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坂井勝生さん

「道のない場所を歩く楽しみ」を語る。

熊倉山にて

道のない場所を歩いてみたい。自分の力で、自分の判断によって自由に山を歩きたい。そう願う人は増えているのではないでしょうか?

坂井勝生さんは雑誌『不二』連載のため、月に一度は必ず道のない山を歩いて、それを期日までに山行記としてまとめなければ即連載打ち切り、という過酷なルールのもとに秩父の山を歩いてきました。

今回、その雑誌連載をまとめて『秩父藪尾根単独行』を上梓した坂井勝生さんに「道のない場所を歩く楽しみ」について伺いました。

(聞き手=佐々木 惣 『週刊ヤマケイ』編集部)

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佐々木:一般的に、山行記は過去に歩いた場所の魅力を伝えよう、という意図のもとに綴られますが、本書はそのような「思い入れの深いもの」を選んだのではなく、「歩かねばならない」ところの記録ですね。

坂井:皆さんも経験があると思うのですが、他人の旅行の思い出話ほどつまらないものはないですよね。どこに行った、何を食べた、何がすごかったと延々と聞かされても。でも、それが無理矢理行かされた山の話なら違ってきませんか?

私は山岳ライターでもなんでもないのですが、雑誌『不二』の編集長から「月に一度、道のない山を歩いて、それを期日までにまとめる」という仕事を引き受けました。月に複数回、山に行ってもいいのですが、掲載原稿は1本だけ。つまり、書きだめは許されないのです。

ですから台風であろうと、観測史上最大の積雪を記録しようと、脚が筋断裂一歩手前になろうと、道のない山に向かわざるをえないのです。

編集長にグチりながら、つらい状況で山へ行きますが、それでもいったん山へ入るとさっきまでのグチは消えて、山歩きを存分に楽しんでいます。もちろん安全確保には十分すぎるほど気をつけています。そのへんは一読いただいた方にはよく理解していただけるはずです。

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佐々木:坂井さんにとって、秩父の魅力とはどのようなものでしょうか?

坂井:まず人が少ないことです。特に私が歩くようなルートでは人と会う心配(?)はまずありません。これは長沢背稜の南側の奥多摩山域との大きな違いでしょう。それに行き帰りの西武線や秩父鉄道も、大抵貸し切りです。

ふたつめとしては、西武秩父駅構内に酒屋があって、それを楽しめるテーブルやベンチが豊富に設置されていること、さらに駅近くに安くておいしいモツ焼き屋がたくさんあること。これらの点は極めて重要です。

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佐々木:本書をまとめるにあたって、どういう人たちをイメージされましたか?

坂井:あとがきにも書きましたが、登山道を使わないで山を歩きたいけど、いま一歩踏み出せないという人たちの存在を常に意識してきました。

また地図読みの練習としても一読の価値はあると思います。地形図が読めるようになるには、実際に地形図とコンパスを片手に、登山道のない尾根筋を歩いてみる以外に方法はありません。読図がうまくなりたい人は、本書を参考に、実際に道のない尾根を歩いてみてはいかがでしょうか。各ルートの注意点などはすべて本文中に明記しています。また、パソコンの画面に地形図を出しておいて、それを見ながら本書を読むことによっても、実力がアップするかもしれません。

蔵王連峰・瀧山、大滝

冬場に見事な氷瀑が見られる人気スポット。

西蔵王放牧場の背後にそびえる瀧山(写真=曽根田 卓)

落差20mはありそうな大滝の氷瀑(写真=曽根田 卓)

2月16日、晴れ

厳冬期の蔵王連峰と言えば樹氷を連想される方が多いと思います。スキー場から簡単にアプローチでき、手軽に樹氷見物が楽しめる熊野岳や刈田岳には、晴れていれば多くの登山者が訪れています。

そんな蔵王の中で近年地元の登山者に人気のスポットが、瀧山(りゅうざん)大滝の氷瀑ツアーです。

西蔵王放牧場からうがい場を経て、夏道が廃道となった大滝コースの沢筋に入り、少し登ると正面に落差20m近い見事な氷瀑が見えてきます。氷柱の根元まで登れますし、その裏側には不動明王像も祀られていて、古くからの修験道の聖地であった事が分かります。

晴れていれば顕著なラッセル跡も残っていてツボ足でもたどり着ける場合が多いですが、降雪の後はカンジキやスノーシューが必要です。3月以降の気温が上がった頃は雪崩の恐れもありますので、冬山に慣れた方の同行が望ましいでしょう。

(文=曽根田 卓)

北アルプス・八方尾根

山スキーで唐松岳頂上山荘を往復。

八方池山荘から上を目指す登山者(写真=中村重明)

標高2570m付近のスキーデポ地点にて。山荘で引き返してきた登山者と、ここで時間切れで下山する登山者(写真=中村重明)

2月16日、晴れ

強い冬型の気圧配置が緩み、移動性高気圧に覆われて好天に恵まれたこの日、八方池山荘から唐松岳頂上山荘を山スキーで往復してきました。

白馬八方尾根スキー場のゴンドラリフトの営業開始は8時ですが、その先のチェアリフトは前日強風のため営業中止だった関係でゲレンデ整備に時間がかかっていました。そのため9時50分頃の営業開始となり、八方池山荘前到着が10時頃になりました。

ここから山スキーを装着して、尾根伝いのルートを進みます。人気のコースだけあって、平日にも関わらず数十名がアイゼンやスノーシュー、わかん、山スキーなどで上を目指します。登山者よりもバックカントリースキーヤーやスノーボーダーが多かったです。

八方尾根から見る鹿島槍ヶ岳、五竜岳、不帰ノ嶮等の絶景はいつ見ても素晴らしいものがあり、何度も足を止めて写真を撮りながら進みました。

踏み固められたトレース、ないし雪面が堅くクラストしたアイゼンで快適に歩ける区間もかなりありましたが、それ以外はわかんないしスノーシューが有効です。シールの効きにくいクラストした雪面やそこそこの急登部分も何ヶ所かあり、登りは山スキーではむしろ歩きにくいくらいです。思った以上に時間がかかり、唐松岳登頂は諦めて頂上山荘を目指しました。

山荘の手前、標高2570m付近でスキーをデポし、アイゼンとピッケルで、ようやく主稜線に到着。かなり疲れましたが、正面に現れた立山と剱岳の絶景が疲れを忘れさせてくれました。

下りはスキーをデポした地点でスキーに履き替え、そこからは一気に下山。約4時間かかって登った標高差約800mの区間を40分ほどで下りました。更にその先のスキー場ゲレンデ(標高差約1100m)も30分ほどで滑走。

好天下の絶景とダイナミックな滑走を楽しむことが出来、唐松岳山頂を踏めなかったのは少々残念ではあったものの、大満足の一日となりました。

(文=中村重明)

奥日光・刈込湖

ヤマケイ登山教室のスノーシューです。

源泉地帯から金精道路へ湯ノ湖と温泉街を見下ろして登る(写真=石丸哲也)

一面の雪原となって広がる刈込湖(写真=石丸哲也)

2月11日、晴れ

八ヶ岳・真教寺尾根賽ノ河原、赤城山・地蔵岳に続き、今期3回目のヤマケイ登山教室のスノーシューでした。スキー場のリフトなどを使わず歩いて登り下りする点は前の2回と同じですが、今回は尾根コースではなく、谷に沿って登り、雪原と化している山間の小湖を訪ねます。起点となる日光湯元温泉が標高約1485m、コース最高点の小峠が1672m、往復6km足らずでコンディションがよければ実働3時間ほどの手軽コースです。

当日、コースの状況を確認するため日光湯元ビジターセンターに寄ると「今年に入っていちばん天気がよい日」とのこと。よく晴れてほぼ無風、気温も0度前後のスノーシュー日和です。一方「気温が高めなので小規模な雪崩が起きる可能性もありますから、注意して登ってください」とも言われ、気を引き締めて登りにかかりました。

小屋がけされた源泉地帯からひと登りで冬期通行止めの金精道路を横切ります。夏道は東側の山腹を登りますが、今回は雪山ならではのコースでまっすぐ蓼ノ湖(たでのうみ)へ下ります。窪地の蓼ノ湖からシラビソなどの常緑針葉樹林を登り、急斜面をこなすと小峠で、振り返れば樹間に湯ノ湖が輝いています。

小峠からも冬ならではのコースでドビン沢を通って刈込湖へ。途中、葉を落としたダケカンバ林が明るく、小峠の登りと対照的です。ゆるやかに下り、刈込湖西岸の雪原でランチをとりました。帰りは来た道を引き返すのですが、小峠直下の斜面は適度な傾斜で天然の滑り台となり、参加者のみなさんも思い思いにシリセードを楽しんでいました。日光湯元温泉は各旅館で日帰り入浴できるのですが、ちょうど小学生のスキー学校でどこも満員。バスで帰る途中の「富双江葉大馬 奥日光秘極の湯 興(かしら)」(旧竜頭温泉館)に寄り、湯元から引湯されている乳白色の硫黄泉で温まって帰京しました。

スノーシューのコースはリボンが付けられ、特に危険なく歩けます。日光湯元ビジターセンターではコースや自然の案内に応じてくれるほか、スノーシュー、クロスカントリースキーのレンタルも行っています。公共の交通機関でアクセスできるのもこのコースの特長で、東武線とバスがセットの「まるごと日光 東武フリーパス」が冬期割引で4150円(浅草など都心からの場合)となっているのもうれしいところです。なお、結氷した湖面は氷が薄く、踏み抜きの事故も起きているので湖面を歩くのは危険です。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

高尾山~陣場山

山に見合った事前の準備をお願いします。

晴れ渡る陣場山山頂(写真=三好和貴)

景信山周辺の登山道。凍った登山道を避けて歩く人の姿も(写真=三好和貴)

2月11日・14日、両日とも晴れ

今の時期の高尾山周辺、日当たりの良い南面とあまり日の当たらない北面とでは、山の表情がまるで違います。南に面した自然研究路3号路はポカポカ陽気に春を感じられても、北面の4号路に入ると寒々とした雪と氷の世界。そんな季節感のギャップに驚くことも珍しくありません。また、高尾山から陣場山の縦走路においては、交互に現れるアイスバーンとぬかるみの道は登山者を悩ませています。お越しの際には、アイゼンや泥除けスパッツなどしっかりとした装備で来られるようお願いします。

高尾山や陣場山周辺では1月末にまとまった雪が降りましたが、今でも場所によっては積雪が見られます。都会では早々に融けてしまっていますが、どうもその感覚で来てしまうせいでしょうか、景信山周辺の縦走路ではアイゼンを持っていない登山者を多く見かけました。中には尻もちをつきながら恐る恐る道を下る人や、凍った箇所を避けるため登山道を外れて歩く人の姿も。凍った箇所での転倒は大きな事故にもつながり、登山道を外れて歩けば植生荒廃にもつながります。

登山前には入念な計画を立て、その山に見合った装備と身体の状態を整えて登山に臨んでもらえるよう、引き続き呼びかけていきたいものです。

(文=三好和貴/東京都レンジャー(高尾地区))

丹沢・姫次

蛭ヶ岳、檜洞丸、富士山を展望する山行。

姫次より仰ぐ丹沢山塊・最高峰の蛭ケ岳(写真=白井源三)

姫次正面に横たわる檜洞丸と富士山を遠望(写真=白井源三)

2月7日、曇り

JR藤野駅よりバスでやまなみ温泉まで行き、終点・東野まで乗り継ぎました。神社、消防署、中学校と通過して神ノ川への分岐を左上に進みます。民家が消えると小沢を渡りゲートをくぐって進むと、八丁坂ノ頭登山口に着きました。

手入れされた杉林を登っていくと、稜線に出て本格的な登りがスタート。急坂を詰めると、トラバースに差し掛かり細いルートを慎重に進みます。左手、木の間越には高尾山から陣馬山の稜線が朝陽を浴びていました。

ベンチが雪に埋もれた地点から再び急登が始まります。工事用ケーブルの下を通過して右側のレールと並行して登っていきました。左に黍殻山が目線となり、高度が増します。カラマツ林を上部に仰ぐ頃に北斜面の急登が終わり、前方に蛭ヶ岳が望まれました。

焼山から延びてくる東海自然歩道と合流して後は、姫次まで緩やかな稜線を直進です。ブナの巨木と根元のベンチ横を通過するとカラマツ林が現れ、そこから姫次の台地が望まれました。姫次からは左に丹沢山塊の最高峰、蛭ヶ岳が仰がれ、前方には檜洞丸が横たわります。犬越路の鞍部からどっしりとした大室山がせり上がり、手前に袖平山が望まれるパノラマとなっていました。そして高曇りの厚い雲が一瞬切れて、隠れていた富士山が姿を現してくれました。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

表丹沢・葛葉川本谷

冬の沢登りは大人の愉しみ。

なるべく濡れないラインを選ぶ(写真=川﨑拓兵)

源頭部は雪で真っ白!(写真=川﨑拓兵)

2月8日、曇りのち雪

丹沢の葛葉川本谷といえば、沢登りの初心者がデビューする沢として有名です。いつもは人の気配が多いのですが、今回の遡行では他の人たちに会うことはありませんでした。冬の遡行は寒そうですが、登山に寒さは付き物です。それに、ヒザ下くらいまでは濡れますが、沢靴と沢スパッツを装着していれば冷たく感じることはありません。

それよりも、冬の雪景色を見ながら沢を歩くことに趣を感じることができれば、沢は冬でも愉しめるのです。まさに「大人の沢登り」です。

ただし、沢登りは危険な登山行為のひとつなので、ロープを使った安全管理をしっかりこなせるようになってから行きましょう。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

神奈川県・幕山

梅の花を見ながら陽だまりハイキング。

日当たりの良い斜面の紅梅・白梅が満開です(写真=原田征史)

幕山山頂から真鶴半島が良く見えました(写真=原田征史)

2月15日、晴れ

JR湯河原駅から幕山公園まで、梅祭り期間中はバスが出ています。しかし今回は、駅より歩いて五郎神社を目指します。

神社から住宅地の急な舗装道路へ。南郷山への道標を過ぎ、ようやく緩やかになった道の両側にミカンやポンカンの黄色い実がたくさん残る畑を見ながら、幕山公園入り口に到着しました。梅祭り期間中は200円の入場料を払います。

賑やかな広場を過ぎ、幕山山頂への登山コースに入り、しばらく登ると陽光を受ける斜面の紅梅、白梅の花がちょうど見頃でした。幕山山頂には、家族連れや女性ハイカーたちがのんびり昼食を楽しんでいます。

下山は同じ道を下っても良いのですが、今回は山頂の裏側の下山道を大石ヶ平経由で幕山公園に戻りました。

(文=原田征史/小田原山岳会員、『神奈川県の山』著者)

中央沿線・扇山

富士山の展望を堪能できる山歩き。

扇山山頂から富士山を望む(写真=石丸哲也)

はね木を重ねて張り出した上に橋桁が乗った猿橋(写真=石丸哲也)

2月15日、快晴

大月市は、秀麗富岳十二景の山が選定されていることからもうかがえるとおり、富士山の展望に優れた山が数多くあります。中央本線の駅から直接、登り下りできる山が多いのもうれしいところで、今回はそのひとつ扇山(1138m)に行ってきました。

鳥沢駅から登るコースが最もよく歩かれていますが、今回は犬目から登りました。富士山の展望が目的なので、早めに山頂に立ちたいところですが、鳥沢駅~梨ノ木平登山口のバスは、冬は運休です。犬目は四方津駅発8:34の1本だけですが、通年、毎日運行のバスを利用できることが犬目コースを選んだ理由です。犬目は広重の浮世絵にも描かれた旧甲州街道の宿場で、その面影を残していることも魅力です。

コースは全体に南面なので、当日は標高970m付近で尾根上に出るまでほとんど雪はありませんでした。尾根に出てから扇山山頂までは雪が出てきますが、アイゼンはなくても登り下りできる程度です。扇山山頂で富士山の展望を堪能した後は百蔵山への縦走路に入り、百蔵山との中間点から宮谷へ下りました。こちらの尾根道のほうが残雪が多く、特に大久保山(地形図の1109m)からは急斜面が続くのでアイゼンが必要です。尾根をはずれて宮谷へ下る道は、ほとんど雪がありませんでした。

宮谷から国道20号を少し歩き、やはり広重に描かれている猿橋をたずねました。猿橋は桂川が狭まり、両岸が切り立った渓谷に柱を使わず、両岸から張り出した「はね木」の上に橋桁をのせた構造で、岩国の錦帯橋、木曽の棧(かけはし)とともに日本三奇橋にも数えられています。

扇山、百蔵山の眺めがよい猿橋公園、大月市郷土資料館を経て猿橋駅から乗車しましたが、駅の通路には大月市出身の山岳写真家・白籏史朗氏の秀麗富岳十二景の写真が飾られていたのがうれしかったです。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

静岡県・越前岳

天候にも恵まれた素晴らしい行程。

富士見台から見た富士山南面。左手奥は毛無山塊(写真=中村重明)

越前岳山頂にて、駿河湾を望む(写真=中村重明)

2月14日、晴れ

強い冬型の気圧配置で、日本海側のみならず関東甲信北部も強風や低温の天気予報のなか、例外的に好天予報の富士山南部・愛鷹山塊の越前岳へ登ってきました。裾野ICより約10kmの山神社駐車場からの往復で、5~6時間の行程です。

歩き始めてすぐ、登山路が氷結しているため軽アイゼンを装着。登山口~愛鷹山荘の中間地点から山荘までの区間のみ、日当たりの加減か、地面が完全に露出していたため上り下りともアイゼンを外したものの、それ以外の区間は軽アイゼン必須でした。ただ、雪の量は予想外に豊富だったもののトレースはしっかり着いていて、足が潜るようなことはありませんでした。

「富士見峠」では、地名と異なりまだ富士山は拝めず。そこから約20分で黒岳山頂に着いたところでようやく富士山南面の絶景を望むことが出来ました。更に富士見峠~越前岳間では、「鋸岳展望台」から迫力のある位牌岳~鋸岳の稜線を、また「富士見台」から再び富士山南面を遮るもの無く見られました。そして越前岳山頂に着くと、駿河湾~西伊豆の素晴らしい展望を得ることが出来ました。

天候にも恵まれ、景観に優れた、とても素晴らしい行程を楽しんだ山行となりました。

(文=中村重明)

比良山系・権現山

ルートファインディングをしながら登りました。

やっとの思いで小ピークに達すると964mのピークが望めました(写真=山口敬二)

権現山までの雪稜は端正な形をした霊仙山を望みながら歩きます(写真=山口敬二)

2月11日、曇り時々晴れ

国道367号線の坂下バス停から安曇川を渡り、急坂を這い上がるようにして小女郎ヶ池まで続く道があります。サカ谷道は、サカ谷の堰堤を2、3越えて、倒木のなか雪をかき分け尾根に這い上がります。最初は道標もリードもあって心強かったのですが、開けた斜面でスノーシューを付けた辺りから道標は無くなり、リードも少なくなってきました。ラッセルはヒザまで潜る箇所もあります。息を切らしながらリードを逃すまいと、必死で頭を上げて目をこらしながら歩きました。ところが、小さな尾根を3つほど渡ったところでとうとうリードを見失ってしまいました。

ここからは2万5千図を広げてのルートファインディングです。方向を確認し、地形を見ながら木が開かれているところを見当をつけて登ると、上部でリードのある夏道と合流しました。ほどなく小ピークに達すると、すぐ先には964mのピークも見えています。結構なアルバイトで腹が減り、ここでザックからクリームパンを取り出して小休止です。

ここからも樹林の深雪に足を取られながらも尾根を辿ると、上部でやっと蓬莱山を遠望しました。もう一度コンパスで方向を確認して丘の上まで進むと、真っ白な小女郎池が見渡せました。今回は周回コースで、ここでお昼を摂ってから稜線をホッケ山、権現山と巡りアラキ峠から平へ下りました。

純白の雪の稜線から覗く褐色の琵琶湖の眺めは、異色の景観でした。徐々に青空が広がり、太陽の恵みから一瞬にして明るい雪景に囲まれると、ふかふかの布団のような稜線でヒザまで埋まりながら懸命にファインダーを覗いていました。

(文=山口敬二)

六甲・摩耶山

穂高岳山荘の小屋番、宮田八郎さんのトークイベントが開催。

会場は摩耶ロープウェー星の駅2階の摩耶ビューテラス702。参加者はこたつを囲んで、穂高の映像に見入っていました(写真=佐々木 惣)

宮田さんを囲んで記念写真。後列左から3人目がイベントの主催者・慈さん。ふたりは中学、高校と同級生だったとのこと(写真=佐々木 惣)

2月14日、晴れ

六甲の摩耶山では、市民が山をフィールドにして得意分野を活かした活動や講座が数多く実施されています。この2月には薪ストーブを囲んで、薪を割り、料理をすることで山と関わり、山を楽しむ企画として「薪ストー部」が発足。そのストー部トークイベントのゲストとして、穂高岳山荘の小屋番で、映像カメラマンでもある宮田八郎さんが招かれました。

宮田さんは神戸市灘区生まれ。トークは「幼少期、散歩をダシにしてお祖父さんに連れていかれた飲み屋の話」からスタート。灘区の話、出身高校の話など地元愛に満ちたトークを展開した後、穂高の魅力について映像を交えながらたっぷりと話していただきました。

また遭難救助の話には多くの人が身を乗り出して、聞き入っていました。「人の都合ではなく、山の都合に合わせて登ること。休みが年末年始、GWにしかないのは仕方ないが、穂高では山の都合で登らないと死んでしまう」という宮田さんのメッセージはすべての参加者の胸に染み入ったことでしょう。

イベントは15時から開始され、16時半で終了しましたが、終了後も宮田さんを囲む輪はいつまでも途切れることはありませんでした。

なお、宮田さんが摩耶山の掬星台から撮影した映像「The Sun Also Rises」は下記URLからYouTubeでご覧いただけます。

http://youtu.be/5EI5kS_DjsQ

(文=佐々木 惣/週刊ヤマケイ編集部)

岡山鳥取県境・那岐山~物見峠

那岐三角点峰台地は視界約10mのホワイトアウト状態でした。

ホワイトアウトの那岐三角点峰を慎重に出発下降する(写真=舩越 仁)

一時的に行く手の峰が姿を現したが、カメラを構える間もなくガスに遮られた(写真=舩越 仁)

2月12日、雪

県境繋ぎの為、4日前に下った那岐Cルートを登りました。

稜線の三角点峰台地では西風が強く、視界はガスと地吹雪に遮られています。ここからはノントレースとなり、風裏でアイゼンをいつものワカンに履き替えました。これから向かうのは、那岐連山滝山への縦走コースと少しだけ重なりますが、この時期に殆ど人は入りません。ホワイトアウトした広い台地ではコンパスと地形図、そしてGPSで方向を定め、幅広急斜面を右に左に歩を振りながら慎重に下りました。少しずつ尾根が狭まれば、進むべき道も見えてきます。

滝山分岐の四阿で那岐連山にはお別れし、分岐した北上県境尾根の下降が始まります。振り返ると、やや天気が回復し、那岐山が遠くになっていました。長い長い下降です。下降とはいえ、ゴジラの背のような登りが次々に連続し、今年いちばんの辛いアルバイトになりました。

本日の歩程距離は11.2㎞と最長で、8時間20分の行動でした。

なお、タイトルでは便宜上、物見峠としていますが、実際にはその手前の送電鉄塔迄です。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

宮崎県・双石山

そそり立つ天狗岩に感動しました。

天狗岩と針の耳神社。耳の難病を癒やすと言われている(写真=池田浩伸)

象の墓場は一見の価値があります(写真=池田浩伸)

2月11日、晴れ

小谷登山口~第2展望所~双石山~九平登山口を周回しました。計画では塩鶴登山口から双石山へ行き、復路を小谷登山口へ下る予定でしたが、塩鶴登山口が伐採工事で歩きにくいようだったので、南の九平登山口へ縦走しました。

双石山は奇岩の山で知られていて、風化した砂岩の「天狗岩」があり、その下には針の耳神社の小さな祠が祀られています。更に分岐から案内に従い南へ行くと、数十mもある巨岩に囲まれた「象の墓場」があります。初めて見る景色に感動しましたが、怪奇的とも神秘的とも思わせる不思議な空間です。

尾根に上がると展望所があり、清武や宮崎市街地が見降ろせます。照葉樹の快適な尾根歩きから山小屋、双石山山頂を過ぎ九平登山口へ下山しました。

小谷登山口と九平登山口は、車道を歩いて約30分の距離でした。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

福島県・小野川不動滝

ブルーフォールトレッキングへ。

小野川不動滝(写真=本田康雄)

2月11日、晴れ、無風

磐梯山・銅沼(あかぬま)の「イエローフォール」はスノーシュートレッキングとして人気のコースです。一方、小野川湖北方の小野川不動滝は「ブルーフォール」と呼ばれ、近年では訪れるハイカーも増えつつあります。夏場は滝入口の登山口まで車が入り20分そこそこの道のりですが、冬場は入口の鳥居が埋もれるほどの積雪となります。このため県道傍に駐車して40、50分ほどのスノーシュートレッキングとなります。

今回は70歳前後の登山仲間4人、ヒザ近く迄の雪をかき分けての観瀑でした。落差は25mほど。幅もそこそこの規模の大滝ながら、滝つぼまで数メートルのところまで近づけるという、この季節ならではの醍醐味が味わえます。

今年のブルーフォールは特に滝つぼの氷塊群が緑を帯びたとてもきれいなブルーでした。深雪にもかかわらず好天に恵まれ、少々汗ばむ好条件のもとで1時間半足らず、大いに楽しめました。標高のある高山での展望も魅力ですが、年齢や体力に合ったトレッキングも良いものです。

(本田康雄/福島県/67歳/よく行く山:福島県および近隣県の山)

裏磐梯・甚九郎山

新雪に苦労させられました。

ゆるやかな尾根は、ピークに近づくと広くなります(写真=葉貫正憲)

2月16日、曇り時々晴れ

いつもの仲間4名で、裏磐梯の甚九郎山に行ってきました。甚九郎山は裏磐梯檜原湖の北東、曽原狐鷹森の北にあります。標高1180m、ブナ林に覆われ登山道がなく、積雪期限定の山です。

今年の裏磐梯は大雪で、道路は雪の回廊。駐車する場所がなかなか見つかりませんでした。レイクウッドペンション村のご主人のご配慮でどうにか駐車、午前10時にスタートできました。

緩やかな尾根を約20cmの新雪に足をとられながら、ゆっくりと進みました。ブナの落葉林の間からは、曽原湖や檜原湖など裏磐梯の景色をチラチラと望むことができます。見えそうで見えない全景、小枝で遮られる視界。もう少し見渡せると申し分ないのですが。

山頂には11時40分着。山頂の表示は特になく、細いブナに赤テープが結んでありました。北は、大早稲沢山方面が見えましたが、西吾妻の山々は雲に隠れていました。

帰りは、西にある尾根を周回する予定でしたが、雪が思いの外多かったので、自分たちのつけた踏み跡を戻ることにしました。帰りは40分ほどで下山。ちょっと拍子抜けでした。

天気は曇りときどき晴れでしたが、尾根では西風が冷たかったです。雪がもう少し落ち着いてからの方がオススメだと思います。

(葉貫正憲/福島県/67歳/よく行く山:会津百名山)

日光・戦場ヶ原

スノーシューデビューしました。

雪と樹林だけのモノクロームの世界は絵にならないが、透明な湯川がポイントとなってスケッチをする気持ちになった(写真=江川 誠)

湯川のスケッチ(写真=江川 誠)

1月31日、曇り

強い冬型の気圧配置は、日光いろは坂辺りが雪雲と晴れ間の境目でした。いろは坂を上り、中禅寺湖を過ぎた戦場ヶ原へ車を走らせます。

PM3時、戦場ヶ原には粉雪が舞い、時折地吹雪が吹いていました。冬季休業中の赤沼茶屋に車を止め、小田代を目指して樹林の中を歩き始めます。雪と樹林のモノクロームの世界には、梢を揺るがす風の音と衣服にあたる乾燥した雪の音しか聞こえません。小田代に近づいたと思われる場所はトレールが消えてしまい、風紋の上をただ風が吹いていました。人のいない寂しさが加速します。

トレッキングの主要道は湯ノ湖方面のようでした。日の入りの時刻も近づいたので帰路につき、2時間あまりのスノーシューの試乗会は楽しく終わりました。

(江川 誠/東京都/63歳/よく行く山:北アルプス)

みなかみ・大幽洞窟

氷筍は想像以上の大きさと美しさでした。

見事な氷筍に言葉を失いました(写真=高橋貴士)

手ぬぐい1000座プロジェクトの仲間たちと(写真=高橋貴士)

2月8日、晴れのち曇り

この時期にしか見られないという、大幽洞窟の氷筍を見に登山仲間6人で行ってきました。

宝台樹スキー場駐車場に車をとめて、暫く舗装された林道を歩いて行くと大幽洞窟の案内看板があります。旧キャンプ場への林道を進み、程なくして沢沿いの登山道へ。雪も豊富ですので平日ではトレースも不明瞭になるかと思われますし、リボン等もないのでトレースがない場合はGPS及び地図読みが必須です。この日は前日に多くの方が歩いたようで、トレースは明瞭でした。スノーシューやワカンは使用せず、アイゼンのみで歩くことが出来ました。ただし、踏跡多数ですので惑わされないようにする必要があると思います。

そして現れた氷筍は想像以上の大きさと美しさです。自然の造形美に、全員が言葉を失いました。帰路はソリ遊びをしながら、往復3時間ちょっとの雪山ハイキングでした。

いま、ブログを介して集まった各地のブロ友さんと登山隊を結成しHP、Tシャツや手ぬぐいも製作、山で手ぬぐいを広げて1000座を目指すプロジェクトを進行中です。今回で57座を達成しました。

(高橋貴士/千葉県/45歳/よく行く山:関東甲信近郊の山)

奥多摩・雲取山

展望とアニマルトラッキングを楽しんだ一日。

頂上付近よりコース上の石尾根方面(写真=根本成一)

ブナ坂付近で出会ったシカ(写真=根本成一)

2月10日、晴れ

降雪から2日後の晴れ間を狙って、鴨沢コース上の村営駐車場利用で、東京都最高峰を日帰り登山してきました。

鴨沢集落から駐車場までの道路は現在も通行止めのため、その隣の所畑集落より迂回となります。誘導看板もあり迷うことは少ないと思いますが、道幅が狭く傾斜やカーブもきついため、降雪直後の進入は避けたほうが良いと思います。

登山を開始し、七ツ石小屋と巻き道の分岐は七ツ石小屋コースをおすすめします。東側の眺めが良く、当日は東京湾に浮かぶタンカーまで目視できました。小屋には水場があり、管理人さんも常駐しています。このコースは、頂上の避難小屋も含めて小屋が多く心強いです。登山道は9割がた雪道でしたがトレースがしっかりしていて、結果的にアイゼンは使用しませんでした。ただし、積雪の深いところで60cmはあり、ゲイターは必須です。

富士山はもちろん奥秩父、丹沢、南アルプスの展望を満喫し、シカやサルとの出会いなどアニマルトラッキングも楽しむことができました。

(根本成一/東京都/51歳/よく行く山:関東周辺の山)

丹沢・蛭ヶ岳

今年も白馬が現れました。

中央にくっきりと現れた白馬の雪形(写真=内海直親)

2月11日、晴れ

丹沢の最高峰蛭ヶ岳を東に下り、登り返した鬼ヶ岩ノ頭から伝道に向け一気に下る尾根に、今年も白馬が現れました。歩いていたら、何処が頭で何処が尻尾なのか皆目わからないのですが、こうしてみると山肌を駆け上がる雄姿、鮮やかなものです。

この日、宮ヶ瀬湖畔の鳥居原園地にも、対岸の南山山頂にも、この白馬に会うため早朝から車を走らせ、或いは額に汗を浮かべながら登って来た方が数人いたようです。朝日に浮かぶ自然の造形に感激しました。

(内海直親/神奈川県/70歳/よく行く山:丹沢)

丹沢・塔ノ岳

人気の大倉尾根を登る。

塔ノ岳の山頂標示の左に秀麗富士(写真=伊藤 孝)

山頂直下で新芽を食むシカ(写真=伊藤 孝)

2月11日、晴れのち曇り

丹沢の表玄関である大倉から、大倉尾根で塔ノ岳に行って来ました。この日は天候にも恵まれ、2月にしてはとても暖かく、上りでは汗ばむほどでした。

登山道は標高900mあたりから雪が出はじめ、1200mより上は一面真っ白でした。上りでは軽アイゼンを付けている登山者もいましたが、ストックがあれば問題なく山頂まで行けるでしょう。ただし、下りでは山頂から標高1200m付近までは軽アイゼンを付けた方が安全です。

この日は気温も高めで、標高の低いところは多くの登山者が行き来したため、ひどいぬかるみになっており、とても滑りやすい状況でした。靴やズボンの裾も泥だらけになってしまうため、スパッツを付けた方がよいでしょう。登山道はいろいろ気を使う箇所が多かったですが、天候にも恵まれ、楽しい山行をすることができました。

(伊藤 孝/神奈川県/56歳/よく行く山:北アルプス、八ヶ岳、丹沢)

丹沢・シダンゴ山、宮地山

宮路山からの下りはスリップに注意。

シダンゴ山頂から塔ノ岳、大山方面(写真=吉原裕子)

寄のロウバイ園(写真=吉原裕子)

2月7日、晴れのち曇り

寄バス停からシダンゴ山、宮地山と周り、出発点に戻るコースタイム3時間程の道を歩きました。

前々日に降った雪が日当たりの悪いところに残り、登山道にも部分的にありましたが、踏みあとで地面が見える程度にはなっていました。幸い、風がほとんどなく、シダンゴ山からの展望をゆっくり楽しめました。宮地山からの下り道は一部ぬかるんでおり、スリップに注意です。

寄バス停から10分ほど上がった丘でロウバイまつりが行われていました。今年は早く咲き始め、この日は満開状態でした。

(吉原裕子/神奈川県/よく行く山:近郊の山、北アルプス)

三重滋賀県境・鎌ヶ岳

鈴鹿山系の鋭峰へ。

岳峠から山頂へのルート、奥は鎌尾根(写真=安井 晃)

雪を纏った鈴鹿北部の山々(写真=安井 晃)

2月7日、晴れ

晴冬の澄んだ青空に誘われて、三重と滋賀の県境に連なる鈴鹿山系の鎌ヶ岳(1161m)に登ってきました。夏はキャンプで賑わう宮妻峡のカズラ谷から岳峠を経て山頂を往復する予定で、午前7時に登山口をスタート。

積雪は、中腹の尾根道では深い所でヒザ下、岳峠からの尾根筋、頂上直下の急登ではヒザ上まで。新雪であれば、アイゼンなしで登られる方もいるようですが、この時期雪の下は凍結していますので、アイゼン、ピッケルのお世話になりました。ルートは岳峠で鎌尾根と呼ばれる鈴鹿山系の主稜線と合流し、目前に鎌ヶ岳がその姿を現します。

はやる気持ちを抑えながら、雪庇の横を通過し、急登を登りきると山頂です。御在所岳をはじめ、雪を纏った鈴鹿北部の山々が青空のもと広がっていました。

(安井 晃/三重県/52歳/よく行く山:鈴鹿、台高、南アルプス)

三重県・切間の八、諾炬羅山

低山とは思えない山並と五ヵ所湾の眺望。

切間の八山頂から見た朝の五ヵ所湾(写真=太田正孝)

諾炬羅山南峰山頂より望む切間の八(奥の最も高い山)から続く縦走稜線(写真=太田正孝)

2月15日、晴れ時々曇り

冬でも暖かな三重県南伊勢にある切間の八(きりまのはち・313m)と諾炬羅山(たこらやま・307m)へ行ってきました。変わった名前ですが、それぞれ霧間の鉢、多幸良山ともいわれるようで、霧の中に見える鉢を伏せたような山、幸多い山と解釈すると素敵な山名です。南伊勢町押渕の白滝神社から切間の八へ登り、稜線を諾炬羅山へ縦走し周回します。このルートは地元の観光協会が「南伊勢山歩きガイドマップ」としてWeb上で紹介しています。約8kmのコースはよく整備され、手づくりの指導標が要所要所に設置されているので安心して歩いてくることができました。

それぞれの山頂からは穏やかな五ヵ所湾や贄湾が見おろせます。そして諾炬羅山から望む縦走稜線の高度感はとても標高300mばかりの低山とは思えない感動を呼びます。

なお、登山口近くには昔、鬼が住んでいたといわれる鬼ヶ城という洞穴があります。

(太田正孝/愛知県/75歳/よく行く山:岐阜、長野、三重、静岡の山全般)

京都北山・雲取山

ルートファインディング能力が試されました。

2m近い積雪だが、下の方は締まっており、悲惨なラッセルになることはなかった(写真=松岡悠和)

展望台から伸びる尾根。雪で覆われると、なんとも魅惑的で吸い込まれるよう(写真=松岡悠和)

2月11日、曇り

大学の試験の合間を縫い、建国記念の日に雲取山へ4人で向かいました。といっても奥多摩ではなく、京都北山、900m余です。

入山口から4爪アイゼンを装着し、寺山峠北稜から雲取峠に。途中、トレースが消えた所でワカンを装着。初ワカンの2人は手袋を外さないと履けません。

我らが京府大WV小屋で休憩し、三角点手前のピーク(展望台)から南東の尾根を下ります。夏は低木が茂るためコースではないのですが、積雪のためその上を闊歩できます。ワカンを履いて、斜面を跳ぶように駆け下ります。

寺山峠に上り、計画では夏道の谷を下りるのですが、時間があるので南の尾根まで登り、杉林のなかをシリセードしたり駆け下りたり。沢沿いは雪が融け、ワカン・アイゼンが邪魔になるので、尾根道のほうが歩きやすいです。

積雪があれば、ヤブに邪魔されずコースの選択肢は広がりますが、その分、本当に地形を読んでルートファインディングする能力が試されました。

(松岡悠和/京都府/19歳/よく行く山:京都北山・雲取山)

六甲・長峰山~穂高湖

季節は確実に春へ。

湖面の半ばまで凍った穂高湖(写真=川畑和夫)

2月7日、晴れ

阪急六甲駅から歩き始め、住宅街を抜けて六甲学院と神戸松蔭女子大の間の急坂の突き当りが登山口です。

登山口からはやや急な道を辿ります。稜線に出て小さなアップダウンを数回繰り返すと岩塊の積み重なった長峰山頂上(688m)で、360度の展望が楽しめます。

頂上から杣谷峠を経て穂高湖へ出、徳川道を下り、桜谷出合からトウェンティクロス、市が原、布引貯水池、布引滝の景色を眺めてJR三宮駅まで歩きました。

穂高湖は半分ほど結氷していましたが、広葉樹は芽吹き前の赤みを帯びたグレーとなっており、季節は確実に春へ向かっています。

(川畑和夫/大阪府/66歳/よく行く山:六甲、比良、生駒、北アルプスなど)

週刊ヤマケイ「読者の登山レポート」「遭難防止オピニオン」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんの登山レポートを募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

「遭難防止オピニオン」につきましては、文字数400字程度でお願いします。ご自身の遭難体験についてお書きいただくときには、写真をつけていただくとありがたいです。お名前、メールアドレス、年齢、郵便番号と住所、登山歴、よく行く山名・山域も添えてください。「登山レポート」「オピニオン」ともに文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。また、日本山岳遺産基金のファイルに「蘇れ日本列島」というご投稿コーナーも設けました。全国各地の山岳地域で環境保全活動をなさっているかたがたのレポートなども、お待ちしております。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」または「週刊ヤマケイ・遭難防止オピニオン」「週刊ヤマケイ・蘇れ日本列島」とお書きください。

日本の山の未来を考える

第5回 日本山岳遺産サミットを2月28日(土)に開催。

鍬ノ峰で草刈をする高校生たち(長野県大町高校山岳部)

いにしえから続く伝統の道を守る(古道徳本峠道を守る人々)

日本山岳遺産基金では、未来に残したい日本の豊かな自然環境や、人と自然の関わりを有する山岳地域を「日本山岳遺産」として認定し、環境保全活動や次世代育成活動を行っている団体に対して助成を行っています。

日本山岳遺産サミットでは、基金の一年間の活動をご報告するとともに、2014年度の日本山岳遺産認定地および認定団体を発表し、助成内容をご紹介します。

また、基金の活動5年目となる本年は、自然地理学が専門の小泉武栄先生をお迎えして基調講演を行い、過去の認定地および山岳関係者によるディスカッションを予定しています。みなさまのご参加をお待ちしております。

***

日時:2015年2月28日(土) 13:30~17:00(開場13:00)

会場:インプレスグループ セミナールーム

東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング(23階)

(地下鉄神保町駅下車徒歩3分)

主催:日本山岳遺産基金・(株)山と溪谷社

内容:

第1部 2014年度 認定地・認定団体 発表

・吾妻山(吾妻山自然倶楽部)

・鍬ノ峰(長野県大町高等学校山岳部)

・徳本峠(古道徳本峠道を守る人々)

第2部 基調講演「地域の自然、魅力の伝え方」

東京学芸大学名誉教授 小泉武栄氏

第3部 これまでの認定団体・関係者によるディスカッション「地域の山を守り、活用するための課題とは?」

参加費:500円

※参加費は日本山岳遺産基金への寄付としてお預かりし、基金の活動に活用させていただきます。

定員:80名。

※会場の都合で事前の申し込みが必要です。

※未就学児のご入場はご遠慮ください。

申込方法:下記URLの登録フォームより申し込みを行ってください。受付後はメールにて「参加票」を送付いたします。

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/news/info_summit2015.html

申込締切:2015年2月20日(金)

※ 定員に達した場合、締め切り前でも受付を終了させていただきます。

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

登山口へのアプローチとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。電車やバスを乗り継ぐ面倒もなく、日本アルプス各地や八ヶ岳などの主な登山口に早朝に到着することから、利用者が増え続けています。

日本山岳遺産基金賛助会員である(株)毎日企画サービスでは、今期も登山者専用バス「毎日あるぺん号」を企画実施いたします。登山にかかる日数・コストの軽減をお考えの方は、登山装備の必須アイテムとして、ぜひご活用ください。各地の開山イベントなどに合わせた、とっておきの登山バスもご用意いたします。

なお、夏期(GW~11月)の毎日あるぺん号・さわやか信州号のスケジュールは3月下旬頃より順次発表させていただきます。

山岳フォトグラファー菊池哲男さんの公開講座「山の星月夜」

2月23日、千葉県我孫子市で開催

週刊ヤマケイの表紙を担当し、数々の素晴らしい作品を撮影してきた菊池さんの話は必聴です

週刊ヤマケイ2014年12月25日号の表紙にもなった菊池さんの作品「八方尾根より星夜の白馬三山」

山岳フォトグラファーの菊池哲男さんは小さいころから星や月に興味をもち、小学生のときに親にねだって望遠鏡を手に入れました。そして星が綺麗な山に行きたいという理由で高校時代から本格的な山登りやスキーを始められたそうです。

30年以上にわたって取り組んできた「山と星」をテーマに公開講座が開催されることになりました。

山を舞台に夕暮れから夜明けまで繰り広げられる天空の星々の煌めき、その光と影の世界で行なわれているもうひとつの山の時間を、菊池さんと一緒に過ごしてみませんか?

***

日時:2月23日(月)10:00~11:30

会場:あびこ市民プラザホール(JR我孫子駅北口より徒歩5分/千葉県我孫子市我孫子4-11-1)

参加費:700円

定員:150名

写真展開催情報

山の写真をギャラリーで鑑賞してみませんか?

1:山歩登クラブ写真展『春夏秋冬の山旅』~四季を通じて撮影した山旅での風景、森の輝き、花の表情~

FTVカルチャー登山教室のカメラ好き集団13人の作品を展示しています。入場無料。

・日時:2月24日(火)~3月1日(日)

・時間:10:00~17:00(最終日は16:00まで)

・場所:福島駅西口コラッセふくしま5階プレゼンルーム

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2:「剱と利尻」わが国を代表する2つの険しい山岳風景を対比 志水哲也/本間晶子 2人写真展

季節風が直に吹きつけ険しい剱岳、日本最北端の孤島に聳え、凍風が支配する利尻山。2つの山の雪の時期の写真を中心に展示。入場無料。

・日時:2月14日(土)~3月15日(日)

・時間:10:30~21:00

・場所:東京渋谷、モンベル渋谷店5階サロン

山の知識検定

Q:次の国立公園のなかで、日本百名山を最も多く含んでいるところを選びなさい。

磐梯朝日/上信越高原/中部山岳/南アルプス

平成26年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて

山の知識検定

Q:次の国立公園のなかで、日本百名山を最も多く含んでいるところを選びなさい。

磐梯朝日/上信越高原/中部山岳/南アルプス

A:中部山岳

中部山岳国立公園は新潟、富山、長野、岐阜にまたがり、標高3000m級の山々が連なる日本を代表する国立公園である。公園区域は174,323ha。フォッサマグナに沿って北から白馬岳などを有する後立山連峰、剱岳などを有する立山連峰、槍ヶ岳などを有する穂高連峰など、北アルプスの14座の日本百名山が含まれている。次いで多いのは、日本第二の高峰・北岳を有し、山梨、長野、静岡の3県にまたがる10座がある南アルプス国立公園である。上信越高原国立公園には9座、磐梯朝日国立公園には6座が含まれる。

平成26年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

『屋久島ブック2015』

新しい自分に出会う旅

屋久島の魅力に触れるための情報を満載した『屋久島ブック』の2015年版です。白谷雲水峡と縄文杉をつなぐ、屋久島でいちばん贅沢な1泊2日コースや、海辺の永田から宮之浦岳を目指すコースなど、現地撮り下ろしレポートは必見です。また屋久島の街や里を歩く楽しみ、エコツアーや宿泊情報、セラピーなど、旅をさらに充実させるアクティビティも提案しています。

https://www.yamakei.co.jp/products/2814924260.html

●発売日:2015年2月13日/ページ数:112ページ/判型:A4変形判/販売価格:1,000円+税/ISBN:978-4-635-92425-2/綴じ込み付録:屋久島マップ、特典割引クーポン

2015年1月~2月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『ワンダーフォーゲル2月号』 1/10 926円+税
『山と溪谷 2月号』 1/15 952円+税
『世界ツル大鑑 15の鳥の物語』 1/23 7,900円+税
『BONSAI 感じる・造る・飾る 四季のミニ盆栽』 1/23 1,500円+税
山登りABC『ちょっとロープワーク』 1/23 1,000円+税
『東海周辺 週末の山登りベスト120』 1/26 2,200円+税
『山岳雪崩大全』 2/2 1,980円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 千葉県の山』 2/2 1,900円+税
『くらべてわかる 野鳥』 2/6 1,600円+税
『くらべてわかる 淡水魚』 2/6 1,600円+税
『山と溪谷3月号』 2/14 952円+税
ヤマケイ新書『もう道に迷わない-道迷いを防ぐ登山技術-』 2/20 800円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 三重県の山』 2/20 1,900円+税
ヤマケイ新書『山岳遭難の教訓-実例に学ぶ生還の条件-』 2/20 800円+税
『犬の介護に役立つ本』 2/21 1,200円+税
『関西トレイルランニングコースガイド』 2/21 1,800円+税
DVDブック『だれでもできる楊名時太極拳』 2/21 1,800円+税
『新版 誰でもできる自転車メンテナンス』 2/28 1,000円+税


アルパインツアーサービスからのお知らせ

【国内】週末の山登り「秩父・四阿屋山」日帰り

ヤマケイ登山教室

四阿屋山は両神山の玄関口に頭をもたげる低山です。セツブンソウ、フクジュソウなど早春の花が魅力の山ですが、特にセツブンソウ自生地は5000平方mに及び、全国有数の規模を誇ります。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=50304

日程 3月14日(土)
集合 秩父鉄道・三峰口駅(9:30)
行程 三峰口(バス)堂上セツブンソウ自生地(310m)~四阿屋山(771m)~薬師堂(300m)(バス)三峰口【解散】17:00~18:00(予定)
歩行時間:約3時間30分
登山レベル 初級レベル(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差500mの登りを2時間以内で登れる体力が必要です)
難易度 3(往復、周回、縦走コース。登山道は比較的明瞭で、緩急はあるがあり、幅員が小さい箇所がある。転滑落の危険個所が部分的にあり、一部にハシゴやクサリ場、それに匹敵する箇所がある)
参加費 9,800円
監修 石丸哲也(山岳ライター)

【机上講習会】遭難事例研究6「道迷いを防ぐ登山技術:迷った時の対処法」

ヤマケイ登山教室

増え続ける山の事故を未然に防ぐために、私たちに何ができるかを、一緒に考えてみませんか。過去の遭難事例を紐解きながら、遭難事故の実情を見据え、生死を分けるポイントを検証していきます。今回は道に迷った時の対処法を学びます。

参考書:ヤマケイ新書『もう道に迷わない』(山と溪谷社刊)

【学生割引】学生証の提示で1グループ3人まで受講料が無料になります。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1525

開催日 3月5日(木)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 45名
受講料 2,000円
講師 野村 仁(山岳ライター)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。