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上田泰正さん

「子どもと楽しむ山歩き」机上講座開始。

上田泰正さん。八ヶ岳山麓にて

1992年、スイスアルプスにて。当時5歳の誠之君と

『子どもと楽しむ山歩き』(山と溪谷社・刊)の著者・上田泰正さんが5月13日(火)から3か月にわたってヤマケイ登山教室で机上講座を開きます。テーマはもちろん「子どもと楽しむ山歩き」。子どもと一緒に歩くときのリスクとその対処法など、子どもを引率する大人向けの講座を開く上田さんに、今回の新講座について話を聞きました。

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週刊ヤマケイ(以下Y):2012年に刊行された本、『子どもと楽しむ山歩き』を執筆したきっかけを教えてください。

上田(以下U):私が所属するNPOでは、自然体験活動のひとつとして、子どもたちを毎年、山歩きやキャンプに連れて行きます。そのおりに「山登りは初めて!」という子がたくさんいました。また、説明会を開いたときに、雨具についてなど、初歩的な質問をたくさん受けました。そんな経験から、多くの家族に正しい知識を持ってもらい、山歩きを楽しんで欲しいと思いました。

一方で、中高年や山ガールといった登山ブームが続く中で、富士山に登山者が集中している状況やツアー登山の事故のニュースを見て、無理をして標高の高い、著名な山のピークを目指すのではなく、家から近い、低山を歩き、手軽にかつ安全に、ゆっくりと親子の時間を楽しんで欲しいと考えたのが執筆のきっかけです。

・・・

Y:子どもと一緒に山を歩く楽しみとはどんなものですか?

M:子どもと一緒に山を歩く楽しみは、ひとことで表現すると、非日常の時間を共有するということだと思います。

「山」は3000m級の高山に限らず、近郊の低山であっても、明らかに日常とは異なるフィールドです。そこは、緑豊かな公園とも異なります。山歩きの道は不整地であり、急な坂を上下するので、困難なこともあるし、子どもの行動はゆっくりになります。困難に立ち向かう子どもの姿に触れたり、ゆっくりと歩くことで、また、子どもの低い視線だからこそ発見できることもあるでしょう。もちろん、食事の時間も特別です。きれいな景色を眺めながら食べるおにぎりも、岩や木の根など、座りやすい場所を探すことも特別です。そういった特別な時間を共有できることが最大の楽しみです。

・・・

Y:5月から始まるヤマケイ登山教室の公開机上講座で伝えたいことは?

M:これまで私が感じた「子どもと山を歩くことは、とても楽しい」という気持ちを伝えたいと思います。そして「楽しい!」と思える仲間になって欲しいと思います。

そのために必要な、注意事項やアイデアについては、経験談を含めて、できる限りわかりやすくお伝えします。

親子のどちらか一方が楽しい!と思っても、もう一方がつまらない!と感じてしまっては、次につながりませんし、大きな事故となっては元も子もありません。そのため、共に楽しむ為の工夫が必要であることや、何よりリスクを正しく知り、安全に山歩きをする必要性をお伝えします。

(聞き手=佐々木 惣・『週刊ヤマケイ』編集部)

20144/17~4/23

4
17 北アルプス・奥大日岳、西大谷尾根に登攀(中島秀雄、佐伯富男。西大谷山頂でビバークし、翌日、室堂乗越からスキーで下山。本記録が初登攀と思われる。1954年・昭和29年4/17~4/18)
18 南アルプス・甲斐駒ヶ岳、大武川桑木沢中央壁・四月ルート初登(奈須川雅俊、進藤知二、武川俊二。桑木沢源頭にある高差300mの岩壁。本記録が中央壁における初の開拓。1976年・昭和51年4/18~4/19)
TV/NHK『実践!にっぽん百名山』
有名山岳の登山コースや自然の魅力について伝える山岳専門情報番組。この日の放映は「トムラウシ山」。司会は釈由美子さん。コメンテーターとして『Rock&Snow』編集長でもある山と溪谷社の萩原も出演。登山のためのエクササイズ、筋力アップのみならずケガの防止にも役立つトレーニングを紹介します。17:00~17:25。
http://www4.nhk.or.jp/j-100yama/
19 北アルプス・白馬岳大雪渓からのスキー登山。信州側からの積雪期初登(新井長平、遠藤久三郎、馬場忠三郎、横沢房吉、横川庄次郎。スキー滑降をテーマにした山行。4/19に登頂、滑降。1924年・大正13年4/16~4/20)
映画/山岳映画特集上映「黎明期のドイツ映画から日本映画の名作まで」
4/19から5/2にかけて、東京・恵比寿の東京都写真美術館ホールにて開催。16本の作品が上映されます。4/19は『銀嶺の果て』と『八甲田山(完全版)』。各回入れ替え制。チケットは一般当日券1500円、前売1300円。
http://www.yamaeiga.com/
TV/BS-TBS『日本の名峰・絶景探訪』
名峰や日本の原風景を、臨場感あふれる映像で紹介する紀行ドキュメント番組。この日は2月22日に放映されて好評だった「天仰ぐ氷壁 赤岳」のアンコール放映。21:00~21:54
http://www.bs-tbs.co.jp/meihou/
20 奥利根、小沢岳~三番手山~米子頭山~巻機山~米子沢スキー下降(川崎精雄、林主税。藤原から入山。1935年・昭和10年4/17~4/20)
21 日高山脈・楽古岳~ペテガリ岳~幌尻岳~芽室岳という積雪期日高山脈全山縦走に成功(工藤英一、細貝栄。積雪期のノンデポ、ノンサポートの全山縦走は初。食糧35日分、ガソリン8.5リットルなどを含め、ひとりあたり45kgの荷となった。前半は記録的大雪の中を縦走。1975年・昭和50年3/20~4/21)
22 戸隠連峰・逆サ川、三角点本沢に積雪期初登(中村利邦、小日向証明。ルートは奥社から戸隠山に突き上げるルンゼのようだが、4月下旬とはいえ氷雪壁の登攀にかなり苦戦。1965年・昭和40年)
23 ネパール、ランシサ・リ(6300m)初登頂(井上公、浅野晃、梶本卓也、栗本直人、三村和男。ランシサ氷河から西稜末端を越えて南面をたどる。4/23に梶本とシェルパが登頂。1982年・昭和57年)
イベント/スイス&ヨーロッパの山旅・大説明会
お花畑の中を歩くハイキングや氷河トレッキング、快適な山上のホテル滞在から人気の山小屋宿泊コースまで、魅力的な山旅を紹介する企画。会場は東京・新橋の千代田区立内幸町ホールで14:00~16:30。入場無料・予約制。詳細はアルパインツアーサービスのHPにて。
http://www.alpine-tour.com/news_detail.php?keyno=25

※参考文献『目で見る日本登山史』(山と溪谷社・刊)

北海道・三段山

バックカントリースキーの聖地へ。

山頂から見る上ホロカメットク山から富良野岳までの稜線は6月末からお花畑へと変貌します(写真=谷水 亨)

森林限界を超えた1380m付近から富良野岳を望む(写真=谷水 亨)

4月8日、晴れ

後輩にせがまれて連れて行ったバックカントリースキーの聖地・十勝連峰の三段山は、雲ひとつない快晴でした。登山口の吹上温泉・白銀荘の気温は0℃で、強い陽ざしもあり、とても暖かい登山日和となりました。

この日は平日にも関わらず晴天ということもあって、三段山のみならず、十勝岳や前十勝岳へ登ろうと多くの人々が準備を進めていました。しかしながら下山してわかったことですが、登山届けに記入していたのは私達だけということでした。3ヶ所で推定20名ほどは登っていました。登山届けは白銀荘の玄関フード内に記入台帳がありますが、夏山は勿論のこと、登山者が少なく事故のリスクも多い北海道の冬山では、忘れてはいけない登山ルールの第一歩です。

さて強い陽ざしの中、樹林帯をトレースに沿ってスキーで登ります。トドマツの根元には枝から落ちた雪の塊があり、気を付けたほうが良いでしょう。

森林限界ではトレースは無いものの、頂上が見えていたのと、雪面が凍ってなかったので難なく登ることが出来ました。昨年はゴールデンウィークに雪が降って深雪を楽しめたので、今月中までは雪が降ればバックカントリーでのスキーを十分楽しめるはずです。

(文=谷水 亨)

山形県・高館山

早春の花が咲き乱れる庄内地方の名峰を訪ねて。

高館山山頂の展望塔から眺めた鳥海山と庄内浜(写真=曽根田 卓)

大山公園より高館山と下池を見る(写真=曽根田 卓)

4月13日、晴れ

日本海の海辺から立ち上がる高館山は、標高274mの低山です。山頂まで車で登ることができ、しかもアンテナ群が林立するこの山は、そう聞いただけで登る動機付けが難しく感じる山ですが、庄内地方有数の花の名山として春先は多くのハイカーが訪れる人気の山になっています。

江戸時代に天領とされた歴史があり、それ故に鬱蒼としたブナ林が残されていて、森の林床にはカタクリ、イワウチワ、キクザキイチリンソウ、ニリンソウ、ショウジョウバカマ、オオミスミソウ、シラネアオイ、エゾエンゴサク、スミレサイシン、ルリソウなど早春の花が咲き乱れています。

麓の下池と上池は初冬の頃にはコハクチョウとカモ類の飛来地になっていて、現在はラムサール条約に登録されています。夏の上池は沼一面が蓮の花に覆われ、素晴らしい光景を見ることができます。

今回は由良温泉から登りはじめ、荒倉山、八森山を経て高館山に至る全行程17kmの長丁場を歩きました。そのルートは道標もなく、踏み跡程度の場所もあるので一般登山者にはあまりお勧めできないですが、大山公園を起点として高館山に登るのが多くの花に出会えて楽しめると思います。

(文=曽根田 卓)

山形県・赤見堂岳

日が長くなり、ロングコースを周回しました。

赤見堂岳山頂から月山を望む(写真=福井美津江)

東側から振り返る赤見堂岳(写真=福井美津江)

4月8日、晴れ

西川町大井沢の小桧原川南側尾根より夏道の無い赤見堂岳、石見堂岳を目指し、小桧原川北側尾根へ周回するルートです。

3時間ほど登ると、広くて見晴らしの良い雪原に出ました。そこからは朝日連峰の主稜線も見渡せる、眺めの良い稜線が続きます。青空の下、たくさんの写真を撮りたくなり、なかなか先へ進みませんが、それも含めたコースタイムで計画しました。

日が長くなったので、山でゆっくり出来る時間が増えました。とはいえ、雪の状態が不安定で登山道もありませんから、余裕をもった計画が必要です。下山に使った尾根は昨年の同じ時期より雪の崩れている箇所が多く、より注意が必要でした。

(文=福井美津江)

山形県・月山、湯殿山

4月12日、月山スキー場がオープンしました。

春を感じながら雪の湯殿山を歩く(写真=福井美津江)

湯殿山南側斜面を滑降(写真=福井美津江)

4月13日、晴れ

月山スキー場がオープンすると「春」を感じます。不思議な感じですね。

オープンの翌日、リフトを使いリフト上駅からスキーにシールを貼り、30分ほどの登りで姥ヶ岳山頂へ。月山山頂を目指す人々がアリのように小さく見えます。

姥ヶ岳の西側大斜面はクラスト気味でしたが、それほどひどくありませんでした。

1度目の滑りを楽しんだ後、湯殿山へ登ります。雪面のところどころに亀裂があり、注意深く進んでいきました。およそ1時間で頂上です。

休憩後、湯殿山の南西斜面を滑りました。こちらも亀裂を避けながらです。石跳川へ下り、ネイチャーセンターへ下山しました。

(文=福井美津江)

北アルプス・薬師岳、黒部五郎岳

誰もいない黒部源流域へ。

神岡新道を登り切り、稜線から見た雲ノ平と北アルプスの峰々(写真=兼岩一毅)

黒部五郎岳からの下り。太陽の周りに日暈が見えていた(写真=兼岩一毅)

4月11日~14日、11日快晴、12日晴れ、13日曇り、14日快晴

天気の良い週末をまたいで、北アルプス最深部へ四日間のスキー旅に出ました。初日は打保集落から神岡新道を通って、三角屋根の北ノ俣避難小屋にお邪魔します。

翌日、辺りが明るくなると同時に出発。斜面を登っていると、北ノ俣岳の向こう側から日が昇ります。神岡新道では強風に晒されましたが、稜線ではほとんど風はありません。稜線からは、雲ノ平や黒部源流域の山々がよく見渡せました。シールを剥がし、太郎山あたりまで滑走。薬師岳山荘まではスキーでハイクアップし、以降は傾斜が増すためアイゼンとピッケルで薬師岳の頂上に達しました。雪は適度に締まり、南東側に雪庇ができていました。

3日目も風は弱かったです。前夜ビバークした太郎平小屋付近を出発。北ノ俣岳山頂にデポして、中俣乗越までスキーで下ります。そこからピークをひとつ越え、黒部五郎岳への急登を前にスキーをデポし、再びアイゼンを履き、ピッケルを握ります。急な斜面は所々クラストしており、緊張を強いられましたが、10時過ぎに黒部五郎岳の山頂に至りました。南に笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山がキレイに並び、槍・穂高連峰、遠く西方に白山、眼前に雲ノ平とその奥に水晶岳と鷲羽岳などが見えました。

下山はスキーデポを回収し、稜線の下をトラバースしながら高度を上げ、北ノ俣岳へ戻ります。稜線には雪庇が発達しており、崩壊しないかとハラハラしながら足早に抜けました。この日のうちに下山することもできたのですが、時間もあるので北ノ俣避難小屋でもう1泊することに。戸を開けておくと西日が差し込み、夕方まで温かかったです。

4日目の最終日、風はありますが、空は少し霞んでいるもののよく晴れています。寺地山までの稜線を下ったり、登ったりしながらスキーで進みました。鏡池のあたりから滑走を始め、水の平まで下ると小休止。最後は神岡新道の谷をスキーで下りましたが、雪融けが進み、水が出ている箇所が多く、スノーブリッジを渡ったり、急斜面をトラバースしたり、と最後まで気が抜けません。

入山から下山までの4日間、ひとりの登山者にも出会わなかったのですが、充実した山旅となりました。

(文=兼岩一毅)

群馬県・妙義山

クサリ場の続く表妙義、裏妙義をセットで縦走。

表妙義・白雲山の切れ落ちた稜線に連続するクサリを登る(写真=木元康晴)

裏妙義のシンボル・丁須ノ頭。クサリが取り付けられているものの危険であり、不用意にとりつかないように(写真=木元康晴)

4月7日~8日、両日とも晴れ

冬に降り積もった大雪が融けきる頃を見計らって、妙義山の登山道の様子を調べに行ってきました。首都圏からは日帰り範囲内の妙義山ですが、今回は途中で国民宿舎に1泊し、表妙義と裏妙義に分かれる妙義山の両方をセットで登ろうという、少しだけ贅沢なプランです。

1日目はまず、表妙義へ。妙義神社から白雲山を縦走し、国民宿舎裏妙義へと下山しました。登り始めて間もなくの大の字の手前では、大きな倒木が道をふさぎ、除去作業が始まろうとしているところでした。コース上では他に目立った倒木はなく、残雪も日陰にほんのわずかに残るのみ。ただし高度感のある長いクサリ場が続き、足場の悪い急斜面も多い難コースではありました。

2日目は裏妙義へ。巡視路から三方境へ上がり、岩峰の連続するヤセ尾根を北へ向かって縦走。クサリを伝ってのトラバースが多い、神経を使うコースです。丁須ノ頭からは北面を下る鍵沢コースに向かう予定でしたが、残雪がべったり着いていたので変更。浮石の多い涸れ沢をたどる、籠沢コースから下りました。鍵沢コースの雪がなくなるのは4月下旬頃ではないかと思いました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

※妙義山では転滑落事故が多数発生しています。初心者・初級者だけで安易に入山することは避けてください。

千葉県・鋸山、小鋸

房総郡界尾根の最難所のひとつを歩く。

標高200m足らずの尾根とは思えない、急峻な岩稜をたどる。郡界尾根でも一、二の難所だ(写真=奥谷 晶)

ルーフやハングを持つ迫力ある「小鋸」の岩壁。場所が場所なら絶好のクライミングエリアになったかもしれない(写真=奥谷 晶)

4月13日、晴れのちうす曇り、微風

急峻な尾根を伝って房総半島を横断する「郡界尾根」は、知る人ぞ知る、飽きさせない変化に富む登山道です。今回は、その中でも最難所のひとつ、鋸山から東へ連なる「小鋸」をめざして歩くことにしました。

日曜日はバスがないので小保田バス停までは長狭街道を歩き、嵯峨山へのコースをたどります。車道から登山道へ進み、尾根に出たところが小鋸山への分岐点です。ここから狭い尾根歩きがスタート。

道標は整備され、要所には赤テープがあります。なによりも赤や黄色の郡の境界杭が良い目印になりました。迷いやすい支尾根にはオレンジのロープが張ってあり、これなら道迷いのリスクは大幅に軽減されるでしょう。もちろん地図とGPSで現在地を確認しながら進むことは不可欠ですが。

見晴台への分岐点から5分程度で、展望のきく台地に出ました。広大な金谷石切場跡を見渡すことができ、ここからようやくめざす「小鋸」の岩壁も遠望できました。

分岐に戻って石切場に向かって急下降、トラロープが補助になります。石切場のフチをまわって、ケルンのあるところが「小鋸」の登り口です。岩壁は上部にルーフもあってなかなかの迫力。もちろん正面から挑むわけにはいきません。右手から回り込んで根っこや灌木をつかんでよじ登ります。ここもトラロープが助けになりました。岩稜帯に抜ければそこが「小鋸」です。郡界尾根起点となる金谷の海岸から房総の山並みまでを一望することができました。

「小鋸」から両側の切れた急峻な灌木まじりの岩尾根の登下降がしばらく続くので、慎重に進みます。小ピークのアップダウンをくりかえし、やがて古道の切り通し跡や「洗濯岩」を経て林道に、そしてすぐに鋸山の東の登山口・林道口に至ります。

この日は日曜日でしたが、ひとりの登山者にも出会わない、静かな山歩きを楽しみました。

(文=奥谷 晶)

南高尾・梅ノ木平~三沢峠~大垂水峠~高尾山

スミレが彩る春の南高尾。

アカネスミレ(写真=甲把 収)

ジュウニヒトエ(写真=甲把 収)

4月10日、晴れ

関東ふれあいの道(湖のみち)は沢沿いから尾根へと様々な環境が見られ、沢沿いではアオイスミレ、尾根の南側巻き道ではアカネスミレやエイザンスミレなど、10種類以上の多様なスミレを観察できました。しかし、それらに混じり本来は南高尾よりも標高の高い場所に生えるはずのヒゴスミレもあり、植栽が疑われます。本来そこにあるはずのない植物をもっともらしく植える事は、植物を盗掘する事と同様に、生態系に悪影響を与える恐れがあり、植物の正確な分布状況を調べる妨げにもなるので、慎みたいものです。

写真を撮影したこの日は、スミレ以外にもジュウニヒトエやチゴユリが咲き、ドドドドというヤマドリのホロ打ちやシシシシというヤブサメの囀りも聞かれ、本格的な春の訪れを感じました。

この文章を書いている4月14日時点では、日影沢や1号路で、タカオスミレが見頃を迎えています。残念ながら、その周りには撮影時の踏み込みで植生が傷つけられた裸地が目立ち始めました。足元の植生へのご配慮をお願いします。

なお、今年も混雑緩和、事故防止を目的として、びわ滝から上の6号路は4月26日(土)~5月6日(火・休)の期間中、8:00から14:00の間は「登り一方通行」となります。また、同期間中、混雑している6号路でのトレイルランニングはご遠慮いただいております。ご理解とご協力をよろしくお願い致します。

(文=甲把 収/東京都レンジャー 高尾地区)

相模湖・石老山

カタクリ10万株の自生地を歩きました。

さがみ湖カタクリの郷はちょうど見ごろだった(写真=石丸哲也)

融合平見晴台から相模湖越しに陣馬山方面を眺める(写真=石丸哲也)

4月6日、晴れのち曇り、一時あられ

相模湖の南に頭をもたげ、ハイキングに親しまれている石老山(702m)に登ってきました。普通は石老山入口バス停から登りますが、今回は1.5kmほど先の寸沢嵐(すあらし)バス停で下車しました。10年ほど前から公開されている10万株というカタクリの自生地が広がっているからです。

当日の朝は、晴れていて桜が見ごろ。相模湖さくら祭りの花火の音なども聞こえていました。こちらも見ごろのカタクリを見学後、登山道入口の相模湖病院まで裏道をたどって一般コースに合流しました。登山道は大イチョウや蛇木杉、岩窟などがある顕鏡寺を経て、礫岩の大岩が次々に現われます。全体に植林や雑木林が続きますが、融合平で相模湖方面、石老山山頂では丹沢や富士山などの展望も楽しめます。山頂に着いたときは曇り空でしたが、昼食をとっているとアラレが降り出し、一時は地面がうっすらと白くなりました。早々に下山して、1年前に相模湖プレジャーフォレストにオープンしたさがみ湖温泉うるりへ立ち寄り、家路につきました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

※編集部注:さがみ湖カタクリの郷は、今年度は4月8日で閉園しました。

丹沢・大山川

雪渓を降りて取り付く滝もありました。

登攀的な滝が8つも続きます(写真=松浦寿治)

最後の滝はあなどれません。右から巻けます(写真=松浦寿治)

4月12日、快晴

小田急線伊勢原駅から、大山ケーブル行きのバスとケーブルを乗り継いで終点で下車、道標に従って山腹をトラバースする見晴台への道を10分で大山川・二重の滝につきます。二重の滝は左右登れます(左=IV級、右=A1or5.10b)。

この日は沢筋の4分の1ほどに雪が残って雪渓状態でした。雪渓を降りて取りつく滝が3つありました。

ちょっぴり手ごたえのある滝が次から次へと8つも出てきて、遡行者を飽きさせません。

最終の滝(IV+)を登ってから30分沢をつめます。ヤブ漕ぎはありません。踏み跡に従って左岸の尾根を捉えて10分登ると登山道に出ます。登山道を歩くこと5分で大山山頂です。

(文=松浦寿治/登山教室Timtam代表・山岳ガイド)

神奈川県・高松山、松田山

寄から再整備された古道を歩く。

花咲く山道(写真=原田征史)

4月13日、曇り

寄集落の有志が整備した古道「はなじょろ道」(昔、峠越えをして花嫁さんが寄集落に来たことから呼ばれた山道)を歩いて来ました。

新松田駅からバスで田代向下車。古道の道標が要所要所にあり、ヒネゴ沢乗越まで約1時間30分。ここから尾根沿いに高松山まで20分程で到着です。広い山頂で箱根、富士山を眺めながら休憩しました。

高松山からは尺里峠に下山して、峠から尾根伝いに道標を見ながら最明寺史跡公園を目指して歩きます。1時間30分程で到着した史跡公園では、桜、レンギョウなどの花が満開でした。トイレもあり、この週末まで八重桜の開花が楽しめそうです。

史跡公園から松田山のハーブ館を目指して歩き、小田急線新松田駅まで約1時間30分で到着。案内標識を設置してくれた地元有志に感謝しながら、安心して歩きました。

(文=原田征史/小田原山岳会員・『神奈川県の山』著者)

湘南・三ヶ岡山

芽吹き始めの丘陵を歩く。

三ヶ岡山東峰から相模湾。左端の島は江ノ島(写真=石丸哲也)

一色海岸から相模湾を隔て箱根の山なみを望む(写真=石丸哲也)

4月5日、晴れ

三ヶ岡山は三浦アルプスの西、相模湾に面する神奈川県葉山町にある標高148mの丘陵です。6月下旬ごろ、北側の葉山あじさい公園が花盛りになるので『山と溪谷6月号(5月15日発売)』の「郷山めぐり」で紹介したく、登山道の確認をしてきました。ここだけでは行程が短いので、逗子駅・新逗子駅から桜山長柄古墳を経て歩く設定です。

桜山長柄古墳は小著『駅から山登り 関東55コース』の二子山にも入れましたが、1999年に発見されたばかり。標高100mあまりの丘の上に長さ80m前後の前方後円墳が2基あり、神奈川県最大とされる貴重なものです。逗子海岸で貝殻などを拾い、明治の文豪ゆかりの逗子市蘆花記念公園を通って2号墳の墳頂へ。ここで『駅から山登り』のコースと別れて南へ下ります。

いったん住宅地へ出て、あじさい公園から三ヶ岡山に登り、休憩舎やベンチがある山頂で相模湾や箱根の山々の展望を眺めながら、のんびりランチタイムをとりました。帰りは一色海岸へ下り、葉山しおさい公園・葉山しおさい博物館を見学し、相模湾の海洋生物の生態を学びました。

丘陵は全体に芽吹き始めで、オオシマザクラの白とヤマザクラのピンクが山肌を彩り、足もとにはウラシマソウがたくさん咲いていました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

神奈川県・葉山アルプス

春を満喫してきました。

葉山アルプスのヤマザクラ(写真=中村重明)

上二子山から森戸林道への下山路(写真=中村重明)

4月12日、晴れ

葉山在住の知人の案内で「葉山アルプス」をたっぷりと歩いてきました。

葉山教会~仙元山~観音塚~乳頭山とたどる南尾根から、馬頭観音を経て上二子山(標高208m)へ。そこから森戸林道に下り、森戸川沿いに長柄橋に出る反時計回りの周回コースで、距離にして約15km、標高自体は低いもののアップダウンが多いため累積標高差は約1100mもある、かなり歩き応えのあるコースでした(行動時間は休憩込み約7時間半)。

仙元山までの登りでは西の相模湾、江ノ島、富士山を、乳頭山や上二子山からは東の東京湾、横須賀港、横浜ランドマークタワー等を望むことができました。また、まだ散り始めで見ごたえのあるヤマザクラに加え、ヤマブキ、シャガ、スミレなどの草花もそこかしこに咲いていて、春を満喫してきました。

(文=中村重明)

伊豆大島・三原山

山と食を楽しみ、大自然を学ぶ。

荒涼としたカルデラを歩く(写真=大津洋介)

御神火茶屋から中央火口丘。黒い筋は1986年噴火時の溶岩跡(写真=大津洋介)

4月9日、晴れ

数年前から全国各地の島の山に登っています。ずいぶん多くの島を訪れて山に登りましたが、ご当地東京にいちばん近い伊豆大島の三原山にはまだ登っていません。ぜひ登りに行こうと、伊豆大島に出かけました。

竹芝桟橋より高速船に乗れば、2時間弱で元町港に到着です。港からは三原山の斜面に、昨年の台風による土砂崩れの爪痕が生々しく見られました。バスで三原温泉まで登り、三原山に向けてカルデラの中の道を歩き始めます。最初、照葉樹林の中の道を進むと急に行く手が開け、三原山の中央火口丘が見えました。ここからは荒涼とした道。裏砂漠と言われる、火山灰や溶岩の中にススキやヤシャブシが点在する広大なカルデラの中を進みました。

島全体がジオパークに指定されていることもあり、所々にある説明板で火山を勉強しながら歩きます。ほどなく中央火口丘に登る急斜面に到着。ここを登ると中央火口丘火口の縁に出ました。天気は良いのですが、空は春霞におおわれ、富士山や伊豆諸島の島々は望むことができなかったのは残念です。

火口を覗き、お鉢めぐりのスタート。1986年噴火の列状噴火の火口や、面白い溶岩の造形、西側の海岸などを眺めながら気持ちよく歩きました。三原神社からの道は舗装されており、中央火口丘から急なジグザク道を降りて、外輪山の御神火茶屋で今回のコースが終了しました。

(文=大津洋介/無名山塾・こぐま自然クラブ)

岡山県・神ノ上山

和気アルプスのコバノミツバツツジが見頃でした。

竜王山へは主稜線からピストンしました(写真=舩越 仁)

瀬戸内の山の春はコバノミツバツツジで始まります(写真=舩越 仁)

4月13日、曇り

春の倉敷市民ハイキングに参加しました。JR山陽本線和気駅から近い和気町役場駐車場から歩き始めます。

この和気アルプスは支尾根が多く、初級から上級まで色々なコース選びの出来る楽しい山です。今日はその南端の和気富士に取り付きました。そして次々現われるピークには前ノ峰とか穂高山とか、それらしい名前を冠した主稜線を神ノ上山まで北上して昼食です。途中、エスケープルートに良く使う竜王山にはピストンで帰って来ました。また、これまでの神ノ上山からの展望は今ひとつでしたが、南側を除いてとても明るく開けていたのに驚きました。下山途中で確かめたところ、これには地元の方々の多大なる奉仕があったようです。お陰で北方向にも、県境の那岐山がくっきりと見えていました。

貸切バスで来られた広島市のハイキング会の皆さんとは、ご一緒の昼食で話が盛り上がりました。玉野市からのバス仕立てハイキンググループとも挨拶を交わしながら、途中ですれ違いました。この和気アルプスは冬でも滅多に雪の降らない山陽路の山で、駅から近いこともあり、特に冬場のハイキングに関西方面からの登山者が増えているようです。

ただ昨年からこの山域の鳥獣保護区が解除された結果、猟期(11月から3月15日)中は誤射されない様、登山者向けの注意喚起看板が立っています。イノシシやシカの食害被害による保護解除と思われます。入山禁止ではありませんが、クマ避けと同様、各自目立つ工夫が必要ということです。今シーズンは何のトラブルもなかったようです。なお、従前通りの入山禁止は9月から11月迄のマツタケの時期です。

私達の下山は最も一般的なルートです。クライミングゲレンデの鷲ノ巣(白岩様)を横目に見ながら和気中学校へ下りました。出発地点の和気町役場までの全10kmは休憩含め、5時間20分の歩程でした。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会会員)

くじゅう・泉水山~黒岩山

キスミレが咲き始めていました。

上泉水山で出会った方にタデ原の野焼きのことなど、とても詳しく教えて頂きました(写真=池田浩伸)

黒岩山からくじゅう連山を望む(写真=池田浩伸)

4月8日、快晴

長者原をスタートして泉水山、大崩の辻、黒岩山から牧の戸峠へ下山しました。

泉水山への途中では、このところの冷え込みで雪が残る中、可愛らしいキスミレが咲き始めていました。まだ野焼きが行われる前なのですが、野焼きのあとは見事な群生が見られるでしょう。

くじゅう独特の滑る黒い土に苦労しながら泉水山へ。尾根にあがると、くじゅう連山の見事な展望が広がり、薄雪をまとったくじゅう連山に硫黄山の噴煙がまっすぐに空へと上がっています。

展望に見とれていると、ひとりの女性が登って来られました。タデ原の野焼きのことや九重の観光のことなど、とても詳しく教えて頂きました。お仕事を尋ねると筋湯温泉の旅館にお勤めだそうで、九重に詳しいことにも納得です。

大崩の辻を往復して黒岩山へ到着。マンサクは終わりかけていますが、シャクナゲのツボミがたくさんついていました。

なお登山道に危険箇所はありませんが、長者原から泉水山間の道は、濡れているとよく滑るので注意しましょう。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

熊本県・阿蘇山

噴煙を上げる活火山に登りました。

砂千里ヶ浜分岐付近にて。烏帽子岳と杵島岳を望む(写真=池田浩伸)

中岳火口壁からの大展望(写真=池田浩伸)

4月10日、晴れ

昨年12月から続いた火口周辺警報(噴火警戒レベル2)が、3月に平常(噴火警戒レベル1)に引き下げられたことを知り、阿蘇山上から砂千里ヶ浜、中岳、高岳、東峰を周回してきました。

この日の午前中は風向きの影響か、阿蘇山公園道路は閉鎖されていました。ロープウエイ駅付近では海外からの観光客の姿が多く見かけられます。荒々しい阿蘇山の姿と外国人観光客を見ていると、まるで自分が海外の山に登っているような気さえします。

砂千里ヶ浜では、一歩踏み出すごとに砂煙が上がり、ズボンの裾が白くなりました。岩ゴロゴロの谷の急坂を登って尾根に上がると、先ほど歩いてきた砂千里ヶ浜の荒涼とした景色が眼下に広がっています。こんな景色を見ると、自然の力の大きさを実感します。中岳からは、今も噴煙を上げる火口全体を見ることができます。

月見小屋分岐をすぎて高岳へ。高岳からは周りの山々が一望できました。東にはミヤマキリシマの群生地と東峰が見えています。

大展望を楽しみながら稜線を歩いて東峰へ至り、ミヤマキリシマの群生を抜けて天狗の舞台の下へ回りこむと、ヤシャブシが発するツンとする香りが漂っていました。天狗の舞台からは、根子岳の迫力ある姿をしばらく見ていました。そしてミヤマキリシマ満開の頃を思いながら、月見小屋へ立ち寄って下山しました。

なお、この日は登りも下りも火山ガスが流れてきてノドが痛くなりました。気管支などに疾病のある方は注意が必要でしょう。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

福島県・一切経山~蓬莱山

浄土平からスノーシューで歩く。

魔女の瞳ともいわれる五色沼。まだ冬の眠りについたままです(写真=葉貫正憲)

蓬莱山から浄土平・吾妻小富士を俯瞰(写真=葉貫正憲)

4月14日、快晴、無風

いつもの仲間5名で一切経山、前大巓、蓬莱山をスノーシューで歩いてきました。

酸ヶ平小屋を少し進んだところで雪がなくなり、スノーシューを脱いで一切経山へ。山頂は雪がなく、青空の下でまさに初夏の装いでした。

山頂からは吾妻連峰が西へ向かって遠く西大巓まで続き、遠く蔵王連峰・朝日連峰、また飯豊連峰もうっすらと確認できました。南には向こうに安達太良連峰、そこから目を西へ移していくと磐梯山、中吾妻山など県内の名だたる山嶺のほとんどを眺望できます。山頂から北の眼下には五色沼があり、魔女の瞳といわれるそれはまだ冬の眠りの中でした。

小休止の後、西側の1928m峰を経由して前大巓に向かいました。ここでもパノラマの眺望とともに、西側眼下には谷地平の白い平原が見えます。昼食をとった後、鎌沼を目指して下り、沼の端にあったトレースをたどって蓬莱山へ。若木のアオモリトドマツを縫うように進むとあっという間に山頂でした。ここからの景色も絶景そのもので,浄土平の広がりと吾妻小富士が見事でした。

今回のコースで危険なところは特にありませんが、雪のついていないところがあちこちにあります。また当日は快晴無風で、上着を脱いで一切経まで歩きましたが、山頂では冷たい風が吹いていました。こまめの着替えが大事です。

浄土平をスタートしたのが9時10分、下山は13時10分でした。雪山歩きにおすすめの場所です。

(葉貫正憲/福島県/66歳/よく行く山:会津百名山)

新潟県・角田山

早春の可憐な花を見に行きました。

可憐な花を咲かせる雪割草(ミスミソウ)(写真=山田典一)

カタクリの群落(写真=山田典一)

4月9日、快晴

快晴無風の絶好のコンディションの中、山仲間9人と桜尾根コースを登ると、評判以上の花々が出迎えてくれました。色とりどりの雪割草(ミスミソウ)、アズマイチゲ、ミチノクエンゴサク、そしてカタクリの群落と、山頂に到着するまで感動と歓声の連続です。

地元のボランティアの方の話によると、かつてはもっと花があったのですが、盗掘や写真を撮るための踏み入れでだいぶ減ってしまったとのこと。登山者はマナーを守り、十分に気をつけなければいけないことです。

下山は灯台コースを下りましたが、日本海に向かって下るコースは気分爽快でした。

(山田典一/群馬県/65歳/よく行く山:上信越の山)

埼玉県・巾着田

桜が満開となり、花見がてらのハイキングへ。

天覧山登山口ニコニコ池の桜(写真=加涌由貴)

巾着田から見た日和田山(写真=加涌由貴)

4月5日、晴れ時々曇り

飯能市の天覧山々麓では「さくらまつり」なるイベントがあり、満開の桜の下はとてもにぎやかでした。会場を後にして天覧山周辺の桜を見ながら歩き、高麗峠へ向かいました。

高麗峠へ向かうハイキング道にもヤマザクラが咲いています。高麗川にかかるドレミファ橋を渡ると、そこが巾着田です。河川に沿って並ぶ桜並木と菜の花畑は、調和の取れた春の色合いです。後方に見える日和田山は、そろそろ新芽の色合いに変わる気配の山里風景でした。

(加涌由貴/埼玉県/53歳/よく行く山:関東甲信越の山、日本百名山)

神奈川県・弘法山

昨年1月にレポートした弘法山へ、桜を見に再訪。

浅間山の桜(写真=伊東明美)

馬車道沿いの桜並木(写真=伊東明美)

4月5日、曇りのち晴れ

丹沢の弘法山へお花見ハイクに行ってきました。

秦野駅から向かうと、浅間山、権現山(展望台)、平らな稜線の馬車道を経て弘法山、そして吾妻山、鶴巻温泉までのたった2時間半のコースに低いながらも4つのピークがあり、すべての頂と沿道に桜があるので終始目を楽しませてくれます。2000本もあるそうです。随所にベンチがあるので、1ヶ所に人が集中しない点もこのお花見コースのいいところです。この土日は桜祭りで、馬車道には地産の露店が出されたり、弘法山では大変おいしい甘酒が無料でふるまわれたりと賑わっていました。

ただ、昨年、桜のつぼみが鳥のウソに食べられてしまうということがあったそうで、その後遺症があるのでしょうか。どことなく花付きが少ない印象を受けました。

在りし日の、山が桜の花で覆われるような華やかさが見られなかったのは少し残念でしたが、ごく手軽な上に富士展望と温泉もあり、楽しみが多いハイキングコースであることに変わりはありません。まだ若い桜も多いので、早く完全復活してくれることを期待しています。

(伊東明美/東京都/よく行く山:関東甲信越の山)

愛知県・寧比曽岳

ショウジョウバカマがまもなく咲きそうです。

山頂の様子。若葉はまだありません(写真=小野塚 隆)

ショウジョウバカマ。もうすぐ咲きそうです(写真=小野塚 隆)

4月11日、晴れ

大多賀(おおたが)峠から寧比曽岳(ねびそだけ)の間の登山道は、ほとんど乾いていました。特に問題はありません。

山頂からの展望は春霞の影響なのか、南アルプスなどがかすかに見える程度でした。かなり暖かくなってきており、風さえなければ長そでシャツ1枚でもいいくらいです。

新緑や花にはまだ早い時期ですが、ショウジョウバカマがまもなく咲きそうなつぼみでしたので、このレポートが読まれる頃には少し咲いていることでしょう。大多賀峠のショウジョウバカマもほとんど同じ状態でした。

(小野塚隆/愛知県/39歳/よく行く山:北アルプス、南アルプス)

広島県・宮島

宮島半周20kmのトレッキング。

宮島七福人のひとつを祀る、青海苔浦神社(写真=高木秀生)

青海苔浦から阿多田島を望む(写真=高木秀生)

4月7日、晴れ

大元公園から宮島を横断して青海苔浦へ抜け、宮島の東海岸沿いの道を歩く宮島半周約20kmのトレッキングに出かけてきました。

この日は天気も上々で、予定通りの行程で進むことができました。大元公園から青海苔浦までは、概ね林間コースになっているので、強い日ざしも気になりません。

2万5千分の1地形図では、先峠の分岐は4差路になっていますが、実際は3差路しかありません。青海苔浦へのルートは岩船岳に向かい、旧海軍省の石柱が立つすぐ先にある「陶晴賢碑」入口の案内個所から入ります。注意深く見ると、小さく青海苔浦と書いてあります。踏み跡は明瞭なので、道迷いはないと思います。

宮島桟橋から約3時間で青海苔浦へ着きました。目の前に広い砂浜ときれいな海、小黒神島、阿多田島、能美島が展望でき、宮島の東側に来たという実感がわきます。

帰路は、水道関係の車道歩きとなります。大砂利で道は閉鎖されていますが、門の手前から海岸へ抜ければ、問題なく車道へ戻れます。この日は、朝8時10分に宮島桟橋を出発し、戻ったのが14時35分でした。

次は宮島一周にチャレンジしたくなりました。

(高木秀生/広島県/63歳/よく行く山:広島県弥山、鳥取県大山)

熊本宮崎県境・市房山

常連の山友と霧氷の独立峰に登りました。

山友とともに素晴らしい霧氷を堪能しました(写真=松本辰彦)

前夜の雨とともに凍りついたマンサク(写真=松本辰彦)

4月6日、晴れ

熊本県と宮崎県の県境にそびえる独立峰、市房山(いちふさやま・1721m)に登ってきました。

前夜は雨でしたが、当日は青空。稜線から山頂にかけて咲くマンサクを楽しみにしていたものの、登山口のキャンプ場から見える稜線は真っ白になり、積雪か霧氷なのか判断出来ない位でした。アイゼンを準備してこなかったことをいささか悔やみながら、市房神社から登山開始しました。

6合目付近で、下山されてきた数組の登山者と話をしました。山頂付近の状況を聞くと「素晴らしい霧氷に感動しました」という嬉しい言葉が。

8合目付近からはため息が出るような風景に酔いしれながら山頂を目指します。9合目付近から上では凍りついたマンサクが痛々しくもあり、また凄く綺麗にも見えました。

これから暖かくなると、稜線沿いの山肌をアケボノツツジやミツバツツジがピンク色に染めることでしょう。

(松本辰彦/宮崎県/61歳/よく行く山:霧島連山、九州の山など)

週刊ヤマケイ「読者の登山レポート」「遭難防止オピニオン」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんの登山レポートを募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

「遭難防止オピニオン」につきましては、文字数400字程度でお願いします。ご自身の遭難体験についてお書きいただくときには、写真をつけていただくとありがたいです。お名前、メールアドレス、年齢、郵便番号と住所、登山歴、よく行く山名・山域も添えてください。「登山レポート」「オピニオン」ともに文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。また、日本山岳遺産基金のファイルに「蘇れ日本列島」というご投稿コーナーも設けました。全国各地の山岳地域で環境保全活動をなさっているかたがたのレポートなども、お待ちしております。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」または「週刊ヤマケイ・遭難防止オピニオン」「週刊ヤマケイ・蘇れ日本列島」とお書きください。

「東北の高校生の富士登山2014」参加高校生を募集中

7月22日~24日、田部井淳子さんと富士山へ。

田部井淳子さん(前列左からふたり目)とともに山頂に登った東北の高校生たち(2013年7月)

登山家田部井淳子さんと、山と溪谷社・日本山岳遺産基金の共催による「東北の高校生の富士登山」が、この夏も行われます。

昨夏は福島県を中心に、被災した東北の高校生74人が参加、全員が富士山登頂を果たし、「一生の思い出になった」、「あきらめなくてよかった」、「進路で悩んでいたことが自分なりに解決できた」などの感想が寄せられました。

参加費はひとり1000円。費用は山を愛する全国の方々からのご寄付や協賛で成り立っています。

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企画概要

名称:東北の高校生の富士登山 登ろう!日本一の富士山へ

主催:株式会社山と溪谷社・日本山岳遺産基金/田部井淳子

期日:2014年7月22日(火)~24日(木)2泊3日

場所:静岡県 富士宮/御殿場ルート

参加対象:被災した東北の高校生80名

参加費:1000円(富士山保全協力金)

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詳細は「東北の高校生の富士登山」専用サイトをご覧ください。

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/tohoku_fujisan/

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

登山のアプローチ手段としてすっかり定着した「登山バス」。電車やバスを乗り継ぐ面倒もなく、登山口までスムーズにたどりつけることから、人気を集めています。

日本山岳遺産基金賛助会員である(株)毎日企画サービスでは、今期も登山者専用バス「毎日あるぺん号」を企画実施いたします。登山にかかる日数・コストの軽減をお考えの方は、装備同様、登山の必須アイテムとして、ぜひご利用ください。とっておきの登山イベントバスもあります。

スイス&ヨーロッパの山旅大説明会が東京で開催。

4月23日(水)、東京・内幸町にて

アイガーを見ながらのハイキング

花の宝庫、ピレネー山脈のハイキング

山旅一筋で45年目を迎えたアルパインツアーサービスが、「スイス」と「ヨーロッパ」の山旅の魅力を紹介する大説明会を開催します。お花畑の中をのんびり歩くハイキングや氷河トレッキング、快適な山上のホテルから、人気の山小屋に宿泊するコースまで充実の企画が満載です。入場無料、要予約。来場者全員にモンベル社ウエストポーチがプレゼントされます。

・・・

日時:2014年4月23日(水)14:00~16:30

会場:東京都千代田区立内幸町ホール

http://www.uchisaiwai-hall.jp/data/koutsu.html

同社イベント情報ページ

http://www.alpine-tour.com/events/event_details.php?eno=8

紹介エリア

・スイス・アルプス

・イタリア・ドロミテ、アオスタ州

・フランス/スペイン ピレネー山脈

・オーストリア・チロル

・北欧ノルウェー、スウェーデン

・ブルガリアなど

※イベント終了後に、旅行相談コーナーも開設されます。

・・・

平成26年度日本登山医学会認定山岳ファーストエイド講習会(ベーシックコース)の受講者を募集中。

6月から来年2月にかけて、4回開催

冬コースの講習のひとこま。40時間の全カリキュラムを、夏コース、冬コースで受講する

この6月から来年2月に渡って、日本登山医学会認定山岳ファーストエイド、ベーシックコースの講習会が開催されます。現在、受講者を募集中です。

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【内容】登山など、野外で傷病者に遭遇した場合、現場での非医療者による適切な応急・救命処置は、搬送時間を考慮すれば、救命率を高める重要なポイントとなっています。

また、山岳や野外における応急・救命処置は、近年確立されつつある都市部におけるそれとは異なる側面を持ち、野外環境の特性を踏まえた正しい知識と適切な応急・救命技術を身につけた救助要員の養成、登山者や野外活動者の自助能力の獲得が望まれます。

本講習は、登山など野外での活動における生理的変化、傷病、応急・救命処置に関し、欧州や北米などで標準的となりつつある医学的知見に基づく知識と技術の習得を目的としています。

これにより、登山など野外での活動において、予防医学の実践、傷病者への初期対応技能を上げ、事故や遭難の減少、救命率の改善・後遺症の軽減を図るものです。

【主催】一般社団法人日本登山医学会

【共催】国際山岳救助協議会医療部会

【後援】独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立登山研修所、公益社団法人日本山岳協会

【開催期日・場所】

6月20日~22日:長野県山岳総合センター

7月4日~6日:国立登山研修所

1月30日~2月1日:国立登山研修所

2月20日~22日:長野県山岳総合センター

※期日、開催地、受付日程、受講料、講師、試験、対象者、定員などの詳細は下記URLにてご覧ください。

http://www.jsmmed.org/_src/sc720/2013spring_jsmmed_firstaid_basic_yokou.pdf

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山の知識検定

Q:2万5千分の1地形図に関する次の記述のなかで誤ったものがある。それはどれか選びなさい。

1.等高線の細い線である主曲線は10mの間隔で引かれている。

2.5万分の1地形図より等高線や登山道がより詳しく表記され、登山用としてふさわしい。

3.地形は大きく変化することは少ないので、地図が更新されても購入する必要はない。

4.1枚の地形図(旧図郭)で表記される地域はおよそ南北9km、東西11kmとなる。

平成25年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて


山の知識検定

Q:2万5千分の1地形図に関する次の記述のなかで誤ったものがある。それはどれか選びなさい。

1.等高線の細い線である主曲線は10mの間隔で引かれている。

2.5万分の1地形図より等高線や登山道がより詳しく表記され、登山用としてふさわしい。

3.地形は大きく変化することは少ないので、地図が更新されても購入する必要はない。

4.1枚の地形図(旧図郭)で表記される地域はおよそ南北9km、東西11kmとなる。

A:3

地形図は山間部ではおおむね10年おきに修正されている。最後の更新が行われた時から年数が経過していれば、送電線や林道などが新しく造られたり、逆に登山道だったものが廃道となっていて、遭難事故となったケースもある。地図を購入する際は、図歴を確認することも必要である。

平成25年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

『山と溪谷 5月号』

ありそうで実はなかった、こんなトリセツ(取扱説明書)

今回の特集は「登山用具のトリセツ(取扱説明書)」。何となく使っているけど、これでいいの? とか、機能をすべて使えていないような気がする……。そんな登山者の悩みを解決するのが今回の特集です。買う際の注意点から使う前の調整方法、現地での使い方、帰ってからのメンテナンスなど、徹底的に掘り下げました。第2特集は「屋久島、宮之浦岳への道!」。また好評をいただいていたテスト企画「GEARTREK」が今月号から「YAMAKEI GTR(Gear Test&Report)」としてリニューアル。これまでどおり徹底テストを行ないつつ、スタジオ撮影で製品のディテールに迫ります。記念すべき第1回は「テント泊縦走向きブーツ」です。

http://www.yamakei.co.jp/products/2814900949.html

●発売日:2014年4月15日/ページ数:208ページ/判型:A4変形判/販売価格:本体952円+税

2014年4月~5月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
電子版『遊歩大全』 4/1 1,760円+税
『自転車人No.035 2014 春号』 4/15 1,143円+税
ヤマケイ文庫『おれたちの頂 復刻版』 4/18 1,000円+税
『登山用具2014 基礎知識と選び方&2014最新カタログ』 4/23 1,018円+税
『CLIMBING joy №12』 4/23 1,000円+税
『まりこふんの古墳ブック』 4/25 1,500円+税
『日本ボルダリングエリア 上』 4/25 2,000円+税
ヤマケイ文庫『大イワナの滝壺』 4/25 910円+税
ヤマケイ文庫『なんで山登るねん』 4/25 880円+税
『林業男子 いまの森、100年後の森』 5/9 1,500円+税
『かえる かえる かえる!』 5/23 1,600円+税
『大雪山 わが心の山』 5/23 3,800円+税
『日本森林インストラクター協会選定 日本の森100』 5/23 1,980円+税


アルパインツアーサービスからのお知らせ

【国内】週末の山登り-芽吹きと新緑の表尾根から蛭ヶ岳へ「丹沢主脈縦走」2日間

ヤマケイ登山教室

新緑の5月は丹沢が最も美しい季節です。表尾根から塔ノ岳に登り、1泊して丹沢山、さらに最高峰の蛭ヶ岳へ縦走する、ダイナミックで充実したプランです。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=113609

日程 5月10日(土)~11日(日)
集合 小田急線・秦野駅改札前(8:00)
行程 1日目:秦野(車)ヤビツ峠(761m)~三ノ塔~塔ノ岳(1,491m)山小屋泊
2日目:~丹沢山~蛭ヶ岳(1,673m)~焼山登山口(295m)(車)橋本駅【解散】17:00~19:00(予定)
歩行時間:1日目約5時間、2日目約7時間30分
登山レベル 中級レベル(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で歩ける体力が必要です。)
難易度 3(往復、周回、縦走コース。登山道は比較的明瞭、緩急があり、幅員の小さい箇所がある。転滑落の危険個所が部分的にあり、一部にハシゴやクサリ場、それに匹敵する箇所がある)
参加費 31,000円
講師 石丸哲也(山岳ライター)

【机上講座】遭難事例から学ぼう~山で死んではいけない~「ケーススタディ・その1」

ヤマケイ登山教室

増え続ける山の事故を未然に防ぐため、私たちになにができるのかをいっしょに考えてみませんか。

この講座では、過去の遭難事例を紐解きながら、遭難事故の実情を見据え、生死を分けるポイントを検証していきます。参考書:『転倒・滑落しない歩行技術』(山と溪谷社・刊)

【学生割引】学生証の提示で1グループ3人まで受講料が無料になります。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1334

開催日 5月8日(木)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 45名
受講料 2,000円
講師 野村仁(山岳ライター)
株式会社山と溪谷社
〒102-0075東京都千代田区三番町20番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。