので注意してください。トーミの頭から黒斑山山頂へは緩い登りを20分ほどで到着です。

高峰高原ビジターセンターは土日祝日のみオープンですが、駐車場は平日でも利用可能です。登山道の情報はビジターセンターで入手できます。また、ビジターセンターにはスノーシューのレンタルがあり(高峰高原ホテルにもあり)、予約なしでも借りられますが、利用の際は念のため予約をしておいたほうがいいでしょう。

この後、14日(金)に湯の丸高原に行ったのですが、ここで第2弾の低気圧に遭遇。15日(土)の朝、ホテル前は腰まで雪に埋もれていました。峰の原高原に移動予定でしたが、道が雪に埋まって街に降りられません。除雪車が上がってきたのは午後になってから。この日の予定はキャンセルで、佐久に宿を取ることになりました。街に降りると積雪は腰の高さまであり、国道は渋滞で動かず、街の中の道路は車1台通るのがやっとの幅しかありません。

なんとかビジネスホテルに到着して、ようやく事の重大さを理解しました。高速道路も国道も通行止めで、佐久は陸の孤島となっていました。街中に動けなくなったトラックが停まっており、特に佐久IC周辺はトラックだらけ。コンビニやレストランでは食料品が徐々になくなっていきました。

佐久で3泊しましたが、人間の微々たる力では、自然の驚異的な力に到底かなわないと実感した4日間でした。

(文=辻野 聡/山岳ライター)

霧ヶ峰・車山

夕景の山を歩きました。

御嶽山に日が沈みます(写真=鈴木さとし)

八ヶ岳の右に富士山も見えました(写真=鈴木さとし)

2月22日、晴れ

大雪が2週連続しましたが、この1週間は積雪もほぼなく、雪もだいぶしまって人気ルートは数多くのトレースもあり快適です。

今回は、快晴だから出来る夕景の霧ヶ峰スノーシュー登山です。道路は除雪のおかげで車山肩に駐車でき、そこから大きく周回して最高峰・車山を目指しました。

初雪山、初スノーシューのメンバーもいて、予想外の快適さと楽しさにみんながはしゃぎます。日没時に下山の設定で、紅く染まっていく景色に感動。しかし、だんだん増してくる日陰の暗さと気温の低さに、厳しさも感じます。今回は雪崩が出ている斜面はありませんでしたが、急斜面やその下方に入るには慎重な決断が必要です。

(文=鈴木さとし/登山ガイド)

霧ヶ峰・八島ヶ原湿原一周

はじめてのスノーシューハイキング。

青と白のコントラストが美しい一面の銀世界を歩く。本日はほぼ貸し切り状態(写真=奥谷 晶)

2月23日~24日、快晴、微風

120年ぶりの大雪で通行止めが続いていた中央道も50km規制ながらようやく開通したので、かねてから計画していた霧ヶ峰のスノーシューハイキングに出かけました。雪山・スノーシューともに初体験の娘ふたりをつれての山行です。

23日は鷲ヶ峰ヒュッテで、スノーシューをレンタル。ヒュッテのご主人から簡単なレクチャーをうけて周辺への足慣らしの雪上散歩をして、その日はヒュッテに一泊。夕日を眺めながらの風呂と絶妙なフランス料理を堪能しました。

翌日は八島ヶ原湿原をゆっくりと一周。両日とも文句なしの快晴に恵まれ、朝方の冷え込み(マイナス15.6度)で表面はクラストしていて歩きやすく、白一色の世界を縦横に歩き回りました。ただし湿原の中に入ることは厳禁です。

娘たちはすぐにスノーシューでの歩行に慣れて、雪のハイキングを楽しんでいたようです。トレールは土日でしっかりついていて、トレールのないところでも10cmほど沈むくらいで快適でした。ただ体重差のせいでしょうか、娘たちが平気なところでも、私は踏み抜いて脱出に苦労するところが時々あって、苦笑させられました。

ワカンの人もいましたが、やはり踏み抜きには苦労しているようです。スキーもおひとり。ある程度の急傾斜も、しっかりスノーシューで「蹴り込む」感覚を身につければ登下降できることがわかり、雪山ハイキングの世界がぐっとひろがる気がしました。

雪山初心者にも最適なフィールドですが、先週の暴風雪の時は何も見えないホワイトアウトになり、雪は1m40cmも積もったそうですので、天候と気温には要注意です。

(文=奥谷 晶)

奥武蔵・龍崖山

思い立って出掛けた近所の雪山。

我が家が見えた! 画面中央、赤い屋根の小さな家(写真=打田鍈一)

ヘッデン無しで雪の杉林を下る。実際にかかった時間よりも長く感じた(写真=打田鍈一)

2月18日、晴れ

龍崖(りゅうがい)山は飯能市街地の西方に、天覧山~多峯主山と名栗川を挟んで盛り上がっています。近年登山道が整備され登山者も増えているようです。私も何度か訪れていますが、豪雪後はどうかな?と午後になって家を出ました。

雪がたっぷりあるからいつもより時間がかかるとは思っていましたが、予想以上。天覧山や多峯主山、日和田山もこの雪の後に歩いたのですが、登山者はそれらの山よりかなり少なく、もちろん誰にも会いません。

頂上から我が家を望めたのは初めてでした。龍崖山公園への縦走路では道を間違えて戻ったり、新しい展望台に立ち寄ったりなどするうち、あさひ山展望公園に着くと、もう日没。真っ暗な杉林の尾根道をトレース頼りにとぼとぼ下ったのでした。

いつもは2時間ほどのコースですが、3時間20分かかりました。

(文=打田鍈一/山歩きライター)

奥武蔵・日和田山の岩場

埼玉県日高市の山々には雪がたくさん残っていました。

クライマーの背中側に写っているのが、雪で倒れた杉の木(写真=松浦寿治)

昨年、男岩および女岩上部のテラスは20本ほどのボルトで整備された(写真=松浦寿治)

2月23日、晴れ

秩父には大雪で孤立している世帯がまだ多数あるのですが、登山教室を経営している投稿者としては、これ以上2月の山行予定を中止には出来ないという事情がありました。ふだんの日曜日はとても混んでしまうのですが、雪だったらそれも避けられるだろうという考えもありました。

「雪がいっぱいで、ビニールシートを持っていかないと物が置けないけど、岩は乾いているよ」と木曜日に行った友人から電話が入っていたので、日和田山の岩場に行くことを決定しました。

男岩の南面の岩場から2mくらい離れた所に、直径15cmほどの杉の木が雪の重さで70度ほど傾いていました。岩場に持たれかかってはいないのですが、上のテラスからロープを投げると、この杉の木にひっかかる位置です。せっかくなのでロープを投げないで懸垂下降のロープを張る方法の練習をしました。

その後、男岩の西面に移動。西面の左側は陽が当たるので暖かいのですが、右側(松の木ハングルートのあたり)はずっと陽があたらないので、氷を持つみたいに冷たかったです。

岩場へのアプローチは登山靴か長靴が良いです。森の中の岩場なので、雪はあと2週は残るかもしれません。

(文=松浦寿治/登山教室Timtam代表、山岳ガイド)

高尾・日影沢~小仏城山~高尾山

バスの運行が再開しました。

日影沢林道の様子(写真=田邉 綾)

小仏城山の様子(写真=田邉 綾)

2月23日、晴れ

小仏方面のバスの運行が再開したこともあり、日影沢林道はしっかりトレースがついています。とはいえ、日当たりの悪い所では60cmほどの積雪があり、特にすれ違いの際は雪を踏み抜く事もあるので、アイゼンはもちろん、スパッツの着用もおすすめします。

小仏城山では景信山方面から来た人たちも多く、お茶屋は営業してなくとも休日らしいにぎわいを見せていました。小仏城山から高尾山にかけての尾根道は、既に多くの人によって雪が踏み固められています。対して巻き道はまだ人の立ち入りが少ないため、無理せず尾根道をご利用ください。

現在、陣場山方面のバスも通常通り運行していますが、高尾山に比べて利用が少ないため、トレースがしっかりついていない可能性があります。無理のない登山を心がけ、場合によっては引き返す選択も必要です。

なお、この度の記録的な大雪により甚大な被害を受けた奥多摩の山域では、登山の自粛をお願いしている場所や入山を規制している場所もあります。電車やバスが運行していても、登山が可能であるかを事前に調べた上で計画を立てましょう。

(文=田邉 綾/東京都レンジャー 高尾地区)

丹沢・塔ノ岳

今年は丹沢でも稀にみる雪の多さです。

雪景色の表尾根と大山(写真=三瓶雄士郎)

塔ノ岳山頂(写真=三瓶雄士郎)

2月17日、晴れ

2月14日に降り始めた雪は、大倉登山口付近で10~25cmの積雪を記録しました。山小屋の情報では、丹沢山では200cmを記録したそうです。

この日、15人ほどの登山者と一緒に大倉のバス停で降り、大倉尾根を登って行くと徐々に雪が深くなりました。見晴茶屋付近(標高約600m)から上は階段がわからないほどに積もっていますが、登山者が訪れているのでトレースはついています。

雪質は金冷シ(標高1368m)を境に、重たく湿り気のある雪から軽くさらさらした雪に変わりました。

塔ノ岳山頂(標高1491m)の積雪は100cm以上。指道標や山小屋の出入り口が埋まるほどの雪でした。眺めはとても良く、西側は丹沢主稜、富士山、南アルプスなどが望め、東側は大山、江ノ島、宮ヶ瀬湖を望むことができました。他にも白くなった秦野盆地や相模湾などが一望できます。

今回の積雪では交通に障害が出ています。大倉行きのバスは運行していましたが、他の登山口まで向かうバスが不通になっていたり、駐車場が利用できない場合があります。交通情報や登山道情報を調べてから、冬の丹沢にお出かけください。

(文=三瓶雄士郎/神奈川県立宮ヶ瀬ビジターセンター)

丹沢・三保ダム~大野山

読図トレーニングをしてきました。

自分の位置を確認(写真=大津洋介)

大野山から丹沢の山々を望む(写真=大津洋介)

2月23日、晴れ

読図のトレーニングに三保ダム~シダンゴ山を歩く予定でしたが、あまりの積雪の多さに途中から大野山へコースを変更しました。

丹沢湖バス停から神社へのちょっとした階段の登りはヒザ上、神社からの縦走路も所々ヒザまでの積雪でしたが、南面の巻き道では雪のないところもあり、日当たりの良いところでは早くもフデリンドウの花が咲いていました。

標高500mを越えると急に雪は多くなり、積雪70cm程度、トレースはなくざらめ状の雪をラッセルするのに時間をとられました。大野山への分岐前の急登では腰ぐらいまで潜るところもありました。

分岐で目的地を大野山に変更、ここから先も積雪が深く予定外の時間を要しました。大野山に続く林道は工事のためか除雪されていました。山頂からの丹沢の山々はアルプスのように真っ白でした。

下山は谷峨へ。雪は所々深いところもありましたが、南面なのでほとんどが腐れ雪でした。

重い雪のラッセルに苦しめられた約7時間30分の行動時間でしたが、トレースがなかったので読図の良いトレーニングとなりました。

(文=大津洋介/無名山塾・こぐま自然クラブ)

神奈川県・鷹取山の岩場

大雪による混乱は少ないようでした。

鷹取山の岩場、子不知エリア電光クラックをトップロープで登る(写真=松浦寿治)

親不知(展望台)エリアのアルパインルートをダブルロープで登る(写真=松浦寿治)

2月22日、晴れ

雨、雪、雪と山に行けない土日が3週続いた、この2月。4週目にようやく晴れ予報が出ましたが、中央線など内陸に向かう交通機関はまだ完全復活していない状況でしたので、土曜日は北横須賀の鷹取山の岩場に行って来ました。

写真でもおわかりのように、岩場の下の雪は日陰の前浅間エリア以外はどのエリアもなく、ロープやクライミングシューズを濡らさずにクライミングをスタートできます。

寒気がまだまだ居座っていて10度に満たない気温でしたが、陽の当たる岩面は暖かく登りやすい状態でした。

(文=松浦寿治/登山教室Timtam代表、山岳ガイド)

奈良県・観音峰

大峰奥駆道の銀嶺を心行くまで眺める山行。

青空に霧氷の花咲くトレイルは、誰をも幸せな気分にさせてくれます(写真=山口敬二)

展望台からは山上ヶ岳、大日山、稲村ヶ岳、バリゴヤの頭など大峰の名だたるピークの連なりが望めます(写真=山口敬二)

2月16日、雪のち晴れ

世界遺産である奈良・大峰奥駈道の素晴らしい眺望を楽しめるのが、観音峰(1347m)までのパノラマ登山コースです。

2週続きで大雪をもたらした後のこの日、終日晴れの天気予報に早朝から張り切って車を走らせました。しかし天川村に入る頃からは、どんよりとした空に舞う雪が降り止みません。深雪にスタックする車も続出する中、なんとか登山口の駐車場に車を停めることができました。

つづらおれの樹林帯の雪道を登ると、1時間半ほどで展望のいい尾根に飛び出します。タイミングよくこの頃から青空がのぞくようになり、行く手の観音峰も上から微笑みかけていました。積雪は深く、このあたりで1m以上はあったでしょうか。それでも人気のこのコースではラッセルの苦労もなく、青空に霧氷が映える最高のロケーションでスノーハイキングを満喫することができました。

今年は観音峰のピークを示す道標も埋まっていて、行き過ぎてしまう人も多かったようです。樹林のなかのピークでは展望はききませんが、まぶしい雪面に腰をおろしテルモスの熱いコーヒーを注ぐと、至福のひとときです。

ここから法力峠を経て洞川へ下りることもできますが、ここで折り返すハイカーがほとんどでした。帰りはワカンをはめて、美しい林のなかを縦横無尽に歩きました。そしてもう一度、尾根の展望台からの眺めを楽しみます。ここから駐車場までの下りはワンピッチ。時間の許す限り、心ゆくまで奥駈道の銀嶺を目に焼き付けていました。

(文=山口敬二)

鳥取県・大山北壁、七合尾根

冬の大山の初級バリエーションルート。

夏山登山道に合流する直前の雪壁を登る(写真=木元康晴)

登った七合尾根を背に元谷を下山(写真=木元康晴)

2月16日、晴れ

冬の山陰はどんよりとした天気が続きますが、2月もなかばになると、すっきりと晴れ渡る日も増えてきます。そんな日を狙って、大山北壁の右端に位置する、初級のバリエーションルートである七合尾根を登ってきました。

アプローチは大神山神社の参道を登って元谷に向かい、避難小屋の右手から。ツボ足でヒザ下くらいのラッセルをしつつ、七合尾根の末端を行者谷から巻くように取り付いて、順調に高度をかせいでいきます。

上下2段に分かれる七合尾根の中間部でアイゼンを装着し、傾斜が強い上半部へ。ところどころ凍結した尾根を、慎重に登っていきます。

途中からはアップダウンの多い尾根上を敬遠し、右の雪面へ。最後の傾斜の強い雪壁を登り切ると、夏山登山道と合流。やや遅い時間だったので頂上へは向かわずに、そこから一気に下山しました。久し振りに雪の大山を満喫できた充実した1日でした。

(文=木元康晴/登山ガイド)

※編集部注:このバリエーションルートは初級とはいえ、雪山上級者向けのコースです。雪山中級者以下の方が安易に入ることのないよう、注意してください。

鳥取岡山県境・津黒山台地~大谷峠

中央分水嶺も津黒高原を抜け、本格的な中国山地に入りました。

ホワイトアウト気味の津黒山肩の台地に到着しました(写真=舩越 仁)

晴れた日を想像しながら、広い雪稜を下ります(写真=舩越 仁)

2月17日、曇りのちみぞれ

津黒高原から人形峠までの約20㎞は1000m超の分水嶺稜線が続く本格的な中国山地です。幾つかの小さな峠があるものの、冬の間は通行不能の秘境になります。頼りになるのは鳥取側も岡山側も同様に、最奥の民家です。居住されている民家までは道路が除雪されているからです。今回、除雪最奥地点の鳥取県三朝町大谷集落が起点になります。

歩き始めはツボ足でしたが、すぐにカンジキを履くことになりました。谷沿いの林道を詰めますが埋まった林道は危険なため、予め想定していた尾根に取り付きました。それでも所要時間は想定外で、6日前に結んでおいた林道の県境リボン点に着いたときは既に12時10分でした。

ここから県境ラインを直登するにはロープでの安全確保が必要です。この雪壁に固執しないで、200m西の尾根に回り込み、今日の最高地点である津黒山(つぐろせん)台地1110mに到着しました。岡山県側に300m弱入り込むと津黒山頂上ですが、ホワイトアウト状態であることと経過時間を考慮し、頂上へは寄りません。密集したネマガリタケが雪の下に埋まっているこの雪原を、もったいなくも素通りです。

そのまま県境を東進し、林道大谷峠に着きました。ここから林道を下るより、次回のために更に東進しておきます。14時40分到着のコルを今日の終着点としました。そして長い林道を出発地点の大谷集落へ下りました。

今回はたった1.8km(2時間30分)の分水嶺稜線のために、登り2.8km(3時間20分)、下り4.3km(2時間)を要する効率の悪い山行となりました。それでも深雪の中を無事に下山出来たことに全員で感謝しました。次回も、この大谷集落を起点とする扇形周回になります。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会会員)

岡山県・山乗山~白髪山

鳥取県境に近い県北の山に登り、霧氷を楽しみました。

山乗山から続く霧氷の稜線を振り返る(写真=舩越 仁)

雪庇に覆われた白髪山頂上(写真=舩越 仁)

2月20日、曇り

鏡野町若曾の除雪地点からカンジキを履いて、冬季閉鎖の県道445峠に向かいます。その峠から尾根伝いに登るのが一般的なコースですが、私たちは県道途中から山乗(やまのり)山南峰に向かって伸びている尾根に取り付きました。しかしながら、急がば回れのことわざ通り、頂上手前の雪に埋まった大岩に悪戦苦闘する羽目になりました。

やっと登りついた難渋へのご褒美でしょうか、山乗山から白髪(しらす)山までの間には見事な霧氷が待っていました。広い真っ白な市町境界稜線はブナの霧氷林で、スノーハイクの醍醐味を味わいました。

帰路は3日前に通った県境稜線を大谷峠に下り、そこから林道と一部尾根を下って出発地点へ帰りました。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会会員)

山口県・周防大島、嘉納山

新雪に覆われた瀬戸内海の島の山に登る。

新雪に覆われた嘉納山直下の登山道(写真=木元康晴)

嘉納山頂上から見た雪の瀬戸内海の島々(写真=木元康晴)

2月18日、曇り時々小雪

瀬戸内海の明るい山を登ろうと考え、山口県の周防大島に向かいました。ところがこの冬、立て続けにやってきた南岸低気圧の影響は周防大島にも及び、登山当日の朝になって、島内の標高の高い地帯は、雪で真っ白になってしまいました。

それでも万が一を考えてメンバー全員が防寒着、手袋、スパッツなどの装備は持参していましたし、登山道そのものはなだらかなコースだったので、登山可能と判断。嘉納山の北にある、文殊堂の境内から歩き始めました。

まずは急な階段を登り、続いて遊歩道をたどって文珠山へ。開けた頂上から見渡す島々はいずれも白く、瀬戸内とは思えないような雰囲気です。

そこからは歩きやすい稜線を南に向かって、周防大島最高峰である嘉納山に到着。普段とは異なった島々の展望を堪能してから、往路を引き返しました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

福岡県・鳥屋山

石仏と岩場が楽しめる山へ。

クサリ場は慎重に登っていきます(写真=池田浩伸)

山頂に近づくにつれ、展望が広がっていきます(写真=池田浩伸)

2月17日、曇りのち雨

鳥屋山(とやさん)へ、キャンプ場から山頂と奥の院を往復しました。

キャンプ場下の駐車場に車を停めて歩き出します。キャンプ場を過ぎ、滝の上へ回りこんだ谷沿いの道付近から木立の間には、うっすらと雪が残っていました。支尾根の登りになる6合目付近では雪がだんだん深くなり、足首くらいまでの深さになりました。ここでは古い足跡がひとつだけ残されていました。

8合目のクサリ場を慎重に越えて、山頂部に出ると20cm以上の積雪でした。ここから先は足跡もなくなり、真っ白な雪面が山頂まで続いています。展望の良い山頂からは、白く雪をかぶった英彦山や古処山などを見ることができました。

尾根伝いに東の奥の院まで行くと、雪の中にたくさんの石仏が祀られています。途中の展望の良い女岩男岩は、雪のため登らずに下山しました。

思わぬ雪で、新雪を踏んでの静かな山が楽しめました。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

佐賀・金敷城山

梅が咲き始めました。

巨石パーク管理棟付近の梅と紅梅(写真=池田浩伸)

2月24日、晴れ

乙文殊宮(おつもんじゅぐう)から金敷城山(かなしきじょうやま)に登り、巨石パークへ下山しました。

巨石パークのエントランスに車を停め、車道を1kmほど南へ歩くと乙文殊宮があります。階段を登り、参拝してから登山道へ入りました。乙文殊宮は、知恵の神様・文殊菩薩が祀られていています。佐賀県内にはここだけしかなく、字が上手になり、入試や就職試験に合格するための知恵を授けてくれる神様として信仰されています。

登山道の途中には、川上石丁場(かわかみいしちょうば)跡や乙文殊上宮があります。川上石丁場跡は約400年前の遺跡で、佐賀城など大規模な土木工事で石採りが行われた遺跡です。乙文殊上宮の社には、入試や就職のための願い事がたくさん書き込まれていました。

324ピークから金敷城山分岐までは快適な道です。分岐から右へ折れ林道を右斜め方向へ進むと、左に上る階段があり、すぐその先が山頂です。標識もなく分かりにくい所です。山頂には石の祠が祀られ、ひっそりとしていました。

下りは分岐まで戻り、巨石パークへ向かいます。巨石群を見ながら管理棟まで降りると、梅や紅梅が綺麗に咲いていました。春の桜も見事なので楽しみです。

巨石パークの国道沿いのエントランスは、無料で駐車できます。パーク内の登山口へ駐車するには駐車料金が必要になります。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

北海道・中山峠、蓬莱山

自然の造形美を眺めながらの雪原散歩。

雪原に残る無数のスノーモービルの走行跡(写真=蓮井美津夫)

鉄塔群が目印の蓬莱山(写真=蓮井美津夫)

2月23日、曇り

2月も下旬に入ると日中の気温がプラスになる日もあり、道路には融けた雪で水たまりが出来るような日もあります。しかし山の積雪量は最高潮。天候と機会に恵まれずに時は過ぎ、何とかタイミングを合わせて近場のスポットへ出かけます。札幌から洞爺湖、ニセコ方面につながる交通の要所・中山峠周辺の雪原と蓬莱山を目指しました。

約1ヶ月前に来た時に比べ積雪量は倍以上で、場所によっては3m近く積もっている雪原を歩き出します。前日までの降雪でトレースはなく、蓬莱山方向に向かって伸びるスノーモービルの走行跡を利用し進むも、途中から走行跡の方向が変わったため、自力の単独ラッセルとなりました。雪が深く思うように進めず、蓬莱山の頂上はあきらめて、木と雪が作りだした自然の造形美を見ながらの雪原散歩となりました。

(蓮井美津夫/北海道/55歳/よく行く山:道央の山、大雪山)

丹沢・大山

大勢の登山者で山頂はにぎわっていました。

大山山頂からの展望。左から愛鷹山、富士山、塔ノ岳。遠くに南アルプスを望む(写真=谷上俊三)

真鶴半島、伊豆半島、初島、伊豆七島を望む(写真=谷上俊三)

2月16日、快晴

快晴に恵まれた日曜日、早朝から丹沢・大山を登りました。山頂までの登山道は40から60cmの積雪ですが、すでにどなたかが歩いてトレースをつけておいてくださいました。脇道の「かごや道」やヤビツ峠からの「イタツミ尾根」はまだ誰も歩いていなかったようです。山頂の積雪は60cmくらい、吹溜りで1m以上でした。

神奈川県丹沢山塊も豪雪に見舞われましたが、この日は日曜日ということで、昼ごろには大勢の登山者でにぎわっていました。

(谷上俊三/神奈川県/73歳/よく行く山:丹沢大山、陣場山ほか)

六甲山

子どもから年配者まで楽しめる山。

ロックガーデンを登る親子(写真=板谷 薫)

雪道を有馬温泉へ(写真=板谷 薫)

2月23日、晴れ

朝8時に阪急芦屋川駅を出発。駅前は多くのハイカーでにぎわっていました。8時40分、高級住宅街を抜けて2軒の茶屋を抜けると、落差6mの高座の滝があり、横の岩壁には近代登山の生みの親とされる藤木九三氏(1887~1970年)のレリーフが埋め込まれています。

この滝の横から岩場のクサリ場もあるロックガーデンの中央尾根の登りが始まります。人気コースなので休日には渋滞することも。

急坂を登り終えると標高447mの風吹き岩があり、眼下には芦屋の住宅街が望めます。大阪湾越しには和泉山脈が浮かんでいるはずですが、この日は霞んで見えませんでした。ここから残雪があり、軽アイゼンを着用します。

芦屋ゴルフ場を横断し、登り降りの連続で山頂直下の一軒茶屋に到着。2時間のコースです。ここまで来るとドライブウェイがあり、人工スキー場や高山植物園、六甲山牧場などの観光施設があり、車もチェーンを巻いて上がって来ていました。931mの山頂まではあと10分ほどの距離です。

山頂を踏んだ後は、日本3大名湯のひとつ、豊臣秀吉開湯の有馬温泉街へ1時間少々の下りです。金湯に浸かり、バスで家路に着きました。

今回は全行程15kmのコースですが、六甲山には他に登山コースが20以上あり、子供から年配者まで楽しめます。

(板谷 薫/大阪府/78歳/よく行く山:六甲山、近畿の山)

福岡県・岳滅鬼山

凍てつく山からのプレゼント。

苦労の果て、霧氷の華咲く岳滅鬼山山頂へ(写真=長谷川守克)

氷のオブジェを眺めながら凍てつく縦走路を進む(写真=長谷川守克)

2月9日、曇り一時晴れ

北九州地方にも今冬一番の寒波が襲来。霧氷を期待して、英彦山系の岳滅鬼(がくめき)山を山友と歩いてきました。

ルートは予想以上に雪深く、トレースもまったく無いので交代でラッセルする、きつい山行ではありましたが、山頂一帯は純白の雪原に霧氷の華咲く素晴らしい光景でした。真冬ならではの絶景を目にする事ができ、疲れが一気に吹っ飛びます。とにかく素晴らしい光景で、苦労した後に神様から素晴らしいプレゼントを頂いた気分でした。雪の岳滅鬼山は過去何度と歩いていますが、この様な光景に出逢ったのは初めてです。

(長谷川守克/福岡県/65歳/よく行く山:九州全域)

熊本県・やくし山

春の使者フクジュソウを求めて。

冬陽を浴び黄金色に輝くフクジュソウ(写真=長谷川昭子)

マロン岩峰をめざし岩尾根を進む(写真=長谷川昭子)

2月23日、晴れ時々曇り

毎年この時季になると春の訪れを告げる花、フクジュソウ鑑賞を目的に九州の何処かの山に出掛けています。今年は球磨郡山江村に位置する、未踏のやくし山(999m)からマロン岩峰(1064m)を歩いてきました。ここは熊本百名山にも選定されている山です。

長やぶ谷登山口をスタートし、やくし山山頂をめざしました。沢沿いの道から植林帯の急勾配の道を進むと、自然林の雰囲気のいい尾根道となります。天候にも恵まれ、爽快な気分で歩を進め、やくし山山頂に到着しました。記念写真を撮った後、本日の主目的地であるフクジュソウ群生地では、冬の陽を浴びて黄金色に輝く花が出迎えてくれました。しばらく花を愛でたのち、ヤブを漕いでマロン岩峰をめざします

岩峰からは霧島連山なども確認でき、大展望を味わった後、無事登山口に到着しました。

登山道は、やくし山山頂までは全く問題ありませんでしたが、その先のマロン岩峰間は、踏み跡の薄い個所やヤブ漕ぎもあり、慎重に行動する必要があります。

(長谷川昭子/福岡県/64歳/よく行く山:九州全域)

週刊ヤマケイ「読者の登山レポート」「遭難防止オピニオン」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんの登山レポートを募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

「遭難防止オピニオン」につきましては、文字数400字程度でお願いします。ご自身の遭難体験についてお書きいただくときには、写真をつけていただくとありがたいです。お名前、メールアドレス、年齢、郵便番号と住所、登山歴、よく行く山名・山域も添えてください。「登山レポート」「オピニオン」ともに文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。また、日本山岳遺産基金のファイルに「蘇れ日本列島」というご投稿コーナーも設けました。全国各地の山岳地域で環境保全活動をなさっているかたがたのレポートなども、お待ちしております。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」または「週刊ヤマケイ・遭難防止オピニオン」「週刊ヤマケイ・蘇れ日本列島」とお書きください。

「みんな集まれ!なすかし雪遊び隊2014」参加者募集中

小学生のみなさん、栃木県の那須で雪遊びを体験しませんか。

展望台めざしてスノーシューでスイスイ?(2013年の活動より)

スノードームは暖かくて、楽しいよ!(2013年の活動より)

次世代育成にも取り組んでいる日本山岳遺産基金は、日本山岳協会が実施している普及活動も応援しています。この3月に栃木県、那須で行われる活動を紹介します。

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日本を代表する火の山那須。残雪と青空が輝き、木々の芽吹きも見られる春に雪遊びを計画しました。経験豊富な日山協のシニアがご案内。「那須甲子青少年自然の家」にみんな集まれ!

【日時】2014年3月26日(水)~27日(木)(1泊2日)

【ところ】福島県西白河郡西郷村「国立那須甲子青少年自然の家」26日11時集合

【内容】残雪でかまくら作り、そり遊び、雪上ゲーム、植物の芽吹きの観察、お楽しみ会、那須甲子高原・青少年自然の家散策など(登山は行ないません)。

※靴は自然の家で借りることができます。防寒服はご用意ください。必要な装備につきましては申込み受付後、受付確認票、健康確認票とともにお送りします。

【募集】小学生(小1から小4)20名(先着順)

【参加費】こども3,500円(保険料、宿泊食事1泊4食代等)

※現地までの交通費は各自ご負担下さい。送迎バス(東京発)利用は往復6,000円。

東日本大震災被災者の方は、送迎バスは無料です。

【申込み・問合せ】(公社)日本山岳協会事務局

〒150-8050東京都渋谷区神南1-1-1

TEL03-3481-2396/FAX03-3481-2395

【締切】3月3日(月)※締切日過ぎてのお申込みはご相談下さい。

【主催】(公社)日本山岳協会ジュニア・普及委員会 栃木県山岳連盟

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年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル概要発表会

9月20日~22日に群馬県で開催。

席が足りなくなるほど、沢山のトレイルランナーがつめかけた(写真=久保田賢次)

2月21日(金)、東京・市ヶ谷で第1回上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイルの概要発表会が開かれ、約160人のトレイルランナーらが集まった。

このレースは群馬県沼田市出身の登山家、山田昇さん(8000m峰14座のうち9座に12回登頂、1989年、39歳でマッキンリーにて遭難死)と、同じく沼田出身で山田さんとともに逝った三枝照雄さんの追悼と顕彰のため、1990年から開催されてきた10kgの荷物を背負っての名物レースを母体とするもの。

山田昇杯は2009年まで20回開催。1年休んで2011~13年は「上州武尊山スカイビュートレイル」、2014年から「上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル」と姿を変えて続けられているが、今回、新たに115㎞の種目ができたことで、さらに注目を集めている。

19時開会。まずは、開催地の川場村、みなかみ町、片品村を代表し、川場村の関清町長が挨拶、山田さんらとヒマラヤ登山を実践してきた群馬県山岳連盟の八木原圀明さん(日本山岳協会副会長)が発祥のころを語った。

続いて、鏑木毅、横山峰弘、星野緑さんら、今回の運営に携わるトップトレイルランナーが登壇、レースプロデューサーの鏑木さんが「日本で初めてのヨーロッパ型トレイルレース」としての魅力をアピールした。

60㎞、30㎞の部も同時開催されるが、3部門の選手がスタートからゴールまで、どういう流れでレース運びを見せるかのシミュレーションからは、当日の選手の汗、疲労、痛み、睡魔とのたたかい、涙、さらにゴール地点の声援まで聞こえてくるようで、とても興味深かった。

当夜は、東京マラソンの事前エントリーが開始されていたこともあってか、はるばる大阪方面から説明会に駆けつける人もあり、この大会の注目度と熱気が感じられた。

なお、この概要発表会は、山と溪谷社マウンテンスポーツネットワークプロジェクトの協力で行われた。同プロジェクトは、今後、トレイルランをはじめとする山岳スポーツ情報を発信していく予定だ。

(久保田賢次/『週刊ヤマケイ』編集部)


山の知識検定

Q:2月の終わりから3月の初めごろにかけて、日本海に低気圧が通過しながら発達すると「春一番」と呼ばれる南寄りの風が吹く。この春一番の説明のうち、誤っているものは次のどれか選びなさい。

1:気温が急上昇することが多く、積雪地帯では雪崩に注意する必要がある

2:低気圧が北海道の東海上に抜ければ、冬型となって気温は急激に低下する

3:冬型の気圧配置に戻ると、山岳地帯では新雪雪崩に対する警戒が必要となる

4:低気圧の通過後、日本海側から天候は急速に回復する

平成24年度「山の知識検定シルバーコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて


山の知識検定

Q:2月の終わりから3月の初めごろにかけて、日本海に低気圧が通過しながら発達すると「春一番」と呼ばれる南寄りの風が吹く。この春一番の説明のうち、誤っているものは次のどれか選びなさい。

1:気温が急上昇することが多く、積雪地帯では雪崩に注意する必要がある

2:低気圧が北海道の東海上に抜ければ、冬型となって気温は急激に低下する

3:冬型の気圧配置に戻ると、山岳地帯では新雪雪崩に対する警戒が必要となる

4:低気圧の通過後、日本海側から天候は急速に回復する

【正解】4

日本海に低気圧が入り、発達すると日本付近は南寄りの強い風が吹き、気温が急上昇する。しかも、この低気圧は日本の東海上で急激に発達するので、翌日は冬型の気圧配置となり真冬のような厳しい寒さに逆戻りし、新雪が積もり雪崩に対する警戒が必要である。また、日本海側で暖かい空気が流れ込むので、山岳地帯では雪崩に対する注意が必要となる。

平成24年度「山の知識検定シルバーコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

『定本 黒部の山賊』

戦後の北アルプス大衆登山黎明期、驚天動地の昔話

北アルプスの最奥部・黒部原流域のフロンティアとして、長く山小屋(三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋、湯俣山荘)の経営に携わってきた伊藤正一と、遠山富士弥、遠山林平、鬼窪善一郎、倉繁勝太郎ら「山賊」と称された仲間たちによる、北アルプス登山黎明期、驚天動地の昔話。近年は山小屋だけで買えた山岳名著が復活しました。

https://www.yamakei.co.jp/products/2813047680.html

担当編集者より:山岳名著の主要な作品は、文庫等でかなり復刻されていますが、読みにくかった名著の一冊が『黒部の山賊』です。昭和39年に実業之日本社から刊行され、その後、新版も刊行されましたが、近年は、著者の伊藤正一氏の経営する三俣山荘などの山小屋とそのウェブサイトだけで購入できる状態でした。にもかかわらず、「おもしろい」との噂が噂を呼び、若い登山者からも高い関心を集めて山小屋まで本を買いに行く人が続出、古本市場でも高値がついていました。今回、この雲上のベストセラーを、旧版になかったお話や写真を盛り込んで、装丁も新たに、『定本 黒部の山賊』として復刊しました。面白さは保証付き、この「嘘のようなほんとうの話」をお楽しみください。(勝峰富雄/山岳自然図書出版部・副部長)

●著者:伊藤正一/発売日:2014年2月22日/ページ数:224ページ/判型:四六判/販売価格:1,260円(税込)/ISBN:978-4-635-04768-5

2014年2月~3月の新刊
商品名 発売日 販売価格(税込)
『日本ロングトレイルガイドブック』 2/7 2,415円
『拾って探そう 落ち葉とドングリ・松ぼっくり』 2/7 2,310円
『山と溪谷3月号』 2/15 1,000円
ワンゲルガイドブックス10『春夏秋冬ハイキング』 2/21 2,100円
『新版 東海自転車散歩 愛知・三重・岐阜南部・静岡西部』 2/21 1,890円
『不思議な薬草箱 魔女・グリム・伝説・聖書』 2/21 1,575円
DVDブック『甲野善紀 甲野陽紀 驚くほど日常生活を楽にする 武術&身体術「カラダの技の活かし方」』 2/21 1,890円
『ふるさと富士名鑑』 2/22 2,310円
『コウノトリの翼~エコロジストのまなざし~』 2/22 1,470円
『インドア・ボルダリング練習帖』 2/22 1,680円
ヤマケイ文庫『「槍・穂高」名峰誕生のミステリー 地質探偵ハラヤマ出動』 2/22 1,050円
ヤマケイ文庫『縄文人になる!縄文式生活技術教本』 2/22 840円
『ROCK & SNOW 063 春号 2014』 3/6 1,400円
『山登りABC 山の天気リスクマネジメント』 3/14 1,050円
ヤマケイアルペンガイドNEXT『駅からハイキング 関西』 3/14 1,575円
ヤマケイ文庫『ふたりのアキラ』 3/19 924円
ヤマケイ文庫『ザイルを結ぶとき』 3/19 945円
ヤマケイ文庫『ほんもの探し旅』 3/19 893円
山溪ハンディ図鑑『樹木の葉 実物スキャン画像で見分ける1100種類』 3/22 4,767円
『タープの張り方 火の熾し方 私の道具と野外生活術』 3/22 2,520円
『山登りABC 単独行のTIPS100』 3/22 1,050円
ヤマケイアルペンガイドNEXT『駅から山登り 関東』 3/22 1,890円
山溪ハンディ図鑑『高山に咲く花 増補改訂新版』 3/22 4,410円


アルパインツアーサービスからのお知らせ

【国内】山岳スキルアップ講座「奥秩父・瑞牆山と金峰山(テント泊)」3日間

ヤマケイ登山教室

富士見平にテント泊で定着し、金峰山と瑞牆山の2座を往復します。雪山での幕営を通じて、雪山登山に必要な技術の基礎を身につけることができます。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=104746

日程 3月14日(金)~16日(日)
集合 JR中央本線・韮崎駅改札前(9:30)
行程 1日目:9:30JR中央本線・韮崎駅改札口(バス)瑞牆山荘~富士見平小屋(1,789m)テント泊
2日目:~大日小屋~金峰山(2,599m)~富士見平小屋・テント泊
3日目:~天鳥川出合~瑞牆山(2,230m)~瑞牆山荘(バス)韮崎駅【解散】18:00~20:00(予定)
歩行時間:1日目約2時間、2日目:約7時間、3日目:約7時間
登山レベル 健脚レベル(10~12kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で歩ける体力が必要です。)
難易度 4(往復、周回、縦走コース。登山道はやや明瞭を欠く部分があり、緩急が大きく、幅員も小さく、一部にハシゴやクサリ場、それに匹敵する箇所がある。転滑落の危険個所が多い。)
参加費 51,000円
講師 武川俊二(山岳ガイド)
装備 10本爪以上のアイゼン、ピッケル、ヘルメット、クライミングハーネス、スリング、カラビナ、ワカン、スノースコップ、冬季用シュラフ、シュラフカバー、スリーピングマット、テントマット、食器など。

【机上講座】山岳スキルアップ講座「雪山発展技術(トレースのない山へ)」

ヤマケイ登山教室

山の現場で役立つ知識や技術を集中的に学習します。今回は「雪山発展技術(トレースのない山へ)」。山岳スキルアップの実践講座に参加される方は、できるだけ机上講座に参加してください。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1163

開催日 3月10日(月)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 45名
受講料 1,000円
講師 武川俊二(山岳ガイド)
株式会社山と溪谷社
〒102-0075東京都千代田区三番町20番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。