ツイート

今週末の「山のワンポイント天気」

ウェブサイト「山の天気予報」を運営しメールでの天気予報配信も行なっている株式会社ヤマテンの気象予報士、河野卓朗さんによる解説です。今週末の山行に役立ててください。

******

八ヶ岳山麓へ引っ越して、はや2ヶ月。近くにいるほど意外と登らないものですが、先日、赤岳へ日帰りで行ってきました。例年ならまだ残雪の残る時期ですが、今年は2300m付近の樹林帯にごくわずかに残るのみ。持参したピッケルの出番はなく、八ヶ岳もすっかりグリーンシーズンです。樹林帯では一足はやく、ホテイランが小さな花をつけていました。

さて、今週末の天気ですが、北緯40度(秋田・盛岡付近)に軸がある帯状の高気圧に覆われるため、北に行くほど、また日本海側の山ほど天気が良い見込みです。ただし、土曜日の午後は、上層に強い寒気が入るため、東日本の内陸の山岳では雷雲の発達にご注意ください。日曜日は高気圧がやや南に下がってくるため、登山日和の所が増えていきそうです。

気象予報士 河野卓朗

なお、今週の土曜日(21日)は、そのお天気の良さそうな北海道・有珠山で猪熊隆之の観天望気ツアーを実施します。お天気を山で学びたい北海道の皆様、ぜひご一緒しましょう!

また、6月4日(土)も新潟・二王子岳でお天気を学ぶ登山をおこないます。新潟の皆様、ぜひ一緒に空気の気持ち、空の気持ちを学んでいきましょう。

「山の天気予報」(月額324円)

コーヒー1杯分のご利用料金で、全国18山域の山頂天気予報や大荒れ情報、予想天気図、ライブカメラ、雨雲レーダー、観天望気講座などが1ヶ月使い放題。メールでの天気予報配信登録もおこなえます。サービスの詳細やご登録方法につきましては、下記URLでご確認ください。

https://i.yamatenki.co.jp/

山岳遭難防止術

登山ガイドが実体験から遭難防止を考える【連載04】

新緑の時期は植物に注意

今は新緑の美しい季節です。この時期に多いのは、植物に関わるトラブル。生き生きと葉を広げる草木の中には、害のあるものも混じっています。遭難の原因となることは考えにくいものですが、不快な思いをしないためにも注意が必要です。

不快な植物の代表格は、イラクサでしょう。沢の近くに生える草で、触れるとビリビリと痛みます。ただしこの痛みは、1時間もするとなくなります。不快な割には、害は少ない植物です。

やっかいなのは、ヤマウルシやハゼノキなどの、ウルシ系の植物です。かぶれた場合は、皮膚炎の症状が出て長引きます。

実は私はウルシにはとても弱く、この10年で8回もかぶれています。2007年4月がその最初でした。

私は2006年の夏から6年間、鳥取県に住んだのですが、このときは鳥取で迎えた初めての春でした。地元の登山者の多くは、春は山菜採りを楽しむと聞き、私も自己流で試してみることにしたのです。向かったのは、自宅から近い低山で、古い林道に入って探し回ると、さっそく大量のタラノメを発見しました。

しかし10本あまりも採った頃、おかしなことに気付きました。タラノメにはトゲがあるはずなのに、今採っているものにはトゲがありません。しかも記憶にあるタラノメよりも、ずいぶんと赤っぽい色合いです。けっきょく迷った挙句、その何かが違うタラノメを持ち帰るのは止めることにしました。その日は暑い日で、植物を採ったその手で顔の汗をぬぐい、止めておけばいいのに木陰で小キジも撃って(立ち小便のことです)から下山しました。

それから数日後、顔や手、それに陰部にも水泡ができて腫れ上がり、強烈な痒さを感じる状態に。慌てて皮膚科を受診したところ、ウルシかぶれと診断されました。念のために撮影しておいた、その植物の写真を図鑑で調べると、間違いなくヤマウルシだったのでした。

さらに困ったことに、それ以降はヤマウルシの葉っぱにさらりと触っただけで、すぐにかぶれるようになってしまったのです。

タラノメと間違って採取したヤマウルシ。葉柄が赤い新芽を見たら警戒しましょう(写真=木元康晴)

ウルシにかぶれるとどうなるか

ウルシに触ったその日は、特に変わったことはありません。異変を感じるのは、だいたい3日経ってから。最初は肌に赤いポツポツができて、虫に刺されたのかな?と思うくらいですが、翌日以降はポツポツの周囲が腫れ上がり、水泡が生じます。同時に痒みも激しく、耐えられない程になってきます。

皮膚科を受診すると、抗生物質などを処方されます。それを用いると、不快さは幾分やわらぐものの、一気に改善するということはなく、発症してから2週間くらいは、この不快な症状と付き合うことになります。

ウルシかぶれを防ぐには、何と言っても触れないこと。半袖での山歩きは避けたほうが無難です。

またヤマウルシの新芽は葉柄が赤く、葉が放射状に生える特徴的な姿です。覚えやすいものなので、目視で避けることもできるでしょう。私はガイド登山の際には、登山道上のヤマウルシを早目に発見し、その都度お客様に伝えています。ちなみにウルシ系の植物は全国に分布していて、関東近郊では奥多摩や妙義山、古賀志山などでも目にします。

もし葉っぱに触ったときには、早急に水洗いしましょう。

なお私は、採ったヤマウルシを口にはしませんでしたが、中にはタラノメと間違えて、本当に食べてしまう人もいるそうです。その場合は食道や胃などがかぶれ、さらに悲惨な症状になるとのこと。

誤食では他にも、オオバギボウシと間違えてバイケイソウを食べたりする例もあるそうです。下痢や嘔吐の症状が出て、最悪の場合は死亡することもあるのだとか。中途半端な知識での山菜採りは、避けるべきでしょう。

(文=木元康晴/登山ガイド)

表妙義縦走路の鷹戻しが通行止めに

ハシゴの老朽化による危険度が増大

妙義山・表妙義全景。中央の金洞山右端、切れ落ちた所が鷹戻し(写真=打田鍈一)

今回通行止めとなった鷹戻しの岩稜(写真=打田鍈一)

妙義山は険悪な岩稜満載で知られる岩山で、中でも表妙義縦走路の鷹戻しは最も危険な難所です。約60mの岩稜をクサリとハシゴで登降しますが、通行止めとなりました。ハシゴの老朽化による危険度が増大したためです。

白雲山側からはホッキリ、女坂に、金洞山側からは東岳を越えた所のエスケープルートに、通行止めの表示が出されます。ホッキリからは黒滝で、エスケープルートからは第四石門で中間道に出るので、表妙義縦走は当面この部分を中間道経由で行うこととなります。

女坂からは中木川に下れますが道は不詳部分があり、かつてあった国民宿舎裏妙義は閉館したため、下山後のアクセスも不便となりました。

復旧工事は現在検討中で、通行止めは当分の間ということです。

(文=打田鍈一/山歩きライター)

宮城県・金華山

東日本大震災の震源地に一番近い山の現状

太平洋の荒波に浮かぶ金華山(写真=曽根田 卓)

金華山山頂からは牡鹿半島最南端と、網地島、田代島が一望できる(写真=曽根田 卓)

5月14日、晴れ

金華山は牡鹿半島の南端に位置する島の山で、全島が天平年間の創建と言われる黄金山神社の神域として保護されてきた歴史があります。開運・金運の神として多くの参拝者が訪れる島でしたが、東日本大震災で大きな被害を受け、現在は宮城県一アプローチし難い山となっていて、境内も閑散としています。

震災から5年の歳月が経って、震源地から一番近い島の現状を見てきました。

牡鹿半島から海峡に隔てられた島なので、上陸するためには船を使わねばなりませんが、その船便が一日一往復しかなく、登山に必要な時間が取れません。年に何回かある例祭の時には船を増便しますので、その日程に合わせて登ることは可能ですが、巡航船のキャパが限られているため、早い時期に予約が必要です。

他には海上タクシーをチャーターする方法が考えられますが、鮎川港から金華山桟橋まで2往復分のチャーター料金が3万円と高額です。多くのメンバー(最大10名まで)を集めて乗船したほうがひとり当たりの運賃が安くすみます。この度は山仲間に声をかけて10名パーティとし、ひとり当たり頭割りで3000円の乗船料にて海上タクシーを利用できました(ちなみに巡航船の往復料金は2500円です)。

上陸後の島の状況ですが、黄金山神社までの車道は各所で土砂崩れが発生していて、復旧作業が行われていましたが参拝はできます。神社から沢コースを経て山頂までの登山道は整備が終わり、問題なく歩けました。

しかし東海岸の千畳敷へ下るルートは、天柱石まで整備されているだけで、それより下部は踏み跡もほとんど消失していました。

南側の二ノ御殿まで尾根を下り、廃墟のホテルへ周回するルートも整備が進んで歩ける状態です。しかし西海岸の車道に合流したところから桟橋までの区間は、津波や地震によるがけ崩れや道の崩壊箇所が随所にあり、危険なルートとなっていました。

その意味では、一般登山者は黄金山神社から山頂を往復するルートが望ましい状況です。

(文=曽根田 卓)

宮城県・後烏帽子岳

南蔵王縦走コースの東に位置する山へ

後烏帽子岳を代表する花のひとつ。シロヤシオ(写真=福井美津江)

残雪の屏風岳(写真=福井美津江)

5月15日、晴れ

みやぎ蔵王えぼしスキー場内の展望台まではロープウェイを使いました。その上の「かもしかリフト」はイベントなどがないかぎり、通常は動いておりませんのでご確認ください。

ゲレンデトップの登山口は七合目となります。後烏帽子岳山頂からは、西側に宮城県最高峰の屏風岳と南蔵王の主稜線を間近に眺めることができます。下山は前烏帽子岳を経てスキー場近くの車道へ。前烏帽子岳を過ぎてすぐショウジョウバカマに囲まれた登山道となり、次はシロヤシオが続きました。

なお、みやぎ蔵王えぼしスキー場ではシロヤシオを楽しむお祭りが開催中。ガイド付きトレッキング企画も予定されています。

(文=福井美津江)

北アルプス・蝶ヶ岳

強風下に歩いた北アルプスの展望の山

蝶ヶ岳ヒュッテのキャンプ地。テント泊の人たちは、念入りな強風対策をしていました(写真=木元康晴)

新雪を踏みながら長塀尾根を下山(写真=木元康晴)

5月3日~5日、3日曇り、4日晴れのち曇り、5日曇り時々晴れ

ゴールデンウィーク後半の3連休に、北アルプスの蝶ヶ岳に行ってきました。

初日は昼過ぎに上高地を出発。のんびり歩いて徳沢へ向かい、改築工事が済んだばかりの徳沢ロッジへ宿泊しました。

翌日は横尾まで移動し、樹林帯の急登へ。標高2200m辺りから残雪が現れましたが、森林限界を抜けて稜線に出ると、登山道上には雪はまったくありませんでした。視界は良くて槍・穂高連峰は一望できたものの、風は強烈で体が飛ばされそうになるくらい。同行者のサポートをしつつ慎重に進み、蝶ヶ岳ヒュッテを目指しました。このあと、夜半には吹雪となりました。

最終日の朝、まだ風は強かったのですが、雪は止んでいました。下山コースは長塀尾根へ。前日は多くの登山者が歩いたのでしょうが、トレースは新雪に隠されて不明瞭です。地形図とコンパスとで尾根の方向を確かめ、赤テープも探しながらルートファインディング。途中からは、我々よりも速いパーティに先行していただきました。しばらく下ると雪もなくなり、あとは普通に登山道を歩いて徳沢へと戻りました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

中央アルプス・大川入山

思いもよらない花々のプレゼント

イワウチワ(写真=原 誠一)

マイヅルソウ(写真=原 誠一)

5月15日、曇り時々晴れ

信州百名山で阿智村セブンサミットの一座「大川入山」(おおかわいりやま・1908m)に登ってきました。目的はイワウチワです。ガイドクラブのミーティングにて、最長老からこの時期は大川入山のイワウチワがいいと聞き、偵察山行を計画しました。

登山口は標高1187mの治部坂峠からです。1時間ほど歩くとイワウチワのお花畑があるはずですが、残念ながら花は終わり、実がなっていました。

ところが、お目当ての花には恵まれなかったものの、ミツバツツジやオオカメノキ、オオヤマザクラなどが満開で目を楽しませてくれました。足もとではマイヅルソウやチゴユリ、ユキザサなどがツボミをつけていました。これからしばらくの間、楽しみです。

なお、今回は頂上を踏んでから、北側にあるアララギスキー場方面に縦走するコースを選びました。すると下り始めて間もなく、満開のイワウチワの群生地が現われました。また、下山口近くではマイヅルソウも開花していました。

思いもよらない花々のプレゼントのおかげで大満足の山行となりました。

(文=原 誠一/アルプスネイチャークラブ ・登山ガイド)

尾瀬・尾瀬ヶ原

ミズバショウが早くも見ごろを迎えています

山ノ鼻「尾瀬植物研究見本園」のミズバショウ群落。奧は燧ヶ岳(写真=中村重明)

同じく「尾瀬植物研究見本園」のミズバショウとリュウキンカ。奧は至仏山(写真=中村重明)

5月14日~15日、晴れ

平年は6月上旬が見ごろとなる尾瀬ヶ原のミズバショウが今年は早くも見ごろを迎えているとの情報に接し、鳩待峠から見晴を往復する行程を歩いてきました。見晴の山小屋泊の1泊2日です。

山の鼻ビジターセンターの開館(5/16)や戸倉~鳩待峠間のマイカー規制開始(5/20、19時)よりも前で、営業を開始している山小屋もまだ一部にとどまるこの時季にもかかわらず、確かにミズバショウの群落は見事な景観を呈していました。平年の見ごろの時季よりもあまりに早かったせいか、訪れるハイカーもまだそれほど多くなく、静かな尾瀬ヶ原の美しい景観をゆっくりと楽しむことができました。

なお、本誌先週号(5月12日配信号)のレポートにもあるとおり、至仏山登山道は5月7日(土)~6月30日(木)の間、全面閉鎖となっています。

(文=中村重明)

妙義・中木川谷急沢右俣~左俣

ガイド仲間と沢登りに行きました

水を浴びながら滝を登る(写真=川﨑拓兵)

倒木を渡る(写真=川﨑拓兵)

5月9日、曇り

春の沢は小さな花も咲き、木々の新緑や芽吹きが楽しめます。滝の水も、冷たいというより、気持ちいいと感じられるほどです。

今回は右俣を遡行して尾根越しの左俣を下降しました。左俣には滝場が少なくナメ床が多めなので、緩やかに下れます。右俣と合わさってからは滝場を懸垂下降でクリアし終了です。

メンバーの中には沢デビューを果たした仲間もいました。沢登りはリスクの高い登山形態のひとつです。安全管理を優先し、熟練者と一緒に楽しみましょう。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

※沢登りは専用の用具や知識、技術が必要です。登山初心者、初級者だけで入渓することは避けてください。

三浦半島・二子山

野鳥や初夏の花など、貴重な自然を満喫

穏やかな流れを樹林が包む森戸川(写真=石丸哲也)

二子山山頂から大楠山を望む。右側は上からサイハイラン、サンコウチョウ(写真=石丸哲也)

5月14日、晴れ

三浦アルプスは神奈川県三浦半島のやや上寄りに広がる緑の丘陵地。葉山町を中心に逗子市、三浦市にもまたがっています。エリアを広げて見ると、高尾山の南側から続く多摩三浦丘陵の末端近く、その形からの別名「いるか丘陵」の尻尾の付け根の丘陵地でもあります。サンコウチョウの営巣地があることに象徴されるように、開発を免れたタブなどの常緑広葉樹林に覆われ、標高200mそこそこで市街地からも近いことから想像できない、豊かな自然環境が保たれ、ネイチャーウォッチングに親しまれています。意外に入り組んで、やせ尾根や急斜面もある地形が登山者にも興味深いことから、横浜の「みろく山の会」などが積極的に研究、今ではミニバリエーションハイキングを楽しむ登山者も多く見かけられます。

丘陵の中央を西の相模湾からほぼ東西に貫く森戸川を囲んで尾根が連なり、森戸川の北側、南側をそれぞれ北尾根、南尾根と呼ばれています。二子山は北尾根の中央部に位置し、南郷上ノ山公園からは整備された登山道で登れますが、森戸川からは一転して踏み跡に近い未整備の山道から登るようになります。森戸川沿いの道は、流れに沿っているので夏も比較的涼しいこともあり、6月15日発売の『山と溪谷』7月号で紹介することに。最新の状況をチェックするため、歩いてきました。

京急新逗子駅から住宅地を歩き、森戸川林道に入ると、すぐ樹林が広がります。森戸川に下りると、ゆったりとした流れを、うっそうとした緑のトンネルが覆っています。リョウメンシダなどのシダ類が茂ってすぐ近くの丹沢などより南国気分も漂います。この丘陵を三浦アルプスと呼ぶなら、森戸川流域は三浦の屋久島と呼びたいくらい。サンコウチョウを目的のカメラマンたちも2ヶ所で見かけましたが、その間、オオルリのさえずりが響くところで立ち止まると、思いがけずサンコウチョウが現れました。望遠レンズを持っていなかったうえ、離れた木陰で逆光という悪条件でしたが、ともかく撮影して、拡大したところ、なんとか姿がわかる程度には撮れていました。

林道終点から谷に降りるところでようやく指導標が出てきます。少し谷の中を歩いてから北尾根に取り付き、尾根道、南郷上ノ山公園からの林道に出れば二子山(上ノ山)山頂はすぐ。展望台に上れば横浜の高層ビル、横須賀市街と相模湾、三浦半島最高峰の大楠山などの展望が開けます。下山は来た道を戻って北尾根をたどり、二子山自然歩道を北上して東逗子駅へ出ました。花はエゴノキ、サルナシ、マルバウツギなど初夏の木の花をはじめ、イヌトウバナ、ナツトウダイなど草の花も。コースをはずれたところで、思いがけずサイハイランの花にも会えるなど、初夏の三浦アルプスの自然を満喫できました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

丹沢・加入道山~大室山

新緑に彩られた美しい山域

破風口上部から、加入道山の稜線と残雪の富士山を遠望する(写真=白井源三)

大室山から犬越路へ下る尾根で見つけた早咲きのシロヤシオ(写真=白井源三)

5月8日、晴れ

加入道山と大室山はブナやカエデの落葉樹が美しい山域です。今回は白石峠側から巡りました。

まず白石沢にかかる何本かの堰堤を越えます。最後の鉄製の堰堤は、1960年代の鉄鋼不況の際に鉄の需要を伸ばそうと作られたもので、いまも健在です。右岸を高巻くと滝の音が聞こえてきました。二条に落ちる白石沢の滝です。その後、U字に削られた石ころの登りから白石峠までのジグザグの急登を詰めます。峠には神奈川県高校総体予選の試登をしていたグループが寛いでいました。左に道志へ下る道を分けて登ると、新装なった避難小屋(トイレがない)が立つ加入道山に出ます。

前大室へ登ると、残雪をまとった富士山が若葉越しに遠望できました。そこから下って破風口と呼ばれるキレットを越えます。少し登ると加入道山から稜線が広がり、富士山がたたずんでいました。

登下降した急坂には階段やハシゴが据えられて歩きやすくなっていました。大室山の山頂は展望がききませんが、この日はマメ桜が満開で明るい頂きになっていました。犬越路まで一気に下り、用木沢出会い前の新緑の渓谷美に浸って至福の一日を終えました。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

丹沢・檜洞丸

シロヤシオ咲く道へ

ツツジ新道は標高1400m付近でシロヤシオが満開でした(写真=日向俊雄)

左上から時計回りに、展望園地からの富士山、檜洞丸頂上付近のツルキンバイ、犬越路付近のミツバツツジと新緑(写真=日向俊雄)

5月13日、晴れのち曇り

西丹沢の檜洞丸にシロヤシオを見に行ってきました。平日なのに新松田駅を朝いちばんに出るバスはほぼ満員です。終点の西丹沢自然教室からツツジ新道を檜洞丸に登り、犬越路を経て登山口に戻る周回コースを歩きました。

今年は開花が早く、ツツジ新道は標高1400m前後でシロヤシオが見ごろを迎えていました。しかし、檜洞丸頂上付近では未だツボミの状態で、かわりに黄色のツルキンバイが競うように咲いていました。

昼前から雲が湧き出して富士山が見えなくなり、頂上から犬越路に下る稜線からの富士山展望はお預けとなりましたが、大笄(オオコウゲ)から小笄(ココウゲ)に向かうころから登山道の両脇に満開のミツバツツジとシロヤシオが次々と現われ、陽差しも戻って赤白の競演を楽しむことができました。

(文=日向俊雄)

佐渡島・金剛山

大佐渡山脈北部に位置する、花と展望の山

頂上より金北山、国仲平野の眺望(写真=鈴木さとし)

組上より振り返って見る金剛山上部(写真=鈴木さとし)

5月16日、晴れのち曇り

島泊まりの日帰りで佐渡島の金剛山へ行ってきました。和木登山口より白瀬登山口の縦走です。

今年は佐渡島も花が早いですが、ユキワリソウ、カタクリ、シラネアオイなどがまだ咲いていました。

コース上では特に難しい所もなく、頂上からは大佐渡山脈、両津湾、国仲平野など展望は抜群です。大佐渡山脈の縦走路は風が強いことがしばしばありますが、このコースは比較的影響を受けずに登れると思います。

大野亀のトビシマカンゾウは咲き始めでした。

(文=鈴木さとし/登山ガイド)

鈴鹿・御在所岳藤内壁

素晴らしい天候と仲間に恵まれたクライミング

P2やぐらの頭から前尾根を見下ろす(写真=金丸勝実)

左が一の壁、右が中尾根バットレス(写真=金丸勝実)

5月4日~5日、晴れ時々曇り

今年はアカヤシオがたくさん花をつけました。御在所岳周辺の山はアカヤシオが多く、若葉が出る前に山肌をピンク色に染めています。この連休の御在所岳は、春の華やぎに惹かれた登山者でにぎわいました。また藤内壁も岩壁が温まり、いよいよクライミングのシーズンが始まりました。そこで今回は、関東の山仲間や入門者を迎え、藤内小屋をベースに二日間、藤内壁でクライミングを楽しみました。

初日は前尾根のマルチピッチクライミングを計画しました。深夜にはまとまった雨が降りましたが、朝には天候が回復し、風も出て日当たりの良い前尾根の岩壁はいいコンディションになりました。このマルチピッチルートは藤内で最も人気のあるルートで、P7~P2までが登攀対象になっていて、約10ピッチで登ることができます。また、ルート選択ができ、入門者から中級者までそれぞれの実力に応じて楽しめます。

今回はクライミング入門者とリード初心者が入ったので2パーティーに分かれ、それぞれのパーティーが課題をもって登攀しました。入門者がいましたが、約6時間で登攀を終了することができました。今回は藤内小屋泊ということで時間にもゆとりがあったので、山頂のレストランで名物のカレーうどんを食べて休憩し、国見岳から国見尾根で下山しました。

国見尾根はアカヤシオの花がちょうど見ごろになっていました。展望の良い尾根で、藤内壁の全容が把握でき、先ほど登った前尾根を目でトレースしながらそれぞれのピッチを確認します。また尾根には、石門、天狗岩、ゆらぎ岩などの奇岩巨石があり、時間がたつのも忘れて岩場で遊びながら下山しました。

2日目は一の壁に入り、それぞれの課題に応じたルートをこなしました。一の壁は、初級から中級までのルートが揃っていて、30~40mと距離が長く、初級ルートでも登りごたえがあります。また、中尾根バットレスとも簡単に行き来ができます。一の壁はフェイス系、バットレスはスラブ系、隣接するフランケはクラックありハングありで、多彩なクライミングが楽しめます。

一の壁の看板ルートは4ルート(5.10a程度)で、「一の壁卒業ルート」と言われています。つまり、このルートがリードできたら、クラッシックルートに挑戦してもいいというレベルだそうです。今回、関東からの山仲間が挑戦し、みごとオンサイトしました。

初級の1~3ルートでは、リードとプロテクション技術、セルフレスキュー技術を中心に、スキルアップを図りました。そしてクラック、ハング、フェイスなどの総合的な登攀技術を必要とする「宇宙遊泳」(5.10b)で最後のまとめとしました。

両日とも素晴らしい天候と山仲間に恵まれ、居心地の良い藤内小屋をベースに御在所岳のクライミングを満喫しました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

※編集部注:外岩でのクライミングは常に危険がともないます。初心者、初級者だけで安易に取り付くことは避けてください。

大台ヶ原・蒸籠嵓、千石嵓

大台ヶ原のシーズンが始まります。

大蛇嵓(だいじゃぐら)から見る蒸籠嵓(せいろぐら)。ブッシュマンは中央の岩壁(写真=金丸勝実)

千石嵓(せんごくぐら)サマーコレクション8ピッチ目の高度感のある登攀(写真=金丸勝実)

4月30日~5月1日、晴れ

大台ヶ原ドライブウェイは例年、4月下旬になると冬季閉鎖が解除されます。同時に大杉谷登山道も通行可能となり、大台ヶ原のシーズンが始まります。今年の連休前半は蒸籠嵓の「ブッシュマン」と千石嵓の「サマーコレクション」の登攀を計画しました。

蒸籠嵓は東大台に位置するので立ち入り許可は必要ありませんが、千石嵓は吉野熊野国立公園西大台利用調整地区のため、入山するには立ち入り許可を申請し、レクチャーの受講が義務化されています。立ち入り申請は事務手続きに1週間以上を要するため、天候を見極めてからでは間に合いません。今回は好天を期待して4月30日と5月1日の二日分の申請をしました。

今回はこの2ルートの登攀に備え前日から大台ヶ原に入ったのですが、寒波が入ったために29日は氷点下まで気温が下がり、駐車場周辺の樹林には霧氷ができていました。登攀日の朝は早く出発できるように、前日の夕方にレクチャーを受けておきました。天候は二日とも良好のようですが、低温傾向にあるため、初日を蒸籠嵓、少し気温の上がる二日目を千石嵓の登攀にしました。

蒸籠嵓の「ブッシュマン」は標高差が140m6ピッチのマルチピッチ・フリールートで登攀時間は約3時間。時間にゆとりがあったため、気温が上がるのを待つ間に大台ヶ原の山頂である日出ヶ岳を経由し、東大台を散策しながら蒸籠嵓に向かいました。

ブッシュマンの取り付きは、大蛇嵓の分岐付近からルンゼを25分ほど下ったところにあります。ルンゼは浮石が多いので下降には注意が必要です。ルートはしっかりとした岩壁にボルトが整備されています。ルート名に反して巧みにブッシュを避けながら、岩壁の弱点をついて、平均グレードは5.9、5ピッチ目の核心部だけが5.10cとなっています。登攀を開始した昼前には徐々に気温が上がり、いい条件で登攀を楽しむことができました。このルートはまた、対岸の大蛇嵓からよく見える位置にあるため、ハイカーからの声援が聞こえてきます。

翌日は千石嵓「サマーコレクション」の登攀です。ここは西大台に位置するため許可証が必要です。この日も天気は良好で風も収まり、気温も上がってきました。このルートのボリュームは、標高差が約280m9ピッチです。ボルトは整備されていています。グレードは5.10台で1ピッチが長く、厳しい登攀が予想されます。2パーティーで登るので登攀に6時間、アプローチと休憩を入れると約10時間の行程です。時間にゆとりを持たせるために、出発を6時にしました。

アプローチは駐車場からシオカラ谷方面へ登山道を下り、昔のトロッコ道に分岐します。ここからはバリエーションです。10分ほど進むと千石嵓が見えてくるので、谷を下っていきます。駐車場から1時間10分ほどでの取り付きに到着しました。

サマーコレクションは中間部の横断帯で、前半と後半に分けることができます。前半は5ピッチで、実質的な登攀は2ピッチ目からになります。5.10台のフェイスが4ピッチ続き、核心ピッチは2と4ピッチになると思います。ボルトが整備されているので思い切ってリードできると思います。

6ピッチ目が横断帯になり、7ピッチ目からが後半になります。7ピッチ目は水平クラックのハンドトラバースで、このルートのハイライトピッチでもあり、高度感を感じながらダイナミックなクライミングが楽しめます。

これが終わるとカンテに沿って2ピッチ登り、登攀が終了します。このカンテラインですが、谷側に体を乗り出すところがもっとも高度感を感じます。最終ピッチは歩きの部分もありますが、終了点手前にハングが待ち構えていて、最後まで楽しませてくれます。

帰路は千石尾根を約1時間登り返すと駐車場に戻ります。アプローチを含めるとボリュームのあるルートになるので、時間にゆとりを持って計画的な登攀に心がけてください。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

※編集部注:外岩でのクライミングは常に危険がともないます。初心者、初級者だけで安易に取り付くことは避けてください。

京都北山・品谷山

草木萌える陽光の森

品谷山の木漏れ日のブナ林(写真=山口敬二)

八丁川源流に広がる明るい森(写真=山口敬二)

5月5日、晴れ

豊かな自然と生態系が残る京都北山・美山・芦生がこの春、京都丹波高原国定公園に指定されました。今回訪れた品谷山(881m)もその山域に含まれ、青空の下で新緑のブナ林が素晴らしい景観を呈してくれました。

登山の起点となる佐々里峠で満開の八重桜を愛でた後、南西に延びる尾根に取り付きます。新緑の山並がのぞく気持ちのよい稜線を、途中でイワカガミの群生を楽しんだりしながら品谷山まで歩きました。木漏れ日のなかの静かなピークで一服。廃村八丁への下降地点となる品谷峠を目指したのですが、緑の美しさに目を奪われ峠を通り過ぎてしまい慌てて引き返す一幕もありました。

峠から大きなカツラの木のあるスモモ谷を下ると、昭和11年まで山村があったという廃村八丁に出ました。まるで山間に開かれた桃源郷のような場所で、出発してから2時間半。ここで昼食にしました。

後半は廃村八丁からの谷筋の森歩きが素晴らしいものでした。谷間を飾る石楠花、深緑の森に立ちはだかるトチの巨木、そして四郎五郎谷を遡上し四郎五郎峠から八丁川源流に下りると、草木萌える陽光の森に心踊ります。鳥たちがさえずり渡るこの森のなかでコーヒーを楽しみ、ダンノ峠からもと来た稜線に上がり、とても満たされた気分で佐々里峠へと戻りました。

(文=山口敬二)

六甲山・新穂高

奥摩耶にひっそりとたたずむ隠れ名山

609mピークからの眺望。「新穂高」は東側の648mと西側の609mのふたつのピークがあるが、609の方が眺望がよく、須磨アルプスから淡路島までが遠望できる(写真=根岸真理)

609mピークは岩場になっていて、ちょっとスリリングなクライミング気分が味わえる(写真=根岸真理)

5月12日、快晴

六甲山は、標高931mの「六甲最高峰」を盟主とし、東西約30km、南北約10kmに連なる山塊。山麓は神戸市をはじめ200万人以上が暮らす都市圏で、千メートル近い標高の山がこれほど市街地から近いというのは山岳国たる日本でも珍しいのではないでしょうか。すそ野のいたるところから登ることができ、近隣住民にとっては裏庭のような身近な存在。「毎日登山」は六甲山が発祥で、山歩きを日常の習慣としている方もたくさんおられます。

六甲山には幾多の山々がありますが、中にはユニークな名前の山も。摩耶山の奥に「新穂高」、すぐそばには「穂高湖」「シェール槍」もあります。初夏らしい陽光に新緑が鮮やかな五月上旬に、女性約20名で新穂高へ登ってみました。

奥まった立地ながら、明石海峡をはさんで淡路島までが遠望できる意外な眺望にみなさん感動。「都市山」とも称される六甲山の、奥深い魅力に触れた一日でした。

(文=根岸真理/山岳ライター)

岡山鳥取県境・那岐山

奈義町ふれあい登山の日なので大にぎわいでした。

寒い那岐山山頂です(写真=舩越 仁)

奈義町の横仙歌舞伎、松神座の回り舞台です(写真=舩越 仁)

4月29日、曇り

もっともポピュラーな大神岩経由のCコースを登りました。ファミリー登山も多く、にぎやかな列が続いています。八合目あたりからガスがかかり始め、あいにくの天気になりました。三角点峰が近づくと風も出てきました。寒いです。三角点峰からそそくさとUターンして下山する人もいます。私たちはもうひとつ先の頂上を経由してAコースを巡り、Bコースで下山しました。山頂付近の低木はまだ芽吹き始めで、遠望もありませんでした。

早い下山となったので、麓の神社の幟旗にひかれ、松神神社に寄り道しました。岡山県重要無形民俗文化財の横仙歌舞伎の幟だったのです。公演の日とはつゆ知らず、運よくその春公演を観劇することができました。

(文=舩越 仁/みつがしわ山の会)

徳島高知県境・三嶺

雄大なる笹原の山並みを行く

ダケモミの丘の樹林帯を過ぎると、斜面に巨岩が点在するダイナミックな風景の中に飛び出す(写真=根岸真理)

三嶺から西熊山へはなだらかな笹尾根が続き、360度の雄大な眺望が楽しめる(写真=根岸真理)

5月4日~5日、快晴

3日に剣山から入山し、避難小屋を利用して三嶺(みうね)、お亀岩まで縦走する計画で入山しましたが、3日が台風並みの大荒れで、剣山の山頂まで登ったものの、次郎笈峠への下り斜面でとてつもない強風に。5歩進んでは耐風姿勢を強いられるような状況だったため、いったん下山して、仕切り直しとしました。

翌4日に名頃登山口から三嶺、お亀岩を往復する計画に変更。4日は朝から台風一過という趣きですっきりと晴れ、萌え始めの新緑が風雨に洗われたこともあり、ひときわ鮮やか。名頃からの登山道は現在一部付け替えになっていますが、特に危険な箇所もなく、登りやすく、美しいトレイルです。

また、お亀岩ヒュッテは地元の方のご尽力もあり、とても快適に維持されている小屋。多くの登山者が泊まり合わせていましたが、みなさん和やかに、静かな山の夜を楽しんでおられました。

景色も素晴らしく、トレイルも小屋もよく整備されていて、非常に魅惑的な山域でした。

(文=根岸真理/山岳ライター)

秋田山形県境・鳥海山

青空の下、鋭峰を拝む。

新山の頂(2236m)を見上げる(写真=長山昌子)

5月8日、晴れ

先月末に開通した鳥海ブルーラインの鉾立から登りました。

残雪と夏道が交互に現われますが標高1360mからはずっと雪道です。

山桜はまだ固いツボミですが、ウグイスの初音を耳に、頭を出したばかりのショウジョウバカマのピンクが色を添え、見下ろせば日本海の白波が海岸線を縁取っています。ブナの新緑は四合目付近まで登ってきていて、雪とのコントラストがきれいです。賽の河原上部から、うっすらと新雪を重ねた鳥海山頂の鋭鋒を拝みました。

(長山昌子/山形県/よく行く山:鳥海山、東北の山)

埼玉県・鼻曲山

ウラジロの新芽やリョウメンシダが美しい山道

上はウラジロの新芽。下はリョウメンシダ(写真=三笠建次)

5月1日、晴れ

鼻曲山は毛呂山(もろやま)町にある標高447.3mの山で、山頂を踏むのは今回がはじめてです。

桂木観音からくると、滝ノ入からの山道との合流地点を過ぎて急登になります。要所にロープが張ってあるので助かりました。

一本杉峠方面への道にはちょっとした岩場がありますが、慎重に通過すれば問題ないでしょう。カイ立場から獅子ヶ滝を通って徒歩で帰宅しました。

虚空蔵尊から沢沿いにホウチャクソウやシャガが咲いていました。ヒノキの巨木林の道沿いには、新芽のウラジロが。獅子ヶ滝上部の沢のリョウメンシダの群落も木漏れ日が当たり、見事でした。

スケールは大きくはないのですが、山歩きを手ごろに楽しめるコースだと思います。

(三笠建次/埼玉県/65歳/よく行く山:自宅から日帰りできる山)

岐阜県・金華山~兎走山

ツブラジイの花が咲いて、山は黄金色に

ツブラジイの花が咲き始めた金華山(写真=中川喜久)

5月5日、晴れ

岐阜市のシンボル・金華山(329m)から東へ連なる西山(176m)、舟伏山(262m)、岩田山(270m)、兎走山(172m)を縦走してきました。

金華山の裏側、達目洞(だちぼくぼら)に車を置き、達目~東坂コースを利用し小一時間で金華山山頂へ。岐阜市の木になっているツブラジイが黄色い花を咲かせ始め、山が黄金色に変わってきていました。この花が「金華山」の名前の由来ともいわれています。

しばし山頂からの眺めを楽しんだ後、めい想の小径~鼻高コースを下り、金華山と分かれて西山へ。標識などはありませんが、ハイキングコースのように整備されていて、道に迷うことはありませんでした。

いったん山を下り、その東側に続く舟伏山、岩田山、 兎走山を縦走しましたが、一部分かりにくい分岐、登山道があったものの、深い山でもなく、おおむね方向も把握できることから、目標のコースをたどり、金華山山頂から4時間30分ほどで長良川のほとりに下山。その後は長良川沿いを約一時間歩いて駐車場まで戻りました。

この日は気温25℃超えの夏日。低山とはいえアップダウンの繰り返しで、体力的には大変きつい山行でした。

(中川喜久/岐阜県/54歳/よく行く山:日本アルプス、岐阜市近郊の山)

滋賀岐阜県境・金糞岳

滋賀県第二の高峰へ

金糞岳山頂を下ると見えてきた白倉岳(写真=小林昭生)

5月5日、晴れ

湖北に位置する滋賀県第2の高峰・金糞岳(かなくそだけ)に行ってきました。

7、8年前に白谷口から歩いたときは、登山道が一部不明瞭なところがあり、難儀したことを覚えています。今回は林道をさらに進んだところにある連状口からスタートすることにしました。ここから先はわかりやすい道なので、迷うことはありません。

小朝頭、大朝頭を越え、金糞岳の登りにさしかかると、足元にカタクリやイワウチワを見つけました。灌木のあいだにタムシバの花も咲いていました。けれども、いずれもピークを過ぎていたのが残念です。

金糞岳山頂のサークル状の広場からは展望がききませんが、白倉岳をめざして下っていくと左手に眺望が開けます。白倉岳から急速に落ち込んでいく尾根、深い谷が印象的でした。伊吹山のどっしりとした山塊も目に映りました。

帰路は岐阜県側の林道に下り、みずみずしい緑でおおわれた山々を眺めながら連状口まで戻り、4時間あまりのトレッキングは終了しました。

(小林昭生/奈良県/74歳/よく行く山:金剛、葛城山系など)

鈴鹿・銚子ヶ口

素晴らしい展望と、癒しの水辺

銚子ヶ口・東峰付近から望む鈴鹿北部の山(写真=太田正孝)

5月5日、晴れ

鈴鹿といっても山域は奥が深く、広い範囲にわたります。その中で、かねて登りたいと思っていた一座が銚子ヶ口(1077m)です。調べてみると水舟の池というのが山頂の奥にあることを知りました。

東近江市の杠葉尾(ゆずりお)から入る登山道には標識もあり、危険なところはありません。スギ林の中を延々と歩いてたどりついた銚子ヶ口は眺望がすばらしい山でした。鈴鹿主脈の山々を北から南まで最南部の山を除いて一望にできる展望台です。

山頂一帯は広い台地状で、三角点のある銚子ヶ口本峰のほか、東峰、中峰、南峰、西峰、北峰と6つのピークを踏み、その奥にある水舟の池まで行きました。奥深いところなので水舟の池までは4時間かかりました。池畔で会ったふたり連れの男性も、銚子ヶ口について調べていてこの池があることを知り、御在所岳から5時間かけてやってきたそうです。

静かな水辺で歓談しながら昼食をとり、一面に咲くハルリンドウとイワカガミの花を楽しみながら帰ってきました。

(太田正孝/愛知県/76歳/よく行く山:岐阜、長野、三重、静岡の山)

ネパール・タルプチュリ

間近に迫る8000m峰の美しさ

右ピークがタルプチュリ、左はマチャプチャレ(写真=本郷順子)

5月4日、晴れ

4月28日に日本を出発。標高820mのポカラから、雄大なアンナプルナ峰が迫る4130mのアンナプルナB.Cへトレッキングです。

優秀な現地クライミングガイド、若きポーターたちと氷河を横断しサイドモレーンを登り、ハイキャンプを設置。

5月4日未明にアタック開始。一歩一歩酸素を取り込むことを意識しながら雪稜をユマールで登り、タルプチュリ(テントピーク)5663mの頂上に立ちました。間近に迫るヒマラヤの8000m峰は息をのむ美しさです。kaze/expeditionの社会人11名全員が登頂しました。

(本郷順子/神奈川県/よく行く山:丹沢、八ヶ岳、後立山連峰など)

第四十三回

蜂が飛ぶ?不思議な音聞くドローンかな(めだかGG)

歩くのか今年も渋々残雪下り(山形山人)

熊すずより連れて行きたい広瀬すず(ブロッケンの妖怪)

運動会、山と天秤して反省(ペケまるこ)

【寸評】

一句目、めだかGGさん。今までは見られないような映像がドローンのおかげで見られるようになりましたが、でも……という歯がゆい感じが伝わってきます。

二句目、山形山人さん。この時期に滑って下りられない残雪具合はまさに「渋々」。自然に文句を言っても始まらない、とわかってはいるんですけどね。

三句目はブロッケンの妖怪さん。今週も好調ですね! 川柳らしく、上手にまとめていただきました。

四句目、「ペケマルコ」から「ペケまるこ」に改名したペケまるこさん。子どもの運動会でしょうか。天秤にかけてしまった、心の中の天使と悪魔。勝ったのは・・・もちろん山ですよね?

【段位】

めだかGGさんは「6000m級」に昇級。山形山人さんは8000m峰「ガッシャブルムI峰」に、ブロッケンの妖怪さんは「ガッシャブルムII峰」に昇段。ペケまるこさんはエベレスト「C1」から「C2」に昇段です。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

登山の「まさか」に! レスキュー費用保険で、確かな安心を。

山岳遭難が増えています。無理のない日程、万全の装備、登山届、そして「レスキュー費用保険」。まさかの捜索・救助費用にしっかり備えて、安心登山を楽しみましょう!

登山やアウトドアスポーツなど、日本国内での野外活動中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用に対して保険金をお支払いする保険です。

※海での活動は除きます

保険料、補償、加入方法を見直して、さらに充実!

※平成28年4月20日より

日本アルプス各地や八ヶ岳などの主要な登山口への便利なアクセスとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。

電車・バスなどを乗り継ぐ面倒もなく、各地に早朝に到着できることから、利用者が増え続けています。

日本山岳遺産基金賛助会員の(株)毎日企画サービスでは、今期も夏・秋を中心に毎日あるぺん号を企画・実施いたします。

登山にかかる日数やコストの軽減をお考えの方は、登山装備のひとつとして、ぜひご活用ください。

山小屋(95軒)とバスの自由な組み合わせで申し込みができるセットプランもお見逃しなく。

飯能新緑ツーデーマーチ

5月28日(土)、29日(日)に開催

飯能新緑ツーデーマーチは「緑と清流に恵まれた美しいまち飯能」を多くの人に知ってもらうことを目的に、2003年にスタートしたウォーキング大会です。両日とも5kmから30kmまでの多彩なコースが用意され、どのコースも変化に富んだ新緑の自然を楽しめます。「おもてなしの心」での接待も魅力のひとつで、地元の方とのふれあいを楽しんでみてはいかがでしょうか。当日の参加申し込み可能です。

***

日時 5月28日(土)・29日(日)

会場 飯能市役所(中央会場)ほか

問い合わせ・申込み先

飯能新緑ツーデーマーチ実行委員会事務局

TEL:042-972-6082

taiiku@city.hanno.lg.jp

http://www.city.hanno.saitama.jp/

iOSアプリ『山溪ハンディ図鑑 野に咲く花 増補改訂新版』

書籍を基にした、植物図鑑アプリ

日本の野草1200種超の写真・情報を便利に検索! 累計約16万部を誇る植物愛好家のバイブル『山溪ハンディ図鑑 野に咲く花』のアプリ版です。収録枚数2600以上を誇る美しい写真と、書籍版同様の詳しい解説を、お手持ちのiOS端末でお楽しみいただけます。さらに本アプリでは、書籍版に未掲載の約50種を追加し、最新のAPGⅢ分類体系に準拠しています。

【アプリ版ならではの主な機能・特徴】

<目玉の超アップ写真を拡大表示>「花や実や葉などのディテールをはっきり見たい」という読者の要望に応えて作られた書籍版。書籍では小さなサイズでしか見られなかった花や実の超アップ写真を大きくはっきりと見ることができます。

<分布や草丈、花の色、花期などで検索できる「絞り込み」機能>調べたい花の名前が分からないとき、花を見た場所や時期、花の色、解説文のキーワードなどから絞り込むことができます。また、テキストを全文検索することもできます。

<解説を見たい種だけを表示する「選択」機能>種のサムネイル一覧から任意の植物を選択して、選んだ種のみの写真と解説を表示させ、スムーズに比較することができます。

<自分だけのリストを作成できる「お気に入りフォルダ」>自分で作ったフォルダに植物を登録することが出来ます。観察場所ごとに分類したり、使い方は人それぞれ。

<種を新たに50種程度追加>書籍版には未掲載の、近年増えてよく見られる外来種など約50種を追加し、内容はよりいっそう充実したものになりました。

https://www.yamakei.co.jp/products/2815120317.html

発売日:2016年4月27日/基準価格:2,780円+税/発売場所:App Store/対応機種:iOS 8.1以降が動作するiPhone, iPad, iPod touch、およびwatchOS 2.0以降が動作するApple Watch。本アプリはiPhone 6s と iPhone 6s Plusの3D Touch、iPadのSlide Over、SplitViewに最適化されています。

2016年4月~5月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『マウンテンスポーツマガジン』Vol.4 トレイルラン2016SPRING 4/8 960円+税
『山と溪谷』2016年5月号 4/15 952円+税
『ときめく化石図鑑』 4/15 1,600円+税
『登山用具2016』 4/16 1,200円+税
ヤマケイ文庫『定本 山村を歩く』 4/22 950円+税
『CLIMBING joy』No.15 4/26 1,100円+税
『ワンダーフォーゲル』2016年6月号 5/10 926円+税
『富士山ブック2016』 5/14 926円+税
『山と溪谷』2016年6月号 5/14 952円+税
『おいしい雑草 摘み菜で楽しむ和食』 5/20 1,500円+税
『大きな地図で見やすいガイド 関西南部』 5/20 1,600円+税
『大きな地図で見やすいガイド 関西北部』 5/20 1,600円+税
ヤマケイ文庫『四季の摘み菜12カ月』 5/20 880円+税
ヤマケイ文庫『パイヌカジ』 5/20 880円+税
『大きな地図で見やすいガイド 八ヶ岳』 5/20 1,400円+税
『CAMP LIFE はじめてのキャンプQ&A』 5/23 880円+税


株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
勝峰富雄
編集スタッフ
佐々木惣
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦
プロデューサー
齋藤純一

©2016 All rights reserved. Yama-Kei Publishers Co., Ltd.

本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。