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祐嶋繁一さん

南アルプス深南部の貴重な山行記録集を刊行。

著者近影。奥茶臼山の直下にて、背景は赤石岳

『秘境・南アルプス深南部 逡巡山行記』は電子版とプリント・オン・デマンド(POD)版でamazonなどにて発売中

南アルプス南部の茶臼岳や光岳のさらに南の山域を、登山者は畏敬の念をこめて「深南部」と呼びます。人跡まれなその山域に通い続けている祐嶋繁一さんが、この8月に『秘境・南アルプス深南部 逡巡山行記』を刊行されました。20年以上にわたって深南部に通い詰めたという、その魅力についてたっぷり語っていただきましょう。

(聞き手=佐々木 惣/週刊ヤマケイ編集部)

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佐々木:祐嶋さんは1994年から南アルプス深南部に通い始め、この山域には記録が少ないので、ご自身で詳細な記録を残されていたと聞きました。しかし、その記録は自分で活用するためのものだったので出版することには迷いがあったとのこと。出版にあたって苦労されたのはどのあたりでしょうか。また、出版に至ったいま、手ごたえはありますか?

祐嶋:貴重な出版チャンスなので20山行は載せたかったのですが、残してきた記録は長い長い文章でした。原文のままだと600ページくらいになり、山行数は減らさずに文章量を減らすことにしましたが、この文字数の削減は、作業的にも心情的にも大変でした。

内容としては、かなり正確な記録文になったと感じています。25000分の1地形図を見ながら読まれると、深南部を歩いているような気分に陥るかもしれません。この本を読んで深南部への入山を考える方がいる可能性があるので、編集者からの的確なアドバイスには助けられました。

なお、文章の形態は記録という観点から時刻をキーとしています。流れるような文脈ではないことが、読者にどのように受け止められるのかという期待と不安が入り混じっています。

佐々木:本書では200回以上訪れた山行記録のうち、20山行が紹介されています。掲載はできなかったけど、心に残る山行を教えてください。

祐嶋:心に残る山行は、苦しいものばかりですが、「4月に青木林道を延々と13.4km歩いて登った前茶臼山と奥茶臼山」「5月、東河内・毛無山からの下山で、下る尾根を間違えて大トラブル」「厳冬期に25の岩コブを越えて歩いた水窪のトサカ尾根」などでしょうか。トサカ尾根では、すべての岩コブの通過時刻を意地でメモしました。

佐々木:南アルプス深南部の魅力について「地味で静かな山域」であることをまえがきでおっしゃっていますが、地味なのになぜそんなにも魅かれるのでしょうか?

祐嶋:ひとことで言えば、どっぷりと自然の懐に入いることができるということです。具体的には3つ挙げられます。

①踏み跡が明確でない、標識が少ない、情報が少ないことの良さ。

これは不安なことですが、実は醍醐味なのです。特に樹林帯が多い深南部では、地形の把握が大事で、緊張感のある山歩きとなり、これが大きな魅力となります。山行情報が少ないことも開拓マインドを刺激します。

②登山者が少ないこと。

山に行って大勢の登山者に会うことを好まない人にはうってつけの山域です。例えば、山頂に着いて静かにたたずむのは幸せのひとときですが、私はここで大きな声が飛び交っている雰囲気が苦手なほうです。「一日静かに山へ入らせてもらい、何も悪いことはしないで帰るから、そっとしておいてくれ」と山に向かってお願いして歩いています。

③少ない展望個所でときめくこと。

これはひがみかもしれませんが、展望が常に広がるルートと比べると、展望のきかない樹林帯から時折展望が広がる「ときめき度」は、まったく異なります。完全な展望状態とか、簡単に展望の場所に身を置ける山行では、その後の展望に対する感動が小さくなる気がします。

※本書は記録集であり、ガイドブックではありません。南アルプス深南部は一部を除き、整備された登山コースではありません。初心者だけの入山は危険です。

大雪山系・沼ノ原、ニペソツ山

朝陽に照らされる、ふたつの山を堪能。

沼ノ原・大沼野営地から見た朝陽に映えるトムラウシ山(写真=谷水 亨)

前天狗平から見た朝陽に映えるニペソツ山(写真=谷水 亨)

8月24日~26日、晴れ、登山道明瞭

前号の週刊ヤマケイで8月24日に愛別岳に登ったことをお伝えしましたが、下山したその足で1時間程車を走らせ、クチャンベツ沼ノ原登山口を目指しました。

登山口には20台以上の駐車スペースと新設されたトイレがあります。ここで日帰りザックからテン泊用ザックに装備を入れ替え、15:00に出発。緩かな樹林帯を少し歩くと、唯一の徒渉がありますが、跳び石程度なので心配ありません。やがて急坂となりますが、1時間程で登りきり、高層湿原の木道に出ました。霧に包まれていたために景色は楽しめず、15分で野営地の大沼に到着です。

翌朝、お目当ての大沼と朝陽に照らされたトムラウシ山を見られたので、大満足のまますぐに下山します。この日はニペソツ山にテン泊するため、食料と水を補充して1時間ほど車を走らせ、十六ノ沢コース登山口に向かいました。

10:00に出発しましたが、流石にこの時間から登る登山者はいません。今日は野営地にテントを張るだけとのんびり登ったのですが、意外と早く着いたので、ザックをデポし頂上へ。晴天、無風の頂上ではのんびりと過ごしました。前天狗平では、トムラウシ山付近に沈む夕陽と月明かりに浮かび上がるニペソツ山を撮影し、テン場に戻ります。

翌朝、前天狗平から知床連峰から登り始めた朝陽に照らされたニペソツ山を撮影し、しばしの間、その風景に独りたたずみます。今回の山行では、目的であった朝陽に照らされた2座を堪能できたので、そのまま大満足の中を下山。無事に帰路につきました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

岩手県・早池峰山

霧に包まれ、伝説多き山を歩く。

岩の間からも多種多様な植物が現われています(写真=福井美津江)

小田越コースのハシゴ場(写真=渡邉 貢)

8月29日、小雨のち曇り

小雨の中を歩き始めました。遠くの景色は見られませんでしたが、山頂以外はほとんど無風で、不快な天気ではありません。

河原の坊コースを登り、小田越コースを下山します。河原の坊は沢を渡渉しながらガレ場を歩き、上部では巨石に手をかけて登るほどの傾斜となりますので、下りに使うのは避けた方が良さそうです。

「花の名山」として有名な早池峰山には優しそうな山容のイメージをもっていましたが、河原の坊コースと小田越コースの上部に見られる岩場の荒々しく迫力ある表情は意外な感じがしました。花の最盛期は過ぎていましたが、固有種であるナンブトウウチソウがたくさん見られ華やかでした。

(文=福井美津江)

北アルプス・常念岳一ノ俣谷

「小黒部」と呼ばれた渓谷美の中を遡行。

上左二段ノ滝、上右七段ノ滝、下左一ノ俣ノ滝、下中山田ノ滝、下右常念ノ滝(写真=畠山茂信)

常念岳が見えると遡行も終盤です(写真=畠山茂信)

8月26日~28日、雨・晴れ・曇り

一ノ俣谷には以前一般ルートがありましたが、昭和の終わりと平成の初めに幾度か台風で破壊され、一度は復旧されましたが今では完全な廃道となり、地図からも消えています。

しかし、沢登りとしては遡行が可能で、今回約30年ぶりに常念乗越まで遡りました。横尾の先、一ノ俣橋のたもとから右岸に取付きます。前日までの雨で水量が多く、河原歩きが厳しいため、最初からヤブ漕ぎとなります。しかし「小黒部」と呼ばれた渓谷美は健在で、沢山の滝が次々と現われて目を楽しませてくれました。特に七段ノ滝の上部はS字状に小滝が連続し、規模は小さいながら黒部のS字峡に似た美しさです。

所々旧道の痕跡が見られますが、大部分は数十年の歳月で自然に還っており、ルートファインディングは当然ながら、ヤブ漕ぎ、急斜面の高巻き、懸垂下降、頻繁な徒渉は必須。当然、沢登りの装備と経験が必要です。

(文=畠山茂信)

※編集部注:沢登りには専用の知識や装備、技術が必要です。登山初心者、初級者だけで安易に入渓することは避けてください。

尾瀬ヶ原

秋の気配漂う、静かな尾瀬。

竜宮十字路にて(写真=中村重明)

中田代にて(写真=中村重明)

8月29日~30日、29日雨一時曇り、30日雨

鳩待峠から鳩待通り、長沢新道、竜宮十字路、山ノ鼻(泊)、鳩待峠の周回コースを歩いてきました。

天候はあいにくの雨でしたが、幸いアヤメ平付近では一時的に雨が上がり、燧ヶ岳や至仏山も姿を見せてくれました。キンコウカとイワショウブが一面に咲く湿原や池塘とも相まって、とても素晴らしい景観です。尾瀬ヶ原も、キンコウカ、イワショウブに加え、サワギキョウ、アキノキリンソウ、ヒツジグサ、オゼミズギクなどが多く咲いていました。

天候のためか、鳩待峠から竜宮十字路の間では途中出会った登山者は4名のみ。尾瀬ヶ原でもハイカーの数はとても少なく、秋の気配漂う、静かな尾瀬を堪能しました。

なお、過半が木道の区間になりますが、雨で濡れているととても滑りやすく、特に鳩待峠から竜宮十字路の間の斜面の木道では、かなり慎重に歩いたのですが、何度も足を取られ、二度ほど転んでしまいました。ご注意下さい。

(文=中村重明)

奥鬼怒・鬼怒沼湿原

霧雨のなか、標高2000mの湿原を訪ねる。

イワショウブの紅い実(写真=小勝眞佐枝)

鬼怒沼湿原にて(写真=小勝眞佐枝)

8月31日、霧雨ときどき曇り、一時晴れ

前日(8/30)奥鬼怒温泉郷の八丁の湯に泊まり、次の日の早朝から歩き始めました。

加仁湯、日光沢温泉の前を通り過ぎ、1時間後にはオロオソロシの滝展望台に到着しましたが、朝からの雨と霧で滝はほとんど見えません。その後も霧雨は降り続き、湿度100%のなかを修業のごとく歩くこと1時間半で、ようやく鬼怒沼湿原に到着しました。

美しく咲いていた花はイワショウブくらいで、あとはシカの食害のせいでしょうか、驚くほど花が見られません。しかし、湿原の途中ではカニコウモリ、カメバヒキオコシ、サラシナショウマなどが咲いていました。

湿原にいる間に雨が止んで太陽も顔を出しましたが、後ろ髪をひかれる思いで湿原をあとにしました。帰り道では、オロオソロシの滝が見えました。

(文=小勝眞佐枝/森林インストラクター東京会)

奥多摩・御前山

晩夏から初秋にかけて咲く花を求めて。

防火帯の切り開きにミズナラなどが茂る、月夜見駐車場から御前山への縦走路(写真=石丸哲也)

スープ付きの昼食をとった御前山山頂。花は左からオクモミジハグマ、ツリフネソウ、フジレイジンソウ(写真=石丸哲也)

8月30日、曇り一時雨

御前山は奥多摩三山の中央に位置し、整ったピラミッド型のピークをもたげる山です。よく登られる奥多摩湖からの大ブナ尾根は標高差900m近い急登をこなさなければなりません。今回はヤマケイ登山教室「週末の山歩き」の企画で、尾根上まで車で登り、月夜見第2駐車場からスタートするという、比較的に楽なプランで行きました。

当日、歩き始めたときは雨が降っていましたが、まもなく止み、樹林の道であることとあいまって、雨を気にせず歩けました。時折、ぱらぱらと小雨が降ったり、梢の滴が風で落ちてきたりしましたが、雨粒が葉をノックする音など街の生活ではなかなか聞けないものです。東京都の水源林として保全されている、ミズナラなどの落葉樹林が霧に霞む様子も風情がありました。

今回は晩夏から初秋の花が目的のひとつ。ヒメキンミズヒキ、ヤマジノホトトギス、ツリフネソウ、フシグロセンノウ、キバナノアキギリ、オクモミジハグマやカシワバハグマ、1本だけギンリョウソウ、このところおなじみのタマアジサイなどのいろいろな花に会えました。目当ての花のひとつレンゲショウマはわずかでした。

帰りは奥多摩都民の森・体験の森経由で境橋へ。雨で滑りやすいところもあったので、慎重に、スリップを避ける歩き方を練習しながら下山しました。標高差約1050mの下りですが、みなさん順調に歩かれて、帰りのバス、ホリデー快速の接続もよく、スムーズに帰れました。

現在、『大きな地図で見やすいガイド 高尾・奥多摩』を執筆・編集中です。御前山も大ブナ尾根から登り、今回の都民の森・境橋へ下山のコースで紹介する予定です。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

奥秩父・瑞牆山大面岩

左稜線の登攀。

大面岩からの展望、大ヤスリ岩と小ヤスリ岩の岩塔が印象的(写真=金丸勝実)

7ピッチ目の登攀。背景の岩峰はカンマンボロン(写真=金丸ふく子)

8月22日、晴れ

8月も下旬になると秋雨前線が見え隠れし始め、週末の天気予報に一喜一憂する季節になってきました。この日、当初は剱岳の岩稜登攀を予定していましたが、天候の悪化が懸念されるため、太平洋高気圧の圏内にある奥秩父へ山域を変更しました。

瑞牆(みずがき)山は日本百名山のひとつでもある奥秩父の人気山岳です。また、クライミングの岩場としてもよく知られていて、グレードの高いルートが何本も開かれています。手頃なマルチピッチルートは限られてきますが、今回は、大面岩左稜線を再登することにしました。

全9ピッチあり、スラブ、フェイス、カンテ、チムニーと変化のあるクライミングができ、ハイライトピッチは6・7ピッチ目になると思います。露出感、高度感ともに素晴らしく、クライミングの醍醐味を味わうことができます。

大面岩の頭に立つと、十一面岩、大ヤスリ岩、小ヤスリ岩など瑞牆山の岩峰群や、南アルプス、富士山が一望できました。

ルートの取付きへは懸垂下降で戻りますが、ルートが屈曲しているのでそれなりに時間がかかります。今回は4人パーティーで、登攀に6時間30分、懸垂下降に3時間を要しました。日没の時間を計算に入れて登攀を計画することをお勧めします。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

※編集部注:自然の岩場でのクライミングは常に危険が伴います。クライミング初心者だけで安易に取り付くことのないよう、注意してください。

南アルプス・悪沢岳

撤退の判断は冷静に。

千枚小屋の手前にある駒鳥池はコケがふかふかです(写真=川﨑拓兵)

椹島には美味しいコーヒーを飲める場所があります(写真=川﨑拓兵)

8月29日、雨

南アルプスの悪沢岳に行きました。椹島(さわらじま)は南アルプス南部の登山基地とも言える場所です。そこから千枚小屋まで続く山道には、連日の雨の影響か、色とりどりのキノコがにょきにょき生えて、キノコの花道となっていました。

椹島ではソフトバンクのみ通じますが、千枚小屋ではドコモLTE通信が可能です。天気の情報は快適に取得できましたが、予定している翌日の行程は悪沢岳と赤石岳を越えて赤石小屋までの長時間にわたる行動で、その翌日の予報も風と雨の厳しい予報となっていたため、悪沢岳から撤退することにしました。

1日早く椹島まで下り、最終日はのんびりと朝を迎えました。天候が悪い時は、そのパーティ全体がどのようなリスクをどれだけ負うのかを見極め、冷静に判断することが求められます。たとえ判断後に天気が好転したとしても、気にすることはありません。そして次回も同様に冷静に判断しましょう。撤退後にのんびりコーヒーを飲むのも、山の楽しみです。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

大山山系・矢筈ヶ山、甲ヶ山

大休峠を経て船上山への約12kmの縦走、そのハイライトは甲ヶ山の岩稜です。

甲ヶ山南壁のルートは板状の硬質溶岩なので、マークをたどれば見かけより容易に登れます(写真=舩越 仁)

甲ヶ山頂上から続く通称ゴジラの背。古いロープには全体重をかけないように注意します(写真=舩越 仁)

8月28日、曇り

川床から大休峠に向けて歩き始めます。大休峠までは大山寺参詣古道の一部でもあり、中国自然歩道として親しまれ、紅葉の季節にはとても賑わう探索路です。

大休峠避難小屋で小休止の後、その裏手から特に前半が急斜度の矢筈ヶ山へ取り付きました。最近は登山者が少ないようで、ササが登山道を覆い隠し、木の根やよく滑る石に難儀しながら1等三角点の頂上に立ちました。本来なら全展望で大山東壁の絶景が楽しめるのですが、これから乗り越える小矢筈と甲ヶ山の頂部がガスの切れ目にチラッと見える程度です。

甲ヶ山を越え、ゴジラの背を下った所で船上山出発隊と出会いました。この日は私達の山の会の8月例会です。2組に分かれ、縦走路両端の登山口からそれぞれ甲ヶ山を目指しました。仮に到達しなくても、出会い地点で引き返すという申し合わせだったのです。

出会い地点で記念写真を撮り、一緒に下山に掛かりました。やはりササが生い茂っていて、とても滑りやすい赤土の登山道を注意しながら下りました。

全縦走組のコースタイムは休憩時間込みで8時間10分でした。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

大分県・福万山

快適な尾根歩きを楽しみました。

すっかり秋の気配です(撮影=池田浩伸)

秋咲きミヤマキリシマ(撮影=池田浩伸)

8月30日、曇り

湯布院スポーツセンターから福万山(ふくまんやま)を往復しました。

台風15号の影響で登山道にはわずかに倒木がありましたが、歩行に支障はありません。尾根に上がるまでは息が上がりましたが、山頂までは快適な尾根歩きが楽しめました。

初夏に咲くミヤマキリシマの群生に、数個の赤い鮮やかな秋咲きの花を見つけ、斜面一面のススキの穂も膨らみ始めています。

晴れていれば、由布院の町並み由布岳の展望が素晴らしい山頂なのですが、秋雨前線の影響であいにくの曇り空でした。

家にいても朝夕の涼しさを感じる頃ですが、山では遠のいて行く夏と近づく秋の足音を確実に感じることができました。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

北アルプス・蝶ヶ岳

二十数年ぶりに蝶ヶ岳へ。

松本平の雲海(写真=小笠一樹)

槍・穂高方面を望む(写真=小笠一樹)

8月27日~28日、晴れ

8月下旬は台風15号以来天候が不安定でした。25日から蝶ヶ岳~常念~大天井~燕と登る予定を変更して、27日、28日で蝶ヶ岳を往復しました。

27日早朝、天候がすっきりしない中、神奈川県の自宅を車で発ち、昼前に徳沢から長塀尾根を上りました。針葉樹林帯の急登に苦しんだ後、森林限界を越えて稜線に出る爽快感は、昔も今も変わりません。途中の妖精の池には、イモリが泳いでいました。

稜線に出ても天候ははっきりせず、槍・穂高は雲間にわずかに見えるだけです。日没後は完全に曇ってしまいました。

翌朝、曇りとガスで日の出は望めませんでしたが、6時ころから、槍・穂高、常念から大天井にかけての稜線、松本平の雲海が望めました。

下りは急な樹林帯を横尾へ下ります。ハシゴが新調されていて、下りやすかったです。2100m付近にベンチが組まれていて、驚きました。

帰途、沢渡から自宅までは雨。29日も雨でしたので、わずかな晴れ間をつかんだ山行だったようです。

(小笠一樹/神奈川県/55歳/よく行く山:北アルプス)

南アルプス・荒川三山、赤石岳、聖岳

椹島を起点に反時計回りで縦走しました。

赤石岳から百間洞へ下る途中にて。美味しかったコーヒーの看板と遠ざかる赤石岳避難小屋(写真=柳澤みつる)

あいにく、展望がきかない聖岳の頂上ですが、全3000m峰登山達成で思わず万歳(写真=柳澤みつる)

8月10日~8月15日、10~12日晴れ、13日雷雨、14日霧雨、15日曇り

9日に徳島から椹島(さわらじま)へ。10日は椹島から千枚小屋泊。11日は千枚小屋から千枚岳、丸山、悪沢岳、中岳、前岳を経て荒川小屋泊。12日は荒川小屋から小赤石岳、赤石岳に登り、百間洞山の家へ。13日は雷雨のため停滞。14日は百間洞山の家から中盛丸山、小兎岳、兎岳、聖岳、小聖岳とたどり、聖平小屋泊。15日に聖岳登山口から椹島へ下山し、徳島へ戻りました。

送迎バスの都合と悪天候により小屋泊としましたが、どこもテント場は最良のようでした。

また、ルート設定も悩みましたが、北から南へ下ることにして楽だったのではないか、と感じています。

今回で全3000m峰に登ることができました。支えて(許して)くれた家族に感謝です。

(柳澤みつる/徳島県/64歳/よく行く山:穂高、剣山、石鎚山など)

第七回

登山道 ここは原宿? 西巣鴨? (ペンネーム:初デビュー)

あだたらの ほんとの空は 青かった (ペンネーム:しま里)

百名山 手前のピークの 静けさよ (ペンネーム:山形山人)

【寸評】

一句目。登山に老若男女の壁はなく、あらゆる人々が集い、山を崇めています。日本人の心に根差す山岳信仰を活写する、鋭い一句です。

二句目。高村光太郎と智恵子はいまもなお「あどけない話」を続けているのでしょう。しま里さんの句は、時空を越えて存在する「永遠」というものは何か、を問いかけます。

三句目。日本百名山のガイドブックは数多ありますが、手前のピークの良さを解説した本はありません。『日本百名山・手前のピークガイド』を読んでみたくなる、そんな一句です。

【段位】

初デビュー様としま里様には「1000m級」の段位を授与します。2回目の投稿となった山形山人様には「2000m級」を授与します。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!

投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

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http://www.maitabi.jp/bus/pdf/

2015全日本山岳写真展

東京・池袋で9月6日まで開催。

出展作品より:完山富江「朝焼け」

昭和22年(1947年)に設立された全日本山岳写真協会が9月1日から9月6日まで、東京・池袋の東京芸術劇場にて「2015全日本山岳写真展-未来に残そう美しい山河-」を開催中です。

展示される会員の力作はおよそ300点。さらに、「小・中・高生の目で見た自然」と題した特別コーナーには約10点、「一般公募の部」には約50点を展示しています。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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2015全日本山岳写真展

会期:9月1日(火)~9月6日(日)10:00~19:00

ただし5日(土)は10:00~18:00、6日(日)は10:00~17:00

会場:東京芸術劇場・5階ギャラリー1

池袋駅西口より徒歩2分

入場無料

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9月の月替わりセールとして

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埼玉県西部の山都・秩父。その周辺に広がる山域は奥秩父のような標高はなく、一部をのぞき、訪れる登山者も少ないところです。しかしながら笹薮に覆われた渋い尾根や苔むした谷は、東京に近いながらも人影少なく、この山域を愛する篤志家には魅力あふれる山域です。

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この機会に、ぜひ電子書籍で秩父の貴重な記録に触れてみてください。

『くらべてわかる きのこ(原寸大)』

食用きのこ毒きのこを中心に約440種類の見分け方を紹介

きのこ狩り、きのこ観察で名前がなかなか分からなくて困っている方、身近なきのこの名前を知りたい方は必読の一冊! この図鑑では見開きに10種類ほどのきのこを並べて、似ているけれど、どこが違うのかを引き出し線で説明。原寸大での掲載なので、初心者にもやさしく、すぐわかります。きのこ初心者から中級者に向けた、新しい図鑑です。

https://www.yamakei.co.jp/products/2815063480.html

●写真:大作晃一/監修:吹春俊光/発売日:2015年9月4日/販売価格:1,800円+税/ページ数:144ページ/判型:B5判/ISBN:978-4-635-06348-7

2015年8月~9月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
山登りABC『テーピングで快適登山』 8/7 1,000円+税
『岐阜県警 レスキュー最前線』 8/7 1,600円+税
『山と溪谷 9月号』 8/12 952円+税
『フリークライミング日本100岩場4 東海・関西 増補改訂新版』 8/14 2,200円+税
『「身体」を忘れた日本人』 8/21 1,300円+税
『秘境・南アルプス深南部 逡巡山行記』(電子書籍) 8/21 1,350円+税
ヤマケイ新書『富士山1周レースができるまで』 9/18 800円+税
『首都圏1000kmトレイル①詳しい地図で迷わず歩く! 奥武蔵・秩父354km』 9/18 1,500円+税
ヤマケイ文庫『ドキュメント道迷い遭難』 9/18 800円+税
『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』 9/18 1,200円+税
『山の不可思議事件簿』 9/30 900円+税
『東京周辺トレイルランニングコースガイド』 9/30 1,800円+税
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ヤマケイ登山教室からのお知らせ

【国内】初級レディース・トレッキング「南アルプス前衛・日向山」日帰り

木々の色が変わり始める初秋の日向山。広葉樹やカラマツの樹林帯を登りきると、雪のように白い砂が広がり、奇岩が林立する雁ヶ原へ。そこでは圧巻の景色が広がります。今回の担当講師は恩田真砂美さんです。

http://www.yamakei-online.com/tour/detail.php?tour_id=146941

日程 9月13日(日)
集合 JR中央本線・小淵沢駅改札前(9:00)
行程 小淵沢駅(車)矢立石(1130m)~日向山(1660m)~雁ヶ原~日向山~矢立石(車)小淵沢駅【解散】15:00~17:00(予定)
歩行時間:約3時間
体力レベル 初級レベル(6~8kg程度のザックを背負い、連続する標高差500mの登りを2時間以内で登れる体力が必要です)
難易度 難易度2(往復、周回、縦走コース。登山道は比較的明瞭で、緩急はあるが、幅員もある。転滑落の危険個所が少ない)
参加費 14,800円
最少催行人数 15名(定員20名)
講師 恩田真砂美(登山ガイド・ヨガインストラクター)

【机上講座】遭難事例から学ぼう~山で死んではいけない~「6.道迷いを防ぐ(登山計画と登山中の行動)」

増え続ける山の事故を未然に防ぐために、この講座では、過去の遭難事故の実情を見据えながら、生死を分けるポイントを検証していきます。

参考書:ヤマケイ新書『もう道に迷わない』(山と溪谷社刊)

【学生割引】学生証の提示で1グループ3人まで受講料が無料になります。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=1608

開催日 9月14日(月)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~21:00
定員 35名
受講料 2,000円
講師 野村仁(山岳ライター)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
勝峰富雄
編集スタッフ
佐々木惣
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦、塚原宏和
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。