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西山秀夫さん

東海周辺の山々のガイドブックを編む。

鷲羽岳にて。黒部川源流を遡行し、三俣山荘に一泊後に登頂

名古屋を基点に日帰り可能なエリアから120座を選定したガイドブックが完成した。『東海周辺 週末の山登り ベスト120』というタイトルのこの本は、地元の山々に精通した11人の方々により取材・執筆されたもの。編者として尽力された西山秀夫さんに聞いた。

(聞き手=久保田賢次 『週刊ヤマケイ』編集長)

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久保田:256ページというボリュウムのなかに、三河・尾張、南アルプス深南部、中央アルプス、木曽谷・木曽山地、伊那谷、美濃、飛騨、鈴鹿、伊勢、台高、紀州ほか、ほんとうに幅広いエリアの山々が紹介されていますね。名古屋を基点に登れる山々の多様さに驚きました。

西山:そうなんです。東海周辺の山々の魅力はその多様性にあると思います。

地理的分布として西は近江側の鈴鹿、南は三重県南部の太平洋の見える山々、信仰と生活の熊野古道につらなる東紀州の山、北は白山付近の山、特に東側は木曽山脈の山々が1500m級から3000m級の山まで垂直分布も大きい。展望を楽しみに登るなら富士山付近の山が良い。

関東圏から、関西圏からも山好きの転勤族は異口同音に「東海地方は山に恵まれていますねえ」と言います。往年の山男は「名古屋に勤務していた頃は良かったな」とも。数年すると皆さん、泣く泣く次の任地へ行かれるんです。山の雑誌等で情報ぜめになることが少ない分、新鮮さがあるかに思います。

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久保田:11人の方々にご執筆いただきました。みなさん、西山さんとともに登山をなさっている人たちだと思いますが、普段はどのように登山を楽しまれていらっしゃいますか。

西山:今回の執筆陣は東海白樺山岳会と日本山岳会東海支部の会員のうち、山スキークラブの面々に声をかけて協力してもらいました。日本百名山や日本三百名山を目標にする人、地元のやぶ山の沢登り、山スキー、岩登りをする人などです。特に変わったことはしていません。

特筆するのは東海支部には他の会にないメディア系のカルチャーセンターで登山教室を開催し、その講師陣もいまして、受講生の修了実技登山の企画からリーダーとして汗を流しています。私も付き添いに応援で登ることがあります。

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久保田:『週刊ヤマケイ』は、全国各地の読者のみなさんにご覧いただいています。もし、名古屋周辺にお住まいのかたでなく、遠方のかたがこのエリアを訪ねるとしたら、どんな山々がお勧めでしょうか。

西山:東海地方の日本百名山は伊吹山、恵那山、木曽駒、空木岳、御嶽山と少ない。しかし、遠方から来られても目標に足る山はある。例えば、奥美濃の盟主・能郷白山は一押しです。残雪期の登山はそれなりのキャリアと準備がいりますが、忘れえぬ山になるでしょう。

秋も素晴らしい。小秀山は美濃で第二の高峰ですが、目の前に迫る御嶽山を見られたら感動します。鈴鹿の藤原岳は花の名山としての地歩を築きあげました。福寿草の開花期は登山口だけでなく、周辺の民家も庭を有償で提供するくらい多数のファンが訪れるほどです。

日高山脈・日勝ピーク、1137m無名峰

新雪のバックカントリースキー。

日勝ピークにて。さあ、ここから滑走だ!と早速準備(写真=谷水 亨)

滑走していると別のパーティーが登ってきた。1137m無名峰にて(写真=谷水 亨)

1月30日、曇り

北海道・日高山脈を縦断する主要道路国道274号線の日勝峠。ここの日勝トンネル日高寄りの駐車場に車を停めて、友人3名とスキーで登り始めます。標高1020mから1445mまで標高差425mのプチ登山です。

ワカンにピッケルを持った登山者が先行して登っていく、その後を我らがスキーで続きました。約250m程はほぼ直登、そこからジグを切りながら登ること約130m、後は緩やかな尾根を45m登り日勝ピークに到着。約1時間20分程の所要時間でした。

沙流岳や熊見山等を見ることは出来ましたが、遠方は雲に隠れて素晴らしい眺望は見ることが出来ませんでした。しかし新雪が10~20cm程あり、下りの滑走は最高のパウダースノーを楽しみました。

さらに場所を移動して本日2本目のスキーを楽しむため、熊見山を目指さず直接無名峰を登り時間を短縮することにします。三国の沢覆道で日高寄りの駐車場に車を停めて登り始めました。

先行4人パーティーのトレースを使わさせていただき、樹林帯約150m程を30分で登ると、開けたボール状の雪面に出ました。その後は先頭で登り、左稜線を1時間ほど登って頂上に着きました。

この頂上からは滑走面を望むことができません。眼下に見えるのは国境線を境にした東方面の雪面のため、悪天候の時は間違えやすいので注意が必要です。この日は小雪とはいえ進むべき方角は明確でしたが、地図とコンパスで滑走方面を再確認します。約30m程登ってきた稜線上を滑走し、その後は広々とした雪面で10~20cmの新雪を堪能しました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

※編集部注:バックカントリースキーの事故が各地で多発しています。初心者、初級者だけで安易にバックカントリーに入ることのないよう、注意してください。

山形県・鳥海山

鳥海山南面のクラシックルートを登る。

横堂から始まる月光坂。雪が少ないため雪庇は小振り(写真=佐藤 要)

カゴ山の登りで突然晴れ渡り、外輪が見えてきた(写真=佐藤 要)

1月24日~26日

湯ノ台道は、標高1100m付近までブナに覆われていて、季節風を避けることが出来る尾根道であり、古くから冬山登山の良きルートとして親しまれています。しかし、山スキーの普及により、登山者の多くは鳥海高原ライン(車道)に沿ったルートや、ブナ林を切り開いて作られた宮様コースというスキーに適したルートを登るようになりました。最近ではクラシックルートと言われる湯ノ台道ですが、変化に富んだ魅力あるルートです。

湯ノ台からブナが立ち並ぶ尾根をたどり、標高858mの鳳来山へ。ここから雪庇が発達した狭い尾根を進み、急な月光坂を登って、ブナ原生林が広がる大黒台に出ます。森林限界の西物見からカゴ山を越えると雪原の中に滝ノ小屋が見えてきます。

今回はワカンを使った単独ラッセルに苦しみ、1日目は大黒台のブナ林でテント泊。2日目の昼前にようやく滝ノ小屋にたどり着きました。その後、伏拝岳を目指したのですが、午後になって天候が崩れ、標高1800m付近で登高を諦めて滝ノ小屋に戻りました。3日目、気圧の谷の接近により河原宿から上が雲に覆われていたため、往路を下山しました。

(文=佐藤 要/「山歩きの雑記帳」編集人)

宮城県・大倉山

仙台の奥座敷・秋保温泉の西側に位置する羽山信仰の山。

北山方面から眺めた大倉山(左)と大沢山(写真=曽根田 卓)

大倉山山頂から夕日に照らされた秋保温泉を見下ろす(写真=曽根田 卓)

2月1日、曇り時々晴れ

仙台市街地から秋保街道を二口渓谷方面に車を走らせると、秋保温泉を過ぎた頃から車窓の左手に三角形の端正な山容をした大倉山が見えてきます。この山は山頂に羽山権現が祀られているため、地元では「羽山さん」と呼ばれて信仰の対象になっています。

一般的な登山道は北麓の羽山地区から、鳥居を潜って山頂まで標高差300mの急斜面を一気に登りますが、今回は釜房ダムの下流・碁石地区にある北山から、県道160号線を跨いで大沢山を経由し、大倉山に至る距離10.5km、累積標高差1030mの縦走にチャレンジしました。

折しも金曜日に降った雪のために、全行程20~40cmのツボ足でのラッセルを強いられ、体力的にとてもハードな登山となりました。

標高は433m足らずで里山の域を出ない山ですが、ルート採りによっては奥羽山脈の高い山に登った以上の達成感が得られます。

(文=曽根田 卓)

八ヶ岳・真教寺尾根賽ノ河原

ヤマケイ登山教室でスノーシュー。

駐車場から美ノ森山へ登る(写真=石丸哲也)

賽ノ河原からの下りと下山後の富士山、シカの食跡と足跡(写真=石丸哲也)

1月31日、曇り

ヤマケイ登山教室で今季初のスノーシューに行ってきました。八ヶ岳の最高峰・赤岳へのクラシックルートである真教寺尾根を標高約1900mの賽ノ河原まで登るコースです。下山は大門沢に下り、サンメドウズ清里スキー場のまわりを周回する形ですが、賽ノ河原直下までと賽ノ河原から大門沢付近まではスキー場と離れているし、登山者が少ないコースでもあり、静かな穴場です。

リフトは使わず、標高差400mあまりですが、雪山の登高を楽しめるのもこのコースの特徴です。スタートの美ノ森(うつくしのもり)山や真教寺尾根の途中、賽ノ河原などは展望がよく、八ヶ岳の岩峰群をはじめ南アルプス、奥秩父、富士山などを眺められるのですが、この日は曇り。しかし、尾根道は高原状の美ノ森山からカラマツ林、開けた防火帯、シラビソなどの常緑針葉樹林、ミズナラやダケカンバの落葉樹林と変化に富むうえ、時折、陽が射したり、小雪が舞ったりする天候、数日前の新雪に覆われた斜面など、雪山の楽しさを満喫させてくれました。

賽ノ河原からは、まっさらな雪の斜面を思い思いに新雪を蹴散らして下り、楽しそうな笑い声があちこちから聞こえてきました。途中、よく似たシラカバとダケカンバの見分け方、シカの食跡や足跡も観察でき、スキー場の駐車場まで下山すると、目の前に富士山がくっきりと浮かんで迎えてくれました。今週末以降もスノーシューで赤城山・地蔵岳、奥日光・刈込湖、沼田・玉原高原、水上・宝台樹尾根などへ毎週のように出かける予定で楽しみです。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

高尾山(稲荷山コース~小仏城山)

凍結箇所では軽アイゼンを装着しましょう。

残雪が凍結している稲荷山登山口付近(写真=甲把 収)

高尾山頂から望む丹沢と富士山(写真=甲把 収)

1月25日、晴れ

1月30日の降雪により、高尾山もうっすらと雪化粧をしています。北斜面の落葉樹林内にある4号路は7cmの積雪がありますが、南斜面の常緑樹林内にある3号路は地面が見えている所も多く、風の向きや葉の有無で登山道の積雪量も変わるようです。残雪が踏み固められたアイスバーン、雪が融けたぬかるみ、平常の状態と、モザイク状に登山道の状況が変わるので、軽アイゼンの着脱が面倒で困りものです。だからと言って手間を省かず、要所では必ず軽アイゼンを装着するよう心がけて下さい。特に事故の多い6号路大山橋付近や、下山時に土の見える状態が続いた後、最後の登山口が凍結している稲荷山コースでは注意が必要です。

3月13日(予定)までの間、一丁平のトイレが浄化施設改修工事のため、利用出来なくなります。大変ご不便をおかけして申し訳ありませんが、高尾山頂やもみじ台のトイレ又は小仏城山のトイレをご利用下さい。ご理解とご協力をお願いいたします。

高尾山頂や一丁平の展望台では、青空のバックに雪化粧の丹沢山塊と雄大な富士山が映える眺望に歓声があがっていました。凍結とぬかるみ対策に軽アイゼンとスパッツを持って、冬ならではの高尾山をお楽しみ下さい。

(文=甲把 収/東京都レンジャー(高尾地区))

神奈川県・相模嵐山

下山後は相模湖を渡し船で。

嵐山山頂の展望。眼下に相模湖と相模湖畔の町並み。新雪の大菩薩を遠望(写真=白井源三)

相模湖の渡し舟から嵐山を望む(写真=白井源三)

1月25日、快晴

相模湖を隔てて樹林に覆われた嵐山はこんもりとして、京都の嵐山に似ていることからこの名が付いたといわれます。冬晴れの日、アプローチと下山後に変化を付けたコースを歩きました。

JR相模湖駅から桂橋経由三ヶ木行きバスに乗り、千木良で下車。右に折れて牛鞍神社の横から坂を下り、底沢から相模川にかかる弁天橋を渡りました。広い河原に下りて、渓谷美を堪能しながら休憩。その後、急坂を登り、養護学校の脇から右折してしばらく進むと、左にかながわの景勝50選の碑が立つ嵐山の登山口に到着です。根が露出した急登から登山が始まります。

ワンピッチで相模湖が眼下となり、落葉樹の尾根を登り詰めると、頂上の台地から右に展望が広がっていました。眼下には相模湖と相模湖の町並みが朝陽に眩しく輝き、中央道が延びるパノラマの奥には新雪の大菩薩が遠望出来ました。

山頂神社横を、高尾山から始まる東海自然歩道をねん坂に向かって下ります。前方にプレジャーフォレストの観覧車、左に景信山の稜線が木の間越に見えました。小沢にかかる2本の橋を渡るとベンチが置かれ、山頂のアンテナが望まれる嵐山が高みとなっていました。ここからはプレジャーフォレストの山腹を巻いて進むようになります。登り詰めると金網越しに、夜間はイルミネーションで賑わう園内が見渡せました。

下山後はバスで相模湖駅へ向かわず、相模湖を渡し舟で帰ろうと計画していました。国道にかかる歩道橋を渡り、顕鏡寺への案内板を右へ、さらに路地を右に曲がり道路を進んでいくと、渡し舟の大きな看板が目に入りました。右下にどんどん下っていくと船着き場に着き、黄色いドラム缶を叩くと対岸から渡し舟がやってきます(石老山の下山後で利用してもいいでしょう)。渡し料金600円を支払い、入江から出ると大学のボート部員がレガッタを沖に漕ぎ出しました。湖面を渡る寒風が頬に冷たく、振り返ると背後に石老山が横たわり、右に登り終えた嵐山が冬晴れの陽を浴びて相模湖に浮かんでいるようでした。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

山梨県・茅ヶ岳、金ヶ岳

雪があったほうが登りやすい、意外なルート。

茅ヶ岳山頂にて(写真=三上浩文)

西尾根からの金ヶ岳と烏帽子岳(写真=三上浩文)

1月31日、晴れ時々曇り

日本百名山の著者、深田久弥終焉の山として有名な茅ヶ岳。最近は登山者が多く、駐車場が満車ということもありますが、この時期はさすがに静かです。

大半の方は韮崎市穂坂地区の大明神登山口からの登山ですが、意外なところからも登れます。金ヶ岳と茅ヶ岳の間から西に流れる栃沢川を詰めて、金ヶ岳と茅ヶ岳の最低鞍部に出るというものです。普段は雨が降らないと水も流れていない沢ですが、滝やゴルジュといった悪場はまったくありません。前日降った雪で多少のラッセルとはなりましたが、雪があったほうが登りやすいルートです。茅ヶ岳の山頂からの展望は、あいにくの強い冬型で多くの山は雲がかかっていましたが、富士山はばっちり見えました。

茅ヶ岳から最低鞍部に戻り、烏帽子岳、金ヶ岳とピークを踏んで、登山口の北杜市明野地区東光まで尾根道を下ります。

烏帽子岳というピークは意外に知られていないのですが、金ヶ岳手前の尾根上の突起です。西側の麓から見ると見事に烏帽子の形をしています。トレースは古いものがありましたが、ほとんど消えていました。

金ヶ岳の西に延びる尾根は、はじめのうち樹勢が低いので展望がききます。登山道として整備されている尾根ですが、湯戸ノ沢側の崩壊地の上部の通過は注意が必要です。前後して多少岩場も出てきます。

前日の雪がフレッシュだったので、動物たちが雪の上につけた足跡もたくさん発見できました。

(文=三上浩文/登山ガイド)

兵庫県・氷ノ山

白い空気に包まれた雪原を闊歩。

三の丸手前のなだらかな雪稜にはまばゆいばかりの白い森が続きます(写真=山口敬二)

細い稜線のトレースをそのまま辿るとコシキ岩のてっぺんに出ました(写真=山口敬二)

1月25日、晴れ時々曇り

わかさ氷ノ山スキー場のリフトをふたつ乗り継ぐと、一気に標高1190mのスキー場最上部に達することができます。今回はここから三の丸を経由して氷ノ山へと巡る周回ルートを辿りました。

終始スノーシューで歩きましたが、いきなりの急登から一気に山陵に出ると、稜線の白い森が光輝いていました。まばゆい森はマシュマロのような円やかな雪を抱き、雪原には吹き付ける風に風紋が畝っています。私たちは白い空気に包まれた広大な雪原を気ままに闊歩しました。

三の丸を越えて白い稜線の縁を辿ると、谷を大きく左に迂回した先に頂上に達する最後の斜面が見えました。谷ではボーダーたちが樹間に伸びやかなシュプールを描き、先を行く妻の赤いヤッケは米粒のようになって白銀のなかで佇み、さらに先を行く幾人かのパーティーが最後の斜面の登りに差し掛かっていました。

氷ノ山の頂上からは、細い雪の稜線を行くことになります。コシキ岩の上まで行ってしまわないように、手前から岩の基部に下りて兵庫県側を慎重にトラバースします。この稜線からの展望も素晴らしいです。右手に鉢伏山を望み、振り返るとコシキ岩越しに氷ノ山が構え、さっきまで居た避難小屋もハッキリ見えました。

兵庫県側に張り出した雪庇に注意しながら進むと、やがてブナの樹林帯に入り、氷ノ山越避難小屋が見えてきます。避難小屋で小休止すると、スキー場に戻るスギ林の激下りの斜面を転がるようにして下りました。

(文=山口敬二)

岡山県・四尋山~御嶽山

瀬戸内の島々を眺めながら、のどかな初例会となりました。

落ち葉の下が粘土質なので、設置ロープが頼りの急傾斜です(写真=舩越 仁)

北木島、白石島など、素晴らしい展望を楽しみながら下山しました(写真=舩越 仁)

1月28日、曇り

四尋(しひろ)山と御嶽(みたけ)山の間の鳥ノ江峠には広い駐車場とトイレがあります。ここから参加者38名が1列縦隊で、まず四尋山を往復します。228.7mの低山ですが、落ち葉で滑り易い上に急傾斜の直登です。平均年齢は71歳ですが、皆元気です。

もと来た峠に下り、次はかつて修験道の山であったという御嶽山に登ります。途中の御瀧神社には由緒ある狛犬が鎮座していますが、この日歩いたコースからは修験の山と云う程の気迫は感じません。こちらの山の方がハイキング向きで、頂上広場からの展望もよく、陽だまりでゆっくりの昼食となりました。

当日は時折風花の舞う天気でしたが、その寒気は登りの汗を抑えてくれ、休憩時の柔らかな陽ざしに久し振りの話が弾む楽しい1日でした。瀬戸内では春が直ぐそこに来ています。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

岡山鳥取県境・黒尾峠~崇山~草野原峠

県境東端の三国平から計7日目、やっと国道53号黒尾トンネルを乗り越えました。

国道53号黒尾トンネル岡山側の退避場所でカンジキを装着し、出発の身支度を整えます(写真=舩越 仁)

急な雪壁を登攀し、やっと県境稜線に合流しました(写真=舩越 仁)

2月1日、雪

黒尾トンネル入口手前から、旧峠に続く林間道に踏み込みました。これまでの雪に新雪が30cm程積もっており、交代で進みますが、朝の新雪は軽いです。緩やかに約1km上った峠は、切り落としの石垣壁の為、少し戻ってスギ林に取り付きました。こんなところによくぞ植林したものだ、と感心するほどの急傾斜地ですが、ここで威力を発揮するのがアイゼン代わりにもなるカンジキです。この日の核心部、高度70mを登攀して稜線に出会いました。

稜線の新雪はこれまで以上に深く、倒木やミニ雪庇、ブッシュに喘ぎながら4等三角点崇山に到着しました。気高さを感じる山名ですが、その由来は分かりません。この日はいつもより時間を要した行程でしたが、前回と同じ草野原峠に降り立ちました。

岡山県には山陰山陽を結ぶ国道トンネルが6本ありますが、本日の乗り越えで最後の1本も終了しました。次回以降は国道から次第に離れ、難関の深山区間が待ち受けています。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

瀬戸内海・大槌島

釣り船で上陸し、小さな無人島の頂上へ。

大槌島頂上から見下ろした香川県側の大槌瀬戸の海原。中央やや左は小槌島(写真=木元康晴)

船から見た大槌島の全景。中央の尾根を登る(写真=木元康晴)

2月1日、曇り時々晴れ

岡山県の王子ヶ岳に足を運んだことのある人ならば、頂上から見渡す瀬戸内海に浮かぶ、三角形の島が印象に残っているのではないでしょうか? その島の名前は、大槌島。頂上が岡山県と香川県の県境になっている、標高170.8mの小さな島です。北浜から頂上までは、やや荒れ気味ではあるものの踏み跡があって、登山の対象ともされています。無人島なのですがアクセスは比較的簡単で、岡山県側の日比港で釣り船に依頼すれば、片道約10分の乗船で上陸可能です。

北浜に着いたら西寄りの小沢を渡って、後は赤テープを追って不明瞭な尾根を登り詰めます。下はササ、中間部は照葉樹、そして頂上直下はトゲ混じりのヤブがあって決して快適な道ではないのですが、誰もいない頂上から望む瀬戸内海の多島美は格別なものです。

下山後は迎えの船まで時間があり、ちょうど干潮だったので島の海岸線を散策。島の西側は岩場が多くて通過困難ですが、東側は砂浜が続き、のんびり歩くことができました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

福岡県・英彦山

幻の滝を見に行きました。

幻の滝と言われる四王寺滝(写真=池田浩伸)

1月27日、曇り

別所駐車場~奉弊殿~四王寺ノ滝~南岳~中岳~奉弊殿~別所駐車場を周回しました。幻の滝と言われる四王寺ノ滝の氷爆を見るのが目的でしたが、ここ数日間の気温が高く、残念ながら氷のカケラしか見ることができなかったです。

登山道から滝まで、案内通りに浮石や苔で滑る岩と倒木で歩きにくい道を600mほど進みます。谷の奥まで進むと、落差30m以上あると思われる岩壁から、勢い良く流れ落ちる滝が現れました。凍っていなくても迫力がある滝です。2月の寒波が来たら、また来ようと思い、滝を後にしました。

登り始めはアイゼンが要らない気がしていましたが、山頂部は雪と氷で滑る状態でした。これから四王寺ノ滝を見に登る方は、十分に注意をして登ってください。一般登山道ではありませんし、谷の奥に行くほど傾斜も急になり足元も不安定になります。なお、奉弊殿から、鬼杉方向へ進むと登山道には添田町や田川警察が立てた「災害により崩壊して危険箇所あり、ルートも分かりづらい」との注意書きがあります。


(文=池田浩伸/登山ガイド)

長崎県・郡岳

照葉樹の森歩きを楽しみました。

大村湾や嬉野方面の展望が楽しめる(写真=池田浩伸)

高度感がある坊岩(写真=池田浩伸)

1月24日、曇り

南登山口から西登山口へ下山しました。

1月にしては気温も高く、風がない穏やかな天気で、森歩きを楽しみました。南に登山道があるので、冬場に登ることが多い山ですが、特に森が綺麗なところです。

ホオジロやシジュウカラなど野鳥の声を聞きながら山頂へ。大村湾や嬉野、眼下には野岳湖などの展望を楽しんだ後は、露岩の坊岩に立ち寄って西登山口へ下山しました。冬の低山歩きにおすすめの山です。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

北海道・幌平山

白銀の斜面とブルーの湖面。

幌平山の斜面と恵庭岳(写真=蓮井美津夫)

ルートから見た支笏湖と紋別岳(写真=蓮井美津夫)

1月28日、晴れ

午前中までは晴れるとの天気予報に誘われ、支笏湖に近い幌平山に登りました。

平日のため自分以外に登山者はいませんでしたが、登山口から始まる急登には数日前のものと思われるしっかりとした踏み跡があり、つぼ足でのスタートです。途中、木々の間から支笏湖ブルーと称される青に染まる支笏湖と紋別岳がハッキリと見えました。

高度を上げるにつれて、幌平山の白銀の斜面が広がります。ルート終盤からは踏み跡が消え、スノーシューを履いての登りとなりましたが、そのスノーシューも深く沈むようになっていきます。斜面の傾斜も増したことから、頂上まで残り僅かとは思いましたが、安全第一で折り返しとしました。

しかしながら、今回見た景色は、とても見応えのあるものでした。

(蓮井美津夫/北海道/56歳/よく行く山:道央、大雪山)

新潟県・大力山

多くの市民に愛される雪山。

越後三山をバックに、大力山頂にて(写真=野水敏勝)

宝泉寺から大力山への尾根道(写真=野水敏勝)

1月25日、晴れ

僅かな晴れ間を狙って魚沼市にある大力山(505m)に登ってきました。

小出ICからすぐ近くの里山で、四季折々に山歩きを楽しめますが、特に冬は越後三山をはじめとする雄大な景観を眺めることができます。当日は山仲間ふたりと宝泉寺から登り、1時間15分ほどで山頂の東屋に到着。白銀に輝く山々を眺めながらのビールとランチを楽しみました。

山頂では新潟市から来た女子会5人組や地元魚沼市のご夫婦など、それぞれに大力山を楽しんでいました。

(野水敏勝/新潟県/65歳/よく行く山:越後の山、北アルプス、ヨーロッパの山)

埼玉県・顔振峠

越辺川源流を遡る越上沢沿いの道へ。

越上沢源頭付近にて(写真=岡田充弘)

顔振峠から富士山を望む(写真=岡田充弘)

2月1日、晴れ

黒山三滝の無料駐車場を起点として、『山と高原地図』では表示されていない越辺川源流を遡る越上沢沿いの道を登り、顔振峠を周回しました。

越辺川源流コースの入り口には、以前は手書きの表札がありましたが、この日は失われていました。沢沿いの道は、所々にある手書きの道標と赤テープを手掛かりに進みますが、踏み跡は不明瞭です。また急斜面を高巻もするので、滑落に注意する必要があります。沢は小さいながらも滝が連続していて、歩いていて飽きません。

沢から上がったところは諏訪神社の境内です。立派な社殿で、神社の境内は清潔な広場となっており、駐車場やトイレがあり、休憩ポイントとなっています。

神社から少し歩くと奥武蔵グリーンラインで、単調な舗装路を進むと茶店が軒を並べる顔振峠に到着します。この峠の名の由来には、義経が奥州逃亡の折にさしかかったときにあまりの眺望の美しさに何度も振り向いたとか、同行の弁慶が登りの辛さに顔を左右に振って登ったという伝承があります。伝承のとおり、峠からは富士山をはじめ、奥武蔵、上州の眺望が見事です。

左手の茶店の間に黒山三滝方面へ下る登山口があり、単調な幅広い登山道を小一時間下ると、起点の駐車場に続く車道に降ります。短いコースなので、新日本観光地百選に選ばれている黒山三滝を巡るのもお勧めです。

この日、凍結箇所はありませんでしたが、残雪もあり、沢沿いでは急斜面を登ったりトラバースする箇所もあるので、軽アイゼンを携行したほうが良いかと思います。

(岡田充弘/埼玉県/44歳/よく行く山:奥武蔵、秩父、上信越の山)

神奈川県・鷹取山

湘南妙義と呼ばれる山でハイキング。

左上から時計回りで/大小の垂直な岩壁があちこちにあります/優しげな磨崖仏/神武寺にて(写真=伊東明美)

1月31日、晴れ

「湘南妙義」という異名を取る鷹取山は、京急田浦駅から山頂まで1時間かからない、お散歩ハイクが楽しめる山です。山頂付近の採石跡は、あちこち垂直の壁となっており、格好のクライミング練習場です。少し離れてある磨崖仏は高さ8m幅4m程で、柔らかで優しい曲線と穏やかな表情が印象的な弥勒菩薩です。

139mの展望台からの眺めを楽しんだ後、ささやかなクサリ場を通過して神武寺駅へ向かいました。神武寺は、行基が創建し、源頼朝が妻・政子の安産を祈願して参拝したと伝わる古刹。門前の六地蔵がきれいに掃除されていました。

(伊藤明美/東京都/よく行く山:関東甲信越の山と日本百名山)

神奈川県・吾妻山

湘南・二ノ宮から春の便り。

菜の花が満開の吾妻山から富士、箱根の展望(写真=谷上俊三)

吾妻山から丹沢の展望(写真=谷上俊三)

2月2日、快晴

毎日寒い日が続きますが、湘南ではもう春の気配を感じます。東海道線二宮駅の前にある吾妻山は標高136m余の小高い山ですが、山頂からは360度の展望が楽しめ、北には丹沢山塊・表尾根の山々が、西には富士山が目の前に聳え、それに続いて箱根の山々から伊豆半島が、さらに足元には相模湾が光り伊豆諸島の大島、利島等が一望できます。

この山の西側斜面には菜の花が一面に植えられ、年明けとともに咲き始め、1月から2月に満開となります。菜の花越しに眺める富士・箱根の展望は見事で、写真愛好家が連日大勢集まってきます。

この山は「菜の花の吾妻山公園」として知られ、山頂は広い芝生の公園になっています。天気の良い日は家族連れなどで賑わい、菜の花越しの富士山の眺めを楽しみながらお弁当を広げています。

(谷上俊三/神奈川県/74歳/よく行く山:丹沢大山、陣場山・生藤山など)

伊豆・天城山

遠くに富士山を眺めながら、静かな山歩き。

アセビのトンネルを抜ける(写真=加藤尚樹)

富士山を望む(写真=加藤尚樹)

2月1日、快晴

温暖な伊豆も、山の上では雪が降ります。伊豆市の広報で天城山が積雪したとの知らせを見たので、天城山の最高峰、万三郎岳を登りに行きました。

この時期はシャクナゲやアセビの花はありませんが、遠くは富士山、近くは大室山や海の景色を眺めながらの静かな山歩きが楽しめます。

稜線の日向になる箇所では雪はありません。斜面の積雪は5~10cm程度ですが、全般的に凍りついた硬い雪になっており軽アイゼンがよくききました。

下山路に使われることが多い北側斜面中腹のしゃくなげコースはゴロゴロとした岩が多く、アイゼンでは歩きにくいです。アイゼンワークが苦手な方は稜線ルートをピストンしてもよいと思いました。

(加藤尚樹/静岡県/31歳/よく行く山:北八ヶ岳、丹沢、北アルプス)

愛知県・寧比曽岳

凍結箇所に注意してください。

寧比曽岳頂上より、南アルプス方面。山々がはっきり見えます(写真=小野塚 隆)

寧比曽岳頂上より白山方面。はっきりではありませんが、久しぶりに見えました(写真=小野塚 隆)

1月29日、晴れ

大多賀(おおたが)峠~寧比曽岳(ねびそだけ)の登山道の状況は、大多賀峠から二つ目の休憩所から5分ほど先の頂上まで10分程度の所が凍っている場所が多いです。慎重に通行すれば滑り止めはなくても通ることができますが、チェーンスパイク程度でもあると安心です。ただし、この後の天候によっては、さらに凍結する可能性が高いので、滑り止めは持ってください。

頂上からの展望は天気が良ければ富士山、南アルプス、恵那山、御嶽山、槍ヶ岳、白山などが良く見えます。

気温は名古屋より5度くらい低いと考えておけばよいかと思います。頂上は風が吹き抜けますので、防風・防寒着があると安心です。

(小野塚 隆/愛知県/40歳/よく行く山:北アルプス、南アルプスなど)

奈良県・三峰山

本格的に霧氷が発達するのは2月中旬以降のようです。

三峰山頂上と八丁平周辺の雪景色(写真=川畑和夫)

不動滝にて。落差は21m(写真=川畑和夫)

1月31日、晴れ

奈良県御杖村と三重県松阪市の境に位置する標高1235mの三峰山(みうねやま)は、関西有数の霧氷が見られることで有名な山です。

今回は御杖村の青少年旅行村をスタートして登尾コースを登り、山頂南側の八丁平を回って登尾コースの途中から不動滝コースを経てスタート地点へ帰りました。山頂付近の積雪は20cm程、霧氷は前日の雨で融けた後、冬型の気圧配置となって成長し始めた所でしたが、充分に楽しむ事が出来ました。2月中旬以降、本格的に霧氷が発達するようです。

登山道は良く整備されており、道標もしっかりしていました。青少年旅行村へは近鉄・榛原駅から3月1日までの土日祝に限って霧氷バスが運行されています。

(川畑和夫/大阪府/66歳/よく行く山:六甲、比良、生駒、北アルプスなど)

熊本県・オコバ谷

フクジュソウを求めての山歩き。

黄金色に輝くフクジュソウと雪が残る白崩平(写真=久保田邦彦)

1月25日、晴れ

早朝に九州自動車道の宇城氷川スマートインターチェンジから、五木村~久連子経由でオコバ谷登山口へ。今年も咲いている事を期待しながらの山行きです。

この日は晴れており風もなく、絶好の登山日和です。いきなりの急登を過ぎ、徒渉と少し荒れた登山道のトラバースを繰り返し、最後の急登にかかる頃、今年最初のフクジュソウとご対面できました。

その後、昨年と同様に、日当たりのいい南西斜面にかかると20輪ほど咲いていました。群生地の「白崩平」は、数輪のみの開花で、ほとんどは芽吹きも蕾も確認できませんでした。この山行きが、私の新しい年の始まりです。

(久保田邦彦/宮崎県/57歳/よく行く山:霧島連山、くじゅうなど)

週刊ヤマケイ「読者の登山レポート」「遭難防止オピニオン」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんの登山レポートを募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

「遭難防止オピニオン」につきましては、文字数400字程度でお願いします。ご自身の遭難体験についてお書きいただくときには、写真をつけていただくとありがたいです。お名前、メールアドレス、年齢、郵便番号と住所、登山歴、よく行く山名・山域も添えてください。「登山レポート」「オピニオン」ともに文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。また、日本山岳遺産基金のファイルに「蘇れ日本列島」というご投稿コーナーも設けました。全国各地の山岳地域で環境保全活動をなさっているかたがたのレポートなども、お待ちしております。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」または「週刊ヤマケイ・遭難防止オピニオン」「週刊ヤマケイ・蘇れ日本列島」とお書きください。

日本の山の未来を考える

第5回 日本山岳遺産サミットを2月28日(土)に開催。

吾妻山での登山道整備活動(吾妻山自然倶楽部)

鍬ノ峰で草刈をする高校生たち(長野県大町高等学校山岳部)

日本山岳遺産基金では、未来に残したい日本の豊かな自然環境や、人と自然の関わりを有する山岳地域を「日本山岳遺産」として認定し、環境保全活動や次世代育成活動を行っている団体に対して助成を行っています。

日本山岳遺産サミットでは、基金の一年間の活動をご報告するとともに、2014年度の日本山岳遺産認定地および認定団体を発表し、助成内容をご紹介します。

また、基金の活動5年目となる本年は、自然地理学が専門の小泉武栄先生をお迎えして基調講演を行い、過去の認定地および山岳関係者によるディスカッションを予定しています。みなさまのご参加をお待ちしております。

***

日時:2015年2月28日(土) 13:30~17:00(開場13:00)

会場:インプレスグループ セミナールーム

東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング(23階)

(地下鉄神保町駅下車徒歩3分)

主催:日本山岳遺産基金・(株)山と溪谷社

内容:

第1部 2014年度 認定地・認定団体 発表

・吾妻山(吾妻山自然倶楽部)

・鍬ノ峰(長野県大町高等学校山岳部)

・徳本峠(古道徳本峠道を守る人々)

第2部 基調講演「地域の自然、魅力の伝え方」

東京学芸大学名誉教授 小泉武栄氏

第3部 これまでの認定団体・関係者によるディスカッション「地域の山を守り、活用するための課題とは?」

参加費:500円

※参加費は日本山岳遺産基金への寄付としてお預かりし、基金の活動に活用させていただきます。

定員:80名。

※会場の都合で事前の申し込みが必要です。

※未就学児のご入場はご遠慮ください。

申込方法:下記URLの登録フォームより申し込みを行ってください。受付後はメールにて「参加票」を送付いたします。

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/news/info_summit2015.html

申込締切:2015年2月20日(金)

※ 定員に達した場合、締め切り前でも受付を終了させていただきます。

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

登山口へのアプローチとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。電車やバスを乗り継ぐ面倒もなく、日本アルプス各地や八ヶ岳などの主な登山口に早朝に到着することから、利用者が増え続けています。

日本山岳遺産基金賛助会員である(株)毎日企画サービスでは、今期も登山者専用バス「毎日あるぺん号」を企画実施いたします。登山にかかる日数・コストの軽減をお考えの方は、登山装備の必須アイテムとして、ぜひご活用ください。各地の開山イベントなどに合わせた、とっておきの登山バスもご用意いたします。

なお、夏期(GW~11月)の毎日あるぺん号・さわやか信州号のスケジュールは3月下旬頃より順次発表させていただきます。

摩耶山で宮田八郎さんのトークイベント開催

2月14日(土)15:00~16:30、摩耶ビューテラス702にて。

穂高岳山荘の小屋番、宮田八郎さんが「我が心の山」と呼ぶ摩耶山でトークを展開

左:会場となる摩耶ビューテラス702/右:設置予定の薪ストーブ

神戸の摩耶山では新しいアクティビティ「薪ストー部」がスタート。これは摩耶山に設置された薪ストーブを中心に、ピクニックから薪割りまで、幅広く摩耶の森にかかわっていくクラブ活動のようなものです。

その「薪ストー部」で2月14日に穂高岳山荘の小屋番、宮田八郎さんのトークイベントが開催されます。宮田さんは神戸市灘区で生まれ育ち、朝な夕なに摩耶山を見上げながら幼少年期から青春期を過ごしたとのこと。今回は、そんな宮田さんに摩耶山と山登りと灘区について語っていただきます。

***

イベント名:第1回薪ストー部トーク「宮田八郎さんトークショー」

日時:2月14日(土)15:00~16:30(受付14:30~)

会場:摩耶ビューテラス702(摩耶ロープウェー星の駅2階)

参加費:1000円(ワンドリンク付き)

申し込み:下記URLの申し込みフォームからお申込みください。

http://mayasan.jp/event/form.html

問い合わせ:monte702(TEL078-802-3580)

***

なお、2月7日には薪ストー部誕生祭が、同じく摩耶ビューテラス702で10:30から開催されます。詳細は下記URLをご参照ください。

山の知識検定

Q:身体の深い部分(深部体温)が35℃以下を低体温症と呼ぶが、次の説明のなかですでにその症状であると思われるものをひとつ選びなさい。

1.よろめいたり、ろれつがまわらなくなる。

2.細かな手の動きができなくなる。

3.手足が冷たくなり、寒さで震える。

4.唇が紫色に変わる。

平成26年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて

山の知識検定

Q:身体の深い部分(深部体温)が35℃以下を低体温症と呼ぶが、次の説明のなかですでにその症状であると思われるものをひとつ選びなさい。

1.よろめいたり、ろれつがまわらなくなる。

2.細かな手の動きができなくなる。

3.手足が冷たくなり、寒さで震える。

4.唇が紫色に変わる。

A:1

登山中に急激な強い寒気に襲われた場合、身体の震えが始まったら警告のサインと認識し、すみやかに風を除ける、着こむ、カロリー・水分補給などを行ない、症状の進行を止める行動を起こす。そのまま放置すると、防寒着を身に着けようとする判断力だけではなく、気力や体力まで失ってしまい、急激に症状を悪化させてしまう。

平成26年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

『山岳雪崩大全』

雪山登山者待望の一冊

本書は4つの章から構成されています。第1章「雪の科学」では降雪と雪崩の起きるメカニズムを総解説。第2章「雪崩リスクマネジメント」では雪崩の危険判別法、雪崩対策の装備、セルフレスキューなどを詳述。第3章「雪崩事故への対応」では低体温症、外傷、窒息と心肺蘇生法から、搬出方法と治療後のメンタルケアまで医学の立場から解説。第4章「雪崩事故の実例」では最近の事故実例に雪崩発生地点地図をつけて解説しています。

https://www.yamakei.co.jp/products/2811140170.html

担当編集者より:「やっと終わった」というのが正直な感想です。テーマが雪崩という人の生き死にに直接関わるものだけに、難産のすえの誕生でした。この本の目指したものは3点。まず最新の情報を提供すること。雪崩ハザードやレスキューなどの考え方や技術の進歩、ビーコン等の装備の進化は著しいものがあります。また写真、図を多用してビジュアルを充実、特に巻末の「弱層となる雪の結晶」は貴重な資料となりました。そして執筆陣の若返り。この本は、雪崩に遭遇しないためにあらゆる視点から「雪」を考察した貴重な教本です。(山岳図書出版部・神長幹雄)

●編:雪氷災害調査チーム/発売日:2015年2月2日/ページ数:336ページ/判型:A5判/販売価格:1,980円+税/ISBN:978-4-635-14017-1

2015年1月~2月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『YAMAKEI CREATIVE SELECTION 秩父薮尾根単独行』 1/9 2,000円+税(POD)
『ワンダーフォーゲル 2月号』 1/10 926円+税
『山と溪谷 2月号』 1/15 952円+税
『世界ツル大鑑 15の鳥の物語』 1/23 7,900円+税
『BONSAI 感じる・造る・飾る 四季のミニ盆栽』 1/23 1,500円+税
山登りABC『ちょっとロープワーク』 1/23 1,000円+税
『東海周辺 週末の山登りベスト120』 1/26 2,200円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 千葉県の山』 2/2 1,900円+税
『くらべてわかる 野鳥』 2/6 1,600円+税
『くらべてわかる 淡水魚』 2/6 1,600円+税
『屋久島ブック2015』 2/13 1,000円+税
『山と溪谷3月号』 2/14 952円+税
ヤマケイ新書『もう道に迷わない-道迷いを防ぐ登山技術-』 2/20 800円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 三重県の山』 2/20 1,900円+税
ヤマケイ新書『山岳遭難の教訓-実例に学ぶ生還の条件-』 2/20 800円+税
ヤマケイ新書『現代ヒマラヤ登攀史』 2/20 880円+税
『犬の介護に役立つ本』 2/21 1,200円+税
『関西トレイルランニングコースガイド』 2/21 1,800円+税
DVDブック『だれでもできる楊名時太極拳』 2/21 1,800円+税
『新版 誰でもできる自転車メンテナンス』 2/28 1,000円+税


アルパインツアーサービスからのお知らせ

【国内】山の天気ハイキング「野辺山・飯盛山」日帰り

ヤマケイ登山教室

八ヶ岳の南、清里高原と野辺山高原の間に位置する飯盛山に登ります。山上には牧歌的な稜線が広がり、全方位の展望が楽しみなコースです。特に八ヶ岳連峰が間近に迫り、短い行程ながら冬の山歩きの醍醐味を感じられるコースです。

http://www.yamakei-online.com/sp/tour_detail.php?id=134785

日程 3月8日(土)
集合 新宿西口スバルビル前(7:00)
行程 新宿(バス)平沢峠(1436m)~平沢山(1653m)~飯盛山(1643m)~平沢山~平沢峠(バス)新宿西口【解散】19:00~21:00(予定)
歩行時間:約3時間
登山レベル 初級レベル(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差500mの登りを2時間以内で登れる体力が必要です)
難易度 1(往復コース。登山道は明瞭で、緩急は少なく、幅員も充分ある。転滑落の危険個所が少ない)
参加費 16,000円
講師 猪熊隆之(山岳気象予報士)

【机上講習会】山の天気ハイキング・山岳気象大全「気象遭難(山のリスクマネージメント)」

ヤマケイ登山教室

山の天気はめまぐるしく変わります。気象の変化は、時として登山者に激しく襲いかかったり、またある時には幻想的な光景を作りだしたりもします。この机上講座では、気象変化のメカニズムや季節ごとの典型パターンなどを体系的に学びます。今回は気象遭難(山のリスクマネージメント)がテーマです。

参考書『山岳気象大全』(山と溪谷社刊)

【学生割引】学生証の提示で1グループ3人まで受講料が無料になります。

昼の部

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1496

夜の部

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1491

開催日 2月23日(月)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 昼の部:15:00~16:30 夜の部:19:00~20:30
定員 各45名
受講料 各2,000円
講師 猪熊隆之(山岳気象予報士)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。