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長澤義茂さん

デジタルモノクロームの美にこだわる。

山岳写真同人四季写真展(3月)の出展作品前で

写団創美展の展示作品のひとつ「映える樹」(撮影=長澤義茂)

山岳写真や風景写真といえば、彩り豊かなカラーを思い浮かべますが、デジタルモノクロームの美を求めて集った山岳写真を愛する人たちがいます。「写団創美」。この3月25日から、東京新宿で、すべて自宅のプリンターでプリントした写真による展覧会を開催します。10人のメンバーのなかのお一人、長澤義茂さんにうかがいました。

(聞き手=久保田賢次/『週刊ヤマケイ』編集長)

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久保田:「モノクロームの美」。展示予定の作品を拝見していますと、その言葉の意味がわかってくる気がします。長澤さんがモノクロームにこだわる理由は、どのような点にあるのでしょうか。

長澤:「モノクロームは写真の原点」とよく言われますが、デジタルカメラ全盛になっても変わらないと思います。モノクローム写真は、見る人にイメージを創造させる大きな表現力を持っています。モノトーンのグラデーションが豊かな色彩を思い起こさせてくれるのです。デジタル化の進歩で今までの暗室作業以上のことができるようになりました、これからもデジタルモノクロームで臨場感をイメージできる作品を狙っていきます。

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久保田:今回は10人の方々での写真展ということですが、「写団創美」というグループはどのようにしてできたのですか。どんな方々がいらっしゃるのでしょう。

長澤:「デジタルモノクロームの美を追求し、イメージ通りに仕上げた作品を創り発表する」を趣旨に有志が集いました。今まで写真展の展示作品はプロのラボラトリィに依頼しましたが、今回は自宅で試行錯誤を重ねて楽しんでいます。山岳写真のメンバーが多いですが、山を含めた大自然と対峙しています。メンバーは山岳写真同人四季の井上のぞみ・岡孝雄・黒須信市・鈴木菊雄・中川淳・長澤義茂・名取洋・松本正、全日本山岳写真協会の代政雄、そして金武治の10名です。

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久保田:力強い山岳の写真や、優しさあふれる森の写真など、さまざまな写真が展示されるようですね。今回の写真展の見どころは、どんな点にありますか。

長澤:山岳写真と言えば、厳しい岩峰や雪稜と思われるでしょうが、被写体はいっぱいあるのです。写真展では山稜、湿原、森、滝、渓谷、そして身近な景色など、山々を取り巻くモノクロームの世界にご案内します。

一人3点の組写真にまとめ、30点展示します。「凍てる噴煙」では厳冬期の頂を、「映える樹」では光と影が織りなす稜線と樹影を、「ミツマタの森」では森の中の春を、「水の彫刻」では渓谷の造形美を表現します。モノクロームの世界をご覧いただき、山への新たなイメージを膨らませてください。ご来場をお待ちしております。

信州の山岳遭難現場より

島崎三歩の「山岳通信」。

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難の代表的な事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信しています。県内の山岳遭難発生状況や主な遭難事故の概要など、登山者にとって遭難を防ぐ意味でも知っておきたい情報ばかりです。

3月13日に配信された最新号では1月から2月にかけて長野県で発生した遭難事例が紹介されています。山岳遭難のリスクをリアルに伝えるものですので、今後の山行にぜひ役立ててください。

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・2月7日から阿弥陀岳に入山した5人パーティが下山途中に道に迷い、山中でビバーク。再び行動を開始したが、22歳の男性と19歳女性がベースのテント場に戻らないと、大学山岳部の監督から救助要請があり、捜索を行なう。11日、県警ヘリにより阿弥陀岳第二ルンゼ付近で手袋を発見。付近で県警山岳遭難救助隊員と諏訪地区遭対協救助隊員が雪中に埋まっている2遺体を発見し、行方不明のふたりと確認。

・2月14日、2人パーティで白沢天狗山に入山した52歳男性が、スキーで滑走中に雪崩に巻き込まれて立木に衝突して意識不明であると救助要請がありました。15日、現場に向かうが積雪が多く、山中で雪崩が発生するなど危険性が高く、天候も回復しないため、捜索を終了。16日、県防災ヘリ及び県警山岳遭難救助隊員が出動し、斜面の雪中で心肺停止となっている男性を発見・救助しましたが、死亡を確認しました。

・2月25日、八ヶ岳・北横岳において登山者から頂上でストック、アイゼンなどが放置されていると通報があり、県警ヘリで捜索したところ、西方斜面で心肺停止で倒れている37歳男性を発見し、午前11時8分、救助して機内に収容しましたが、死亡を確認しました。

(内容は長野県警察本部の発表時点のものです)

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下記URLより、バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。

http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

(文=週刊ヤマケイ編集部)

大雪山系・トムラウシ山

進めど進めど、なかなか近づかない山頂。

カムイサンケナイ川の1794峰をトラバース。右後方にオプタテシケ山(写真=谷水 亨)

間近に見えてきたトムラウシ山ですが、ここから1時間30分もかかりました(写真=谷水 亨)

3月14~16日、晴天(山頂アタック日)、トレース無

暖冬の北海道とはいえ、まだまだ極寒さが残る大雪山の奥座敷、トムラウシ山(2141m)に仲間3名で登ってきました。ルート的には1泊2日のコースですが、女性がいるため2泊3日の計画にしました。

トムラウシ温泉東大雪荘(夏道登山口)に車を駐車し、スキーで出発。ユウトムラウシ川の右峰、通称「冬尾根」「西尾根」とも呼ばれる尾根は、取り付きの傾斜が45度以上あり、何回もジグを切りながら細い尾根を目指します。その後は緩やかな広い大地となり、標高1280mまで長い距離を登ってテント泊。

夜の吹雪で半分埋まったテントを除雪後、早朝5時前に出発、1500m付近で朝陽を拝み、カムイサンケナイ川上部の大カールを雪崩に警戒しながらトラバース。ここのコルでスキーをデポし、アイゼンを装着して稜線づたいにアップダウンを繰り返しながら進みます。やがて、トムラウシ山と大雪原が目の前に現れますが、ヒザ上ラッセルで進めど進めどなかなか近づけません。

山頂には5時間半かかりましたが、晴天で十勝連峰や表大雪、旭岳等が一望、疲れも忘れてしまうほどの感激に浸りました。帰路はあっと言う間に雲が現れ、ホワイトアウトと稜線の吹雪に悩まされ、4時間かかりましたが無事テントに到着。

翌日も吹雪の中、テントを撤収し無事に下山。東大雪荘の湯で3日間の疲れを癒やした頃にはすっかり晴れていました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

吾妻連峰・西吾妻山

積雪期の眺めが素晴らしい西吾妻山。

間近に迫る飯豊連峰(写真=福井美津江)

吾妻神社から見渡す樹氷原(写真=福井美津江)

3月15日、晴れ

天元台高原スキー場のリフトを乗り継ぎ、標高およそ1820mから歩き始めました。今シーズンの樹氷はもう終盤かと思っていましたが、数日前の降雪と寒気の影響で、真っ白に化粧直しされた立派な氷の樹を観ることが出来ました。

飯豊連峰を間近に感じながら広々とした樹氷原を進み、吾妻神社まで登ると先にはまた広大な樹氷原が続いております。東側の景色を眺めながら西吾妻山山頂へ。スキーでは歩きやすい雪質でしたが、ワカンの方は時々踏み抜いていたようです。

帰りは西吾妻小屋を経由し、梵天岩を経て中大巓を登ってからスキー場へ下りました。

(文=福井美津江)

栃木県・岳ノ山~大鳥屋山

倒木で埋め尽くされた登山道に注意を。

真っ先に春を告げるセツブンソウ(写真=曽根田 卓)

岳ノ山の登りは五丈ノ滝から上部が倒木で埋め尽くされていた(写真=曽根田 卓)

3月14日、晴れ時々曇り

栃木県が北限のセツブンソウを見に、東北から栃木県佐野市秋山地区の岳ノ山まで遠出しました。セツブンソウ(節分草)はキンポウゲ科セツブンソウ属の多年草で、関東地方以西の石灰岩地帯にのみ咲く花です。栃木市や佐野市近郊には石灰岩の採掘現場が至る所にあり、同時に数多くのセツブンソウの自生地があります。今回は登山の前に3ヶ所のセツブンソウ自生地を訪ねてみました。

しかし花はほとんど終盤で、少し傷んだ名残の花を愛でるのみでしたが、代わりにアズマイチゲが咲きだしていました。その自生地に近い山として、周回登山ができ、山懐に五丈ノ滝を抱く岳ノ山と大鳥屋山に登りましたが、山自体は杉と檜の植林地帯で占められ、展望はほとんどない地味な山でした。それでも山頂や稜線上の所々に祀られた御嶽山の石碑や石祠によって、その昔は信仰の山であったことがうかがい知れました。

但し、五丈ノ滝から岳ノ山に至る沢筋のルートは現在、雪害による杉の倒木地帯と化しているため、ルートが不確かになっています。倒木を跨いだり潜ったりするアルバイトが厳しく、初心者が軽くハイキングのつもりで入山できる状態ではありませんでした。

(文=曽根田 卓)

北アルプス・八方尾根

しばらくは冬の光景が撮影できます。

春の射光に輝く白馬岳と杓子岳(写真=中西俊明)

満天の星空と白馬三山(写真=中西俊明)

3月14日~15日、晴れ

モルゲンロートに染まる白馬三山の撮影で3月14日、15日に撮影ツアーで八方尾根に出かけてきました。今年は白馬山麓の積雪が例年に増して多く、八方尾根も吹き溜りでは腰まで潜って進めなくなるほど。心配された天候も回復して夜は満天の星空を遅くまで撮影。

翌朝は未明からモルゲンロートに染まる白馬三山の撮影にチャレンジしましたが、楽しみにしていた撮影は叶いませんでした。白馬岳など後立山連峰は厳冬期を思わせるような凛とした光景を見せていました。

晴天に恵まれた15日は、多くの登山者が唐松岳を目指していました。各地で桜の便りが聞こえてきますが、白馬岳周辺はしばらく冬の光景が撮影できます。出かけてみてはいかがですか。

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なお、下記のような山の写真のセミナーも予定していますので、ぜひご参加ください。

1:中西俊明が教える!霧氷・冬山プリントセミナーが3月28日(土)10:30~、15:00~の2回開催。雪山をきれいにプリントしたい、モニターとプリントの色が合わなくてこまっている。このような人におすすめのセミナーです。問い合わせはEIZOガレリア銀座TEL03-5537-6675

2:ヤマケイ登山教室「山の写真入門講座・新緑が輝く春の山風景」が4月7日(火)19:00~開催されます。山の写真を体系的に学びたい方がじっくり学べるように少人数制の講座です。申し込みはヤマケイ登山教室HPまたはアルパインツアーサービス(株)TEL:03-3503-0223へ。

(文=中西俊明/山岳写真家)

長野県・なべくら高原

真っ白で緩やかな雪原を歩く。

ブナ林をひたすら登る(写真=山田典一)

小ピークで記念撮影(写真=山田典一)

3月14日、晴れ時々小雪

谷川岳エコツーリズム推進協議会ガイド研修で、長野県飯山市にある「なべくら高原」にスノーシューに行ってきました。現地のベテランガイドおふたりの説明を聞きながら約4時間歩きましたが、今後のガイド活動に大いに役立ちました。

最初は広大な段々畑を徐々に登り、真っ白で緩やかな雪原を気持ちよく歩きました。途中から小雪が舞ってきて見通しが悪くなりましたが、見事なブナ林の中を徐々に標高を上げます。

時間の関係もあり途中のピークで引き返しましたが、大自然のなべくら高原スノーシューを大いに堪能することが出来ました。

(文=山田典一/水上山岳会員)

北アルプス・上高地

たっぷりの雪と鍋を楽しんだスノーシューハイキング。

大正池ホテル下の池畔から望む焼岳(写真=内田雄紀)

お湯を沸かし、あらかじめ切った野菜と冷凍水餃子、鍋キューブを入れるだけの簡単餃子鍋。お勧めです(写真=内田雄紀)

3月14日、曇りのち晴れ

シーズンには登山者と観光客でごった返す上高地・大正池も、3月のこの時期はまだまだ雪と静寂に包まれています。今回は、前日に中の湯温泉旅館に宿泊し、同旅館のレンタルを利用して、初心者でも楽しめるスノーシューハイキングに出かけました。

朝8時30分、中の湯旅館の送迎車で釜トンネルの入り口到着。ここで登山届を提出して、いざ釜トンネルへ。内部には一部しか照明はないので、ヘッドランプは必携です。また、この日は工事車両がひっきりなしに登ってきました。歩くのは歩道なので危険はありませんが、排気ガスには閉口です。マスクを持参した方がよいかもしれません。

9時、なんとか釜トンネルを抜けて、ここでスノーシューを装着です。実は先ほどの工事車両のおかげか林道は程よく圧雪されていましたが、練習かたがたここからスノーシューをつけて歩き出しました。土曜日とあって、前後には同じようにスノーシューやテレマークスキーを履いた人、ツアーと思しきグループなどが楽しげに歩いています。後で聞いたら、この日は100人以上が上高地へ入ったとか。

産屋沢を過ぎ、霞沢岳からの尾根を回り込むと、眼前に岳沢の眺めが広がります。この先で、工事車両は橋を渡って右岸沿いの道に入るため、ここからは本格的な雪道となります。この3日ほど雪が降り続いていたらしく、積雪量はかなりのものでしたが、先行者も多くトレースはしっかり付いていました。とはいえ、ツボ足では難渋することも多いのでスノーシューかスキーは必携です。

10時30分、冬期休業中の大正池ホテル脇から湖畔へと下り、雪を踏み固めて休憩場所を確保。雪景色を楽しむことにしました。大正池は半分ほど氷が張っているものの、緩やかな流れの中をカモが2羽泳いでおり、静けさがいっそう実感されます。正面には焼岳がどっしりと聳え、右手には西穂から前穂への稜線も見え初めました。時間を忘れて見入ります。

すっかり体も冷えてきたところで、ちょっと早めの昼ごはん。今回は、固形スープの素「鍋キューブ」を持参して、冷凍ギョーザ入り雪見鍋としゃれこみました。簡単でおいしく、体も温まるのでお勧めです。持参のおにぎりが凍ってしまったときは、一緒に煮れば雑炊にもできます。

午後、さらに奥を目指そうかと歩き出しましたが、雪が多く、気温が上がって帰路に雪崩の心配もあることから、今回はここでUターン。青空も見えはじめた岳沢方面の眺めに後ろ髪を引かれつつ、来た道を戻り、13時30分、釜トンネル入り口に帰着。中の湯へと戻りました。

(文=林 弘文/山と溪谷社)

八ヶ岳・硫黄岳

風雪と寒さに耐えながらの登頂。

まるで吹き流しのように成長したエビノシッポ(写真=山口敬二)

モノクロの世界のなかでパックリと口をあける爆裂火口(写真=山口敬二)

3月13日~14日、曇りのち雪

1泊2日で夏沢鉱泉をベースに硫黄岳に登りに行きましたが、天候が安定せず厳しいものになりました。13日はノートレースでのオーレン小屋からのルートファインディングに時間を要し、天候もすぐれなかったことから、翌日に期待して夏沢峠から引き返しました。

翌日、回復傾向の天気予報に期待しつつ、曇り空を仰ぎながら出発しましたが、8時半頃、夏沢峠に出たところで雪になりました。スノーシューをつけたまま峠からルートを右にとると、森林限界を抜けるまでの200mほどは傾斜のきつい深いラッセルもあり、苦しめられました。

岩稜帯に出たところでアイゼンに履き替え、ポールをピッケルに持ち替えると、烈風吹き荒れる硫黄岳の斜面に躍り出ました。ルートを示す細い鉄杭を頼りに登行を続けるのですが、凄まじい風雪にまつ毛は凍り、指先には激痛が走ります。辺りはホワイトアウト状態で、風が弱まり視界が確保できるのを待って次の鉄杭を探す、といった作業の繰り返しでした。

時々振り返っては下山時のルートを頭に入れながら慎重に登ります。すると間もなくエビノシッポに覆われたケルンが現れるようになり、今度は雪煙に浮かぶケルンの影を頼りに進みました。

やがて、爆裂火口と思われる縁を歩くようになり、傾斜も緩くなったので、頂上が近いことを期待できました。ほどなくして索漠とした頂上広場に出ることができました。

風雪と寒さに耐えながらの登頂は被写体となるものは何もなく、ただ雪煙のなか奈落に落ちる黒い火口壁だけが浮かんで不気味でした。

(文=山口敬二)

八ヶ岳・箕冠山

夏沢鉱泉から快晴の八ヶ岳を楽しむ。

オーレン小屋から峰の松目を望む(写真=川﨑拓兵)

3月14日~15日、晴れ

夏沢鉱泉は通年営業で、お風呂も入れます。八ヶ岳のちょうど南北の中ほどに位置しており、硫黄岳にも天狗岳にも行けます。

この日、数日前まで降り積もった雪が小屋周辺で20~30cm程ありましたが、トレースはついていてオーレン小屋から箕冠山までのルートは快適に歩けました。根石岳方面へのトレースもついていましたが、夏沢峠方面へはトレースがあまりありません。オーレン小屋から夏沢峠までのルートはトレースはあるものの、硫黄岳へはトレースがないので帰ってくる登山者もいました。

今回は天気がよく、乗鞍岳から槍ヶ岳の北アルプスが一望でき、硫黄岳や赤岳、阿弥陀岳も綺麗に望めました。雪は柔らかく、トレース以外では1.5mほど埋まる箇所もあります。アイゼンは必携です。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

奥多摩・雲取山

登山口は春めいていても、本格的な雪山の様相。

雲取山手前、標高1870m付近(写真=中村重明)

三条ノ湯にて。左上より時計回りで、鹿肉、宿泊スペース、宴会風景、お風呂(写真=中村重明)

3月14日~15日、14日曇り一時雪、15日晴れ

鴨沢登山口(530m)から雲取山(2017m)を登ってきました。三条ノ湯泊の1泊2日で、標高差約1500m(累積標高差はGPS計測で約2800m)、距離約30kmの歩き応え十分の行程でした。

登山口にはウメも咲いて春めく気候で、無雪期用登山靴で歩き始めました。しかし標高1400m付近からは登山路上に凍結箇所が出始め、七ツ石山南側の巻道(マムシ岩→ブナ坂)途中からは6本爪アイゼンとストックを使用しました。最初は曇り空だったものの途中から本降りの雪となり、本格的な雪山の様相となってきました。

途中、三ッ山や飛竜山が何とか見えたものの、山頂からの展望は全くありませんでした。早々に三条ノ湯に向かって下山。雲取山避難小屋から三条ノ湯に向かうルートは、鴨沢からのルートに比べ積雪が多く、道標やテープ等はほとんどないため、降雪直後等は厳しいルートになると思われますが、幸いこの日はトレースは明瞭で、踏み抜きもあまりありませんでした(三条ダルミから飛竜山に向かうルートにはトレースがなさそうでした)。

8時間弱でようやく着いた三条ノ湯では、温かい温泉で疲れを癒やし、オーナーが獲った鹿肉料理を含む美味しい夕食を頂き、更に夕食後はオーナーやスタッフの方のギター演奏での「歌声喫茶」が続き、とても素晴らしい一夜となりました。

翌日はゆっくり7時頃に起き、後山林道ルートで、前日の降雪で文字通り「雪化粧」した素晴らしい景観を堪能しながら下山しました。

(文=中村重明)

高尾山

ハナネコノメの花が見頃です。

左:日影沢入口のハナネコノメの群生/右:ハナネコノメの花(写真=甲把 収)

2009年3月の同じ場所(写真=甲把 収)

3月14日、晴れ

いよいよ楽しみにしていた花の季節が始まりました。日影沢入口付近の小仏川沿いのハナネコノメはまさに見頃を迎えていました。緑の葉に白い萼片と赤いおしべ(葯)が映え、一つ一つは小さいですがとても絵になる花で、人気があります。この日も大勢の方が撮影に訪れていました。

しかし、国定公園の指定植物でもあるため以前から見続けているレンジャーとしては、環境の変化がとても気になっています。年々土や石が露出する部分が広がり、ハナネコノメの生えている面積が小さくなっています。もちろん大雨による増水で削られる事もあるのでしょうが、カメラの三脚や踏み込んだ靴による影響も見逃せません。

今、自分達が楽しんでいる景観を将来の人達も楽しめるように、慎重に自然と向き合うことが求められています。キクザキイチゲが咲いている斜面にも踏み込んだ跡が着いており、来年以降の生育に影響がないか心配されます。

この他、アズマイチゲやコチャルメルソウ、アオイスミレなどが目を楽しませてくれました。咲き始めたアブラチャンの枝には、少し前までは群れていたエナガのペアが見られ、岩の隙間では、「グッグッゴゴゴ……」などと聞こえるタゴガエルの声が響いていました。

(文=甲把 収/東京都レンジャー(高尾地区))

房総・笠石~寂光山

早春のスハマソウを求めて。

丸みを帯びた葉の形が特徴のスハマソウ。ピンクの個体はめずらしい(写真=奥谷 晶)

山の斜面にひっそりと咲くスハマソウ。そのままにしておきたい(写真=奥谷 晶)

3月14日、曇り一時雨

春いちばんに、雪を割って咲くところから雪割草の異名をもつ花々のひとつにスハマソウがあります。ミスミソウの一種ですが、主に東日本の太平洋側に分布するといわれています。ミスミソウは葉の形が三角で先端がとがっているのに対して、丸みを帯びているのが特徴です。州浜紋とよばれる紋章に似ているところから名付けられたようです。その可憐な姿をもとめて房総の里山を歩いてきました。

千葉県の清和県民の森として整備されているコースで、旅名バス停から、笠石を経て寂光不動に至り、林道を戻って周回するコースです。寂光不動への階段の途中からトラバースして、ちょっとした岩稜登りをまじえた寂光山(246m)に登る踏み跡があります。房総の山は、低山だと侮ると至る所にテープがつけられた踏み跡が交錯して道迷いを起こしやすいのですが、このコースは道標が整備されて歩きやすくなっています。

お目当てのスハマソウは登山道沿いには全く見られませんでしたが、運良くとある山の斜面に咲き残っていたのを見つけることが出来ました。

(文=奥谷 晶)

富士山麓・高指山~鉄砲木ノ頭

富士山を間近に見る歩きやすい稜線。

高指山から見た真っ白な富士山(写真=木元康晴)

富士山の雄大さが感じられるコースでした(写真=木元康晴)

3月11日、晴れ

富士五湖のひとつである山中湖の東側の、山梨県と神奈川県との県境となる山並みを歩いてきました。

山中湖を周回するバスを平野バス停で下車し、車道を東へ。高指山を示す標識に従って別荘地の中を歩くと、間もなく登山口です。登山道はなだらかなカヤトの斜面につけられていて、途中で振り返ると山中湖を前景にした、真っ白な富士山を見渡すことができました。

たどり着いた高指山からは、芽吹き前のアブラチャンの木が茂る稜線を南へ。日陰には残雪が点在する区間もありましたが、軽アイゼンを使用するほどではありませんでした。

切通峠を通過してなだらかな小ピークを過ぎると、明神山とも呼ばれる鉄砲木ノ頭の頂上です。ここから望む富士山も見事であり、さらに下山路も富士山を望む明るい道で、展望を楽しみながら三国山ハイキングコース入口バス停を目指しました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

中央線沿線・九鬼山、高川山

富士山の好展望地を巡りました。

猿橋駅から一登りの御前山から見る富士山は立派です(写真=日向俊雄)

九鬼山直下の天狗岩は富士山の好展望地です(写真=日向俊雄)

3月13日、晴れ

大月市が制定する秀麗富嶽十二景の10番山頂・九鬼山と11番山頂・高川山に登ってきました。猿橋駅から歩き始めると最初のピークが御前山で、時折富士山を見ながらアップダウンを繰り返して九鬼山に至り、愛宕神社コースで禾生駅に下りました。

コース中、富士山の好展望地は御前山、九鬼山から3分ほど下った富士見平、10分ほど下った天狗岩の3ヶ所でした。

富士山が綺麗に見えたのは昼までで、禾生駅から登り返して高川山に着いた時は、既に富士山は雲に紛れていました。

標高が1000m未満なので雪は全くなく、軽アイゼンは使わず終いでした。風もなく、午後からは汗ばむほどの陽気でしたが、平日とあって、出会った登山者は2組3名だけの静かなハイキングでした。

(文=日向俊雄)

東京神奈川県境・草戸山

都心の展望を満喫できるハイキングコース。

城山湖上部より草戸山稜線と背後の高尾山を望む(写真=白井源三)

城山湖下部にある本沢梅園が開園されている(写真=白井源三)

3月12日、晴れ

草戸山は、相模原市旧城山町が城山湖周辺を町民の散策路として整備したハイキングコースにあります。JR橋本駅から大戸行バスに乗り、小松橋で下車。左に大きな城山湖周辺のコース案内板が登山口に立っています。

杉や竹林の道を進んでいくと、「小松城址」の説明板が立ち、左の丘に登ると眼下に居館があった宝泉寺が見下ろせます。再び登って、晩秋には見事なモミジの紅葉が見られる評議原に着きます。しばらく進み、左に本沢梅園が開園されており、紅白の梅を堪能して散策しました。梅園前の石段を登ると正面に金刀比羅宮が前面に現れます。神社前から右上に少し登ると展望が開け、左に筑波山、西武ドーム、都心ビル群とスカイツリー、右に横浜ランドマークタワーが一望でした。

ここから背後を登り航空神社を経て下ると、城山湖を見下ろす展望台に出ます。湖を隔てて草戸山の稜線、後方に高尾山が連なっていました。再び金刀比羅宮前を通り、鉄柵の入り口から城山湖堰堤に向かいます。ここは、津久井湖から吸い上げた水を落下して電力を作る本沢ダムになっています。堰堤を渡り終えると石段の登りで、登山開始です。

東屋、はなさき休憩所に着き、左下に城山湖が光っていました。下って階段の急坂を登り返すと、右下へ大戸の青少年センターへの下山路分岐に出ます。左上に登っていくと、やがて前方に草戸山の山之神神社の小さな鳥居が見えてきました。松見休憩所では櫓の展望台から都心ビル群、相模原市街、眼下に城山湖が見下ろせます。山頂は梅ノ木からの登山客も交じり、賑わっていました。

ここからは3回のアップダウンを繰り返してふれあいの休憩所に着き、野鳥観察休憩所へ800mの道標が現れたら左に下ります。林道を経て、野鳥観測休憩所から湖を隔てて草戸山が見えます。下り終えると城山発電所前に到着しました(マイカー登山には発電所下の散策管理棟の無料駐車場利用)。

右に下りていくと、本沢梅園側とその上の道路と2本に分かれます。上の道路を一気に下り、途中、道路右の夕焼けの展望台ともなっている飯綱大権現から丹沢山塊を遠望しました。後は、下山口、谷ケ原バス停を目指します。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

岡山鳥取県境・八本越

積雪期の県境歩き3年目、最後のリボンを結びました。

木立の間に白いマッコウが見え始めた(写真=舩越 仁)

今回のマッコウは見上げるだけになりました(写真=舩越 仁)

3月12日、晴れ

この日は最遠のコース、険所峠~マッコウを狙います。一昨日からの寒波で20~30cmの新雪があります。早朝の軽かった雪質も、あっという間に重い湿雪になりましたが、その下はまだ締まっています。7.5kmの林道を3時間30分で、前回のリボン点に到着しました。

昼食を挟んで3時間の県境踏破、重い新雪を踏み込んで八本越の峠に着きました。県境距離はたったの3.9kmですが、疲れました。目的のマッコウは眼前です。1時間もあれば往復できるのですが、ここを今日のリボン点としました。次回のフィナーレでは逆にあれを乗り越えて来て、この場所で祝杯としたいものです。

この日の全歩程は20.1km、10時間7分。これまでの距離を大幅に更新しました。全歩行中の県境比率は19.4%と効率は悪いです。雪中泊なしで最深部区域を踏破するには、除雪地点の阿波発電所を扇の要として、3度も使うことになりました。否、3度でよく済んだと思います。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

対馬・白嶽ほか

対馬の魅力を満喫した2泊3日。

白嶽・雄岳直下から雌岳、浅茅(あそう)湾を望む(写真=石丸哲也)

清水山城跡から厳原(いずはら)湾を見下ろす。花は咲き始めていたゲンカイツツジとヤブツバキ(写真=石丸哲也)

3月13日~15日、晴れ

アルパインツアーサービス・日本の山旅の「対馬の山旅と壱岐」に同行してきました。13日は博多港から対馬へ渡り、和多都美(わたつみ)神社、リアス式海岸を一望できる烏帽子岳展望所などを回って旅館へ。14日はメインの白嶽登山で、ポピュラーな洲藻(すも)登山口からの往復ではなく、上見坂(かみさか)からのロングルート。15日は日の出前に宿を出て厳原港から清水山と有明山を登り、港で郷土料理の昼食後、壱岐に寄って博多港へ戻るプランです。

対馬と言えば九州本土より朝鮮半島に近い国境の島というイメージが強く、実際、貿易や攻防の歴史、由来が神話時代にさかのぼるという名勝が多数あります。またツシマヤマネコに代表される、大陸と日本本土の要素を兼ね備えた生態系などもユニークで興味深いものでした。

通常2泊3日の日程ではその魅力の片鱗にふれることさえ難しいところですが、今回は対馬観光物産協会会長の西さん、対馬観光ガイドの会のガイド中島新治さんが案内、解説してくれたうえ、長崎県立対馬歴史民俗資料館にも立ち寄れて、対馬を満喫できました。また、武内正さんの「日本山名総覧」(白山書房)によれば対馬は山数が多い島のトップで、2位の佐渡島、3位の屋久島のほぼ3倍にあたる172山があります。

白嶽(519m)は照葉樹林に抜きん出てそびえる岩峰で、岩壁基部に祀られた神社の奥には神官以外は立ち入れない霊山でもあります。雄嶽と雌嶽からなり、私たちは一般ルートの雄嶽に登りました。10人ほどしか立てない狭い山頂の展望は360度。晴天に恵まれ、対馬の特徴のひとつであるリアス式の海岸線もよく見えました。

最終日の有明山(558m)は対照的になだらかな草原の山で、途中の清水山(210m)では豊臣秀吉の朝鮮出兵時に築かれた清水山城の遺構も見られました。壱岐は対馬と対照的になだらかな地形で、山頂直下まで車で登れる最高峰の岳ノ辻(213m)などを訪ねて帰京の途につきました。

対馬観光物産協会のホームページには対馬の歴史や自然、見どころが詳しく紹介され、白嶽や有明山の登山ガイドをダウンロードもできるので必見です。

なお、武内さんのデータをもとに全国の山名・山数を解説する新刊をヤマケイ新書で執筆中です。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

福岡県・ラクダ山~七ツ森

青空の下の、快適な稜線歩き。

ひらおだい3号橋から眺めた塔ヶ峰~七ッ森~ラクダ山の稜線(写真=長谷川守克)

青空の下、気分好くラクダ山山頂をめざす(写真=長谷川守克)

3月14日、晴れ

平尾台山地で唯一ヤブ漕ぎを強いられる、ラクダ山から七ツ森の稜線。夏場は苦労するので敬遠していますが、この時季ならば問題ないだろうと考え、歩きに行ってきました。

一部ヤブ漕ぎで苦労する個所もありましたが、以前歩いた時に比べササが枯れたのか、ヤブは薄くなっていて問題なく七ッ森に到着。山頂は雑木林に覆われ展望が得られないので、少し引き返して好展望地で昼食タイムとしました。青空の下、快適な稜線歩きを楽しむ事ができたので満足のいく山行でした。

なお、稜線に咲く花はスミレしか観る事ができませんでしたが、もう少しすれば多くの花が開花し、山歩きの楽しみが増えます。

(文=長谷川守克)

佐賀長崎県境・多良岳

雪のマンサク鑑賞登山。

縦走路から見上げる国見岳(写真=池田浩伸)

午後からは青空が見えた(写真=池田浩伸)

3月10日、雪のち晴れ

そろそろマンサクが見頃になるかと思い登りましたが、風が強く寒い一日でした。

今回は笹岳鞍部と多良岳のマンサクを見るために、中山キャンプ場~中山越~多良岳~座禅岩~中山キャンプ場の周回コースを取りました。午前中は強風で山肌から雪煙が上がっていて、笹岳鞍部のマンサクは雪をかぶった状態で凍えていました。

金泉寺山小屋のベンチで昼食を済ませる頃には風が弱まり、青空がのぞき始めました。凍った石段を用心しながら、多良岳から座禅岩まで登ります。マンサクは2~3株が花をつけていました。山肌のマンサクはまだツボミの状態でしたが、暖かくなれば一度に花開くのではないでしょうか。

展望の良い座禅岩から白くなった雲仙岳を眺め、ゆっくりコーヒーを飲んで下山しました。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

北海道・蓬莱山

スノーモービルが多かったのですが……。

電波塔が建つ蓬莱山、他の登山者が見える(写真=蓮井美津夫)

蓬莱山頂上近くの斜面(写真=蓮井美津夫)

3月15日、晴れ

天気予報に期待して、中山峠から蓬莱山へ向かいました。日曜で何組かの登山者も居ましたが、この日はスノーモービルが多く、出発準備をしている間だけで20台程が山に向かって行きました。山中での爆音を覚悟しましたが、こちらとはルートが違うようで、数台とすれ違った程度で静かな雪山歩きができました。

残念ながら雲が多く、周囲の山々を見ることは出来ませんでしたが、満足の半日でした。

(蓮井美津夫/北海道/56歳/よく行く山:道央、大雪山)

裏磐梯・五色沼

五色沼周辺のスノーシュー散策。

五色沼で一番大きな毘沙門沼。冬場でも結氷しないので水鳥の楽園です(写真=葉貫正憲)

3月8日、雪

裏磐梯パークボランティアの研修会に参加しました。午前はビジターセンターで講義や見学、午後はスノーシューで五色沼周辺を散策しました。

ふだんは見過ごしてしまいそうなものを取り上げてくださり、虫コブや動物の足跡、リスの食べたマツカサなど、講師の名案内で楽しい時間を過ごすことができました。なお、この研修会に参加した8名は、4月よりパークボランティアとして活動することになります。

(葉貫正憲/福島県/67歳/よく行く山:会津百名山)

福島県・箕輪山

箕輪スキー場から箕輪山~鬼面山を周回。

箕輪山よりこれから行く鬼面山、吾妻連峰の山々(写真=葉貫正憲)

鬼面山より霞のかかった磐梯山を望む(写真=葉貫正憲)

3月16日、濃霧のち曇り

箕輪スキー場のリフトをふたつ乗り継いだ山頂駅は標高1470mで、山頂までの標高差は約250mです。硬く締まった雪面にしっかりとストックをさして、山頂を目指しました。

背中から強い西風を受け、山頂まで休まず40分で到着。山頂一面はガスの中です。小休止していると、北にある吾妻連峰が眼前に姿を現しました。これから下りる鬼面山へ向かう広い稜線もはっきりと見渡せ、風の流れが白い雪波になって広がっていました。

鬼面山手前の平坦なところで昼食をとり、鞍部から100mの登り返しをすると鬼面山山頂です。標高が低く夏場は地味ですが、雪が山頂を覆っているこの時期は遮るものがなく、大パノラマを満喫できます。

ここから土湯峠へおり、横向温泉へ。この辺りになると雪が軟らかく、しかも適度に締まっていて歩きやすく快適でした。箕輪山頂から土湯峠までの1時間半は見晴らしがよく、雪歩きの醍醐味を存分に味わうことができました。ただ、ガスに覆われたときには稜線部が広いので要注意です。

リフト山頂駅から横向温泉まで3時間でした。

(葉貫正憲/福島県/67歳/よく行く山:会津百名山)

新潟県・白山

急な尾根道にはいたるところに雪崩の跡が。

山頂避難小屋まであと少し、雪庇に注意(写真=野水敏勝)

急な斜面では全層雪崩の跡がいたるところに(写真=野水敏勝)

3月8日、曇り

五泉市の越後白山(1012m)に登りました。あいにくの曇天で展望には恵まれませんでしたが、山友との登山は楽しく、山頂避難小屋でのビールとおにぎりが実にうまかったです。

急な尾根道には、いたるところに雪崩が発生した跡がありました。また山頂付近は雪庇が多く、細心の注意を払って登りました。

新潟はまた雪が降り、冬に逆戻りです。天候が落ち着くまで、山登りは控えたほうが良いようです。

(野水敏勝/新潟県/65歳/よく行く山:越後の山、北アルプス、ヨーロッパの山)

長野県・美ヶ原高原

広大な雪面を自由に歩きました。

美しの塔の前で(写真=原 哲郎)

牛臥山より王ヶ頭方面を望む(写真=原 哲郎)

3月14日、曇り

長和町からビーナスラインを経て、山本小屋の駐車場から歩き出しました。雪の量は例年に比べて、かなり多いとのことです。天気が良ければ、美しの塔の向こう側に北アルプスの峰々が望めるのですが、この日は曇天で残念。

広大な雪原では自由にコース取りができます。雪面はよく締まっていて、スノーシューがもぐることはほとんどありません。王ヶ頭まで行って戻ると、小屋近くでスノーカイトを楽しんでいるグループがいました。

その後、牛臥山に向かう途中、少し離れた斜面にニホンジカの一群を目にしました。風で飛ばされた雪の下に顔を出している枯草を食んでいたのでしょうか。帰り道では、車道わきの斜面で木の芽をたべている2頭のカモシカを目にしました。厳しい冬を乗り越えるのに動物たちも懸命です。

(原 哲郎/長野県/67歳/よく行く山:長野、群馬、山梨の山)

福井県・荒島岳

寒さが少し和らぐ季節の雪山登山。

雲海に浮かぶ白山(写真=安井 晃)

山頂からの稜線を下る登山者(写真=安井 晃)

3月8日、曇りのち晴れ

三重県近場の山は雪山シーズンが終わったようで、ならば北へと荒島岳を目指しました。

登山口は勝原スキー場で、雪まだ深いゲレンデからブナの原生林の尾根を経て、稜線に出ます。7時過ぎにスタートした時点で、駐車場には10数台の車があり、ゲレンデから上はガスの中。新雪はなく、前夜の雨を含んだ滑りやすい雪のため、少し歩いてアイゼンを装着。ただ締まっていて、わりと歩き易い雪面でした。休日は大勢の方が訪れるらしく、トレースも明瞭です。

稜線手前の急登「もちが壁」も危なげなく通過。稜線に出たときは展望が全くなかったのですが、少しずつ太陽が顔を出し始め、頂上直下で突然ガスが切れたかと思うと、目の前には雲海と真っ白な白山が。言葉を失うほどの絶景に、偶然一緒に登ってきた3人で喜び合いました。

しばらくして山頂が登山者で賑わってきたので、おふたりに挨拶をして下山開始。シャーベット状になった雪の斜面を下り、12時に登山口に着きました。

(安井 晃/三重県/52歳/よく行く山:鈴鹿、台高、南アルプス)

兵庫鳥取県境・氷ノ山

バックカントリー講習会に参加しました。

三の丸へ進む(写真=小椋将二朗)

3月14日、晴れ時々曇り

わかさ氷ノ山スキー場のトップからシール歩行でスタート。林の中を登り、小一時間で視界が一気に広がります。そこで「ビーコン、ショベルコンプレッション、弱層テスト」の講習を受講しました。その後、三の丸避難小屋へ歩を進めます。今年は避難小屋が埋まるくらいに雪が多いとのこと。

総勢19名という大所帯でしたので、山頂まで行かずに避難小屋を中心にバックカントリー・フィールドにおける滑走技術の講習を受けながら、2回登り返しました。

最後は2班に分かれて、初級者は来たルートで、中・上級者はわさび谷に歩を進めて滑走。その後、スキー場内で合流し、全員無事に下山しました。

(小椋将二朗/奈良県/51歳/よく行く山:生駒山)

島根県・出雲北山

出雲北山の景勝地「ゴーロ」へ。

急斜面に岩が張り付いた「ゴーロ」(写真=高木秀生)

幅60m長さ180mに及ぶ特徴的な転岩地帯「ゴーロ」(写真=高木秀生)

3月16日、晴れ

大社町下遥堪の三歳社入口から行者コースで弥山三角点に行き、御山正参道で戻り、途中のゴーロ分岐からトラバースしていくと、急斜面に同じ大きさの岩が張り付いている場所「ゴーロ」に突きあたります。林の中に突如として現れた岩の斜面で、中央にハゼの大木があります。広さは幅60m、長さ180mほどの不思議な景色でした。まだまだ知られていない魅力が出雲北山にはあります。

(高木秀生/広島県/64歳/よく行く山:広島県宮島、鳥取県大山)

三重県大台町、大杉谷登山道がオープン

4月24日~25日にオープニングイベントが開催。

勇壮な渓谷美が続く大杉谷、シシ淵付近を行く

日出ヶ岳頂上にて。昨年のオープニングイベントの参加者のみなさん

昨シーズン、10年ぶりに全線開通した日本山岳遺産認定地の秘境・大杉谷の今年の開山が決定しました。

期間は4月24日(金)~11月23日(月・祝)で、大台ケ原の積雪などにより変更になる場合もあります。

なお、4月24日(金)~25日(土)には、三重県大台町観光協会アウトドアプログラムVerde(ヴェルデ)「秘境・大杉谷へはじめの一歩2015年Ver.」と銘打ったオープニングイベントが開催されます。

***

日程:4月24日(金)~25日(土)1泊2日

代金:お一人様20,000円(25,000円のところ大台町合併10周年記念Verde参加料20%オフ実施中)

最少催行人数:10名(先着20名まで)

宿泊施設:桃の木山の家

歩行時間:1日目4時間30分、2日目8時間

体力レベル:★★★★★

行程:24日9:00大台町役場宮川総合支所(大台町江馬316)集合

10:00登山センター開山セレモニー参加

12:00大杉谷登山口

17:00桃の木山の家着

25日7:00桃の木山の家出発

12:00堂倉避難小屋

15:00日出ヶ岳山頂

16:00大台ケ原ビジターセンター

20:00大台町役場宮川総合支所着

※ガイド同行、桃の木山の家入浴付、2015年大杉谷の開山日の静けさを満喫できます。

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

登山口へのアプローチとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。電車やバスを乗り継ぐ面倒もなく、日本アルプス各地や八ヶ岳などの主な登山口に早朝に到着することから、利用者が増え続けています。

日本山岳遺産基金賛助会員である(株)毎日企画サービスでは、今期も登山者専用バス「毎日あるぺん号」を企画実施いたします。登山にかかる日数・コストの軽減をお考えの方は、登山装備の必須アイテムとして、ぜひご活用ください。各地の開山イベントなどに合わせた、とっておきの登山バスもご用意いたします。

なお、夏期(GW~11月)の毎日あるぺん号・さわやか信州号のスケジュールは3月下旬頃より順次発表させていただきます。

全国「山の日」フォーラム

3月28日~29日、東京国際フォーラムで開催

2016年より、国民の祝日「山の日」が施行されます。国土の約7割を山が占める日本。8月11日を「山の日」とすることで、改めて「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感樹する」ことを目指そうというものです。

全国「山の日」フォーラムは、大人から子どもまで、楽しみながら「山の日」を認識し、山への親しみと正しい理解を持っていただくためのイベントとして開催されます。

***

期日:3月28日(土)、29日(日)※入場無料

会場:東京国際フォーラム

開催時間:

28日(土)10:00~20:00※出展ブースは17:00まで

29日(日)10:00~18:00※出展ブースは17:00まで

地上広場や屋内ホール(D1、D5)にて、著名人のトークショーやシンポジウムなども開催されます(シンポジウムは要事前予約ですので、全国「山の日」フォーラムホームページの“コンベンションゾーン”をご覧ください)。

イベントの詳細、お申込書のダウンロードは、下記ホームページからご確認頂けます。

http://www.yamanohi.net/forum.php

飢餓のない世界をめざして

三浦雄一郎さんが、国連WFPの親善大使に

国連WFP協会理事の本田亮さんの進行のもと、三浦雄一郎さん、豪太さんの話が続いた。写真は給食支援を受けて育ち、エベレストにも登頂したネパールのニマ・ドマさん

プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんが、飢餓のない世界をめざして、世界各地で学校給食などの支援を行っているWFP国連世界食糧計画の、公式支援窓口である国連WFP協会の親善大使に任命され、3月12日、東京都内の国連大学で、任命式とトークショーが行われた。

トークショーでは三浦さんと、同じく顧問に就任した息子さんの豪太さんが登壇。「命を繋ぐ食の力~エベレスト登頂の夢を育む~」として話をした。

三浦さんは「これまで私は食のおかげでエベレスト登頂などの困難な目標も乗り越えることができました。国連WFPの学校給食は子ども達に希望をもたらし夢を紡ぎます。世界中の飢えや貧困で厳しい状況下にある子どもたちが食べることで夢を育み、私がこれまで臨んできたような挑戦もできるよう、全力で協力していきます」と抱負を述べた。

80歳でエベレストに登頂した三浦さんだが、当日は取材の記者らの質問に応えて、3年後、85歳でのチョ・オユーからのスキー滑降の夢も語った。

また、国連WFP協会は、子どもたちの飢餓をなくすためのチャリティーウォーク「WFPウォーク・ザ・ワールド」を、横浜みなとみらいで5月24日(日)に開催、参加者を募集中だ。2005年からスタートし今回で10回目。ゲストとして元スキー・ノルディック複合選手の荻原健司さん、荻原次晴さんも参加予定。

(文=『週刊ヤマケイ』編集部 久保田賢次)

WFPウォーク・ザ・ワールド専用ウェブサイト

http://www.walktheworld.jp

山の知識検定

Q:次の山はいずれも日本百名山に選ばれたものであるが、その位置が北から南に正しく並んでいるものを選びなさい。

1:十勝岳、赤石岳、岩木山、剱岳

2:トムラウシ山、阿蘇山、石鎚山、八ヶ岳

3:早池峰山、利尻岳、九重山、大台ヶ原山

4:大雪山、穂高岳、大山、宮之浦岳

平成26年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

解答・解説は次項にて

山の知識検定

Q:次の山はいずれも日本百名山に選ばれたものであるが、その位置が北から南に正しく並んでいるものを選びなさい。

1:十勝岳、赤石岳、岩木山、剱岳

2:トムラウシ山、阿蘇山、石鎚山、八ヶ岳

3:早池峰山、利尻岳、九重山、大台ヶ原山

4:大雪山、穂高岳、大山、宮之浦岳

A:4

大雪山は北海道の大雪山系、穂高岳は北アルプス南部、大山は鳥取県、宮之浦岳は屋久島にある洋上の山。

平成26年度「山の知識検定ブロンズコース」試験問題より

出題:社団法人日本山岳検定協会(山の知識検定)

http://yama-kentei.org/

ヤマケイ新書『現代ヒマラヤ登攀史』

8000メートル峰の歴史と未来

1950年のアンナプルナ初登頂から60年を経た今日に至るまで、ヒマラヤ登山はどのように変遷し、どこに向かっているのか。エベレスト、K2、カンチェンジュンガ、ローツェ、マカルー、チョー・オユー、ダウラギリI峰、マナスル、ナンガ・パルバット、アンナプルナI峰、ガッシャブルムI峰、ブロード・ピーク、ガッシャブルムII峰、シシャ・パンマの8000メートル峰登攀史の集大成です。

https://www.yamakei.co.jp/products/2813510000.html

●著者:池田常道/発売日:2015年3月12日/ページ数:288ページ/判型:新書判/販売価格:880円+税/ISBN:978-4-635-51000-4

2015年2月~3月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『山岳雪崩大全』 2/2 1,980円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 千葉県の山』 2/2 1,900円+税
『くらべてわかる 野鳥』 2/6 1,600円+税
『くらべてわかる 淡水魚』 2/6 1,600円+税
『屋久島ブック2015』 2/13 1,000円+税
『山と溪谷3月号』 2/14 952円+税
ヤマケイ新書『もう道に迷わない-道迷いを防ぐ登山技術-』 2/20 800円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 三重県の山』 2/20 1,900円+税
ヤマケイ新書『山岳遭難の教訓-実例に学ぶ生還の条件-』 2/20 800円+税
『犬の介護に役立つ本』 2/21 1,200円+税
『関西トレイルランニングコースガイド』 2/21 1,800円+税
DVDブック『だれでもできる楊名時太極拳』 2/21 1,800円+税
『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』 3/3 8,800円+税
『新版 誰でもできる自転車メンテナンス』 3/4 1,000円+税
『ROCK&SNOW 067 春号2015』 3/6 1,333円+税
『ワンダーフォーゲル4月号』 3/10 926円+税
ヤマケイ新書『現代ヒマラヤ登攀史』 3/12 880円+税
『山と溪谷4月号』 3/14 952円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 神奈川県の山』 3/21 1,900円+税
『YAMAKEI CREATIVE SELECTION Pioneer Books Homesick』 3/27 3,300円+税
『YAMAKEI CREATIVE SELECTION Pioneer Books 老夫婦だけで歩いたアルプス ハイキング―氷河の地形と自然・人・村―』 3/27 2,700円+税


ヤマケイ登山教室からのお知らせ

【国内】女子・中級登山講座募集開始!(1)「宇都宮・古賀志山」、(2)「寂ショウ尾根から滝子山」各日帰り

2014年7月、八ヶ岳・赤岳の女子中級登山講座にて

初心者を卒業して高みを目指す女性、集合! この講座では、登山経験が3年程度で50代までの中級登山者、昨年度の女子・中級登山講座へ参加された方が対象です。実際の山行と現場での講習を通じて、登山の総合力を磨きます。

開講2年目を迎えた2015年度は、縦走路、岩稜帯、沢筋など、様々なシチュエーションを経験できるようなコースを選びました。今年度から受講をご希望の方は、4月18日(土)または19日(日)のオリエンテーション登山(登山実践と体力テスト)に参加してください。

4月の登山には、特別な装備は必要ありません(ただし、以降に予定されている5月、9月、10月の登山には特別な装備が必要になります)。

講師といっしょに歩くことで、女子・中級登山講座の雰囲気を感じていただき、夏山に向けて、自身の体力と技術を再確認しましょう。スタッフからは今後のカリキュラムや講習内容、今後必要となる装備などを案内します。

6月以降のコースへ初めて参加される方は、登山経歴をお伺いいたします。

講師は、元北海道警察山岳救助隊でも活躍された山岳ガイドの阿波徹さんが務めます。

(1)4月18日・宇都宮・古賀志山

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146944

(2)4月19日・寂ショウ尾根から滝子山

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146945

*5月以降のスケジュール予定

・5/16(土)~5/17(日)

集中して登山技術を学ぶ特別講座「十二ヶ岳周辺・登山講習会」2日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146946

・6/6(土)~6/7(日)

総合力を身に付ける縦走登山入門「北八ヶ岳・本沢温泉から天狗岳」2日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146947

・7/4(土)~7/5(日)

高山帯での長時間行動とセルフコントロール「南アルプス・北岳」2日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146948

・8/21(金)~8/23(日)

総合力をさらに磨く縦走登山「南アルプス・荒川岳から赤石岳」3日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146949

・9/12(土)~9/13(日)

岩稜帯でのリスクマネジメント「北アルプス・燕岳から餓鬼岳」2日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146951

・10/23(金)~10/25(日)

沢や峡谷でのリスクマネジメント「大台ヶ原から大杉谷」3日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146952

日程 (1)4月18日(土) (2)4月19日(日)
集合 (1)東武日光線・新鹿沼駅改札前(9:10)
(2)JR中央線・笹子駅改札前(8:40)
行程 (1)新鹿沼駅=(車)=宇都宮森林公園(220m,)~東稜~御岳山~古賀志山(583m)~中尾根~宇都宮森林公園=(バス)=新鹿沼駅【解散】17:00〜19:00(予定)
歩行時間:約5時間
(2)笹子駅(600m)~寂ショウ尾根~滝子山(1620m)~初狩駅(450m)【解散】16:00〜18:00(予定)
歩行時間:約6時間30分
体力レベル (1)3(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で歩ける体力が必要です)
(2)4(10~12kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で歩ける体力が必要です)
難易度 各4(往復、周回、縦走コース。登山道はやや明瞭を欠く部分があり、緩急が大きく、幅員も小さく、一部にハシゴやクサリ場、それに匹敵する箇所がある。転滑落の危険個所が多い)
参加費 (1)10,800円 (2)8,800円
講師 阿波 徹(山岳ガイド)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、前田哲、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。