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今週末の「山のワンポイント天気」

ウェブサイト「山の天気予報」を運営し、メールでの天気予報配信も行なっている株式会社ヤマテンの気象予報士・渡部 均さんによる解説です。今週末の山行に役立ててください。

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先日、茅野から岐阜県の美濃まで車を運転したのですが、平野部だけでなく途中の山道でも雪がほとんど融けてしまっている状態でした。花粉も飛び始めているようで、事務所でも花粉症に悩まされている人がいたりと、日々春の訪れを感じるこの頃です。

さて、今週末は、荒れた天気になるところは少ない見込みですが、27日(土)午後から28日(日)朝にかけて日本海を弱い谷が通過し、通過後は弱い冬型となる影響で日本海側の山岳では天気が崩れるところが多くなりそうです。土日の中では、西日本の山岳では28日午前中、東日本では28日日中、太平洋側の山岳ほど条件が良さそうです。

気象予報士 渡部 均

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https://i.yamatenki.co.jp/

やぎた晴さん

山岳紀行恋愛小説『山小町-愛-』を語る。

前作『山小町-恋-』の舞台となった上高地・徳本峠小屋にて

2014年12月に刊行されるや否や「懐かしい恋愛風景、人間関係が描かれている」「一昔前のフランス映画のように余韻を残し、続編が気になる」と賞賛された山岳紀行恋愛小説『山小町-恋-』。続編となる『山小町-愛-』がこの1月に刊行され、話題を呼んでいます。今回の作品について、著者のやぎた晴さんに聞きました。

(聞き手=佐々木 惣 『週刊ヤマケイ』編集部)

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佐々木:前作を上梓されて1年、周囲の反応や反響はいかがでしたか?

やぎた:第二編の「あとがき」にても触れましたが、物語の時代背景からでしょうか、山そして自然を愛する方々、とくに若かりしころに魅せられて汗したご自身の山を回想されつつ、舞台となったコースを頭に描きながら味読していただいたことがうれしい限りでした。

かたや、難しい漢字が多く文章も長いとのご意見もあり、読破する苦労話をいただいたことも参考になりまして、ルビ対応を実施していただきました。

さらに、美しい表紙絵に注目して下さった方もおられ、上梓できました喜びが倍加されたことも、続編への意欲をかき立てられました次第です。

詳しくはAmazonのブックレビューをご一読ください。

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佐々木:前作の舞台は涸沢と奥穂高岳でしたが今作は京都の愛宕山、八ヶ岳、雨飾山となっています。これらの山を選ばれたのはなぜですか?

やぎた:「山小町」構想の出発点が、京の愛宕山・試み峠と穂高岳・徳本峠との相似で、そこからちゅうちょなくヒロインを「京をんな」と設定したことから、感動の山旅のあとに待ち焦がれた逢瀬を実現する場は、ヒロインを暖かく見守ってきたふる里の愛宕山が最高の舞台となることは必定でした。

紙面の都合上、詳述は出来ませんでしたが、京に生を受けられた故・今西錦司氏の「山初め」、さらに「初登山」につきまして引用できましたことも、あらためて自然に対する崇敬の念を想起させられました。

八ヶ岳連峰は、冬山入門として著名な山域であり、筆者も、寒風のなかで氷雪の岩稜と格闘しました懐かしい想い出があります。

雨飾山につきましては、これも第二編の「あとがき」をご覧ください。

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佐々木:今作でいちばん苦労された点はどこですか?

やぎた:縁もゆかりもない京を舞台としたことで、必然的に「京ことば」を如何に使いこなすかが最大の難関でした。一遊子として、旅先で「京都弁」と発言しましたことを、お年寄りから「京のことばは方言やあらしまへん」といさめられた記憶が残っていましたので、取材で耳にし、小説を読みあさり、辞典で調べ上げ、腐心の連続でした。とくに、イントネーション表現が叶わないモドカシサが今も残っています。

日常、京ことばをたしなまれる読者の方に、不自然さをご指摘願えれば今後の糧となりますので、よろしくお願い申し上げます。

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佐々木:前回と同じ質問で恐縮ですが、二人の今後はどのようになるのでしょう?

やぎた:さて、どのように紡いでいきましょうか、構想を巡らせております。

晴れて大手を振って山旅を満喫できることになった二人には、山の素晴らしさは二倍どころか数倍の愉しみとなりましょう。筆者の独断にはなりますが、素敵な候補地を選定して、山旅の素晴らしさを縦糸に、二人をつなぐ緊密な絆を横糸に、心に染み入る山岳紀行を綴ることができましたら本望です。ご期待ください。

十勝連峰・三段山、富良野岳

パウダーを満喫するためにも、安全面には最善の注意を。

初日、膝上ラッセルをしながら三段山の「二段目」付近を登る(写真=谷水 亨)

二日目、富良野岳1430m付近からベベルイ川沢に向かって滑る同行者(写真=谷水 亨)

2月18日~19日、曇り

吹上温泉白銀荘に宿泊し、三段山と富良野岳のバックカントリーを仲間と楽しんできました。例年よりかなり少ない積雪ですが、幸い前日に40~50cmほどの降雪があり、両日とも深雪を楽しむことができました。

初日、三段山は先行者2人が「一段目」から降りてきて、それ以降はヒザ上ラッセルで交代しながら登ります。「二段目」を登りきったところでハイマツが出始めます。風の強さと積雪の少なさを感じながら右側の沢筋を見ると、素晴らしい滑走ができるはずの斜面が、滑られる状態ではありません。そこで「三段目」から夏道付近の斜面を滑走して、途中登り返しをして2本楽しんで下りてきました。

翌日、富良野岳ジャイアント尾根を楽しむべく、白銀荘を後にします。富良野思惟林(旧バーテン上富良野)向かいの駐車場には6~9台分のスペースがありますが、最近駐車違反が目立ち、スキーヤーのマナーが問題になっています。この日は朝8時と、時間が早かったためスペース内に駐車できました。

まずヌッカクシ富良野川を徒渉して、ジャイアント尾根を登ります。1400m付近から1650mの馬の背がかすかに見えましたが、天候も悪く、雪質も悪くなるのでこれ以上登るのは止めます。1430mからベベルイ川の沢側に滑り出し、腰までのパウダーを楽しみます。沢から登り返して、さらに1本同じコースを楽しんで下りてきました。

両日とも、計画書の提出、登山届、出発前の装備点検(冬山三種の神器とツエルトなど)とビーコンチェックを行ない、最善の注意をはらって冬山を楽しんできました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

※編集部注:山スキーは管理されていない斜面を滑る高度なスキー技術と高度な雪山登山技術が必要です。技術と経験が足りない人は、安易に立ち入らないでください。

八甲田・田茂萢岳~赤倉岳

幻想的な世界に酔いしれたスノーシューハイク。

見渡す限りの青と白の世界に吸い込まれそうになります(写真=山口敬二)

純白の田茂萢湿原から望む北八甲田の山並み(写真=山口敬二)

2月12日、晴れ

山の仲間たちと厳冬の青森を楽しもうと、酸ヶ湯温泉へ3泊4日の旅に出かけました。もちろんメインは八甲田登山ですが、この時期好天に巡りあうのは難しく、あまり多くは期待しないようにして青森入りしました。

ところが幸運にも年に1、2回あるかないかという晴天に恵まれ、ロープウェイを降り立つと八甲田の山並みが真っ白な樹氷群の世界を見せてくれました。さっそくスノーシューを装着すると大雪原に躍り出て、田茂萢岳(たもやちだけ・1324m)の山裾から連立するモンスターたちに歓声を上げ、赤倉岳(1541m)の尾根を目指します。雪原の向こうには陸奥湾もくっきり見えていました。

ところが高度を上げるにしたがって強風にあおられ、青かった空も次第に雲に支配されるようになってきました。赤倉岳のピークには立ちましたが、烈風と午後から下り坂という天気予報のため、井戸岳周回をあきらめて1521m地点まで戻り、モンスター群の谷を下りることにしました。

すると、天気は予報に反してどんどんよくなっていくではありませんか! 振り返ると谷間からまぶしく仰ぐ三山(赤倉岳、井戸岳、大岳)が、今にも動き出しそうなモンスターたちを従え光輝いています。素晴らしい絶景です。

モンスターたちに見下ろされながら純白の雪上を歩き、幻想の世界に酔いしれた山行となりました。

(文=山口敬二)

蔵王・刈田岳

樹氷鑑賞ハイクへ。

山頂にある刈田峰神社の鳥居(写真=福井美津江)

2月12日、晴れ

昨年末から3度目となる刈田岳。前々回は吹雪、前回は強風のためゆっくり樹氷鑑賞もできずに下山しました。

今回2月12日は満点の星空の下を歩き始め、樹氷原で日の出をむかえることができました。積雪期限定の中央コースは踏み跡が多く、歩きやすい雪の状態でした。ハイライン側(南側)から刈田岳へ登頂し、大黒天側(東側)から下山。

今年の樹氷は全体的にボリュームが少なめですが、場所によってはしっかりできあがっているものもあり、さまざまな形を楽しめました。

(文=福井美津江)

北アルプス・八方尾根

シュカブラ狙いで出かけたものの……。

暮れ行く白馬鑓(写真=松原貴代司)

明け行く白馬三山(写真=松原貴代司)

2月10日~12日、晴れ

ひさしぶりに好天の予報と日程があい、仲間とシュカブラ(雪紋)狙いで八方尾根に出かけました。初日、電話で八方池山荘に現地情報を確かめると、前日かなりの降雪があったうえ、この日は30mを超える暴風とのこと。シュカブラ造成には絶好な条件と期待しながら、昼過ぎに白馬村着。ところが、暴風のためゴンドラ・リフトともに動かず、結局この日は白馬村泊まりに。

翌日は絶好の晴天・無風。期待を膨らませ、まずは八方池山荘まで急ぎます。八方尾根スキー場はにぎわいを見せており、ゴンドラ、リフトともにスキーヤーの列に並んで待つことに。実に5~6年ぶりのにぎわいでしょう。

山荘では支配人に「久しぶりですね」と皮肉られた上に、到着が遅すぎた、と告げられました。というのも早朝には撮影対象となる立派なシュカブラができていたけれども、スキーヤーが上を滑ってしまったとのことです。

ロケハンを続けましたが、バックカントリーの好きな外国人スキーヤーが増えたせいか、確かに尾根の上部まであらゆる雪面が荒れており、足もとを入れての撮影は困難と判断。山荘裏から白馬三山の夕・朝景に専念することにしました。ひさしぶりに、カラー・モノクロ・赤外線の各フィルムを消費しましたが、やや無念さの残る撮影行になってしまいました。

なお、山岳写真同人四季では、25日より新宿のヒルトピアギャラリー(ヒルトンホテルB1)でカラー・モノクロ作品80点での写真展を開催中です(2月25日~3月8日)。ぜひお越しください。

(文=松原貴代司/山岳写真同人四季)

奥武蔵・日和田山

より安全に山を登るための岩登りの練習。

登山靴では、どこに足を置くかが重要です(写真=木元康晴)

大きな岩場では、登るラインの見極めも大切です(写真=木元康晴)

2月18日、晴れ

登山靴での岩登りを練習しようと考え、日和田山の岩場に行ってきました。

今回の同行者は初級者2名。まずは装備のチェックをし、続けてロープワークとビレイの手順を確認してから、いよいよ練習スタートです。

最初は手前の小さな岩場で、3点支持を意識しつつ、しっかり岩に立つことを練習。その後は女岩南面に移動して、ラインを変えながら何度も登り降りを繰り返しました。

登山コースの途中に現れる岩場では、あまり考えずに勢いで登ってしまいがちで、スキルアップに結びつかないことも少なくありません。一方クライミングエリアで練習する場合は、より慎重に岩の形を観察し、合理的な体の動かし方を考えつつ登るため、確実な技術が身につきやすくなります。またロープで確保しながら登るので、より安全だといえるでしょう。クライミングを目指さない一般の登山者にも、ぜひ取り入れてほしいトレーニングです。

(文=木元康晴/登山ガイド)

高尾・高尾山

早春の花をたずねて。

薬王院にて。ふだんは人を入れずに撮れないアングルで天狗像と山門(写真=石丸哲也)

左上:梅郷遊歩道の湯の花梅林は咲き進んでいた。左下:アオキの実、花芽、葉芽。右上:ユリワサビ。右下:タチツボスミレ(写真=石丸哲也)

2月22日、曇り

そろそろヤマルリソウなど早春の花が咲き始める季節なので、久しぶりに高尾山へ出かけました。しかし、早春の花が多い6号路は先日の雪で倒木があり、琵琶滝から先が通行止め。琵琶滝までの路傍を探り、琵琶滝道(琵琶滝遊歩道)から霞台へ登って1号路に合流、3号路を登る予定で出かけました。帰りは4号路から蛇滝道に下り、梅の咲き具合を見ながら高尾駅まで歩くつもりです。

高尾山口駅北側の愛宕神社は3本ほどある紅梅がほぼ見ごろ。駅から高尾保養院と6号路分岐までも紅梅が点々と咲いていました。野草の花は、登山道に入ってからユリワサビ、1号路に出てからタチツボスミレをそれぞれ1株ずつ見たのみでした。平日で曇りということもあり、1号路も人影がまばら。花が期待できない3号路を止めて、ふだん人が多くて撮りづらい薬王院などの写真を撮りながら登ることにして、そのまま1号路を進みました。

高尾山山頂に着いたころは、一時、青空ものぞきましたが、富士山は雲でまったく見えず。大山から塔ノ岳、蛭ヶ岳、大室山の丹沢山地は、その西側の江ノ島とともにはっきり見えました。滝子山、三ツ峠など中央沿線の山も、やや霞んでいますが、山頂まで見えていました。予定通り下山した4号路も花はまだでしたが、気をつけてみるとイヌブナのつぼみがもうふくらみ、アオキの赤い実が常緑の葉に映え、タマアジサイの花がらがドライフラワーになっているなど、この時期ならではの自然を見ることができました。下りるに従ってアオキのつぼみもふくらみ、花芽と葉芽もはっきりと見分けられます。

梅郷遊歩道は、日なたではすでに満開の木もありましたが、日陰ではまだつぼみの木も多く、全体としては1~3分咲きの感じ。見ごろは今後の天候にもよりますが、3月に入ってからと思われます。3月12日(土)~13日(日)は梅まつりが開催され、野点や琴の演奏、スタンプハイクがあり、模擬店も出て、例年にぎわいます。13日は高尾山口の自動車祈祷殿広場で火渡り祭も行われます。また、3月31日まで高尾山冬そばキャンペーン中で、京王線各駅かホームページでチラシを手に入れていけば、そば・うどんの100円引きクーポン、スタンプ集めも楽しめます。

6号路の開通は22日現在未定です。琵琶滝遊歩道、稲荷山尾根は3月31日まで補修工事の予定ですが、通行には支障ないようです。今回のコース中、雪や凍結はすべて融けていました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

御坂山地・鬼ヶ岳

富士山の迫力ある展望に大満足。

雪頭ヶ岳(1715m)の手前、1700m付近(お花畑)より西湖と富士山を望む(写真=中村重明)

鬼ヶ岳(1738m)より、南アルプス方面(写真=中村重明)

2月21日、晴れ

前日、南岸低気圧の通過に伴い関東甲信越の広い範囲で強い雨と強風の大荒れの天候となりました。この日の行き先もいろいろと迷ったものの、雪崩や「踏み抜き地獄」の心配がなく、かついい展望が期待できる先として、西湖から鬼ヶ岳の周回コースに出かけました。

結果的には期待通り、富士山の迫力ある展望に加え、南アルプスや八ヶ岳の景観も得られ、とても満足の行く光景でした。

標高1600m付近から上、特に北側斜面では登山路上に氷結箇所があり、軽アイゼンないし簡易スパイク(ゴム+鋲)が必須でしたが、それ以外の区間は晩秋ないし初春のような行程でした。

(文=中村重明)

中央アルプス・千畳敷カール

安全な滑降のためにも、積雪状況と気温の変動をチェック。

宝剣岳の麓のデブリ(写真=原 誠一)

乗越浄土を目指す先行パーティ(写真=原 誠一)

2月16日、曇り、ホワイトアウト

駒ヶ根菅の台から、バスとロープウェイを乗り継いで、中央アルプス千畳敷カールへ行ってきました。ひさしぶりにバックカントリースキーを楽しもうと、カールの底から乗越浄土を目指してスノーシューを履き、スキー板を担いで登り始めました。

宝剣岳の麓には、大規模なデブリができていました。

さらに斜面を登ると、一面が厚み2~4cmのアイスバーンとなっています。先週の雨が雪面をブルーアイスに変えてしまったようで、とてもスキーのエッジがきくレベルではありません。

やむなく、2777m付近で登高を諦め、ピッケルでテラスを切り、スキーを装着しました。後はズリズリと滑り降りました。

千畳敷カールはまもなく春スキーのシーズンとなりますが、積雪状態と気温の変動をチェックして、安全に滑降を楽しんでいただきたいと思います。

(文=原 誠一/アルプスネイチャークラブ ・登山ガイド)

中央アルプス・大川入山

新雪を踏みしめながら360度の展望を楽しむ。

イノシシの足跡を発見(写真=原 誠一)

名所「根曲り廊下」(写真=原 誠一)

2月18日、晴れ時々曇り

信州百名山であり阿智村セブンサミットの一座である大川入山(1908m)に登ってきました。

コースは、標高1187mの治部坂峠からの往復です。前の日に若干の雪がぱらついたため、登山口からノートレースの単独行となり、新雪を踏みしめながら、360度の展望を楽しんできました。とは言っても前日の新雪は約10cm。アイゼンは履きましたが、ラッセルなしの夏時間ハイクです。

なお、登山道の途中に名所「根曲り廊下」という、ヒノキの根がむき出しになった痩せ尾根が、総長500mほど続きます。景観保全のため、できるだけアイゼンやストックなどでヒノキの根を傷つけないよう、配慮していただきますよう、お願いいたします。

(文=原 誠一/アルプスネイチャークラブ ・登山ガイド)

六甲・菊水ルンゼ

人気の山につめ上がる難コース。

岩場の登りが続きます(写真=鈴木さとし)

菊水山頂上より神戸市と大阪湾の眺望(写真=鈴木さとし)

2月19日、晴れ

菊水山は地元の方を中心に愛されている山で、いつも誰かが登っている人気の山です。今回のルートは鈴蘭台より菊水ルンゼから登り、西側の尾根から戻りました。取り付きを見出すのには読図力が必要です。ルンゼ内はほとんどが岩場で、初心者がいればロープを出したり、補助が必要です。マークはありますが、標識の類はほとんどありません。素晴らしいルートですが、一般向けではありませんので、初心者のみや雨天時の入山は難しいと思います。

(文=鈴木さとし/登山ガイド)

※編集部注:このコースは一般登山道ではありません。読図能力や登攀能力などが必要な上級者向けコースです。初心者、初級者は安易に立ち入らないように注意してください。

岡山鳥取県境・高清水高原~2等三角点大畝

真っ白な大山を望む絶景。

高清水高原からの大山ビュー(写真=舩越 仁)

雪玉が弾け散る終着点ピーク(写真=舩越 仁)

2月18日、快晴

スタートの旧国道人形峠は、以前動燃が人形峠ウラン鉱石から濃縮ウランを製造するパイロットプラントとして賑わっていました。現在はその一部が岡山県のアトムサイエンス館として細々と運営されています。そのおかげで道路が除雪されており、県境まで車乗り入れ可能な数少ない峠の一つです。

数日前の雨と春一番で一気に雪が減ったものの、その後の寒波で新雪があり、この朝は50~60cmの積雪がありました。真っ白な綿帽子をかぶった幻想的な落葉樹林の中をスノーシューで進みます。時折綿帽子がはじける洗礼を受けながら、緩やかなスロープを登ると、1時間20分程で広い雪原(高清水高原)が開けます。そして遥かに、真っ白な大山が顔を出してくれました。いつも感動するひと時です。

眺望は帰りに残しておき、もう少し先の2等三角点大畝に向かいます。例年なら、その手前がナイフリッジになる細尾根なのですが、今年はまったく未発達でした。三角点標柱を執念で掘り出し、意気揚々と来た道を戻りました。

(文=舩越 仁/日山協自然保護指導員、みつがしわ山の会)

佐賀県・腰岳

低山ながら海の展望が良い山。

ゆったりと伊万里湾にそそぐ有田川(写真=池田浩伸)

存在感のあるシイの大木(写真=池田浩伸)

2月22日、曇り

トラピスチヌ修道院から地蔵登山口経由で腰岳に登り、弁財天登山口に戻るコースをたどりました。

2時間もあれば山頂を往復できるほどの低山ですが、伊万里湾や黒髪山地の展望がいいので、好きな山です。この日は曇り空で霞んでいましたが、伊万里湾の向こうには壱岐の島影も見えたようでした。

山頂はなだらかで、いくつかベンチもあり、春のファミリーハイクにはおすすめです。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

蔵王・地蔵山

シュカブラやエビノシッポが連なる雪の造形美。

横風に飛ばされそうな地蔵山(1736m)山頂広場にて(写真=長山昌子)

霧氷林の向うに五郎岳(1413m)を遠望(写真=長山昌子)

2月11日、雪

蔵王ロープウエイの山麓線とゴンドラを乗り継いで蔵王山頂駅に到着。軽アイゼンを装着して数分歩くと、肩まで雪に埋もれた地蔵尊に着きます。周りは樹氷鑑賞の観光客でにぎわっていました。そこからモンスターの中、地蔵山(1736m)へ雪の急坂を登ります。

山頂はホワイトアウトで視界5~6m、マイナス10℃、さらに横殴りの風ですが、シュカブラやエビノシッポが連なる雪の造形は、いつ見ても美しいものです。しかし、写真を撮ろうにもインナー手袋では厳しい寒さでした。熊野岳方面は何も見えず、ネックウオーマーは凍りついていました。そこで、身体が冷えないうちにすぐに下山を開始。1330m地点からは五郎岳が優しく望まれました。

(長山昌子/山形県/よく行く山:鳥海山、東北の山)

裏磐梯・レンゲ沼、中瀬沼

雪が少ないので踏み抜きには充分注意を。

頭上高くシロヤナギに寄生したヤドリギを観察(写真=葉貫正憲)

2月14日、雨

環境省が主催する「レンゲ沼・中瀬沼スノーシューハイキング」に、パークボランティアとして参加してきました。

当日はあいにくの雨です。15名の参加者とともにレインウェアに身をつつみ、約2時間歩いてきました。磐梯山の大噴火により荒涼とした大地になったものの復元された過程に思いをはせながら、樹木を観察したり、動物の足跡を探します。夏場には歩くことのできないフィールドを自由自在に歩きながら、自然散策を楽しみます。スノーシューで歩くのが初めての方が半数ほどでしたが、無事にゴールに戻りました。

気温の上昇に伴い、雪が融けて歩きにくくなりました。なお、この冬は雪が少ないため、木道の境や沼の上での踏み抜きには充分に注意しましょう。

(葉貫正憲/福島県/68歳/よく行く山:会津百名山)

奥武蔵・伊豆ヶ岳

この季節ならではの景色を楽しむ山歩き。

伊豆ヶ岳山頂(写真=中川秀夫)

古御岳からの下り(写真=中川秀夫)

2月9日、晴れ

正丸駅から伊豆ヶ岳を経て子ノ権現へと歩き、西吾野駅に下りました。このコースを毎年数回歩いていますが、今回は雪道歩きです。白い山肌に冬枯れの木々、見上げれば青い空と、この季節ならではの景色を楽しんできました。

駅から馬頭様までは舗装道路です。ここから先は雪の道が続きましたが、伊豆ヶ岳を過ぎ古御岳を越えると、雪のある箇所とない箇所が混在します。途中、凍結や泥濘が多少あったものの、踏み跡もしっかりしていたので、大きな支障はありません。

(中川秀夫/埼玉県/65歳/よく行く山:奥武蔵)

比良山系・武奈ヶ岳

先行者のいない雪面に足跡をつけるぜいたく。

北比良峠から武奈ヶ岳を望む(写真=川畑和夫)

武奈ヶ岳から蓬莱山方面を望む(写真=川畑和夫)

2月22日、曇り

湖西線比良駅から歩き始め、ダケ道から北比良峠へ出て、八雲ヶ原からスキー場跡を直登してコヤマノ岳のブナ林を通り、武奈ヶ岳へ登りました。

曇り空ながら穏やかな武奈ヶ岳頂上で周囲の景色を楽しみながら昼食をとった後、イブルキノコバから八雲ヶ原へ出て、登りと同じコースを下山しました。

北比良峠からは前日の積雪が20cmほどあり、先行者がいなかったので自分の足跡をつけて歩くぜいたくを味わいました。

スキー場跡は積雪が多く、時にはヒザ下まで潜るほどでした。リフトの最上部だった所から上がわかりにくいのですが、要所要所には赤テープが巻き付けてあります。

イブルキノコバへの下山は、夏道の北側の尾根沿いの冬道を通ります。神爾谷源頭部は通過に注意が必要です。

(川畑和夫/大阪府/67歳/よく行く山:六甲、比良、生駒、北アルプスなど)

福岡県・城山~金山

低山ながらも森林浴と展望を楽しめる山行。

水墨画のような山並みが見られました(写真=串崎道徳)

2月11日、晴れ

福岡県屈指の縦走コース、宗像四塚縦走。今回はこのうちの南側に位置する城山から金山までをピストンしてきました。

コースには照葉樹と原生林が茂り、春を告げるヤブツバキの花も咲いています。福岡教育大学側登山口には「城(じょう)山水(ざんすい)」と名付けられた水場があります。登山口から城山山頂まで約35分。山頂までは丸木段で、登山道は整備されていますが運動不足の方には少々きついかもしれません。

山頂からの展望は素晴らしく、特に南側にそびえる英彦山は印象的でした。

次に金山へと向かいます。城山から約50分で金山南岳へ。ここからは宗像市が一望でき、さらに約10分で金山北岳へたどり着きます。

(串崎道徳/山口県/58歳/よく行く山:山口県や九州の山)

福岡佐賀県境・九千部山

家族4人で登りました。

雪の九千部山(写真提供=小林龍聖)

2月7日、曇りのち雪

福岡県側の桜谷遊歩道から山頂を目指して登ります。登り始めたらすぐ雪が降りだしました。

階段を登ってグリーンピアなかがわの敷地内を通って車道を横切り、登山道に入ります。雪は降りやまず、山頂につくころにはかなり積もりました。

さらに石谷山まで行くつもりでしたがやめて山頂で雪遊びをして、登った道をたどり下山しました。

(小林龍聖、琥翔/熊本県/11歳、9歳/登山歴3年)

第三十一回

今シーズン、指導所開き引き締まる(登り窯)

ロックオン、琥珀に融ける未踏峰(千葉信代)

誕生日、祝って登るは不老山(ペケマルコ)

【寸評】

一句目、登り窯さん。谷川岳登山指導センターの開所式を見て心が揺さぶられたとのこと。やや説明調になっているのが残念です。川柳なので、笑いの要素がもっと入るといいかもしれません。

二句目、千葉信代さん。ウィスキーに浮かぶのはまだ見ぬ高峰の氷でしょうか。抒情的な表現ですね。

三句目、ペケマルコさん。これはずるい。誕生日といわれたら昇段させるしかないじゃないですか(笑)。次回は厳しくいきますよ。

【段位】

登り窯さんは8000m峰「シシャパンマ」で残念ながらビバーク。千葉信代さんは8000m峰「チョ・オユー」に、ペケマルコさんはいよいよ8000m峰「K2」に昇段です。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

山で大切なのは自救力。jRO(ジロー)は山岳遭難対策制度TMで、山を愛する方々の自救力アップをサポートします。

捜索・救助費用に特化(330万円までお支払)、コストパフォーマンス抜群です。

WEB申し込みも可能になりました。

初年度入会金・会費は4000円(税別)次年度以降会費は2000円(税別)+事後分担金(700円~1700円の見込み)です。

いざというときに備えましょう。

誰にも起こりうる遭難事故の捜索・救助費用に備える保険! 無理のない日程、万全の装備とともに、これからは「レスキュー費用保険」が登山・アウトドア活動の必需品です。

日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」は登山やアウトドアスポーツなど日本国内での野外活動(海での活動を除く)中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用について保険金をお支払する保険です。補償内容は捜索・救助費用保険金として300万円です(免責3万円)。

年間保険料は5000円。保険期間は1年間で、払込日の翌日午前0時から補償開始です。

山岳写真集団 仙台による写真展「思いの山 四季」

3月1日(火)~6日(日)、宮城県仙台市にて開催

1977年に結成され、38年間にわたり写真展開催や写真集刊行などで活躍してきた「東北山岳写真家集団」。2015年3月に解散するも、そのDNAを引き継いだのが「山岳写真集団 仙台」。仙台を中心に少数精鋭のプロ・アマが精力的な活動を続けています。今回の週刊ヤマケイの表紙を飾る、常連寄稿者の福井美津江さんもそのメンバーのひとりです。

3月1日より、東北を代表する山や北アルプス、ヒマラヤの写真も加え、大判の写真約110点を展示した第一回写真展が開催されます。ぜひ一度、ご覧ください。

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写真展「思いの山 四季」

日時:3月1日(火)~6日(日)9:30~17:00

会場:宮城県美術館 県民ギャラリー Ⅰ

〒980-0861宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1

地下鉄東西線「国際センター駅」徒歩7分、「川内」駅徒歩7分

展示点数:B1×5点、A1×30点、A2×30点、全紙×20点、A3ノビほか25点など、計110点程度

※入場無料

問い合わせ先

山岳写真集団 仙台(代表 早川輝雄)

TEL022-219-8784

『源流テンカラ』

沢登りと釣りの融合を求めて。

竿とラインと毛鉤という、テンカラ釣りのシンプルな仕掛けをザックに忍ばせて、各地の源流を旅する中から生まれた一冊。東北や上信越、北・南アルプスの渓を旅した紀行文と、これまで遡った渓の釣り場案内43本を収録し、さらにテンカラ指南、自炊宿のススメ、毛鉤の巻き方も解説。沢登りと源流釣り愛好家は必読の書です。

https://www.yamakei.co.jp/products/2815044130.html

著者:高桑信一/発売日:2016年2月19日/販売価格:2,400円+税/判型:A5判/ページ数:352ページ/ISBN:978-4-635-04413-4





2016年2月~3月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『花の名前、品種、花色でみつける切り花図鑑』 2/5 3,000円+税
『仏像再興 仏像修復をめぐる日々』 2/5 1,800円+税
ヤマケイ文庫『教えてゲッチョ先生! 雑木林のフシギ』 2/5 880円+税
『屋久島ブック2016 屋久島でしたい30のこと』 2/13 1,000円+税
『山と溪谷 2016年3月号』 2/15 952円+税
『ALONE ON THE WALL 単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡』 2/18 2,500円+税
ヤマケイ新書『鳥ってすごい!』 2/19 900円+税
『死ぬまで元気に生きるための七つの習慣』 2/19 1,300円+税
『日本の火山 国内30の火山活動を検証する』 2/19 1,600円+税
ヤマケイ文庫『新編 越後三面山人記』 2/19 950円+税
『源流テンカラ』 2/19 2,400円+税
ヤマケイ新書『山の神さま・仏さま』 2/19 800円+税
『山と溪谷 2016年3月号電子版』 2/20 762円+税
大きな地図で見やすいガイド『丹沢・箱根・富士五湖周辺』 2/20 1,600円+税
分県登山ガイド『奈良県の山』 2/20 1,900円+税
分県登山ガイド『埼玉県の山』 2/20 1,900円+税
『ときめく猫図鑑』 2/22 1,600円+税
『ROCK&SNOW 071 春号』 3/5 1,333円+税
『ワンダーフォーゲル2016年4月号』 3/10 926円+税
『入門&ガイド トレイルランニング』 3/18 1,980円+税
『読図ができる登山地図 剱・立山連峰 1/25,000縮尺+詳細情報、北アルプス総図・核心部詳細図付』 3/18 900円+税
『読図ができる登山地図 槍・穂高連峰 1/25,000縮尺+詳細情報、北アルプス総図・核心部詳細図付』 3/18 900円+税
『詳しい地図で迷わず歩く!奥多摩・高尾384km』 3/25 1,500円+税
分県登山ガイド『大阪府の山』 3/25 1,900円+税
分県登山ガイド『山梨県の山』 3/25 1,900円+税
『くらべてわかる 哺乳類』 3/31 1,600円+税


株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
勝峰富雄
編集スタッフ
佐々木惣
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦
プロデューサー
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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。