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若村勝昭さん

山岳遭難対策制度のネットワークを広げたい。

奥多摩の渓谷にて。「ヤマモリ」を手にする若村さん

「自救力」という言葉をご存知でしょうか。いざという場面で、自分たちに何ができるのか。今週はこの言葉を発案した日本山岳救助機構合同会社(jRO:ジロー)の若村勝昭さんに聞きました。「ヤマモリ」という電子捜索機器の取扱いを開始したり、ヤマケイ登山教室の新講座「遭難事例研究」に協賛いただくなど、若村さんの、この分野への思いと行動は多岐に渡っています。

(聞き手=久保田賢次 『週刊ヤマケイ』編集長)

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久保田:「自救力」。改めていい言葉ですね。お考えになったのも、若村さんご自身とうかがいましたが。

若村:はい。セルフレスキューの言葉を漢字にしただけかも知れませんが、「自らを助ける」、「ダメージを少なくしてチームレスキューに引き継ぐ」という気持ちを込めたものです。

以前、こんな残念な事例がありました。メンバーの一人が登り始めてまもなく倒れてしまいましたが、ほかの人たちは驚いて、茫然自失で手をこまねいているだけしかできませんでした。たまたま通りかかったグループに看護師さんがいらして、心肺蘇生をしましたが間に合わなかった。もし、倒れたときすぐに、なにかやれていたらと思いました。

久保田:その普及のために、具体的には、どんな活動をなさっているのでしょうか。

若村:昨年6月から全国の県庁所在地などを中心に講習会を開いています。日本山岳救助機構の会員さんに向けたものではありますが、今日(10月22日、インタビュー時)は京都で、明日(23日)は札幌で開催します。講師も地域のガイドさんなどにお願いしています。みなさんが、各地域の山の世界の指導的な立場の人と、つながりを持ってほしいという気持ちからです。

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久保田:この夏からは、「ヤマモリ」という捜索機器の取扱いも開始されました。こちらは、どんなきっかけですか。

若村:もともとは災害用に開発されたものなんです。テレビ番組で紹介されたのを見て、さっそくコンタクトしました。名称は「ヒトココ」で、各山岳団体さんも扱いを開始しましたが、私たちは山のお守りという意味で「ヤマモリ」と名づけて、会員を対象に販売とレンタルを始めました。雪崩の際に役立つビーコン等と異なる点は、かなり広い範囲の捜索に使えることです。遭難の原因は道迷いが45~47%ですので、道に迷った人の発見に役立てたらと思いまして。子どもたちの林間学校などに導入されている例もあるようです。

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久保田:この春から開講したヤマケイ登山教室「遭難事例研究」にもお力添えいただきまして、ありがとうございます。

若村:こうした、実際の遭難事例の詳細を勉強して学ぶという講座は、他にはあまりないですよね。私も毎回、参加させていただいていますが、みなさん、本当に熱心にお聞きになっています。こういう講座を積極的に受講されようという人は、ご自身も山の危険を真剣に考えていたり、貴重な経験をなさった方々でしょうから、みなさんの「ヒヤり、ハッと」な体験などをお話してもらうのもいいかと感じます。

霧島山の火口周辺警報

10月24日、えびの高原の硫黄山周辺に発令。

硫黄山の火口跡。2012年9月23日撮影(写真=緒方 優)

韓国岳北峰から見たえびの高原、白っぽい地点が硫黄山(写真=緒方 優)

10月24日、気象庁により霧島山(えびの高原の硫黄山周辺)に火口周辺警報が発表され、硫黄山から半径1km以内への立ち入りが禁止となりました。この規制により、えびの高原から硫黄山を経て韓国岳へ登るルート、えびの高原から甑岳へ登るルート、えびの高原から六観音池及び白紫池を周遊するルートが利用できなくなりました。

霧島山の最高峰である韓国岳へは、えびの高原から大浪池へのルートで韓国岳避難小屋を経て登ることができます。また、大浪池登山口から大浪池へ上がり半周して韓国岳避難小屋を経て登ることができます。

下記のえびのエコミュージアムセンターや宮崎地方気象台のウェブサイトなどから情報を入手して安全登山をお願いします。

尚、韓国岳避難小屋から韓国岳山頂への登山道では一部木製階段の幅が狭く、離合(すれ違い)が困難な区間があります。そこは急傾斜地でもあるため、上りの方も下りの方もお互い譲り合い、慎重に通過していただきますよう、お願いいたします。

(文=緒方 優/新・分県登山ガイド『改訂版 宮崎県の山』共著者)

妙義山2ヶ所の登山禁止箇所が解禁に

表妙義・白雲山と、裏妙義・鍵沢登山口で修復作業が行なわれました。

岩稜の右にあったバンド上の登山道は崩落し、ヤセ岩稜上にクサリを設置した白雲山(写真=打田鍈一)

裏妙義・鍵沢登山口近くに新設されたクサリ。すごく急だが、奥にはもっと急で険悪なクサリ場がある。これを大変と思う人は引き返すこと(写真=打田鍈一)

表妙義・白雲山は、玉石~大のぞきの登山道崩落で通行止めとなっていましたが、10月28日に、私も補修工事に参加しました。一部トラロープ利用ですが、クサリを設置し、通行可能となりました。これまで側壁の泥バンドを登山道にしていたのですが、これが崩落したので、ナイフエッジの岩稜上にクサリを設置。強風などの際、以前より振られる危険度は高まりましたが、表妙義縦走を志す登山者なら、鷹戻しと同レベルの露出度、危険度と考えていただければ妥当です。ただし、距離ははるかに短く、1分ほどで従来からあるクサリの岩峰に出ます。

裏妙義・鍵沢登山口は5月の崩落以来、仮補修、再崩壊、通行止めとなっていましたが、地元松井田山岳会の手で、クサリ、ハシゴ、ロープが設置され、11月3日の登山指導の日までには、登山禁止の看板や張綱は撤去されます。現在も通行できますが、約5か月間登山者に踏まれておらず、この間に大雨もあったので、道は以前より不明瞭な箇所があります。しかし登山者が入ればじきに明瞭になるでしょう。

(文=打田鍈一/山歩きライター)

十勝連峰・十勝岳

1500mを境に夏道とアイスバーンに分かれます。

十勝岳山頂から美瑛岳の遠方にオプタテシケやトムラウシ山が見える(写真=谷水 亨)

十勝岳頂上直下で富良野岳を眺める同行者(写真=谷水 亨)

10月24日、快晴

本日、道道966号(吹上温泉~望岳台)線が通行止めになるのを受けて、規制前の8時過ぎに望岳台(登山口)に到着。気温は2度と低めでしたが空は青々と輝いていました。

登山口からすでに砂礫帯で、高い樹木がなく歩き始めの標高900mからの景色を楽しみながら登ります。1550m付近でアイゼンを装着、雪面はアイスバーンで前爪が無ければ登るのが難しいぐらいです。風が吹き始めた1950mの稜線で、アウターを来て防風対策をし、頂上に立つことができました。

風が頬をさす冷たさを除けば、周りの山々は頂上にだけ雪を被り、とても綺麗で大満足の時間を過ごすことができました。

下りは冬ならではの十勝岳最大火口(跡)グランド火口を歩き下山し、望岳台からは白金温泉経由で車を走らせ帰宅しました。

十勝岳は、今でも登山道付近のふたつの火口から噴煙があがっています。2012年には火口付近が赤く光る赤熱現象が起きて、登山道使用禁止になったこともある、活発な火山です。御嶽山噴火以降、十勝岳避難小屋にもヘルメットと毛布が備え付けられましたが、事故対策も含めて十分な情報と観察をしながら登られることを望みます。

(文=谷水 亨)

山形県・月山

月山志津線が冬季閉鎖となる前に。

朝焼けの朝日連峰(写真=福井美津江)

夕焼けの志津温泉・五色沼(写真=福井美津江)

10月25日、晴れ

姥沢から頂上を経て北側の八合目まで往復しました。

姥沢側ではカール上の広大な斜面から続くピークや、間近に迫る湯殿山・品倉尾根の眺めを楽しみます。そして八合目側では登山道下の広々とした斜面と庄内平野を見渡します。それぞれ違う表情の月山を楽しめました。

なおリフトは10月26日で終了しております。県道・月山志津線(志津~姥沢間)は11月7日(金)15:00から冬期閉鎖予定となっております。

今年ラストの月山は一日中雲ひとつない青空となり、夜明け前から日が沈むまで(夕焼けは下山後)満喫できました。

(文=福井美津江)

宮城県・北石橋

二口渓谷にかかる、巨大な岩のアーチ。

巨大な自然のアーチの下を、ナメ滝が流れ落ちる石橋の奇観(写真=高橋金雄)

大行沢途中にある雨滝。水はわずかで写真に写りにくいが、紅葉と岩は見事なコントラスト(写真=高橋金雄)

10月24日、晴れ

大東岳や神室岳に囲まれた名取川上流・二口渓谷は、磐司岩に代表される奇岩や景勝に恵まれ、行楽客から登山、沢登り、渓流釣りと、多数のアウトドア派に人気が高いところです。

今回はその二口渓谷の隠された絶景ポイントである石橋(しゃっきょう)の探索に出かけました。石橋とは天然の石(岩)橋で、二口渓谷内にも3つほどが確認されていますが、その中でも最大級なのが北石橋で、橋の全長は30m以上もある巨大な自然のアーチです。大東岳の裏コースから大行沢(おおなめさわ)沿いの道を辿り、樋ノ沢避難小屋直前からカケス沢方面に入り、3時間弱でこの自然の意匠と対面できます。大行沢一帯の紅葉もまた、素晴らしいものでした。

カケス沢沿いで一ヶ所だけ道が崩壊しているので、そこはブッシュをつかんで越えました。

(文=高橋金雄/山岳写真家)

谷川岳

谷川岳登山と紅葉の一ノ倉沢見物。

天神峠展望台から谷川岳の雄姿(写真=五十嵐 賢)

トマの耳からオキの耳を望む(写真=五十嵐 賢)

10月18日~19日、晴れ

前日、山頂一帯は降雪したとか。冬山装備を準備していなかったので、行けるとこまで行ってみようと出発したのですが、抜けるような青空の快晴そして無風。歩き始めると汗が滴り、2枚脱いでちょうどいいほどです。ただ降雪の名残か、木道や岩が濡れて滑りやすい状態でした。

天神平から登山者の列が続き、岩場では渋滞しきり。ロープウェイとリフトに乗ったので簡単に山頂に立てるかと思ったのですが、ずいぶんハードな道です。ただ熊穴沢避難小屋を過ぎると次第に展望が開けて、周囲の山々が見渡せます。私が確認できたのはわずかに朝日岳や尾瀬の至仏山と燧ヶ岳、赤城山くらいでした。肩の小屋から山頂付近のササハラの美しさが何とも言えません。

登り着いたトマの耳とオキの耳の山頂や両ピークを結ぶ稜線は、登山者が連なっています。オキの耳の先のお社付近で引き返しました。さらに先のノゾキから一ノ倉沢を俯瞰したかったのですが時間切れになりそうだったのです。天神平に戻り着いたのは3時45分頃でしたがロープウェイに乗るまでに45分を要し、何とか5時の最終バスに間に合いました。

翌日は車道歩きでマチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ沢まで足を伸ばし、大岩壁を見学しました。この日も前日同様の好天気で、山には登らず紅葉を楽しむ人、大岩壁を撮影する人など、山麓散策の人でにぎわっていました。

(文=五十嵐 賢/環境省自然公園指導員、日本山岳会会員)

西上州・丁須ノ頭

紅葉真っ盛りの裏妙義を縦走する。

裏妙義のシンボル、金槌の形をした丁須ノ頭(ちょうすのかしら)(写真=曽根田 卓)

風穴尾根の頭から烏帽子岩(左)、赤岩、そして丁須ノ頭を望む(写真=曽根田 卓)

10月25日、晴れ

奇岩奇峰が連なる妙義山は中木川を挟んで北側が裏妙義、南側が表妙義と呼ばれています。

今回は国民宿舎裏妙義を起点に籠沢より丁須ノ頭に登り、そこから主稜線を赤岩、烏帽子岩、風穴尾根の頭を経て三方境まで縦走し、山腹を国民宿舎に向って下る周回ルートを歩きました。

訪れたこの日は快晴で、紅葉ラインは標高900m付近まで下がっていて、縦走路は美しい紅葉に彩られていました。

国民宿舎裏妙義から丁須ノ頭の往復でしたら、ベテラン登山者の同行を前提とする場合は初心者でも登山はできますが、御岳の稜線直下のルンゼ状の登りは落石の恐れがあるので注意が必要です。

丁須ノ頭の岩塔基部のクサリ場はあまり難しくはありません。しかしクサリがかかっている丁須ノ頭の上に登るのは、岩登りの経験者でないと危険すぎますので、控えたほうが身のためです。

尚、横川方面からの登路である鍵沢コースは現在登山道の崩落のために閉鎖されています。

縦走路では丁須ノ頭展望岩頭の西側にある20mチムニー状のクサリ場が難所で、腕力に乏しい女性登山者が同行する場合は懸垂下降などロープの使用が望ましいと感じました。

赤岩の岩壁のトラバースについては、高度感はありますが、足場が良いために見た目より難しくありません。但し高いところが苦手な登山者の場合は、クサリに自己確保をして通過した方が安心でしょう。

(文=曽根田 卓)

西上州・立岩~荒船山

西上州の山の好さを凝縮したような周回コース。

西立岩より経塚山と浅間山を望む(写真=曽根田 卓)

毛無岩分岐付近の紅葉(写真=曽根田 卓)

10月26日、晴れのち曇り

群馬県と長野県の県境に位置する荒船山は、北側に落差200mという艫岩の岩壁を持つ人気の山です。一般的には内山峠からの往復ルートが歩かれていますが、今回は西上州のドロミテと称されている立岩から荒船山を周回する、ほとんど歩く人も稀な静寂のルートを周回してきました。

南牧川沿いのアプローチは古い時代の養蚕で栄えた集落の面影が残る、味わいある道が続きます。線ヶ滝の少し奥にある駐車場は10台程度の駐車は可能です。

今回歩いたコースは立岩、威怒牟幾不動分岐、毛無岩分岐を経て荒船山の最高峰:経塚山に至り、そこから艫岩を往復して星尾峠に下り、峠から田口峠分岐、イモリの滝、威怒牟幾不動を見て登山口に周回する距離約12kmのコースです。

本コースも標高900m付近の紅葉が素晴らしく、時折展望が開ける場所では西上州の特徴ある岩山や、遠く北アルプスや八ヶ岳まで望め、上信国境の山の好さを実感できました。

但し、星尾峠から田口峠分岐までの沢筋の道は荒れていて、ルートを見失う恐れがありますので、山に慣れた方の同行が望ましいと思います。

尚、下山時の威怒牟幾不動滝と、登山口の少し下流にある線ヶ滝は一見の価値がありますので、訪れた際には是非立ち寄ってみてください。

(文=曽根田 卓)

奥多摩・シンナソー~浅間嶺【沢登り】

北秋川の支流から浅間尾根へ。

シンナソーの最後を飾る約10mの滝(写真=石丸哲也)

サクラが紅葉していた浅間嶺から御前山を望む(写真=石丸哲也)

10月26日、晴れのち曇り

だいぶ秋めいて涼しくなりましたが、まだ水がそれほど冷たくなく、濡れることも少ないところを選んで沢登りに出かけてきました。シンナソーは北秋川の支流で、手軽なハイキングコースとして親しまれる浅間尾根に突き上げる長さ1.2km、標高差400mほどのこぢんまりした沢です。滝も最大10mほどですが、連続して懸かり、特に下半部は谷がせばまって楽しく登れます。少し慣れた人ならすべての滝を直登できるのも魅力です。

狙いどおり、寒さを感じることなく、詰めの急登も夏期のように汗をかかされることもなく快適でした。最近、台風が続けてきていたので倒木がちょっと心配でしたが、最近、倒れたと思われる木は1~2本で、そのほか以前からと思われる細い倒木が一部にある程度でした。

沢の取り付きとなる藤倉まで武蔵五日市駅からバスを利用。終点で下車するとトイレがありますが、そのまま進むと惣角沢沿いの道に引きこまれてしまいます。北秋川本流沿いの車道に入り、すぐ右へヘアピン状にカーブする所で対岸にある目立たない沢がシンナソーです。カーブ付近は擁壁ですが、少し手前の下にある無住の民家の上流寄りに北秋川へ下る踏み跡があります。

詰めは浅間尾根中ほどの929mピークの東側へ出るのが一般的です。ここからの下山は浅間尾根登山口が最も近く1時間ほどですが、今回は時間の余裕があること、浅間嶺を越えて帰れることから払沢の滝入口まで2時間30分ほどのコースを選びました。アザミの仲間やヤクシソウなどの花が見られ、紅葉は桜などが色づいていますが、全体には緑が多く、11月上旬から半ばごろが見ごろかと思われました。

なお、遡行終了点から藤倉へ下る山道は開発工事で通行止めです。藤倉付近は駐車スペースもないので、マイカー利用の場合は払沢の滝入口などの駐車場に車を置き、バスで藤倉へ向かうとよいでしょう。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

※編集部注:沢登りは専門の知識や用具が必要です。登山初級者、中級者のみで安易に入渓することのないよう注意してください。

高尾山

高尾山の穴場、5号路。

5号路(左)と1号路(右)(写真=田邉 綾)

リンドウ(左)とキッコウハグマ(右)(写真=田邉 綾)

10月26日、晴れ

晴天の日曜日、行楽シーズンの高尾山はたくさんの人で賑わいます。山登りには気持ちの良い季節ですが、立ち止まって自然観察するのが憚られる混雑具合。そんな中、のんびり自然を楽しみたい方にお勧めの場所のひとつが、5号路です。山頂の下をぐるりと周回するこのコースは、利用者が少なく、同じ時間帯の1号路と比べると別世界のような静けさです。一周しても20分程度の短いコースですが、一年を通して多様な植物を観察できるのも魅力的です。この時期は、鮮やかな青紫色のリンドウがひと際、目を引きます。この日はキッコウハグマの花も見られました。キッコウハグマは葉の形が亀の甲羅に似ていることから亀甲(キッコウ)という名がついています。この植物は花を咲かせず、つぼみのまま受粉する閉鎖花をつけることがありますが、今年は白いかわいらしい花を見ることができます。南側の日当たりの良い環境や北側の日影の環境など、それぞれに違った植物が見られ、5号路を歩くだけでも高尾山の自然の豊かさを垣間見ることができます。

また、改修工事中のビジターセンターが現在、5号路にて開設しています。窓口でコースの案内や自然の解説を行っていますので、是非お立ち寄りください。

なお、11月1日から11月30日の8時~14時の間は、混雑緩和・事故防止を目的に、6号路(琵琶滝~5号路交点)が登り方向の一方通行となります。また、同期間中混雑している6号路でのトレイル・ランニングはご遠慮下さい。ご協力よろしくお願い致します。

(文=田邉 綾/東京都レンジャー(高尾地区))

北信・黒姫山

信濃富士の異名をもつ名峰へ。

古池に映る逆さ黒姫(写真=三上浩文)

七ッ池の笹っぱら(写真=三上浩文)

10月25日、晴れ


雪国信越の山、黒姫山に行ってきました。ルートは黒姫山西方向から古池の湖畔をまわり、西新道で頂上へ。稜線を北に下って黒姫乗越から折り返し、火口原に入って南下し、西登山道を経てという8の字を描いたようなコースです。紅葉の時期は終わっていましたが、葉の落ちたダケカンバの木々がとても美しい印象でした。

登り始めてすぐに出てきた古池では、朝日がさし始めて逆さに映った幻想的な逆さ黒姫に魅了されました。気温も高めで、西新道ではだいぶ汗をかかされました。外輪山の稜線に出ると素晴らしい展望。上信越の山々が手に取るように見渡せて、快適な稜線歩きとなりました。

山頂から北に下り黒姫乗越へ。この区間は大岩があり、コメツガの根っこの間をアップダウンしたりと、かなり歩きづらいです。乗越から逆さに戻り、原生林を抜けると七ッ池の絶景が広がりました。ここを見るために訪れてもいいくらい、美しい場所です。

西登山道の下りは、岩の間を縫う様な箇所も出てきて要注意です。泥が付いた靴底は滑りやすいです。天狗岩などはゆっくり通過しましょう。西登山口まで下れば、比較的安全な道となります。

(文=三上浩文/登山ガイド)

南アルプス・甲斐駒ヶ岳

十分な防風・防寒対策が必須です。

北沢峠付近の紅葉(写真=畠山茂信)

甲斐駒ヶ岳(左)と摩利支天(右)(写真=畠山茂信)

10月25日~26日、晴れ

紅葉の時期は甲府駅から広河原までのバスにバスガイドが乗車し、途中の見所を説明してくれます。広河原から北沢峠行きのバスも所々で徐行・停車し紅葉を楽しませてくれました。

仙水小屋を暗い内に出て、仙水峠で日の出を拝み、駒津峰から直登ルートを甲斐駒ヶ岳に登りました。北側の道は霜が降り凍結した箇所もあり、朝方は十分な注意が必要です。気温は6℃程で風が冷たく、歩いていると大変気持ちの良い気候ですが、休憩時は急速に体が冷えるので、この時期は当然ながら十分な防風・防寒対策が必須です。

頂上からは背後に富士山を控えた鳳凰三山、北岳と仙丈ヶ岳、北アルプス、後立山連峰、八ヶ岳など360度の展望を堪能しましたが、前線の接近で伊奈側から次第に雲が湧き、昼過ぎからは周囲の山々が隠れてしまいました。

(文=畠山茂信)

熊野古道大辺路

雄大なる太平洋を望む海辺の熊野古道。

周参見駅から最初に登る「馬転坂」。太平洋を一望する高台に白亜の観音像が佇む(写真=根岸真理)

長井坂はやや内陸側を通っているが、要所から枯木灘を見下ろす素晴らしい眺望が得られる(写真=根岸真理)

10月25日、晴れ

数ある熊野古道の中でも、風光明美で知られ、古来文人墨客から愛されてきた大辺路。紀伊半島を海沿いにぐるりと回る長大な道ですが、残念ながら往時の姿を留めている部分はごくわずか。富田坂、仏坂、長井坂など、山中を通るパートが、開発の波に飲まれることなく残されています。

長井坂には「版築」と呼ばれる、歩きやすく土手状に整備した部分も残っていて、稀少な古道の面影を今に伝えています。

いずれも紀伊半島南部に特有の照葉樹林と、木々の間から望む雄大な太平洋の眺望が素晴らしく、温暖なエリアなのでこれからの寒い季節こそが適期。今回は、周参見駅~見老津駅の間、馬転坂と長井坂を歩きましたが、白浜温泉に近い富田坂、仏坂もお勧めです。

(文=根岸真理/山岳ライター)

鳥取県・大山

紅葉と海と空が作り出す素晴らしい景観。

紅葉樹越しに霞む弓ヶ浜が弧を描く(写真=山口敬二)

大山北面に広がる色づく元谷、宝珠尾根を望む(写真=山口敬二)

10月18日、快晴

先週の若狭富士に続き、今回は伯耆富士を訪れてきました。

この日は朝から素晴らしい天気です。いつもの夏道を一合目から歩き始めました。周りの木々は高度を増すごとに色づきを増し、やがて西日本最大級のブナ林の黄葉に癒されることとなります。六合目の避難小屋からは、ナナカマドの向こうに広がる元谷の色づきがさらに景観を豪華なものにしてくれて、見る者を虜にします。

そして七合目辺りまで登ると、綺麗な弓ヶ浜の眺望が見事に広がります。大山の広大な山裾にうっすらと弧を描く美保湾の青と、空の青が白い水平線で分け隔てられ、素晴らしい景観を作り出していました。

このレポートが掲載される頃には、大山寺から大神山神社、元谷へと抜けるコースがお薦めです。元谷からは行者コースで夏山登山道五合目に合流すれば、ブナ林の黄葉とさまざまな紅葉が森を染め抜き、それは見事な錦繍が味わえることでしょう。

(文=山口敬二)

岡山県・不溜山

駐車場所までの林道が荒れているので、車高の高い車がお勧めです。

紅葉の林道から、やっと不溜山(たまらずがせん)が見えてきました(写真=舩越 仁)

不溜山頂上からの眺望、左が富栄山、中央はブナの森、右が乗幸山です(写真=舩越 仁)

10月24日、晴れ

以前はヤブコギの山だったようですが、現在は林道も延び、登山道も切り開かれています。鏡野町富東谷を目木川に沿って北上します。最奥集落の出合を起点とする林道富東谷線を更に北上すると、銘木選定された出合の四季桜があります。駐車スペースはその手前にあります。

歩き始めて最初の橋を渡ると本流を外れますが、地形図を良く確認して、あくまでも目木川に沿って林道を上ります。やがて林道終点の標柱がありますが、そのまま進みます。左手の不溜山に通ずるブナ林尾根の上り口には、不溜山への矢印標識があります。ネマガリダケを切り開いた急坂を20分程登れば頂上です。殆どが林道歩きの山で、登り約2時間30分、下り約2時間の行程です。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会会員)

島根県・安蔵寺山

紅葉トレッキングを楽しみました。

曇り空でも鮮やかな紅葉が楽しめました(写真=池田浩伸)

縦走路に広がる紅葉(写真=池田浩伸)

10月26日、曇り

安蔵寺山トンネルの登山口から安蔵寺山を往復しました。

縦走路には、モミジやウリハダカエデの紅葉や、ブナの見事な黄葉が広がっています。薄曇が広がる空模様でしたが、尾根は赤、黄色そして針葉樹の緑のバランスが美しく、谷は一面に紅葉が広がっていました。

安蔵寺山は九州からでも日帰り圏内です。車道、登山道ともに台風の影響はないようで、通行に問題はありません。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

大分県・由布岳

錦繍の山中で至福の一時を過ごす。

秋色に染まる道をゆく(写真=長谷川守克)

西峯をめざし障子戸の岩場を進む(写真=長谷川守克)

10月26日、曇り時々晴れ

山友たちを誘って、紅葉観賞を目的に由布岳を歩いてきました。

この時季、メインの正面登山道は訪れる方が多く、ゆったりと観賞出来ないので、東登山道~東峯~西峯~塚原道の周回コースとしました。

登山口で登山届を提出して出発します。日向越え辺りから、綺麗な紅葉が目につき始めました。道沿いの紅葉を楽しみながら和気藹々と先をめざすと、中腹付近は素晴らしい光景です。初めて訪れた方々は「綺麗だ」「美しい」の連発で、お誘いした甲斐がありました。中でも、塚原道の紅葉は過去何度と観ていますが、自然林が織りなす秋の風景は目を見張るものがあり、全員大満足した6時間の山行でした。

なお東登山道には、クサリ設置の岩場やヤセ尾根など少々危険な個所があり、慎重に行動する必要があります。また塚原ルートは所々踏み跡の薄い個所があるので、目印を見落とさないように行動しましょう。当然、地図とコンパスは必携です。

(文=長谷川守克)

信越国境・塩の道

他に歩く人は全く無い、静かな山旅。

塩の道風景:左上から時計回りにボッカ栃の木、雨飾山、鹿島槍ヶ岳と五龍岳、白馬三山(写真=川畑和夫)

石仏:左上から時計回りに猫鼻石仏群、三峰様、雨中の石仏、前山百体観音(写真=川畑和夫)

10月17日~19日、晴れ

JR大糸線平岩から信濃森上まで、塩の道(千国街道)を歩きました。

信越国境付近から南小谷・千国にかけて、古道の雰囲気が残っています。又、随所に石仏群が残っており、中世以降の信越交流の長い歴史を感じます。小谷村付近では百観音信仰に由来した観音様が、白馬村以南では道祖神も目立ってきます。何れも庚申塔や大日如来と一緒に祀られています。

見通しの効く場所では、明星山、雨飾山、新雪を纏った雄大な白馬三山、不帰ノ嶮、唐松岳、五龍岳、鹿島槍ヶ岳を眺める事が出来ました。道標は整備されていますが、分岐では気を付けた方が良いです。そしてクマ鈴は必須でしょう。クマは見なかったのですが、カモシカには遭遇しました。

(川畑和夫/大阪府/65歳/よく行く山:六甲、比良、生駒、北アルプスなど)

北アルプス・蝶ヶ岳

冬の到来を感じました。

蝶ヶ岳から槍ヶ岳方面の眺め(写真=中川秀夫)

うっすらと雪が積もった蝶ヶ岳の夜明け(写真=中川秀夫)

10月16日~17日、晴れ

秋も深まり、近寄り難さを増す北アルプス。それでも、稜線直下まで樹林帯が続く蝶ヶ岳なら、と考え、徳沢から長塀尾根を登り、山頂直下の蝶ヶ岳ヒュッテで1泊、翌日は横尾経由で上高地に下山しました。

上高地~横尾間は黄金色の落葉松等、木々の色付きが見事な晩秋の風景でしたが、稜線付近では薄っすらと雪、水たまりには薄氷。冬の到来を感じさせる風景でした。

行動中は概ね好天に恵まれ、北アルプス随一ともいわれる槍・穂高の展望を充分楽しみました。しかし稜線は強風が続き、夜は雪も吹きつける厳しい天候。晩秋の魅力と厳しさをじっくりと体験してきました。

(中川秀夫/埼玉県/64歳/よく行く山:奥武蔵)

新潟県・権現堂山

秋晴れの空の下、越後の名山の眺めを楽しむ。

下権現堂山から上権現堂山につながる稜線を歩く(写真=野水敏勝)

権現堂山から望む守門岳(左)と浅草岳(右)(写真=野水敏勝)

10月19日、晴れ

権現堂山は上権現堂山(998m)と下権現堂山(897m)からなり、緩やかな稜線でつながっています。当日は絶好の秋晴れ。戸隠歴史自然公園の登山口から登り下権現堂山へ、そこから見晴らしの良い稜線を歩いて上権現堂山へ。帰路は本沢コースを下りました。

紅葉には少し早いようでしたが、展望は誠に素晴らしく、南に越後三山、北には守門岳や浅草岳など越後の名山を飽かず眺めることができました。

(野水敏勝/新潟県/64歳/よく行く山:越後の山、北アルプス、ヨーロッパの山)

谷川連峰縦走

土樽を起点に茂倉岳、谷川岳、万太郎山を巡る。

茂倉新道の紅葉(写真=日向俊雄)

万太郎山への道(写真=日向俊雄)

10月24日~25日、24日晴れ、25日快晴

山仲間3人で谷川連峰を周回縦走して来ました。土樽起点で茂倉新道を登り、茂倉岳避難小屋に泊まって谷川岳から万太郎山まで縦走し、吾策新道を下りるコースです。標高1000mあたりでは紅葉が見頃で、陽を浴びて鮮やかでした。

茂倉岳避難小屋は徒歩1分の所に水場があり、評判通り快適で、金曜日なのに7組10名の利用でほぼ満員でした。夕方には眼下に雲海が広がり、仙ノ倉と苗場の間に沈む夕日が綺麗でした。

翌日は雲ひとつない快晴となり、一ノ倉沢を見下ろしながらオキノ耳、トマノ耳と越え、遠く富士山や白馬三山まで見える好展望の中、クマザサの縦走路を万太郎山まで気持ち良く歩きました。吾策新道は前半厳しい下りが続き、草刈りされた葉が滑りやすく大変疲れましたが、山の大きさを実感する縦走でした。

(日向俊雄/東京都/65歳/よく行く山:南・北アルプス、甲信越の山)

谷川岳

日本三大急登の一つである西黒尾根をいく。

天神尾根から山頂を目指す登山者(写真=山田典一)

10月25日、快晴

この日は快晴で気温も高く、汗ばむ陽気でした。1時間半ほど黄色に輝くブナ林を歩いた後で稜線に出ると、突然周りの山々が目の前に現れます。クサリ場を3ヶ所越えるとラクダのコルとなりますが、ひと呼吸置いた後、更に山頂を目指しました。

山頂に到着すると、登山者たちが記念撮影をするために長蛇の列をつくって順番待ちをしていました。山頂からは360度の大展望であり、富士山、八ヶ岳連峰、北アルプス、尾瀬の山々が一望でき、至福の時を過ごしました。

谷川岳は蛇紋岩のため滑りやすいので、特に下りは注意が必要です。

(山田典一/群馬県/65歳/よく行く山:上信越の山)

奥秩父・鶏冠山

岩峰の尾根をたどって山梨百名山へ。

鶏冠尾根から第二岩峰と第三岩峰(写真=栗栖 潤)

東沢の徒渉点と鶏冠谷出合(写真=栗栖 潤)

10月18日、晴れ

山梨百名山の奥秩父・鶏冠山へ、西沢渓谷~東沢~鶏冠谷出合から尾根に取り付き、第一岩峰から山梨百名山標柱のある第三岩峰までピストンしてきました。最高点ピークはその先にあります。

難ルートといわれたこのルートも近年は整備が進み、道標や足跡はかなり明瞭になってきているようです。とはいえ、錯綜した踏み跡や崩落地、高度感のある岩場の連続への対応、ルートファインディング能力は重要だと思います。

山頂からの大展望、目の前の黒金山や乾徳山、奥秩父主脈の眺めは圧巻でした。

(栗栖 潤/茨城県/29歳/よく行く山:関東甲信、東北の山)

奥秩父・金峰山

秋晴れの山頂から大展望を楽しみました。

金峰山山頂からの冠雪の富士山(写真=八木茂良)

登山者で賑わう金峰山五丈岩前。右奥は白峰三山(写真=八木茂良)

10月25日、晴れ

夜立ち日帰りで金峰山に登りました。コースは廻り目平キャンプ場~金峰山小屋~山頂の往復です。コースでの危険な箇所は特にありません。

紅葉は終盤でしたが、廻り目平キャンプ場付近では、まだ見られました。

秋晴れの山頂は多くの登山者で賑わい、山頂横の五丈岩では岩の最上部を目指す人も多く見られました。

金峰山山頂からは360度の大展望で、目の前には八ヶ岳連峰が鎮座し、富士山、南アルプス、北アルプス、秩父の山々が見渡せます。冠雪した富士山の雄大な景色を、ずっと眺めていました。

御嶽山は今日も噴煙を上げていました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、早く噴火が収まることを願っています。

(八木茂良/静岡県/67歳/よく行く山:東海地方の花の山、南アルプス)

鳥取県・船上山、甲ヶ山

ところどころで注意が必要な箇所があります。

登山道からの船上山(左)/紅葉の甲ヶ山(右)(写真=庄司信夫)

10月19日、晴れ

日帰り登山で鳥取県琴浦町の船上山(615.6m)甲ヶ山(かぶとがせん1338m)を縦走してきました。

船上山の断崖絶壁は数km続いています。溶岩が冷え固まってできたとか。登山道は平坦部分が多く、一部ササ原の生い茂る所や水で濡れた岩場は滑りやすく、注意しながら歩きました。甲ヶ山手前でコース随一の難所である岩場の尾根にたどり着きます。足場の確保をしながら最大限注意をはらって50mほどの岩場を乗り越え、少し歩くと甲ヶ山山頂に到着です。

山頂からは360度の展望で大山、矢筈ヶ山、日本海までが見渡せました。景色を堪能した後、復路は往路を慎重に歩き駐車場に戻りました。

標高1000mくらいになると紅葉を見ることが出来ました。今回歩いた距離は12.4km(GPS軌跡)と長く、少しバテました。

(庄司信夫/兵庫県/71歳/よく行く山:日本百名山めぐり)

週刊ヤマケイ「読者の登山レポート」「遭難防止オピニオン」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんの登山レポートを募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

「遭難防止オピニオン」につきましては、文字数400字程度でお願いします。ご自身の遭難体験についてお書きいただくときには、写真をつけていただくとありがたいです。お名前、メールアドレス、年齢、郵便番号と住所、登山歴、よく行く山名・山域も添えてください。「登山レポート」「オピニオン」ともに文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。また、日本山岳遺産基金のファイルに「蘇れ日本列島」というご投稿コーナーも設けました。全国各地の山岳地域で環境保全活動をなさっているかたがたのレポートなども、お待ちしております。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」または「週刊ヤマケイ・遭難防止オピニオン」「週刊ヤマケイ・蘇れ日本列島」とお書きください。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

登山のアプローチ手段としてすっかり定着した「登山バス」。電車やバスを乗り継ぐ面倒もなく、登山口までスムーズにたどりつけることから、人気を集めています。

日本山岳遺産基金賛助会員である(株)毎日企画サービスでは、今期も登山者専用バス「毎日あるぺん号」を企画実施いたします。登山にかかる日数・コストの軽減をお考えの方は、装備同様、登山の必須アイテムとして、ぜひご利用ください。とっておきの登山イベントバスもあります。

2014年度の「日本山岳遺産認定地」が決定しました。

吾妻山(福島県)、鍬ノ峰(長野県)、徳本峠(長野県)の3箇所。

山岳自然環境の保全、次世代の登山者の育成、安全な登山の啓発を目的に2010年から活動を続けている日本山岳遺産基金が、2014年度の認定地を決定、10月24日にプレスリリースを発表しました。

本年度は全国8団体からの申請があり、アドバイザリーボードの助言のもとで検討した結果、以下の3箇所となりました。

吾妻山(福島県)/荒廃裸地の植生復元をボランティアで行っている吾妻山自然倶楽部

●吾妻山(福島県)/吾妻山自然倶楽部

【山の概要】亜高山性針葉樹林の原生林や、山地湿原や、雪田草原、瀑布など、変化に富んだ景観を有しています。古くから山岳信仰が栄えた歴史的にも価値の高い山。磐梯朝日国立公園内の森林生態系保護地域にあたります。

【認定団体】自然の荒廃に憂慮した地元の山岳関係団体代表者らにより、2013年に任意団体として設立。登山道周辺の荒廃裸地の植生復元のために、一般市民のボランティアを募って11年間活動を続けています。

【認定理由】登山道の荒廃への対策が急務。来年度に予定している酸ヶ平・姥ヶ原地区と東吾妻山地区での荒廃地への播種と緑化ネット敷設作業のための、ネット購入費用が助成対象です。

鍬ノ峰(長野県)/大町高校山岳部の生徒たちの手によって維持、整備が続けられている

●鍬ノ峰(長野県)/長野県大町高等学校山岳部

【山の概要】鍬ノ峰(1623m)は北アルプスや大町市街が眼前に一望できる市民に親しまれている山です。「仏崎大町高校ルート」が、2001年に同校創立100周年を記念して高校生たちの手によって開かれ、維持整備が続けられています。

【認定団体】2014年は大町高等学校山岳部生徒9人、顧問3人が活動。山岳部としての活動も活発化するなか、鍬ノ峰大町高校ルートの整備の重要性が再認識されています。

【認定理由】地域の里山を守るために高校生が懸命に活動。費用は生徒会の部費や、クラブ員の自己負担で賄っていますが、器具の不足や老朽化から、買い替えが必要な時期。老朽化した道標の付け替え費用も含めて助成対象とします。

徳本峠(長野県)/「古道徳本峠道を守る人々」の活動。橋の整備など大がかりな作業もある

●徳本峠(長野県)/古道徳本峠道を守る人々

【山の概要】島々から上高地、明神へと至る歴史的に重要な登山道でした。中部山岳国立公園内に位置し、野生動物や希少な蝶なども生息する特別地域ですが、雪崩や土砂による荒廃が進み、多くの風倒木が道を塞いでしまう状況です。

【認定団体】16㎞の登山道の整備を行うため、2011年から有志で活動を開始。年4~6回の整備活動を、道具や補修材料を自前で持ち寄って行っており、参加者のコミュニケーションや意識向上を図るための「徳本フォーラム」も開催。

【認定理由】近代登山史においても極めて重要で、地元の学校登山や遠足などでも活用されている登山道の整備や安全確保を、ボランティアだけで行っている点を評価。チェーンソーを中心とした整備備品購入費用を助成対象とします。

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詳細は日本山岳遺産ホームページをご覧ください。

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/

なお、認定式と各地からの報告などを行う「日本山岳遺産サミット」が、2015年2月に東京で開催されますが、詳細は追ってこのコーナーでもお知らせいたします。

(日本山岳遺産基金事務局長 久保田賢次)

海外登山懇談会「登山を通して見えてきたもの」

11月6日(木)夜、東京で開催

エベレストを中心に、クーンブ山群の山々(写真=岩崎 洋)

日本山岳協会国際委員会の主催で行われます。若者の育成や社会への還元、登山の医療への活用など、それぞれに新たな活動を続けるお二人が、現在にいたるまでの変遷を語ります。「登山を通して見えてきたもの」と題しての座談会も開催。

山の知識検定

Q:山行中の食料や間食についての説明のうち、ふさわしくないと思われるものを次のなかから一つ選びなさい。

1.昼食は、幕の内弁当のようにゆっくり座って食べられるものがふさわしい。

2.朝食には米飯のような炭水化物をたっぷり食べてから出発する。

3.間食は、簡単に食べられてカロリー補給ができるものがよい。

4.行動食は、雨の中で立ったままや歩きながらでも食べられるものを準備する。

平成25年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて

山の知識検定

Q:山行中の食料や間食についての説明のうち、ふさわしくないと思われるものを次のなかから一つ選びなさい。

1.昼食は、幕の内弁当のようにゆっくり座って食べられるものがふさわしい。

2.朝食には米飯のような炭水化物をたっぷり食べてから出発する。

3.間食は、簡単に食べられてカロリー補給ができるものがよい。

4.行動食は、雨の中で立ったままや歩きながらでも食べられるものを準備する。

A:1

山の食事と間食は、カロリー補給ができ、簡単でいつでも食べられ、好きなもの、おいしさを重点に考える。朝の出発前には、ゆっくり吸収されて1日のエネルギーの元になる炭水化物を多めに摂りたい。また、非常食は必ず持とう。

平成25年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

『アルパインカレンダー2015』

「写真がきれい」と、選ばれ続けて83年

日本各地の名峰と美しい風景のカラー写真で各週を綴る、山の写真ダイアリーの決定版。この『アルパインカレンダー』が生まれたのは昭和6年。山と溪谷社創業の翌年に発売されました。以来83年にわたって、日本の山を多くの登山者に届けています。来たるべき新年は、ぜひこのダイアリーを山行にお役立てください。

http://www.yamakei.co.jp/calendar/2814850200.html

●発売日:2014年10月10日/ページ数:124ページ/サイズ:タテ20cm×ヨコ22.4cm/販売価格:2,400円+税

2014年10月~11月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『山のお肉のフルコース パッソ・ア・パッソのジビエ料理』 10/10 1,400円+税
『花手帖2015』 10/10 1,400円+税
『野鳥手帖2015』 10/10 1,400円+税
『日本人なら一生に一度は見ておきたい民話と伝承の絶景36』 10/10 1,700円+税
『山と溪谷11月号』 10/15 952円+税
『日本ボルダリングエリア 下』 10/17 2,000円+税
『関西ハイキング2015』 10/18 933円+税
『CLIMBING joy No.13 2014年秋冬号』 10/22 1,000円+税
ヤマケイ新書『モンベル7つの決断 アウトドアビジネスの舞台裏』 10/24 760円+税
ヤマケイ新書『体験的山道具考 プロが伝える使いこなしのコツ』 10/24 800円+税
ヤマケイ新書『山の名作読み歩き 山の文章世界の道しるべ』 10/24 880円+税
山登りABC『雪山入門』 10/24 1,000円+税
山登りABC『はじめよう親子登山』 10/24 1,000円+税
『渡辺一樹が教える いまどきのコブ&急斜面 スキーテクニック DVDブック』 11/7 1,800円+税
『ワンダーフォーゲル12月号』 11/10 926円+税
『山と溪谷12月号』 11/15 1,048円+税
『ちゃんと歩ける 東海道五十三次 東 江戸日本橋~袋井宿』 11/21 1,500円+税
『ちゃんと歩ける 東海道五十三次 西 袋井宿~京三条大橋』 11/21
1,500円+税
『ちゃんと歩ける中山道六十九次 東 日本橋~藪原』 11/21
1,500円+税
『ちゃんと歩ける中山道六十九次 西 藪原宿~京三条大橋』 11/21
1,500円+税
ヤマケイ新書『狩猟始めました --新しい自然派ハンターの世界へ』 11/21 800円+税
ヤマケイ新書『「体の力」が登山を変える』 11/21 800円+税
ヤマケイ新書『ベニテングタケの話』 11/21 880円+税
ヤマケイ新書『今そこにある山の危険』 11/21 760円+税
『厳選 雪山登山ルート集』 11/22 2,300円+税
山登りABC『もっと登れる 山の食料計画』 11/22 1,000円+税
『ぼくは冒険案内人』 11/22 1,400円+税


アルパインツアーサービスからのお知らせ

【国内】 【集合場所・参加費変更】女子・中級登山講座 ロープワーク講習と実践「御坂・十二ヶ岳から鬼ヶ岳」2日間

ヤマケイ登山教室

集合場所と参加費を変更しました。催行が決定したので、申し込みはお早めに。

この企画は、登山経験が3年程度で50代までの女性中級登山者が対象です。岩稜から雪山まで、登山の総合力を磨けるコースを厳選しました。ただピークを目指すだけでなく、各所で講習を行ないます。

今回は初日に河口湖周辺でロープワーク講習。2日目は御坂山塊支脈の岩稜縦走へ。富士山の展望を楽しみながら、十二ヶ岳から鬼ヶ岳の数々の岩峰を越えていくロングコースです。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=134811

日程 11月8日(土)~9日(日)
集合 富士急行 河口湖駅改札前(9:10)
行程 1日目:河口湖駅(車)河口湖町 講習(ホテル泊)
2日目:~徒歩~文化洞トンネル(830m)~毛無山~十二ヶ岳(1683m)~節刀ヶ岳~鬼ヶ岳(1738m)~西湖(900m)(車)河口湖駅【解散】17:00 (予定)
歩行時間:2日目約7時間30分
登山レベル 健脚レベル(10~12kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で歩ける体力が必要です)
難易度 4(往復、周回、縦走コース。登山道はやや明瞭を欠く部分があり、緩急が大きく、幅員も小さく、一部にハシゴやクサリ場、それに匹敵する個所がある。転滑落の危険個所が多い)
参加費 35,000円
講師 阿波 徹(山岳ガイド)
装備(各自で持参) クライミングハーネス、ヘルメット、ソウンスリング(60cm×2本、120cm×2本)安全環付カラビナ(HMS型・スクリューロック式)2個
備考:2015年3月焼岳への参加条件 2015年3月の「焼岳」2日間に参加希望の方は、10月「宝剣岳」または11月「十二ヶ岳」に1回以上、1月「安達太良山」または2月「蔵王」に1回以上、合計2回以上参加することが条件です。

【国内】レディース・トレッキング初級「荒船山」日帰り

ヤマケイ登山教室

催行決定しました! 申し込みはお早めに。

「山登りを始めたけれど、登山技術や体力に不安がある」という方向けに、山登りのノウハウから基礎を学ぶ初級クラスです。群馬と長野の県境に位置する荒船山は、遠くから見てもそれとわかる「荒海を渡る巨大な船」のような姿が特徴的な山です。高さ200mの大岩壁のトモ岩からは、浅間山から妙義山、榛名山などの展望を楽しむことができます。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=134806

日程 11月9日(日)
集合 JR八王子駅改札前(7:30)
行程 JR八王子駅(バス)内山峠(1080m)~トモ岩(1330m)~行塚山(1422m)~三ッ瀬(バス)JR八王子駅【解散】20:00~22:00(予定)
歩行時間 約4時間30分
登山レベル 初級レベル(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差500mの登りを2時間以内で登れる体力が必要です)
難易度 往復、周回、縦走コース。登山道は比較的明瞭で、緩急はあるが、幅員もある。転滑落の危険個所が少ない
参加費 16,000円
講師 菅野由起子(登山ガイド)

【机上講座】遭難事例研究「道迷い遭難の事故事例研究(2回目)」

ヤマケイ登山教室

増え続ける山の事故を未然に防ぐために、私たちになにができるのかを、いっしょに考えてみませんか。この講座では、過去の遭難事例を紐解きながら、遭難事故の実情を見据え、生死を分けるポイントを検証していきます。参考書:『転倒・滑落しない歩行技術』(山と溪谷社刊)。講座協賛:日本山岳救助機構。

【学生割引】学生証の提示で1グループ3人まで受講料が無料になります。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id= 1521

開催日 11月6日(木)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 45名
受講料 2,000円
講師 野村仁(山岳ライター)
株式会社山と溪谷社
〒102-0075東京都千代田区三番町20番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。