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おかげさまで135号となりました

おかげさまで、通巻135号をお届けいたします。

桜の開花前線も北東北まで届き、4月下旬には津軽海峡を渡る予想だそうです。みなさまからご投稿いただけます記事や表紙写真も、すっかり春の風景となってまいりました。

さて、この『週刊ヤマケイ』に関連コーナーを設けております日本山岳遺産基金と、登山家の田部井淳子さんとの共催で実施しております「東北の高校生の富士登山」も、春、新学期に合わせて、今週の月曜日から参加高校生の募集を開始いたしました。

東日本大震災の被災地の高校生のみなさんに、日本一高い山、富士山に登ることで、次なる東北を支える新たな勇気と元気を得てもらおうという目的で、震災発生翌年の2012年から毎年開催してまいりました。

5回目となる今年は、7月22日(水)~24日(金)に予定しております。全国のみなさまからのご声援、ご寄付にも支えられ、これまでに、福島県を中心に参加いただいた高校生、合計221人全員が富士山の頂に立つことができました。

この夏の富士登山への高校生のご応募を、お待ちいたしますとともに、引き続きのご支援を、ぜひ、よろしくお願いいたします。

『週刊ヤマケイ』編集長 久保田賢次

東北の高校生の富士登山

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/tohoku_fujisan/

日本山岳遺産基金

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/index.html

上野勝美さん

「熊野ガイド協会」を旗揚げ。

新宮川をバックに意気込みを語る上野さん

熊野本宮正面にある「B&B cafeほんぐう」が拠点

大峯奥駈道や熊野古道で知られる和歌山県の熊野エリアを中心に活動しているガイドが中心となり、このほど「熊野ガイド協会」が発足しました。登山やカヌーなどのガイド資格を持つプロの人材が、欧米のようにガイドを生業として働き続けられるよう基盤づくりを図り、熊野地域に若い人たちを呼び込みたいと意気込んでいます。代表の上野勝美さんにお話をうかがいました。

(インタビュー=岡田敏昭/新・分県登山ガイド『大阪府の山』著者)

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岡田(以下O):協会を立ち上げた背景はどのようなものでしたか。

上野(以下U):紀伊半島には山、川、海のアウトドアフィールドがすべてそろっています。特に熊野エリアには、熊野古道をはじめとした世界的な歴史資産もあります。こうした土地柄に愛着を抱き、脱サラをして2007年に熊野にやってきて、カヤックのガイドを始めました。しかし、これだけ魅力あふれるエリアでありながら、熊野の人口は減少傾向にあります。そこで、若い人がこの地で仕事をもち、定着できる基盤を構築したいと考えるようになりました。また、熊野古道の語り部などは、しっかりした登山のスキルに乏しい年配の方や、ボランティアの主婦の皆さんの力によるところが大きく、「プロの品質を提供できる案内人」のニーズが高まっているのも実感していました。

O:登山には登山の、カヤックにはカヤックの、プロによるガイディングが不可欠だということですね。

U:私は、山でも川でも、自然の中でガイドをする以上、お客さまの安全が最優先されるべきだと考えています。これをベースに、熊野の自然や文化に関する知識を楽しく、分かりやすく伝えていくことが付加価値になると思います。そのために、プロガイドが集まり、知識を深め、技能を高める場として、「熊野ガイド協会」の必要性を感じたのです。協会のメンバーは、普段はそれぞれの分野でガイドの仕事をしていますが、定期的に研修会を開いて自己研鑽を図っています。これまでに歩行指導、読図、ロープワークなどの研修を行いました。今後はセルフスキュー技術等もカリキュラムに入れていきたいと考えています。

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O:ヨーロッパの山岳ガイドのような高い技術水準を通じて、世の中の理解が高まればいいですね。

U:私は、店で出すハーブティーの買い付けのため、毎年のようにシャモニーを訪れて現地ガイドとも話をするのですが、彼らの意識は非常に高いですね。当然、お客さまからもプロとしての信頼と尊敬を得ています。日本でも、そうした位置づけになることを最終的な理想としています。ガイドを生業とし、自分自身の人生が輝いている。そういう人が増えれば、若い人たちも憧れを抱き、後に続いてくれると確信しています。まだまだガイド同士は「競合」ではなく「共存共栄」すべき段階なのです。

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O:今、お店の話が出ましたが、上野さんご自身が展開されているお仕事についてご紹介ください。

U:トレッキングやカヤックなどのアウトドア関連ツアー、自然体験プログラムを企画・開催する「くまのエクスペリエンス」を主宰しています。拠点は、熊野本宮大社の、国道を隔てたほぼ正面にある「B&B cafeほんぐう」。ここは主に、地元出身の妻が切り盛りしており、1Fはカフェ、2Fはベッド&ブレックファストとなっています。

カフェはハーブティーと、タイ人の親戚のノウハウを採り入れたカレーが自慢です。さらに、よりリーズナブルに宿泊したい方のために、ドミトリー形式の「Kumano Backpackers」を展開しています。私は元々、カヤックの世界からガイドの道に入りましたが、今後、登山ガイドの比重を高めていきたいですね。ぜひ、熊野に遊びに来てください。

気象庁が蔵王山に火口周辺警報を発表

4月13日、噴火予報(平常)から火口周辺警報(火口周辺危険)へ引き上げ

気象庁によると、蔵王山では4月7日から御釜付近が震源とみられる火山性地震が増加していました。

そこで蔵王山では今後、小規模な噴火が発生する可能性があることから、4月13日13時30分、蔵王山に火口周辺警報を発表し、噴火予報(平常)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引き上げられました。

蔵王山では今後、小規模な噴火が発生する可能性があり、想定火口域(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

週刊ヤマケイBOOKSの著者、木元康晴さんがTV出演

4月18日(土)、BS-TBS『日本の名峰・絶景探訪』

木元康晴さん(左)は俳優・池田努さんとともに両神山へ (C) BS-TBS

四季を通じてさまざまな表情を見せる日本の名峰を、臨場感あふれる映像で紹介するBS-TBSの『日本の名峰・絶景探訪』。

この週末、4月18日の放映では、週刊ヤマケイBOOKSの著者である木元康晴さんが、俳優・池田努さんを案内して埼玉の名山、両神山に登ります。

週刊ヤマケイBOOKS『山のリスクマネジメント』はAmazon kindle storeなど主要電子書店で販売中

今回、木元さんの起用について、番組担当者に尋ねると「低山に関する記事を雑誌やご自身のブログでよく発信されているのを読んで、今回の両神山の魅力も引き出していただけると考えました。また、山ごはんについても番組内で紹介したかったので、幅広く活動されている木元さんなら、いいアイディアをいただけると思っていたのです」と語ってくれました。

木元さんはどのように両神山の魅力を引きだし、またどんな山ごはんを提案してくれるのでしょうか。土曜の夜に、ぜひご覧ください。

穂高・涸沢Movie&Talk Session開催

5月27日東京、6月3日名古屋にて

左から、今年の進行役、山岳ライターの小林千穂さん。涸沢ヒュッテの代表取締役にして北アルプス南部地区遭難救助隊長の山口孝さん、穂高岳山荘の小屋番、宮田八郎さん、穂高岳山王の3代目、代表取締役の今田恵さん。

穂高と涸沢の映像と、ふだんはなかなか聞けない山トークが人気のイベント「穂高・涸沢Movie&Talk Session」。今年も東京と名古屋で開催されます。

登山道整備から調理に皿洗い、小屋の維持管理から遭難救助まで、あるときはキリリと厳しい小屋番、若女将、カメラマン。またあるときは愉快で頼もしい穂高・涸沢の住人。夏山シーズンを前に、北アルプスを楽しく安全に、山での遭難をひとつでも減らすことができるようにという思いを込めて、トークが展開されます。

会場と日程、入場料などは下記のとおりです。

東京:5月27日(水)豊島公会堂/開場18:00、開演19:00、21:00終了予定

名古屋:6月3日(水)ウィンクあいち/開場18:00、開演19:00、21:00終了予定

入場料:前売り800円、当日1000円

チケット購入方法:

Webチケット発行サイトPeatixにて購入可能。

また涸沢ヒュッテ、涸沢ヒュッテ東京事務所、穂高岳山荘、上高地インフォメーションセンター、カモシカスポーツ、アルパインツアーサービス(東京、名古屋)、駅前アルプス(名古屋)でも販売しております。

その他、往復ハガキでも申し込み可能です。詳細は下記URLをご参照ください。

南日高・トヨニ岳

ひとたび滑落すればどこまでも落ちて行きそうな稜線を行く。

トヨニ岳頂上から北峰線を望む(写真=谷水 亨)

細い稜線を慎重に渡る著者(写真=谷水 亨)

4月8日、晴れ、一部トレース有

北海道の背骨とも言われる日高山脈。大陸と大陸が衝突して隆起した山脈だけに風雨の侵食が激しく、氷河地形を残す切れ込んだ鋭い稜線とアプローチの長い沢登りが必要な渓谷を備え持つ、北海道中央南部を150kmに走る山脈です。そのような山並みですから、一般的な登山道を持つ山は少なく、このトヨニ岳も同様であり、寒気が緩むこの時期を選んで登ることにしました。

国道236号線野塚峠に駐車し、小川を徒渉すると尾根に取り付く人が多いのですが、沢筋の雪が落ち着いていることから、尾根に取り付かないコースを選びます。最初からアイゼンでも大丈夫でしたが、スノーシューのヒールリフターを活用して急坂を登りました。

国境線に出るとトヨニ岳までの素晴らしい稜線が見えますが、いくつもの雪尻やナイフリッジを歩かなければならないことを考えると、アイゼンに履き替えながら緊張が走ります。ひとたび滑落すれば、何処までも落ちていきそうな稜線は遥か彼方まで続いています。慎重に一歩一歩踏み出しました。

予定時間4時間30分のところ、3時間で山頂に立つ事ができ、のんびりと時を過ごす事ができました。

「今日もこの風景を独り占めだ!」

ところがこの日は違っていました。途中「日勝峠から7日間かけてここまで縦走してきて、後4日間で襟裳岬まで行く」という独りの岳人と出会ったのです。その計画と行動力に驚かされました。

下りは雪も融け始め、国境線からの沢筋で何度か踏み抜きもあったので、びしょ濡れ覚悟で急斜面を降りてきました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

宮城県・七ツ森

早春の花々が咲き乱れる自然豊かな里山。

撫倉山から見た七ツ森湖と、泉ヶ岳(左)北泉ヶ岳、そして船形山(写真=曽根田 卓)

登山道沿いに咲き乱れるイワウチワ(左上)、カタクリ(左下)、そしてシュンラン(右下)。ヒメギフチョウも多く見られる(写真=曽根田 卓)

4月9日、晴れ

七ツ森は宮城県黒川郡大和町にある七つの山の総称です。仙台市街地から北に20km離れた地にある七つの峰々は、東西に並んだ形で眺めることができます。

七ツ森ができた由来は朝比奈三郎の民話で語られています。力持ちで大男の朝比奈三郎が弓の稽古をするために、的にする山をつくることにしました。現在の鹿島台町付近からタンガラ(大きな背負い篭)一杯に土を入れ、七回ほど運んで的の山を作ったそうです。その時タンガラから土がこぼれて七つの山ができました。それが七ツ森で、土を掘った場所が品井沼になり、的になった山が矢喰山(薬莱山)になったと伝えられています。

この七ツ森は登山道や遊歩道が整備されて、宮城のハイカーにとって人気の山になっています。七ツ森が一番輝く時期は早春で、多くの種類の山野草が咲き乱れ、ハイカーの目を楽しませてくれます。

訪れたこの日は、カタクリ、ニリンソウ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、シュンラン、タチツボスミレ、アズマイチゲ、ユリワサビなどの花々が登山道沿いに咲いていました。そして自然の豊かさの指標とも言われるヒメギフチョウが、雑木林の中を飛び回っていました。

(文=曽根田 卓)

朝日連峰・赤見堂岳

朝日連峰主脈と月山に挟まれた大展望の稜線歩き。

雪解けの進んだ赤見堂岳(写真=福井美津江)

朝日連峰主脈へのびる稜線(写真=福井美津江)

4月12日、晴れ

志津トンネル北側の覆道付近から取りつき、ブナ林を越えて786ピーク~稜線を辿り、石見堂岳へ向かいました。石見堂岳よりいったん下がり、軽くアップダウンを繰り返し赤見堂岳へ登ります。

今年は雪解けが早く、山頂付近の藪が多く出ていました。夏道はありませんので避難小屋なども無く、石見堂岳から赤見堂岳へ向かうということが更に深い山なみへ立ち入る緊張感を高めます。

赤見堂岳からは朝日連峰がいっそう近づき、迫力を増します。大パノラマを眺めながら馬場平という広い雪原を経由し、小桧原川右岸尾根を下山しました。

やせ尾根の途中、雪が落ち危険個所が現われたので注意深く進み、その間アイゼンからワカン、そしてツボ足へとチェンジしていきました。

(文=福井美津江)

茨城栃木県境・花瓶山

大喜びの春の妖精たち。

日差しをあびて一斉に開花したイワウチワ(写真=奥谷 晶)

カタクリはここぞとばかりに陽だまりの一等地に咲き誇っている(写真=奥谷 晶)

4月12日、晴れのち曇り

4月に入ってから雪が降るなど天候不順が続く中、久しぶりの晴れ間をイワウチワの貴重な群落をもとめて、花瓶山に向かいました。

うつぼ沢出会いの登山口までの林道には前日までの雨で大きな水たまりができていました。林道をへて、花瓶山登山口から時計回りに周回するのが通例のようですが、朝一番のイワウチワの開花をとらえたくて、向山への尾根をたどる踏み跡から登り始めることにしました。赤いリボンのところから踏み跡をたどっていったのですが、いつまでも尾根へ上がりそうにありません。しかたなく斜面を藪こぎして強引に尾根へ上がることになってしまいました。最初にあるはずの群落を見逃したかもしれないと不安になりつつ、向山をこえ、大倉尾根を進む途中で、ちらほらとイワウチワが見え始め、やっと小さな群落を見つけることができました。久しぶりの陽光を浴びて、いっせいに咲き出したかのようです。花瓶山から先の尾根にもいくつかの群落がありました。次郎ブナ、太郎ブナをへて、高度720m付近まで足を伸ばしましたが、踏み跡がほとんどかすかになってきたところで引き返すことにしました。道標がほとんどなく、作業道のような踏み跡がいくつもあって、迷いやすいところですが、途中、斜面一面のカタクリの群落にも出会えて充実した山行となりました。

(文=奥谷 晶)

谷川岳・天神尾根

ルートファインディングは的確に。

雪に埋もれた熊穴沢避難小屋(写真=川﨑拓兵)

4月4日、濃霧と雨

谷川岳は東京方面からも電車でアプローチしやすい身近な山です。谷川岳ロープウェイを利用すれば1320mの天神平まで高度を稼げるので、山頂までの標高差は650m程度になります。

とはいえ、豪雪地帯にある谷川岳は雪崩のリスクにいつも注視しなくてはいけません。4月に入って気温が上昇することもあり、ましてや当日も雨で、かなり雪が融けて腐ってきていました。山腹をトラバースしたり、露出した岩場をアイゼンで越えると緊張する瞬間があるでしょう。

稜線に出ると風も出てくるので、雪庇に注意しながら、しっかりアイゼンをきかして登ります。ルートには赤布があり迷うことはありませんが、濃霧のときは自分で目印をつけながら登ると帰りに迷わないでしょう。

だんだん雪の下の藪が出てきて、踏み抜いて落ちたりします。また、これまでの踏み跡が雪融けでリスキーな状態になったりします。適宜、自分の目で見て判断し、ルートファインディングをしましょう。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

群馬県・鳴神山

ヒトツバナ(アカヤシオ)はまだ咲き始め。

鳴神山(桐生嶽)982mより、男体山2486m方向とヒトツバナ(写真=中村重明)

登山道上に咲くカタクリ。標高775m付近にて(写真=中村重明)

4月12日、晴れ

そろそろヒトツバナが見頃ではないかと期待して鳴神山へ。登山口までの行程ではサクラやツツジが沢山咲いていて、既に素晴らしい景観を呈していました。

駒形登山口から山頂までは1時間半弱。最初は植林されたスギ林の中を歩きますが、その先は沢沿いの気持ちのいい広葉樹林帯です。途中、カタクリがそこかしこに咲いていて目を楽しませてくれました。

期待していたヒトツバナは残念ながらまだ咲き始めの状態で、見ごろは1~2週間後かと思われます。それでも山頂からは、雪を被った男体山、上州武尊山、谷川岳、浅間山等の素晴らしい景観を得ることができました。

(文=中村重明)

奥武蔵・熊倉山

新雪が積もったヤブと岩の尾根を登る。

聖尾根上部では岩尾根が続きました(写真=木元康晴)

下山路の城山コース。やはり上部は岩場が多く、慎重に下りました(写真=木元康晴)

4月9日、小雪

季節外れの雪が都内でも舞った翌日に、奥武蔵の西の熊倉山を登ってきました。コースは登山道のない、聖尾根。ときどき山岳雑誌にもとり上げられる、ヤブと岩尾根の続くハイグレードハイキングコースです。

当日の天気は、予報では晴れ。しかし実際は小雪が降り続く空模様でした。元々コースが不明瞭な上、雪に隠されてより解りにくくなっており、地図とコンパスとを駆使してルートを探し出していきます。積雪は予想より多く、深いところで10cm程度。尾根の上部で連続する岩場では、慎重を期してロープを使用する場面もありました。

熊倉山の頂上からは、一般登山道である城山コースを下山。こちらも上部は岩の多い、やや不明瞭なコースです。新雪が積もると、登り以上に下山時のルートファインディングは難しいものですが、今回はトレースが続いており、それにも助けられつつ登山口へと下りました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

八ヶ岳・横岳西壁、小同心クラック

名はクラック、実はチムニーのアルパイン。

頂上直下の最終ピッチ(写真=岩崎庄太朗)

硫黄岳から見た八ヶ岳。白と黒の色合いがカッコいい(写真=岩崎庄太朗)

4月10日、曇りのち雨

「山岳部たるもの、岩と雪の挑戦こそが目標である」。

私が山岳部に入部したころ、古いOBから言われた言葉です。懐かしい言葉を思い出しながら、八ヶ岳のアルパインルートである、横岳西壁・小同心クラックに挑戦してきました。コースは大同心稜~小同心クラック~横岳~硫黄岳。登攀ついでに縦走し、一石二鳥の楽しい山行です。

赤岳山荘に車を停め、北沢、赤岳鉱泉を経て大同心稜を登ります。これだけでかなり標高が上がるのですが、最後の小同心クラックで一気に横岳頂上へ抜けます。計3Pのルートはガバが多く、雪がほとんどついていなかったため、アックスを用いずにインナー手袋での登攀でした。

左を見れば硫黄岳、右を見れば赤岳や阿弥陀岳、後ろを見ればはるか下界、自分ひとりが八ヶ岳を支配しているような、最高に気分が良いクライミングでした。

(文=岩崎庄太朗/山梨大学山岳部)

神奈川県・鳶尾山

「山が笑う」光景に包まれる。

展望台下部より萌黄色に彩られた鳶尾山の全容(写真=白井源三)

日本初の一等三角点が置かれている春の鳶尾山山頂(写真=白井源三)

4月9日、晴れ

八菅山いこいの森駐車場に車を置いて、やまなみ峠からまつかげ台団地へ抜ける林道を歩きました。

左手小沢にかかる橋を渡り舗装され小道を登っていくと、木々はすでに萌黄色に彩られています。道端の樹林は良く手入れされており、地元民の散策コースとなっています。

30分程でやまなみ峠に着きました。ここから左折して落葉樹林帯の登山道を進みます。サクラが点在して、早春の目に優しい「山が笑う」光景に包まれました。鳶尾山山頂はサクラの満開が過ぎて、残り少ない花が風に揺れていました。

日本で初の三角測量は1882年に相模原に置かれた相模野基準線を一辺として、ここ鳶尾山を頂点とした三角形が作られた。これが日本で最初の一等三角点です。その石が頂上の真ん中に鎮座していました。

東側の目線となっている頂には、日清戦没記念碑が立っていて展望台があります。歩を進めて塔に登ると、前日の春の雪に見舞われた相模平野が霞んで広がっていました。大山、湘南平、その後方に大島、横浜ランドマーク、そして都心ビル群が一望です。

駐車場に戻り、行基の開山と伝えられている八菅神社にお参りをしました。修験道の道場として栄えた神社で、修験者は華厳山、三峰山、大山などの丹沢の山々を駆け巡ったようです。毎年3月28日の春の大祭には火渡大護摩供養が行われます。。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

丹沢・見城山~日向山

丹沢前衛の低山をのんびり歩きました。

山道で会ったイタヤカエデの新芽とヤマザクラの花(写真=石丸哲也)

満開の桜と浄発願寺の眺めにうっとり(写真=石丸哲也)

4月5日、曇り一時小雨

サクラが急に満開となり、街の花見をしそびれた4月の初め。週末の5日は雨の予報でしたが、山行は中止せず、行き先を丹沢前衛の低山に変更して、のんびり歩きながら花に会ってきました。

日向薬師はサクラの名所である日向山の裏山ですが、今回は、ややマイナーな七沢温泉から見城山経由で登りました。里のサクラは東京よりやや遅い感じでちょうど満開。山道に入ると、もうキブシ、ヤマザクラ、シキミ、ミヤマシキミ、ナツボウズ、アセビ、コブシ、ヤブツバキなど、思いのほかいろいろな花が咲き、木々の芽吹きは赤みがかったもの、黄色がかったもの、綿毛で白く見えるものなど、それぞれに生命の息吹を感じさせてくれます。

歩き始めに降っていた雨はやみ、夕方までもちそうなので、日向薬師へは下らず、梅ノ木尾根を少したどって、浄発願寺奥の院へ下り、クアハウス山小屋で入浴、食事をして帰りました。

この時期、低山の季節は大きく動きます。今日、この山に出かけてこないで2週間という間が空いていたら、山の印象が冬枯れの山からいきなり新緑の山になってしまったかもしれません。手近で季節を感じさせてくれた丹沢に感謝です。

帰りの里道もサクラが咲き、浄発願寺の三重の塔とのコラボに思わず「そうだ丹沢、来よう」とつぶやいてしまいました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

神奈川県・松田山

ファミリーも楽しめるコースでは山の花も満開です。

この道を下ると花咲く最明寺史跡公園に到着です(写真=原田征史)

自然館に向かう道にはヤマブキの花も満開でした(写真=原田征史)

4月12日、晴れ

雨や寒い日の多かった週が過ぎ、ようやく晴れ間が出た日曜日、小田急線新松田駅前のバス停には、沢山の登山者が集まっていました。私も仲間と一緒に増発された寄行きバスに乗り、田代向バス停で下車。ほとんどの登山者がこのバス停で下車しています。

それぞれに虫沢古道(別名、はなじょろ道)を歩いて高松山に登り尺里峠から花咲く最明寺史跡公園に至るコースか、「松田山みどりの風自然遊歩道」を歩いて最明寺史跡公園に到着するコースが、春の山を楽しむ人気のハイキングコースです。

史跡公園では、シダレザクラやレンギョウ、ユキヤナギなど沢山の花木が満開でした。公園から松田山自然館に向かう道には、黄色いヤマブキの花が今が盛りと咲いています。

自然館からハーブ館の広場に出て、眼下に広がる足柄平野を一望して新松田駅まで坂道を下りました。

(文=原田征史/小田原山岳会員、『神奈川県の山』著者)

山梨県・中津森~御巣鷹山

取り付きも登山道もない山へ。

能泉湖から見た中津森(写真=三上浩文)

中津森山頂(写真=三上浩文)

4月12日、晴れ

中津森は渓谷美で有名な観光地、昇仙峡の奥にある山です。その山容は、荒川ダムの湖畔からどっしりとしたものに見えます。

この山は、今から約30年前にできた荒川ダムのダム湖と、野猿谷を通って上流の黒平地区に通じる道路のために簡単に取り付けなくなりました。登山道もありません。取り付きは中津森隧道のわきのルンゼです。泥とルーズな岩とのルンゼ登りは、ロープで安全確保をしました。登りあがったやせ尾根は丁度トンネルの真上、荒川本流に落ちる尾根です。かなり薄いのですが、昔の仕事道がついています。途中、大正時代の山の神の石祠があるのでわかります。ところどころで現れるミツバツツジに癒されながら、急登をこなして山頂1475mに到着しました。かなりの達成感です。

ここから地図読み、地形読みをしながら、北の御巣鷹山を目指します。いくつかのアップダウンを繰り返しますが、右往左往しないためにはコンパスが大活躍です。

御巣鷹山1522mには三角点があります。そこから西の荒川本流に下るのですが、カラマツ植林地の急斜面では地図読みというよりも地形を見ながらのルート取りになります。

ある程度下ると昔の仕事道に出会うので、注意深くトレースを探しながら下ります。炭焼窯の跡の石積みがいくつも現れ、往時は製炭の工場地帯だったのではないでしょうか。途中のコルに新しい林道が通り、とても残念でした。

(文=三上浩文/登山ガイド)

三重県・大洞山

三多気の桜と大洞山の春の花。

苔むした石畳道が続く大洞山腹の東海自然歩道(写真=金丸勝実)

石畳の道に咲くコガネネコノメソウ(写真=金丸勝実)

4月11日、晴れ

奈良県に隣接する美杉町で「三多気の桜」が見ごろを迎えています。ここは室生山地の大洞山の登路にもなっているので、今年も桜の開花にあわせて登山を計画しました。

伊勢本街道から真福院まで続く参道に並ぶサクラの古木を楽しみながら、歩き始めます。真福院を過ぎ林道を横切ると登山口があり、30分の急登で山頂に。残念ながらこの日はガスがかかり展望がなかったので、早々に倉骨峠まで下り、花見ハイキングに気持ちを切り替えました。

倉骨峠からおおほらキャンプ場までは苔むした石畳の東海自然歩道が続く、約1時間の行程です。この区間は春の花が豊かで、シロバナネコノメソウ、トウゴクサバノオ、コガネネコノメソウ、セントウソウ、ジロボウエンゴサク、ハシリドコロなどが見られました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

大阪和歌山県境・紀泉アルプス

サクラの花びらが舞う春の紀泉アルプス。

パッチワークのような彩の尾根と山並みが広がりました(写真=山口敬二)

縦走路から和歌山市街を望みます(写真=山口敬二)

4月11日、曇りのち晴れ

JR阪和線の山中渓駅から第一パノラマ台に上がり、春風を受けながらひと息つくと、起伏の緩やかな縦走路をところどころに広がる展望を楽しみながら軽快に進みます。

散りゆくサクラに替わって山を彩るのは、ミツバツツジの鮮やかなピンクや新緑の木々です。目指す雲山峰(490m)手前で鳥取池の方へ少し道を外すと、そんな春の彩りでパッチワークのようになった山肌の展望が目を楽しませてくれました。

雲山峰からは道標の六角堂の標示に従い進むと、青年の森展望広場に出ます。ここはお弁当を広げるにはもってこいの場所で、目の前には大台ヶ原を源流とする紀ノ川の河口が、遠く霞む紀伊水道へと注ぐ雄大な景色が一望です。

麗らかなこの景観を楽しみながらお腹を満たすと、役ノ行者堂を経て阪和線の六十谷駅へと下りました。

(文=山口敬二)

岡山県・森林公園

雪解けの湿地にザゼンソウ、ミズバショウが顔を出していました。

残雪の県境稜線を楽しみました(写真=舩越 仁)

園内湿地に顔を出し始めたザゼンソウ(写真=舩越 仁)

4月9日、晴れ

この日は隣接する霧ヶ峰を越えて、森林公園の外周を巡ります。まともな登山道の無い霧ヶ峰では残雪が少なく、ネマガリタケが立ち上がっていて苦労しました。

三等三角点の頂上を経て、森林公園東北端のすずのこ平に着きました。ここからは所々大山の遠望がきく鳥取県との県境稜線になります。幅広の稜線遊歩道の半分ほどで、何とか残雪歩行を楽しめました。県境三叉路のブナの高枝に、昨年のゆきんこ隊で結んだ赤リボンを見つけました。

もみじ平、千軒平と外周を巡り、もみじ滝経由で下山しました。油断すると太モモまで抜け落ちる雪下の水筋では注意が必要です。

園内湿地は雪解けが進み、可愛らしいザゼンソウが顔を出し始めています。今年の森林公園開園はこの16日からです。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

愛媛県・腰折山、恵良山

地元のおじいさんおばあさんが保護するエヒメアヤメ。

松山出身の歌人・正岡子規も腰折山のエヒメアヤメの句を残している(写真=加藤芳樹)

エヒメアヤメ自生地上部から伊予の海を見る(写真=加藤芳樹)

4月11日、曇り

『山と溪谷』の打ち合わせで愛媛県松山に行きました。その折に、駅を起点に登れる山ということで、予讃線に乗って伊予北条駅からアプローチできる腰折山に登ることにしました。

お目当ては、この山が自生の南限と言われているエヒメアヤメです。アヤメと言えば湿地に咲くカキツバタのような花を想像しますが、エヒメアヤメは草地に咲き、花も500円玉ほどの小型の花が咲き、花期は4月上旬から中旬。遠目にはリンドウのように見える花です。ここの自生地は天然記念物に指定されています。

駅から見えている腰折山に向かい、その麓の鎌大師の前で老夫婦に登山口を聞きました。聞けばおばあさんは「アヤメを見に来てくれたん? 今から私もいく」のだといいます。おじいさんに道を教えてもらい歩いていくと、また違うおばあさんが「私も今からいく」と言います。しばらく進むと、彼女らは後ろからおじいさんの運転する軽自動車で追い越して行きました。登山口に着くと、ふたりのおばあさんがテントの下で待ってくれていました。聞けば地元の老人会で持ち回りで管理しているのだそうです。記帳を済ませると、「上で食べ」と言ってみかんを3ついただきました。

登りながら、僕は温かい気持ちになっていました。エヒメアヤメは、周囲の環境が変わると生育しない植物で、盗掘のおそれもあるようです。人が環境を整え、保護がしないとなくなってしまう生き物です。自然保護団体や行政がいろいろな保護策をとるのは珍しくないですが、地元のおじいさんおばあさんが、日課のように保護している。しかも、貴重な自然というよりは、「アヤメを見に来てくれたん」という言葉ににじみ出ているように、地元の自然をまるで自分の子供のように愛している。「保護」と言うと堅い言葉に感じますが、このような自然との向き合い方に、目からウロコが落ちた思いでした。自分たちのふるさとの自然を愛し、次世代に残すということはもちろんですが、この小さな花が自分たちの自慢だし、見に来てくれたことが嬉しいのだという、そんな姿勢にこちらも嬉しくなってしまいました。

ちなみにここにはイヨスミレというスミレも咲くようですが、スミレの同定は難しく、またそれらしいスミレは残念ながら見かけませんでした。

さて、腰折山の隣には恵良山という顕著なピークを空に突き上げている山があるので、縦走することにしました。目印はありますが適度にルートファインディングが必要で、特に恵良山に取り付いてからは道も崩れやすく、なかなか難物の縦走路でした。山頂には神社があり、麓からの登拝路が付いているので、下りはのんびりとしたものでした。路傍に咲くオドリコソウが印象的でした。

(文=加藤芳樹/office楓月)

大分県・飛岳

花鑑賞を楽しみながら歩いてきました。

花を求めて先をめざす(写真=長谷川守克)

目的の花・フクジュソウに出逢う(写真=長谷川守克)

4月11日、曇りのち晴れ

昨年見た、陽を浴び黄金色に輝くフクジュソウをもう一度眺めたいと思い、大分県由布市湯布院に位置する飛岳(924m)を歩いてきました。山歩き自体は取付き点から山頂までの標高差が小さく、距離も短く、問題なく山頂に到着しました。山頂からの展望は素晴らしく、近くに由布岳や福万山、遠くには九重連山や湧蓋山などの峰々を望む事が出来、快適な山行でした。

目的の花であるフクジュソウは、期待通り陽を浴びて黄金色に輝いていました。至福の一時を過ごし、その上、幸運なことにエヒメアヤメにも出逢う事が出来、妻と「よかった、よかった」と話しながら先をめざしました。

(文=長谷川守克)

大分県・元越山天空ロード

花と展望の縦走を楽しみました。

満開のフジツツジ(写真=池田浩伸)

山頂は360度の大展望が広がる(写真=池田浩伸)

4月11日、晴れ

色利浦登山口~元越山~色利山~仁田尾~石槌山~空の公園を周回しました。去年の4月にも同じコースを設定しましたが、雨で中止となったところです。

山頂までの各展望所からは豊後水道の青い海が広がり、フジツツジの花が満開でした。地球が丸く見えるという元越山山頂からは、四国の島影まで見ることができました。

天空ロードと名がついた縦走路は、眼下に色利浦や畑野浦の漁港、米水津湾や鶴御崎の景観を楽しみながらアップダウンを繰り返して、空の公園にゴールします。スタートからゴールまで5時間30分。大展望を満喫した山歩きでした。登山道には200mごとに案内板が設置されています。

ゴール地点の空の公園からスタート地点の色利登山口までは車道約5km、徒歩1時間の距離です。タクシー利用などを検討されてもいいでしょう。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

宮崎県・赤川浦岳

アケボノツツジはこれからが見ごろのようです。

登山道で咲き始めたアケボノツツジ(写真=緒方 優)

山麓の上野神社の境内で咲いていたシャクナゲ(写真=緒方 優)

4月13日、曇り

雨上がりのガスに包まれた中、高千穂町にある赤川浦岳(あかごうらだけ)に登ってきました。高千穂町五ヶ所から黒原越に向かいましたが、林道はほとんど舗装されて(一部区間のみ未舗装路を迂回)、黒原越まで車で行くことができました。

雨上がり間もない頃だったので、雨具を着て出発。目的のアケボノツツジやミツバツツジが咲き始めていました。まだまだ咲き始めで、見ごろになるのはこの週末から来週末にかけてでしょう。

下山後は、舗装工事の完了した林道を親父山登山口方面へ下り、竜ヶ岩の滝を見物して帰ってきました。先日から雨天が続いたこともあり水量が多く、見ごたえがありました。

山麓の上野神社境内に植えてあるシャクナゲはすでに開花しています。

(文=緒方 優/『宮崎県の山』共著者)

裏磐梯・簗部山

積雪期にしか登ることのできない山。

巨木があちこちに見られます(写真=葉貫正憲)

4月6日、曇りのち濃霧

いつもの仲間4人で簗部山へ行ってきました。簗部山は小野川湖の北2kmほどにありますが、地元(会津)でもあまり知られていない地味な山です。登山道もないので、積雪期限定の山です。

小野川遊歩道を1kmほど歩くと小さな尾根があり、そこから登り始めます。昨春、雪庇が崩壊していたので途中で撤退しましたが、今年も尾根の雪庇には大きな亀裂があちこちに見られました。藪の中によけたりしながら、注意深く進みました。9時にスタートし、山頂には11時50分でした。

1000mを超えるあたりから濃霧がたちこめ、樹間から見えるはずの裏磐梯の絶景は見通すことはできなかったです。雪は締まっていて歩きやすく、またアップダウンもなくひたすら上りきるというコースでした。

山頂で昼食をとり、帰りはツボ足で下りました。カカトで雪をとらえて快調に下りることができ、下山は1時間20分ほどでした。

今年のように雪が多いと駐車スペースがなく、駐車スペースができるこの時期には雪塊の崩れもあり、日程を決めるのが難しい山です。駐車場所さえ確保できれば雪の安定した2月後半から3月初めがベストかもしれません。

(葉貫正憲/福島県/67歳/よく行く山:会津百名山)

福島県・仁田沼

ミズバショウの群生が素晴らしい沼へ。

仁田沼のミズバショウ(写真=本田康雄)

4月12日、快晴

福島市土湯温泉の山懐にある男沼、女沼、仁田沼は林や川、滝と変化に富んだ地域です。今回はつつじ山公園を出発して女沼~仁田沼~男沼と巡るコースを歩きました。

お目当ては仁田沼のミズバショウです。やや小ぶりながら群生は見事で、見ごろはもう少し先でしょうか。男沼の沢筋にも群生があり、こちらは見栄えのする草丈と霜焼けの無い純白で見事な花姿でした。

女沼と男沼の南斜面にはカタクリの群生が咲き、山歩きの疲れを癒してくれます。カタクリは林の中あちこちに群生があり、まだ楽しめるのではないかと思います。

東日本大震災及び原発事故の影響か登山道、特に湿地帯の木道などの整備が滞っているように思われました。早い機会に対応を願えればと感じました。

今回の行程はおよそ5.5km。春の穏やかな陽ざしの下、楽しい3時間半のトレッキングでした。

(本田康雄/福島県/67歳/よく行く山:福島県および近隣県の山)

上信越・黒斑山

浅間山の大展望台、黒斑山。

突然現れた浅間山(画=江川 誠)

3月27日、晴れ

大きな高気圧に囲まれた日に、浅間山の外輪山、黒斑山に行ってきました。

早朝の高速道を走り車坂峠へ。峠の積雪は約2mで、最初からアイゼンを着けて歩き始めました。この日はウィークデイでしたが、トレースはしっかりとついています。残雪がたっぷりある山なので気温は低いと考え、登山シャツにベストを着て歩き始めましたが、抜けるような青空の下、強い日差しを浴びて気が付けば全身汗でびっしょりでした。あまりの汗に驚き、Tシャツに着替えて登山再開です。しばらく樹林帯が続き、足元を見ながら登って行きます。

突然、峠の向こうに巨大な浅間山がドーンと眼前に迫っています! 空の半分ほどが浅間山の黒いドームにおおわれたように感じられました。浅間山が2568m、黒斑山が2404m、標高差約150m、正面の浅間山がいちばん迫力をもって見える標高差です。

振り返れば、遥か遠く北アルプスが白い屏風のように連なっていました。

(江川 誠/東京都/63歳/よく行く山:北アルプス)

京都府・大原三山

焼杉山、翠黛山、金毘羅山を巡る。

金毘羅山から大原を望む。遠景は水井山と横高山(写真=川畑和夫)

4月11日、曇り

大原・古知谷のバス停から歩き始め、阿弥陀寺の山門を過ぎて直ぐに登山道に入ります。ところどころ木の根が張り出した急登を登ること1時間半で焼杉山です。標高が上がると比叡山や大原、琵琶湖も見通せるようになります。

山頂から大きく下って登り返して翠黛山、更に下って登り返すと金毘羅山です。江文峠へ下り、京都北山特有のしっとりした登山道を南に進んで寒谷峠に出て、ここから洛北・岩倉へ下山しました。

このコースは標高は低いのですが、アップダウンが多く、距離の割に時間を要します。又、概ね樹林帯で眺望はききません。

金毘羅山の山頂周辺ではヒカゲツツジが満開でした。

(川畑和夫/大阪府/66歳/よく行く山:六甲、比良、生駒、北アルプスなど)

鳥取県・大山

烏ヶ山でテレマークスキーを楽しみました。

烏ヶ山全貌(写真=小椋将二朗)

4月4日、曇り

心配された天気もなんとか持ちこたえ、奥大山休暇村横から9:00にスタート。大山の春の訪れを待ち詫びていたかのように新芽が芽吹いている木々たちの林を、しばらくはシール歩行です。1時間ほどで稜線に登る急登が現われ、シールで登りましたが、かなりの斜度になってきたところでスキーをバックパックにさし、キックステップで登行しました。

尾根に出て昼食をとった後、さらに狭い尾根を山頂に向けて進みます。ガスが濃くなってきたので、途中でスキーを履き、出だしが45度ほどのカーラ谷を滑降しました。ガスがかなり濃くなって来たので慎重に滑ります。

その後、ブナ林の中をゆったり滑り、スタート地点へ戻りました。

(小椋将二朗/奈良県/51歳/よく行く山:生駒山)

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」応募要項

週刊ヤマケイの表紙は創刊以来、山岳フォトグラファーの菊池哲男さんの作品で構成してまいりましたが、4月から読者の皆さんの作品で構成します。ぜひあなたの力作をお送りください。

また読者の皆さんの登山レポートも募集しています。写真とレポートにあなたのプロフィールを添えて、週刊ヤマケイ編集部までお送りください。ハイキングからクライミングまで、山行形態は問いません。あなたの投稿をお待ちしています。

【表紙写真について】

【読者の登山レポートについて】

文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。

投稿先メールアドレス
weekly@yamakei.co.jp
※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」とお書きください。

市民講演会・高山植物とエゾシカ

夕張岳の豊かな自然を未来の子供たちへ……残していくために。

2012年度の日本山岳遺産認定地の北海道、夕張岳。活動を続けるユウパリコザクラの会の主催で、講演会が開かれます。

***

夕張岳ではエゾシカによる高山植物の食害を防止するために、5年前北海道エゾシカネットに加盟する北海道酪農学園大学、ユウパリコザクラの会が協力し、物理柵、電気柵、自動撮影カメラ等を講じた被害対策の試みを実施しています。

また長年、夕張岳で高山植物を見続けている佐藤謙氏が「蛇紋岩メランジュ」の高山植物植生についてわかりやすく講演します。

***

日時:5月16日(土)13:30~15:00

講師:佐藤謙氏(北海学園大学教授 博士)

杉浦晃介氏(株式会社セ・プラン環境部)

会場:夕張市市民研修センター大会議室

主催:ユウパリコザクラの会

料金:入場無料

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

登山口へのアプローチとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。電車やバスを乗り継ぐ面倒もなく、日本アルプス各地や八ヶ岳などの主な登山口に早朝に到着することから、利用者が増え続けています。

日本山岳遺産基金賛助会員である(株)毎日企画サービスでは、今期も登山者専用バス「毎日あるぺん号」を企画実施いたします。登山にかかる日数・コストの軽減をお考えの方は、登山装備の必須アイテムとして、ぜひご活用ください。なお、各地の開山イベントなどに合わせた、とっておきのバスプランや日本山岳遺産認定地ツアーもご用意いたしました。

電子カタログは下記URLよりご参照いただけます。

http://www.maitabi.jp/bus/pdf/

中村光吉展、輝く富士、古代遺跡、山

6月に長野県茅野市で開催

前回の展示作品

富士山を間近に望むロケーションにある三つ峠山荘の主人、中村光吉さんの絵画展が、6月に長野県茅野市で開かれます。展示される作品は油彩画と写真です。

***

絵画展タイトル:中村光吉展、輝く富士、古代遺跡、山

会場:長野県茅野市、JR茅野駅直結、茅野市民館市民ギャラリー

電話:0266-82-8222

会期:6月10日(水)から6月18日(木)(16日(火)は休館)入場無料

時間:10:00~18:30

問い合わせ先:090-5339-6238(中村)

笹原芳樹さんの机上講座

4月22日(水)、東京飯田橋にて開催

カモシカスポーツ店長として30年以上の経歴をもち、クライマー、山岳救助隊、登山教室講師と幅広い活動を続けてきた笹原芳樹さん。日本勤労者山岳連盟会報『登山時報』に「オススメ登山用具」の連載を続け、その連載を再構成したヤマケイ新書『体験的山道具考』は多くの登山者の心をつかみました。その笹原さんによる机上講座が開催されます。

***

日時:4月22日(水)19:00~21:00

内容:山道具の第一人者が、自身の体験や失敗から導き出した山道具の実践的知識をお話しします。

会場:日本勤労者山岳連盟事務所

東京都新宿区新小川町5-24

TEL03-3260-6331

JR・地下鉄飯田橋駅下車、徒歩10分

参加費:無料、ただし下記宛てに申し込みが必要

別冊山と溪谷『登山用具2015』

今の登山用具がまるごとわかる

登山入門者や初級者に必要な用具の基礎的知識、正しい選び方、買い方、そして使いこなし方までしっかりと伝授。用具&ウェアの2015年最新モデルと注目商品もたっぷり紹介。登山中級者や上級者が用具を買い替える際にももちろん役立つ、最強の1冊です。

https://www.yamakei.co.jp/products/2815924240.html

●発売日:2015年4月17日/ページ数:148ページ/判型:A4変形判/販売価格:1,018円+税

2015年3月~4月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』 3/3 8,800円+税
『新版 誰でもできる自転車メンテナンス』 3/4 1,000円+税
『ROCK&SNOW 067 春号2015』 3/6 1,333円+税
『ワンダーフォーゲル4月号』 3/10 926円+税
ヤマケイ新書『現代ヒマラヤ登攀史』 3/12 880円+税
『山と溪谷4月号』 3/14 952円+税
新・分県登山ガイド『改訂新版 神奈川県の山』 3/21 1,900円+税
『YAMAKEI CREATIVE SELECTION Pioneer Books Homesick』 3/27 3,300円+税
『YAMAKEI CREATIVE SELECTION Pioneer Books 老夫婦だけで歩いたアルプス ハイキング―氷河の地形と自然・人・村―』 3/27 2,700円+税
週刊ヤマケイBOOKS『山のリスクマネジメント』 3/30 300円+税(電子書籍)
『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』 4/3 1,500円+税
『YAMAKEI CREATIVE SELECTION Frontier Books 大物釣り師 幻の巨大イトウに挑んだ男』 4/10 1,900円+税
『歩いて旅する東海道』 4/10 1,800円+税
『登山用具2015 基礎知識と選び方&最新カタログ』 4/17 1,018円+税
『CLIMBING joy No.14』 4/23 1,000円+税
『マウンテンスポーツマガジンVOL.2 トレイルラン2015』 4/30 1,111円+税


ヤマケイ登山教室からのお知らせ

【国内】山岳スキルアップ講座「丹沢・寄から檜岳日帰り」&「南八ヶ岳縦走3日間」

谷川岳馬蹄形縦走(2014年6月に開催された講座の様子)

この口座では実際の山行を通じて、登山の現場で役立つ知識や技術を実践的に学習します。幅広い山行を経験することで、総合的な登山スキルを身に付けることができます。縦走コースをメインに、登山のステップアップが図れる山域を厳選しました。

全コースとも読図を行なうので、プレート付きのコンパスと該当エリアの2万5千分の1地形図を持参してください。

講師は日本山岳ガイド協会の理事をつとめ、現役の山岳ガイドとしても第一線で活躍している武川俊二さんです。

(1)丹沢・寄から檜岳日帰り

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146953

日程 5月23日(土)
集合 小田急線・新松田駅北口改札前(8:55)
行程 新松田駅(バス)寄~雨山峠~檜岳(1167m)~寄(バス)新松田駅【解散】17:00~19:00(予定)
体力レベル 3 (6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で歩ける体力が必要です)
難易度 3(往復、周回、縦走コース。登山道は比較的明瞭で、緩急があり、幅員が小さい箇所がある。転滑落の危険個所が部分的にあり、一部にハシゴ・クサリ場、それに匹敵する個所がある)
参加費 9,000円
講師 武川俊二(山岳ガイド)

(2)南八ヶ岳縦走3日間

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146954

日程 6月6日(土)~8日(月)
集合 JR小淵沢駅改札前(9:40)
行程 1日目:小淵沢駅(車)観音平(1563m)~編笠山(2524m)~青年小屋(2384m)泊
2日目:~権現岳~赤岳(2899m)~赤岳天望荘(2722m)泊
3日目:~横岳(2899m)~硫黄岳~唐沢鉱泉(1870m)(車)茅野駅【解散】16:00~18:00(予定)
体力レベル 4(10~12kg程度のザックを背負い、連続する標高差1,000mの登りを4時間以内で登れる体力が必要です)
難易度 4(往復、周回、縦走コース。登山道はやや明瞭を欠く部分があり、緩急が大きく、幅員も小さく、一部にハシゴやクサリ場、それに匹敵する個所がある。転滑落の危険個所が多い)
参加費 59,000円
講師 武川俊二(山岳ガイド)

【机上講習会】野外ロープワークABC「(1)ボーラインとフィギュアエイト」

ロープワークは野外で活動するための必須の技術で、登山やキャンプなど様々な場面で使われています。覚える結びは10種類程度でも十分です。この新講座ではアウトドアで役立つ基本的な結び方を、実際にロープを使って結びながら、わかりやすく解説します(本格的なロッククライミングのためのロープワークは行ないません)。

講師は、山岳遭難や登山技術の記事を『山と溪谷』などで発表する一方、自然や人物などをテーマに執筆活動を続けている山岳ライターの羽根田治さんです。

【学生割引】学生証の提示で1グループ3人まで受講料が無料になります。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1616

開催日 4月21日(火)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 35名
受講料 2,000円
講師 羽根田 治(山岳ライター)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
佐々木惣、伊東真知子
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。