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山岳遭難防止術

登山ガイドが実体験から遭難防止を考える【連載03】

中途半端な山の残雪はやっかい

新緑の美しい初夏は、山登りには楽しい季節です。けれどもこの時期は、行き先をどこにするか頭を悩ませる方も多いかもしれません。ある程度標高の高い山には、中途半端な残雪があるからです。日本アルプスの山々のように、この時期でもまだまだピッケルとアイゼンが必要な世界であれば、敬遠するか、それなりの対策をとるかですが、そういった装備を持参するほどの状況ではない山で出くわす残雪は、けっこうやっかいなものです。

私が初めて、中途半端な山の残雪に出くわしたのは1989年、初夏の谷川岳登山のときでした。このときは技術も経験もまったくなく、先人のトレースをたどりつつ、本当に恐るおそるといった感じで慎重に歩いたものです。

しかしその後は山岳会に入会し、雪渓技術を叩き込まれることに。以降はむしろ残雪は得意となり、アイゼンがなくてもかなりの急斜面を、自由に登下降できるようになりました。

しかし、今の私の仕事は登山ガイド。自分が自由に通過できても、お客様には残雪を怖がる方も少なくありません。ロープを固定したり、ショベルを持参してステップを刻んだりするなど、さまざまな手を尽くして、中途半端な残雪に対処していくことになります。特に残雪の状態が悪く危険なときには、登山ツアーを主催する旅行会社にそのことをしっかりと説明し、ツアーそのものを中止にしていただいたこともありました。

2014年5月の奥秩父・瑞牆山頂上直下の様子。この年は残雪が多く、通過に手間取る場面もありました(写真=木元康晴)

中途半端な残雪に潜む危険を避ける

まず傾斜の強い残雪斜面では、スリップの可能性があります。軽アイゼンを着用するのがベストでしょうが、ない場合はストックでバランスをとって慎重に通過するか、場合によっては引き返すという判断も大切です。

沢筋にある残雪では、下に水が流れていて踏み抜いてしまうことも。厚みのある部分を選んで歩くか、残雪そのものを避けて歩いたほうが良い場合もあるでしょう。

またもっとも警戒が必要なのは、道迷い。地面を覆う残雪は、登山道をも覆い隠してしまうからです。

残雪によって登山道がどこかわからなくなってしまった場合は、もしそのコースに信頼できる赤テープなどの目印があるのならば、それを追うのもひとつの方法です。しかし赤テープは、登山道を示す以外の目的で着けられることも少なくありません。不用意に追うと、登山道を大きく離れてしまう可能性もあります。

見通しの良い場所であるならば、地形を見て道が続くであろう方向を探ってみても良いでしょう。ただし、勘に頼って進むのは厳禁です。

基本はやはり、地形図を読み取って正しい進路を確かめながら進むことです。読図とナビゲーションの技術は、登山道の位置がはっきりしない時こそ、有効なもの。またGPSも非常に強力なツールです。頼り切ることは絶対に避けるべきですが、効果的に活用するといいでしょう。

そして何よりも大切なのは、道を間違えた場合に早い段階で気づける注意力を持つことと、気づいた時には引き返す、判断力と決断力を持つことです。引き返すタイミングを逃してしまうとリカバリーは難しくなり、より深刻な道迷いの状況へと追い込まれてしまうでしょう。

(文=木元康晴/登山ガイド)

北アルプス・穂高

雪面が非常に不安定で、雪崩の危険性も高まっています。

県警救助ヘリによる救助活動(写真=奥谷 晶)

5月2日、涸沢ヒュッテより白出のコルに向けて小豆沢を登攀中、ヘリによる滑落事故者の救助活動を目撃しました。昨日(5月1日)、大方の晴れの予報を裏切って上高地出発時より終日雨でした。稜線では吹雪となり30cm以上も積もったそうです。ガチガチに硬く凍ったこれまでの雪面に新雪が乗った状態で非常に不安定な上に、2日は朝から晴れて気温が上昇し雪面はグズグズの状態でした。

ヘリが来た時、私はちょうどザイテングラートの上の傾斜の強いところにいて、ヘリからの「登山者はその場を動かず座って待機」という呼びかけにピッケルでセルフビレイをとり、ステップを切って足場を確保しましたが、その足場もすぐに崩れそうな状態でした。

雪面が不安定な状態は今後も続き、雪崩の危険も大きいようで厳重な注意が必要です。岳沢でも雪崩があったと山岳警備隊より注意がありました。

(文=奥谷 晶)

八甲田・大岳、硫黄岳ほか

バックカントリースキーを楽しみました。

雪稜を行く。後方は八甲田の主峰・大岳(写真=畠山茂信)

硫黄岳北側の大斜面を滑降しました(写真=畠山茂信)

4月19日~23日

八甲田山は、厳しい気候ゆえに以前は冬期間道路が閉鎖され宿泊施設も休業していたため、4月以降しか入山できませんでした。しかし現在は厳冬期も道路が除雪されて宿泊も可能になり、パウダースノーを求めてたくさんのバックカントリー(以下BC)愛好者が来るようになりました。ロープウェイがあるのでアプローチも楽です。

この時期は天気が目まぐるしく変わり、北風が吹くと冬に逆戻りして雪になり、南風だと湿った暖気で霧が出ます。

通常はロープウェイ頂上駅から数コースを下りたり、ピークを越えながら大斜面を滑ったりしますが、登山口から上っても標高差がそれほどではないので日帰りが充分可能です。今回は5日にわたって毎日違うルートでBCスキーを楽しみましたが、他のルートがまだたくさんあります。山麓には温泉がいくつもあり、宿泊や下山後の日帰り入浴が可能です。

なお、八甲田は山容がなだらかで特徴が乏しく迷いやすいので、入山の際は熟達したガイドに従うのが良いでしょう。

(文=畠山茂信)

※編集部注:BCスキーは管理されていない斜面を滑る高度なスキー技術と雪山登山技術が必要です。技術と経験が足りない人は、安易に立ち入らないでください。

青森県・岩木山

津軽富士の雪山トレッキングを楽しみました。

山麓から見た岩木山(写真=中村重明)

岩木山山頂にて(写真=中村重明)

5月1日、曇りのち晴れ

4月28日から通行可能になった津軽岩木スカイラインを利用し、八合目駐車場まで車でアプローチし、そこから登山を開始。山頂までは1時間半弱の行程でした。山頂付近は残念ながらガスの中で、期待していた陸奥湾や八甲田山の展望は得られませんでした。

そこからいったん登山開始地点まで戻り、その先は春スキーのツアーコースをたどり、麓の嶽温泉まで徒歩で下りました。最初は進路を慎重に確認する必要がありますが、途中からはスキーツアー用の看板やテープなどの目印がありました。念のためワカンも持参したものの、ほとんど足が潜ることは無く、ブナ林の中をアイゼンで快適に下山。終盤は積雪が減り、木の枝や笹で少々歩きにくくはありましたが、さほど苦労することなく、無事に下山することができました。

(文=中村重明)

栃木県・月山

アカヤシオの大群生地として有名な栃木県の名山を歩く。

月山南西尾根のアカヤシオ(写真=曽根田 卓)

車道から眺めた満開のアカヤシオ群生地(写真=曽根田 卓)

4月30日、曇りのち晴れ

栃木県日光市の北側に位置する月山(がっさん)はアカヤシオの群生地として関東一円から多くの登山者が訪れます。例年5月初旬に見ごろを迎えますが、今年は開花時期が少し早く、4月30日に登った時は散りはじめの状態でした。しかし尾根の北側には開花したばかりのピンクの濃い花も多く、写真撮影のために何度も足を止めて花に見入ってしまいました。

今回はビーフピア会場広場から険しいヤセ尾根が続く南西尾根を登り、栗山ダムサイトに降りる北尾根を下りました。標高差がなく、体力的に楽な山ですが、全般的に足場が滑りやすい急坂が多く、しかも尾根が狭いために滑落には充分注意が必要です。

アカヤシオの花が終わると、次はシロヤシオが咲き誇りますので、陽春の5月は2度楽しめる山です。

(文=曽根田 卓)

奥多摩・白岩の滝、麻生山

大小の滝を連ねる渓谷から展望抜群のピークへ。

白岩の滝と遊歩道沿いで咲くヤマブキ、スミレの花(写真=佐々木 亨)

関東平野をはじめ奥武蔵や丹沢の山々を一望できる麻生山の頂上(写真=佐々木 亨)

4月20日、晴れ

白岩の滝遊歩道から麻生山、日の出山に登り、つるつる温泉へと下山するラウンドコースを歩いてきました。

麻生山の南東面に発するタルクボ沢には、大小合わせて18の滝が連なり、そのうち最も大きい滝が白岩の滝です。滝は3段からなり、落差は計約36m。渓谷沿いに整備された遊歩道から、これらの滝を間近に見ることができます。

昨シーズンは、木橋の架け替えのため、白岩の滝付近を迂回していましたが、このほど工事完了。遊歩道の通行が可能となりました。春は新緑が美しく、ヤマブキやスミレ類の花々も目を楽しませてくれます。

また、伐採が行われていた麻生山では、苗木の植林作業が終わり、頂上の景観が大きく変わりました。とりわけ東側は視界をさえぎるものがなく、関東平野が一望のもと。思いがけず開ける大パノラマが感動的です。

今回は麻生山から日の出山を経て、つるつる温泉に下山しましたが、金比羅尾根を南下し、金比羅山手前の分岐から秋川渓谷・瀬音の湯へ下ることもできます。

(文=佐々木 亨/山岳ライター)

丹沢・大山

ヤビツ峠から大山へ。

下社からの合流点下の展望台から三ノ塔から丹沢山へスカイラインが延びる(写真=白井源三)

高度を上げたイタツミ尾根にはこの時期マメ桜が点在して目に優しい(写真=白井源三)

4月26日、晴れ

丹沢山塊で人気の山・大山へは、ヤビツ峠からイタツミ尾根を登ると約1時間で頂上へ達することができます。マイカーならバス停の隣に駐車場があり、バス利用ならば小田急線秦野駅から便数は少ないのですがヤビツ峠までの便があります。山頂からは登ってきた道を往復するか、雷ノ峰尾根を下るか、大山寺を経由して下社に降りるか、さまざまな下山コースがあります。

ヤビツ峠バス停後ろから階段を登ると、広場があり、進行方向右に蓑毛へ降りる下山口をわけます。ふたつ目の広場を通過して登りが始まります。しばらく登っていくと、左手の樹林越に三ノ塔が見えてきます。クサリ場を登ると間もなく春岳山のピークに出ます。大山まで1.4kmの道標が立っていて、ここから進路は東に延びます。この時期、マメ桜が点在して浅い緑の木々が目に優しい彩となっています。

木橋を渡ると左手から展望が開けます。三ノ塔、塔ノ岳、丹沢山とスカイラインがのびています。この上で下社から登ってくる登山路と合流します。階段を登っていき、第一の鳥居をくぐります。ここから左手の道を登っても、アンテナと展望板を経て山頂へ到達できます。

大鳥居から神社のある大山山頂に着きました。土・日・休日は登山者で立錐の余地のない山頂ですが、この日は私が独り占めの状態でした。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

御坂山塊・三ツ峠山屏風岩

セルフレスキューと人工登攀のスキルアップ。

三ツ峠山から見る富士山の展望(写真=金丸勝実)

左:逆V字ハングルートの登攀(写真=金丸勝実)/右:直上カンテルートの登攀(写真=佐藤拓哉)

4月23日~24日、23日曇り時々晴れ、24日曇り時々雨

今回はセルフレスキューと人工登攀のスキルアップのために、三ツ峠山屏風岩に登りました。屏風岩はクライミングのゲレンデとしてよく知られていて、週末にはガイドパーティーや山岳会の講習がよく行われています。標高が2000mほどあるので、4月といえども朝夕は冷え込みますが、日当たりのいい岩壁は厳冬期以外はクライミングが可能で、今回も多くのパーティが入っていました。富士山の展望台としても人気が高く、山頂からの雄大な眺めは格別です。

今回は、比較的天気の良い初日を人工登攀に、2日目をセルフレスキューにあてました。フリークライミングが主流の時代ですが、人工登攀はアルパインクライミングには必要な技術です。午前中をA2、A3の基本練習に、午後からは直上カンテルートと逆V字ハングルートに分かれ、マルチピッチで実践的に登りました。

2日目は曇り時々雨となり、肌寒い一日になりましたが、セルフレスキューにはいい条件だったかもしれません。内容的には、登り返し・仮固定・荷重移動・コブ通過・カウンターラッペルなどを、実践を想定して行ないました。

人工登攀、セルフレスキューともに、普段のクライミングでは余り使わない技術ですが、ゲレンデを離れ、本チャンルートに挑戦するには必要な技術です。アクシデントは不意にやってきます。常に備えていれば、冷静に対応できると思います。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

※編集部注:外岩でのクライミングは常に危険がともないます。初心者、初級者だけで安易に取り付くことは避けてください。

中央線沿線・高川山

駅から登って、駅へ下れる山へ。

高川山山頂からの富士山。左は鹿留山、杓子山、右は三ツ峠(写真=石丸哲也)

上はクマシデの若葉。下は左上から時計回りにヤマツツジ、オドリコソウ、フデリンドウ、山頂犬ビッキーの墓石(写真=石丸哲也)

5月1日、晴れ

ゴールデンウィークの一日、駅から登って駅へ下れて、手軽に歩ける高川山へ行ってきました。標高1000m弱ですが、大月市秀麗富嶽十二景、都留市二十一秀峰、山梨百名山にも選定され、富士山の展望のよさでも人気の山です。コースが多いことも特徴ですが、今回はオーソドックスに大月市のJR中央本線初狩駅から女坂を登り、下山は中谷入コースで都留市の富士急田野倉駅へ向かいました。

計画の動機には富士山の展望、新緑と春の花、そしてビッキーのお墓参りがありました。春霞で富士山は鮮明に見えませんでしたが、青空の下、輝く若葉から降り注ぐ緑のシャワーを浴び、草の花はミツバツチグリ、キンポウゲ、イカリソウ、フデリンドウ、オドリコソウ、ツルカノコソウ、木の花はオトコヨウゾメ、コバノトネリコ、ヤマツツジ、里ではサトザクラ、ヤブデマリ、チューリップ、イチハツなどたくさんの花に出会えました。

ビッキーは高川山の山頂に住み着き、登山者に親しまれながら、2010年に亡くなった「山頂犬」です。自徳寺の大イチョウの下に葬られ、直後に訪ねたときは自然石が置かれていましたが、今はビッキーの姿を彫った墓石が建てられています。また、山頂にはビッキーの写真や記事を綴ったアルバムが置かれています。

田野倉駅手前の尾県郷土資料館は、明治10年建築の小学校を保存、利用しているものです。バルコニーや塔屋がある西洋風の建築で山梨県の有形文化財に指定されています。内部はかつての授業風景を再現した部屋、昔の子どもの遊び、教科書などが展示されています。管理人さんから、戦前の暮らし、都留市の伝説などを聞き、この地の風土に接することもできて、実り多い山行となりました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

会津・背炙山

水沢遊歩道から三階滝へ。

沢に咲き誇るニリンソウ(写真=葉貫正憲)

三階滝には巨木がハシゴのようにかかっていました(写真=葉貫正憲)

4月25日、晴れ

背炙山の三階滝へいってきました。東山温泉街から続く水沢遊歩道を三階滝、背炙山へと歩きます。水沢遊歩道は想像以上の立派な登山道でした。

スタートしてすぐに巨大な砂防ダムが立ちはだかり、急な階段を上ります。すぐに踏み跡がわからなくなりウロウロしましたが、ダムの端に沢へ下りる階段がありました。沢沿いの踏み跡は落葉や下草で不明瞭です。慎重に道を見わけて上がっていくと、30分ほどで落差約10mの滝が現われました。目的の三階滝です。水量が少なかったので迫力はいまひとつでしたが、なかなか立派な滝です。少し小ぶりですがふたつ目、3つ目の滝もありました。

滝を過ぎると、踏み跡が一段と怪しくなっていきます。右方にわずかな踏み跡が感じられる分岐には、左側に長いロープがあり「こちらが本道」と示しているようですが、5分ほど上がると踏み跡は完全に消えてしまいました。

ここからはきつい藪や斜面は避けて、遠回りでも藪のうすいところを、ゆっくり10分ほど進むと道に出ました。どこかで見たことのある道だと思ったら、冬場によく歩く石山遊歩道でした。時計を見ると、すでに昼近くですので、山頂までは行かずにここで引き返すことにしました。

途中、日陰の道端で昼食をとり、帰りは羽黒山経由で周回します。ユキツバキや若葉色のケヤキを眺めながら、羽黒山神社の階段をゆっくりと下って駐車点に戻りました。9時20分に出発し、12時55分着。3時間35分と、ちょうどいい足ならしでした。

背炙山にはいろいろなルートがありますが、今回のルートは自動車が通る道とは1回も交差しない魅力あるコースです。ただ、晩秋や早春以外は踏み跡が不明瞭で歩きにくいので避けた方がよさそうです。

(葉貫正憲/福島県/68歳/よく行く山:会津百名山)

岐阜県・舟伏山

念願だったイワザクラとご対面しましたが…。

盛りを過ぎたイワザクラ(写真=八木茂良)

元気に咲くフデリンドウ(写真=八木茂良)

4月25日、曇り

ここ4、5年にわたってイワザクラを愛でる計画をたてていました。花の咲く時季と天気や都合がなかなか合わなかったのですが、やっと念願が叶いイワザクラを愛でに舟伏山へ行くことができました。しかしながら花は終わりに近く、やや残念な結果に終わりました。

今回のコースは、あいのもり駐車場~展望台~小舟伏山~舟伏山~水たまりの往復です。この舟伏山は駐車場から東コース~舟伏山~西コースを回る周回コースとなっていますが、ここ数年、東コースの一部が伐採作業で通行止めになっているので、西コースからの往復となっています。

山頂から南側に展望がありますが、今回は曇っていたため展望はほとんどありませんでした。登山道わきの花は、フデリンドウやヒトリシズカが多く咲いており、カタクリやニリンソウもありました。

(八木茂良/静岡県/68歳/よく行く山:東海地方の花の山、南アルプス)

大阪奈良県境・二上山~大和葛城山~金剛山

新緑のダイヤモンドトレールを歩く。

大和葛城山から金剛山を望む(写真=小椋将ニ朗)

カタクリの花(写真=小椋将ニ朗)

4月24日~25日、晴れ

1日目は近鉄二上神社口駅を7時30分にスタート。古い町並みを15分ほど歩くと二上山の登山口。急登を一気に登り、1時間ほどで二上山の雄岳へ。雌岳を経てダイヤモンドトレールに合流します。新緑の香りと鳥のさえずりの中、平石峠、岩谷峠、竹内峠、岩橋山とピークとコルの連続を越え、カタクリの花が残っている大和葛城山頂上へ。頂上には15時に到着し、この日は約16kmを歩きました。

2日目。大和葛城山頂を6時にスタートします。朝の引き締まった空気がとても気持ちいい朝でした。道は一気に下り、水越峠へ。ここから金剛山地区です。ひたすら杉林の中を進み、湧出岳ピーク、伏見峠、千早峠、神福山、行者杉と標高750mくらいのピークとコルをたどって進みます。14時30分、南海紀見峠駅に到着。葛城山より約22kmでした。ダイヤモンドトレールはこの先もまだありますが、今回は無理をせず、計画通りにここまでとしました。

(小椋将ニ朗/奈良県/52歳/よく行く山:生駒山)

第四十一回

楽ちんで、けれども素敵な山はどこ?(あい)

ヒラリーの心地で目指す、川柳初登(山形山人)

大好きなパパの背負子で初登頂(乙女心)

好きな山。オレは白山、妻は福山(ペケマルコ)

【寸評】

一句目、あいさんは2回目の投稿。街に近い里山でも新緑や花の美しさは充分に堪能できます。家の近くで、思い立ったらふらっと行ける、上り下りの少ない里山をまずはめざしてみましょう!

二句目、山形山人さん。かのヒラリーとテンジンがエベレストに初登頂したのは1953年5月29日。いまから63年も前のことですが、彼らの偉業はいまでも私たちの胸を熱くしますね。川柳登攀、がんばってください。

三句目、乙女心さん。「背負子(ベビーキャリー)で登るなんて、登山ではない!」と思っていた私ですが、いざ子どもと登ると背負子の重要性を認識しました……。背負子の向こうに子どもの笑顔が見えるような一句です。

四句目、ペケマルコさん。山の川柳ならではの一句ですね。また、女性でありながら男性としての句を創出するところにベテランならではの技巧も感じさせてくれます。

【段位】

あいさんには「2000m」級を授与します。山形山人さんは8000m峰「ブロード・ピーク」に、乙女心さんは8000m峰「チョ・オユー」にそれぞれ昇段。ペケマルコさんは「エベレストC1」に到達です。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

登山の「まさか」に! レスキュー費用保険で、確かな安心を。

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※平成28年4月20日より

東北の高校生の富士登山 登ろう! 日本一の富士山

今年は7月26日(火)~28日(木)に開催。参加者受付中です。

富士山剣ヶ峰の日本最高所で田部井淳子さんを囲んで(写真=渡辺幸雄)

東日本大震災の被災地の高校生に、日本一の山、富士山に登ることで新たな勇気と元気を得てもらおうという目的で、2012年から毎年行われてきた「東北の高校生の富士登山」(主催=山と溪谷社・日本山岳遺産基金、田部井淳子)が、この夏も開催されます。

今まで参加した高校生からは、「頂上に行くのは大変だったけど、たくさんの人に支えられて無事登ることができました。今年の夏の最高の思い出です」「何度もやめたいと思ったけど頂上まで登ることができてよかった」などの感想が寄せられています。

東北の高校生の皆さん、この夏、富士山に登ってみませんか。あきらめず、一歩一歩登っていけば、夢はかなえられます。それを、ぜひ体感してください。そしてたくさんの仲間をつくって下さい。共に日本一の富士山に登った仲間との絆は一生の宝になると思います。ご応募をお待ちしています。

※詳細および申込書はホームページで

http://sangakuisan.yamakei.co.jp/tohoku_fujisan/

※ 問い合わせ先

電話03-3264-6426(平日10時~18時、タベイ企画内「東北の高校生の富士登山」係)

中村みつをさんも参加「東日本大震災被災地支援チャリティー展」

5月3日(火)から8日(日)まで、東京・恵比寿にて開催

中村みつをさんの出展作品「森の歌声」

『のんびり山に陽はのぼる』(山と溪谷社)『山旅の絵本』(JTBパブリッシング)の著作や、絵本『ビビ』(ポプラ社)でおなじみのイラストレーター中村みつをさんが参加する「東日本大震災被災地支援・チャリティー展」が東京・恵比寿のギャラリーで開催されます。みつをさんファンの方は、GW中に一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

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会場:GALERIE Malle(ギャラリー・マァル)

東京都渋谷区恵比寿4-8-3 神原ビル1階

会期:5月3日(火)~5月8日(日)

12:00~19:00

入場無料

※売り上げの一部は東日本大震災津波遺児基金に寄付されます。

詳細は下記URLにて。

http://galeriemalle.jp/archives/5261

第7回TKフォトクラブ作品展「四季の彩景」

5月13日(金)から19日(木)まで、東京・新宿にて開催

「朝焼けの浅間山」(撮影=高知尾亨)

山岳フォトグラファーの菊池哲男さんは週刊ヤマケイの表紙を創刊号より2年にわたって担当され、雑誌『山と溪谷』をはじめ各誌で活躍中です。

TKフォトクラブは、菊池さんを顧問として活動している写真クラブです。山岳写真を中心に自然風景を題材にした写真で技術を磨き、その作品を展示する展示会は今回で7回目を迎えます。全紙(457×560㎜)、全倍(540×840mm)で展示される美しい山々を、ぜひ一度ご覧ください。

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会場:富士フォトギャラリー 新宿

東京都新宿区新宿1-10-3 太田紙興新宿ビル1F

会期:5月13日(金)~5月19日(木)

10:00~18:00(最終日は14時まで)

出展作品数:総数46点

入場無料

「穂高・涸沢Movie & Talk Session」

6月14日(水)名古屋、6月18日(土)大阪、6月19日(日)東京で開催

北アルプスの美しい映像と、山小屋主人らによるマジメ愉快なトークが好評な「穂高・涸沢 Movie & Talk Session」が今年も名古屋、大阪、東京で開催されます。

穂高・涸沢の登山情報、レスキュー、山小屋の裏話まで、ふだんは聞けない、ここだけの話がたくさん聞くことができるイベントです。

登山計画のある方はもちろん、ない方も聞いて損はない話ばかり。またかつて登られた方も、圧倒的な映像を堪能してみてはいかがでしょうか。

多くの方のご来場をお待ちしております!

***

6月14日(水)@名古屋 ウインクあいち 大ホール 19時~21時(開場18時)

6月18日(土)@大阪 大阪市中央公会堂 大集会室 16時~18時(開場15時)

6月19日(日)@東京 日本教育会館一ツ橋ホール 16時~18時(開場15時)

【入場料について】

前売り券(開催日前日まで)800円

当日券(開催日会場にて)1000円

【上映作品】

未定=穂高・涸沢関連作品(ハチプロダクション提供)

【トーク】

涸沢ヒュッテ:山口 孝

穂高岳山荘:今田 恵/宮田八郎

司会:小林千穂

*各会場ごとに、事前にご意見やご質問などを受け付けます。開催当日3日前までに、メール・FAX・ハガキなどでお寄せいただき、トークタイムに質疑応答のかたちで対応したいと思います。

【お申込方法】

1)Webチケット販売サイト【Peatix(ピーティックス)】(クレジットカード/コンビニ払い 手数料無料)

@名古屋

http://nagoya614.peatix.com

@大阪

http://osaka618.peatix.com

@東京

http://tokyo619.peatix.com

2)チケット販売取扱所で購入(前日まで現金払い)

涸沢ヒュッテ・涸沢ヒュッテ東京事務所・穂高岳山荘

上高地インフォメーションセンター

カモシカスポーツ(本店・横浜)

アルパインツアーサービス(東京・名古屋・大阪)

駅前アルプス(名古屋)

3)当日券(各会場にて)

【主催】

穂高・涸沢映画の会

【後援】

涸沢ヒュッテ、穂高岳山荘

【お問い合せ先】

「穂高・涸沢映画の会」事務局

http://www.3190.jp/hkmts/

〒506-1122 岐阜県飛騨市神岡町坂富3-1

FAX 0578-82-0642

E-mail eigakai@3190.jp

『山と溪谷6月号』

背負え! 天幕

今回の特集は「この夏、テントで歩くベストルート40」。衣・食・住のすべてをかつぎ、自然に抱かれて眠る。延々と続く登山道をたどり、時間の束縛から解放され、山塊をまるごと味わう。テント泊の魅力は計り知れません。編集部では、地方のライターやカメラマン、山岳関係者にアンケートを行ない、その結果を元に議論を重ね、今年の夏におすすめしたいテント泊ルートとして全国から40のコースを厳選しました。何年かけても歩き通したい、日本を代表する山とコースを網羅、テント泊愛好者にとって保存版となるガイド特集です。綴じ込み付録はテント泊のイロハをプロから学べる『明解! テント泊の基本』です。

https://www.yamakei.co.jp/products/2816900974.html

発売日:2016年5月14日/販売価格:952円+税/216ページ/判型:A4変形判/綴じ込み付録:明解! テント泊の基本

2016年4月~5月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『マウンテンスポーツマガジン』Vol.4 トレイルラン2016SPRING 4/8 960円+税
『山と溪谷』2016年5月号 4/15 952円+税
『ときめく化石図鑑』 4/15 1,600円+税
『登山用具2016』 4/16 1,200円+税
ヤマケイ文庫『定本 山村を歩く』 4/22 950円+税
『CLIMBING joy』No.15 4/26 1,100円+税
『ワンダーフォーゲル』2016年6月号 5/10 926円+税
『富士山ブック2016』 5/14 926円+税
『山と溪谷』2016年6月号 5/14 952円+税
『おいしい雑草 摘み菜で楽しむ和食』 5/20 1,500円+税
『大きな地図で見やすいガイド 関西南部』 5/20 1,600円+税
『大きな地図で見やすいガイド 関西北部』 5/20 1,600円+税
ヤマケイ文庫『四季の摘み菜12カ月』 5/20 880円+税
ヤマケイ文庫『パイヌカジ』 5/20 880円+税
『大きな地図で見やすいガイド 八ヶ岳』 5/20 1,400円+税
『CAMP LIFE はじめてのキャンプQ&A』 5/23 880円+税


首都圏1000kmトレイル②『詳しい地図で迷わず歩く! 奥多摩・高尾384km』

著者による綿密な実踏取材にもとづく、奥多摩コースガイドの決定版

奥多摩・高尾に精通した山岳ライター・佐々木 亨氏がGPSを駆使した綿密な実踏調査を敢行。特にコースマップについては2万5000分ノ1地形図に準拠し、地形や植生を把握しやすい色彩に加えて、コンパス活用に役立つ磁北線を記入済。また登山口や分岐点を拡大表示しており、「迷わず歩く」ことのできるガイドブックとなっています。

https://www.yamakei.co.jp/products/2816900974.html

紙版=著者:佐々木 亨/発売日:2016年3月25日/販売価格:1,500円+税/144ページ/判型:A5判/ISBN:978-4-635-18044-3

https://www.yamakei.co.jp/products/2815120466.html

電子書籍版=著者:佐々木 亨/発売日:2016年3月25日/販売価格:1,200円+税

収録コースは以下の30コース。トレイルランニングにも魅力的なコース設定で、複数のコースを結んでロングトレイル走破にもチャレンジできます。

青梅線(多摩川)エリア

01 長淵山

02 青梅丘陵

03 高水三山

04 棒ノ折山・黒山

05 御岳山

06 大岳山・鋸山

07 御岳山・日の出山

08本仁田山

09 川苔山

奥多摩湖周辺エリア

10 奥多摩むかしみち

11 六ツ石山

12 御前山 大ブナ尾根

13 三頭山 ヌカザス尾根

14 鷹ノ巣山 浅間尾根

15 鷹ノ巣山 稲村岩尾根

五日市線(秋川)エリア

16 日の出山 金比羅尾根

17 戸倉三山

18 大岳山 サルギ尾根

19 大滝・馬頭刈尾根

20 浅間嶺・払沢の滝

21 御前山 陣馬尾根

22 土俵岳・丸山

23 三頭山・槙寄山

陣馬・高尾エリア

24 高尾山・城山

25 南高尾山稜

26 北高尾山稜

27 陣馬・高尾縦走

28 陣馬山 一ノ尾根

29 生藤山・熊倉山

30 生藤山・醍醐丸

株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
勝峰富雄
編集スタッフ
佐々木惣
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦
プロデューサー
齋藤純一

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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。