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山岳遭難防止術

登山ガイドが実体験から遭難防止を考える【連載16】

日没に追われるように下山した苦い経験

いよいよ11月。先月末に富士山も初冠雪し、秋が深まってきました。

さてこれから年末にかけての山歩きで注意が必要なのは、日の短さです。例えばこの号が配信される11月3日の東京の日没時刻は、16時44分。この後、日没の時刻は日を追うごとに早まって、12月上旬には、16時半には暗くなります。この時期に日帰りの山登りに出かけ、日暮れの早さに驚いて、下山を急いだ経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

私も山歩きを始めたばかりのころ、下山途中で日没を迎えて慌てふためき、怖い思いをしたことがあります。それはまだ山の知識がほとんどなかったころ、1988年の晩秋に登った、奥多摩の三頭山でのことでした。

その日は朝いちばんのバスで奥多摩駅を出発し、ドラム缶橋を渡って三頭山の頂上へ。そこから笹尾根方面に向かい、西原峠から下山地点の数馬バス停を目指しました。三頭山の頂上では曇り空だった天気は、西原峠を過ぎるころには雨に変わっていました。

当時の私の装備は貧弱で、持っていた雨具は1000円くらいで買った紺色の合羽。一緒に登った会社の同僚にいたっては合羽すらなくて、ビニール傘を持っていたのみ。しかもふたりとも履いていたのは普通の運動靴であり、雨に濡れた登山道に滑りまくって、途中で大幅に時間をロスしてしまいました。やがて周囲は、一気に暗くなってきました。早くも日没の時刻を、迎えるころでした。

しかしいくら歩いても、数馬にたどり着く気配はありません。次第に焦りと苛立ちとが胸の中に湧き上がってきたものの、なんとか歩いて下山するしか、解決の方法がないことは明らかでした。我々は、ヘッドランプを持つ、という基本的なことも知らずに山に入っていたのでした。

やがて足もとも見えにくいほどの暗さになってきて、泣きたい気分になりつつも必死に足を動かし続けます。気がつくと後ろを歩く同僚は、傘をさすのは諦めて、ずぶ濡れになりながら閉じた傘を杖代わりにして歩いていました。

そしてほんとうにこのまま、真っ暗闇に包まれてしまうのかという不安が募って、パニックに陥りそうになったその時に、ひょっこりと車道へと降り立つことができました。そこからは暗い足もとに注意をしつつ、何とか数馬バス停へ。この時はあと15分早く日没を迎えていたとしたら、身動きがとれずに遭難状態に陥っていたのではないかと思います。

日が短い時期でも暗くなる前に車道まではたどり着けるようプランニングをしましょう(写真=木元康晴)

緻密なタイムマネジメントで日没前に下山しよう

この一件で私は、山の中で暗くなることの恐ろしさを身にしみて感じました。以降は山に向かう際には、ヘッドランプは必ず持つようにしています。それは行動時間の短い、半日程度の山でも変わりません。経験を積み上げた今の自分でも、山でどのようなアクシデントに出くわすかを完璧に予測することはできないからです。

そして最近皆さんにオススメしているのは、ヘッドランプを2個持つこと。現在主流のLED式のものは、小型軽量です。2つ持ったとしても、大した負担はありません。2つあれば落としたり、壊したりしても予備を使えば済むことなので、安心です。

それと日が短い時期にもう一つ大切なのは、より緻密なタイムマネジメントをすることです。基本は行動開始時刻から日没時刻までの時間の、75%の時間で安全圏内へ下山するのが目安です。

例えば11月4日、9時30分に行動を開始するならば日没となる16時43分までの間の時間は、7時間13分。その75%は5時間25分です。行動開始時刻から計算すると、14時55分が安全圏内への下山目標時刻となります。この日没までの25%分の余り時間で、アクシデントが生じた場合に対処をし、日没後に登山道を歩くのを防ぐという考えです。実際は下山後のバスなどの時刻も考えるので、計算通りにはいかない場合も多いのですが、一応参考にしていただければと思います。

なおヘッドランプがあったとしても、暗い登山道を歩くのは大変なことです。視野が極端に限られるため、道間違いや転倒などの危険性がいっきに高まります。基本は周囲が暗闇に包まれたら、無理に行動することは避けて、ビバークしたほうが安全でしょう。したがって暗くなるのが早いこれからの季節は、最低限度のビバーク装備も必携です。

(文=木元康晴/登山ガイド)

信州の山岳遭難現場より

島崎三歩の「山岳通信」。

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信しています。

10月27日に第48号が配信され、10月11日から10月16日にかけて長野県で発生した9件の遭難事例が紹介されています。山岳遭難のリスクをリアルに伝えるものですので、今後の山行にぜひ役立ててください。

・・・

・10月11日、北アルプス涸沢岳の崖下で、23歳の男性が発見され、県警ヘリで救助されましたが、死亡が確認されました。滑落によるものと思われますが、原因は不明です。

・10月13日、79歳の男性が北アルプス前穂高岳パノラマコースを下山中に滑落。脊髄損傷などで重体の模様です。

・10月13日、73歳の男性、81歳の男性、83歳の男性による3人パーティが雨飾山から下山中に日没のため行動不能となりましたが、無事救出されました。

・10月14日、66歳の男性が、餓鬼岳から中房へ下山するパーティから離れて別のルートを下山し、行方不明となりました。現在もまだ見つかっておりません。

・10月15日、49歳の男性が戸隠牧場から入山し、高妻山に向け登山中に体調不良から行動不能となりましたが、防災ヘリで救助されました。

・10月15日、74歳の女性が奥穂高岳からザイテングラートを下山中に滑落。右足かかと骨折の重傷を負い、県警ヘリで救助されました。

・10月16日、85歳の男性が横尾から涸沢に向けて登山中に、ガラ場で浮石に乗り滑落。頭部負傷などの重傷を負い、県警ヘリで救助されました。

・10月16日、78歳の男性、39歳の女性、7歳の女児が苗場山で山頂から下山中、疲労と日没により行動不能となりました。警察、消防、志賀高原地区遭対協が捜索した結果、3人を無事発見し、救助しました。

(内容は長野県警察本部の発表時点のものです)

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下記URLより、バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。

http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

(文=週刊ヤマケイ編集部)

道東・雌阿寒岳

珍しい現象に遭遇しました

山頂付近から中マチネシリ火口と阿寒湖(写真=谷水 亨)

日暈・タンジェントアーク・幻日環の光のリング三重奏(写真=谷水 亨)

10月25日、晴れ

阿寒国立公園は、火山と湖、森と植物、アイヌ民族と伝説が織り成す自然が多くの人々を魅了しています。なかでも、一年中登山者の絶えない雌阿寒岳には登山コースが3つあり、そのひとつの野中温泉コースは片道3.3km、標高差810m。気象条件がそろえば初級者でも登れる百名山の一座です。

今回は、所属山岳会の新入会員ふたりを連れての登山でした。軽アイゼンと防寒対策は万全です。出発前には装備チェックとコースの確認を行ない、ルート上では地図読みとコンパスの使い方をチェック、そして雌阿寒岳の特徴的な地形と気象などを話しながら、3時間かけてゆっくりと登りました。

大沢を過ぎた四合目から視界が開けます。踏み固められた雪の上にうっすらと雪が積もっているため、下りでは何度か滑りました。今後も注意が必要です。

山頂は風が強く10分ほどで下山開始。すると空には見たこともないような光の輪が現われたのです。下山後、十勝地方ではニュースにもなっていた「日暈(ひがさ)」と「タンジェントアーク」と「幻日環」が同時に現われる珍しい現象でした。

日暈=太陽の回りに光る輪

タンジェントアーク=日暈の上下から伸びて虹色に輝く光の帯

幻日環=太陽を貫き天空全体に広がる光の輪(写真では太陽を貫いている輪の一部だけ撮影)

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

秋田山形県境・鳥海山

晩秋の万助小舎

ブナ低木帯に建つ万助小舎(写真=佐藤 要)

湧水が流れる水場に、ブナの落葉が吹き寄せられていた(写真=佐藤 要)

10月27日~28日、27日曇り時々晴れ、28日曇りのち雨

万助小舎は、鳥海山南西面の標高1000m、登山口から歩いて約3時間のところにあります。小舎は建設以来、半世紀を超えて地元の高校山岳部員や顧問団の努力により維持管理され、大切に使われています。

今回は一ノ滝駐車場から歩き始めました。二ノ滝渓谷右岸尾根から檜ノ沢へ横断して渡戸に着くと、ブナ林の黄葉はこの付近が盛りで、真っ赤なカエデが色を添えています。落ち葉を踏みながら万助尾根に上がり、笙ヶ岳と月山森に挟まれた細い尾根をたどり、右にトラバースすると間もなく万助小舎に着きました。

小屋が建つ万助平は、四季を通して途切れることのない湧水が流れる水場があり、下界と隔絶された登山者憩いの空間といえます。高校生が集う万助小舎を、「小屋」ではなく「小舎」と書くのは、「学び舎」を表現しているのでしょう。

かつて冬山登山のベースとして何度も使わせていただいたことを懐かしく思い出しながら小屋泊まりを楽しみ、翌朝、今も変わらない快適さに感謝して往路を下山しました。ふりかえると、雲間に雪化粧をした文珠岳が見えていました。

(文=佐藤 要/「山歩きの雑記帳」編集人)

北アルプス・立山室道~黒部ダム

晩秋の立山と紅葉ピークの黒部湖畔の森を歩く

一ノ越より室堂平を振り返る。雲海のうえの奥大日岳、大日岳を遠望する(写真=奥谷 晶)

秋色濃い立山三山。雪化粧をするのも間近い(写真=奥谷 晶)

10月24日、晴れ

紅葉の黒部下ノ廊下を歩こうと計画し、前日、室堂より黒部ダムへ入り、降雪直前の立山・室堂平、タンボ平の晩秋を楽しみました。澄みきった青空と雲海のうえにそびえる奥大日岳、大日岳をながめながら一ノ越を越えて、龍王岳をバックに東一ノ越からタンボ平へのゆるやかな登山道を下ります。黒部平から黒部湖畔に向かうと、夕日に照らされたブナの森が燃えるようなオレンジ色に輝いていました。

(文=奥谷 晶)

北アルプス・黒部下ノ廊下

黄葉と渓流、極彩色の美の感動と緊張の連続

ようやく谷間に陽が差しこむと、極彩色の黄葉に思わず声が上がる(写真=奥谷 晶)

十字峡。黒部川本流に剱沢と棒小屋沢が両側より流れ込み、十文字の奇観を呈する(写真=奥谷 晶)

10月25日、晴れのち雨

昨年は開通しなかった黒部下ノ廊下(黒部ダム~阿曽原温泉)を、今年こそはの意気込みで、天気予報と紅葉情報をにらみながら計画してきました。山の天気予報によると、25日は日本海を通過する気圧の谷の影響で、立山・剱方面は、早朝は晴れても午後から雨か雪で荒れ模様とのこと。

早朝午前4時過ぎ、ロッジくろよんをまだ真っ暗なうちに出発します。黒部ダムから内蔵助谷出合の手前までは、整備された登山道ですが、ヘッドランプをつけて慎重に通過します。気温は低く、滝のしぶきがかかる丸太の橋が凍結していて、あやうく滑りそうになりました。

ようやく谷間に日がさしかかるころ、大へつりの高巻する丸太のはしごを通過して、白竜峡の核心部へと入っていきます。ここから十字峡、S字峡へとつづく部分が、かの冠松次郎をして「最も流水の壮美な所で、その景観は、日本に比類なきもの」と言わしめたところ、黒部渓谷の白眉です。エメラルドグリーンの渓流とオレンジ色に輝く黄葉の彩りがあざやかです。沢筋を曲がるたびに予想を超えた景観に心が弾みます。

しかし、足下は数十メートルの絶壁がつづく断崖上の道です。ちょっとしたつまずきやスリップも許されないという緊張感は、想像以上に心身に疲労をもたらします。

予報よりも早く、10時ごろには十字峡の手前から雨が降り出し、すぐに本降りとなりました。冷たい、からだを冷やす雨です。稜線では吹雪いているでしょう。緊張感が続く数時間の雨中の行動は、予想以上に体力を消耗します。この日、日没後を大幅に超えて阿曽原温泉に到着したパーティーも、いくつかあったようです。

(文=奥谷 晶)

北アルプス・八方尾根

旧友と訪れた八方池

仲間のひとりは、静かに時間が流れていくなか、夢中で絵を描いていた(写真=伊藤哲哉)

星空に雲が多く流れていた。ただひとりの世界である(写真=伊藤哲哉)

10月22日~23日、曇り時々晴れ

20年近く親交のある仲間3人と八方池を訪れました。初めてトレッキングまたはハイキングをするにふさわしい場所に連れて行ってほしいという申し出もあり、八方池までの往復にしました。

初日は晴れ間もあり、白馬三山も見えたので、八方池山荘でチェックイン。昼食を済ませ、急ぎ八方池に向かいました。八方池では、曇っていましたが、きれいに三山が見えました。とても冷たい風が時々黒部側から吹いてきて、もうすぐ寒い冬がやってくることを思わせます。他の訪問者もあまりおらず、周囲の木々は、夏に訪れたときとは変わって枝だけの姿になって冬の準備を済ませています。仲間のひとりは水彩画を描くことに夢中で、もうひとりは、湧き出す雲や移りゆく山々の姿を眺め、沈思黙考し、それぞれの時間を過ごします。

4時近くになり、山荘に戻りました。山荘では、豪華な夕食に舌鼓を打ちました。また、思い出話や将来のこと、家族のこと、次に登る山を話し、楽しい時間を過ごしました。

深夜からは、私ひとりの時間です。12時前から、三山と星たちの撮影を始めました。雲が多く満天の星空ではありませんでしたが、星空を一晩中撮影することができました。モルゲンロートは残念ながら見ることはできませんでした。

翌朝、もう一度八方池に向かい午前中に下山しました。単独登山しかしない自分にとって、今回の山旅はとても楽しく、一生の思い出に残るものになりました。

(文=伊藤哲哉/『改訂新版 千葉県の山』共著者)

奥多摩・三頭山、槇寄山

幻想的な雰囲気のなかを歩きました

三頭山西峰、1525m(写真=中村重明)

槇寄山から数馬の湯に向かう途中にて(写真=中村重明)

10月30日、霧(一時霧雨)

「都民の森」から三頭山(みとうさん・1531m)を往復ないし周回するコースは何度か歩いているのですが、今回は都民の森から三頭山に登った後、尾根伝いに槇寄山(まきよせやま・1188m)まで足を伸ばし数馬の湯に下山するコースを歩いてみました。

「数馬の湯」から路線バスに乗り、「都民の森」に9時15分ごろ到着。大勢のハイカーでにぎわっていて、三頭山山頂までは所々で詰まることもあり、自分のペースでは歩けない箇所もありました。しかしその先、槇寄山方向に向かう道では登山者はぐっと減り、特に大沢山の先の都民の森への分岐を過ぎてからは全然登山者に会いませんでした(槇寄山で昼食休憩中に、後から数名のハイカーが到着しただけでした)。

霧で展望はまったくきかず、晴れていれば三頭山や槇寄山の山頂から望むことができたはずの富士山の展望も得られずじまいでしたが、霧と紅葉と色鮮やかな落ち葉で幻想的ともいえる雰囲気のなか、静かな山歩きを楽しむことができました。

気温はわずかに零度を上回る程度の寒さで、下山後に入った数馬の湯の温泉がからだに浸みました。

(文=中村重明)

神奈川県北・津久井城山

家族連れにもおすすめのコースです

鷹射場(たかうちば)のピークから、夜明け前の相模野と都心ビルを遠望(写真=白井源三)

湖畔展望園地から眼下に相模湖、津久井の街並みと南高尾山稜を望む(写真=白井源三)

10月25日、晴れ

津久井城山は、戦国時代は山城でした。平時は山麓に城主や家臣が住み、今でも根小屋などの地名が残っています。戦があれば山頂の城に立てこもり防戦します。秀吉の小田原攻めにあい落城しましたが、いまでも遺構が残っています。

東西にふたつのピークがあり、東が鷹射場で、遠くスカイツリーや横浜ランドマークタワーが望めます。西が城址であった山頂です。南山の後方に丹沢山塊のスカイラインが開けます。北側からは眼下に津久井湖を隔て、峰の薬師から延びる南高尾山稜が見下ろせます。

一般的には、津久井湖観光センター前バス停の登山口から入山します。春は桜並木がきれいなところです。下山は新旧の橋がかかる鮎釣りの名所、小倉へ下るコースがガイドブックで紹介されています。

今回は、マイカー利用で津久井湖堰堤隣の空き地に駐車(8時30分からは津久井湖観光センターの駐車場<無料>が利用可)。ふたつのピークを踏んだ後、反対側の津久井湖城山公園側へ降りて、展望広場で丹沢の山並みを眺めます。その後、パークセンターで城山城址の資料を見学、完成した山麓の湖畔展望園路から津久井湖と南高尾山稜を遠望しながら迂回して、観光センターに戻る一周コースを歩きました。短時間で登れ、遊園地もあるので家族連れのコースとしてもおすすめです。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

西丹沢・大室山、加入道山

色づき始めたブナ林と初冠雪の富士山展望

犬越路から大室山の肩へ登る山稜の標高約1400m付近から望む富士山。この日、平年より26日遅く初冠雪が観測された(写真=佐々木 亨)

大室山の肩付近のブナ林、ミズナラやカエデ類とともに色づき始め、ここ数日が紅葉のピークとなりそう(写真=佐々木 亨)

10月26日、晴れのち曇り

富士山の初冠雪が観測された10月26日、神奈川県立西丹沢自然教室を起点に用木沢出合~犬越路~大室山~加入道山~白石峠~用木沢出合と周回コースを歩いてきました。

大室山の頂上は、ブナ林に囲まれ、展望には恵まれませんが、犬越路から大室山の肩にかけての山稜では、ところどころで笹地が開け、箱根や道志の山並みとともに富士山を眺めることができます。登り進むごとに背後の視界も開け、蛭ヶ岳や檜洞丸など丹沢主稜の山々も間近に望めます。

また大室山の肩付近(標高約1400~1500m)でブナやミズナラ、カエデ類、ツツジ類がだいぶ色づいてきました。ここ数日が紅葉のピークとなりそうです。ただし、犬越路付近(標高約800~1200m)の広葉樹はやっと黄緑がかってきたところで、初夏の新緑のような装いでした。

なお用木沢、白石峠沢ともに上流部では、この夏の台風の影響が見られ、やや荒れています。登山日現在、通行できない箇所はありませんが、沢沿いの登山道では、浮き石や落石に注意が必要です。

西丹沢自然教室では、最新の登山地情報が掲示されていますので、登山届の提出と併せて出発前に確認しておくとよいでしょう。

(文=佐々木 亨/山岳ライター)

山梨県・毛無山

雪をいただいた富士山の雄姿

毛無山直下の登山道から左に河口湖、右に西湖を従えた初冠雪の富士山を仰ぐ(写真=白井源三)

太陽が真上に昇り、アクセントになった雲がかかった富士山(写真=白井源三)

10月26日、快晴

前日(10月25日)の雨で富士山に降雪を期待して、中央高速を走りました。高尾を過ぎると、車窓から山頂に雪を被った富士山が望まれました。

河口湖畔の富士河口湖町役場足和田出張所の駐車場に車を止めることができます(無料)。ここから登山口の文化洞トンネルまで歩きました。途中の西浜中学校の駐車場にも、奥に登山者用のスペースがあります。

登山口から10分ほどの登りで稜線に出て右折、松の樹林帯を急登です。トリカブトの花が終わっていた台地でひと息入れ、再び急登が続きます。昔、学童の通学路、と言われた杣道の分岐を右に分けます。樹林は落葉樹にかわり、ガサガサと落ち葉を踏みしめてひらすら急登にあえぎますが、黄色の落葉樹と秋の高い空が心地よく、歩が進みます。

長浜への分岐を過ぎ、樹林越に毛無山の稜線を見上げる平坦地から登っていくと、ススキのジグザグ道になります。ここから左に河口湖、右に西湖を見下ろす高度となり、ワンピッチで標高1500mの毛無山山頂です。遅い初冠雪をいただいた雄大な富士山の雄姿に元気をもらいました。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

鈴鹿・御在所岳

頂上の紅葉は終盤で、八合目付近の岩場が見ごろでした

キレットの下り(写真=舩越 仁)

頂上からゲレンデを下ります(写真=舩越 仁)

10月27日、晴れ

この日は私たちの山の会の10月例会です。岡山を貸切バスで早朝に出発したのですが、三重県御在所岳の登山口から歩き始めたのはちょうど11時です。登山にしては遅い出発になりますが、登りを歩き、下山にはロープウェイが使える便利な山なのです。

いくつかの登山道がありますが、景観が楽しめてもっとも変化に富んだ中道登山道を登りました。最初から急登で、それも花崗岩が深くえぐられた堀割り状の登山道です。やっと負れ岩(おばれいわ)という巨岩でひと息入れる昼食です。21名のうち8名が75歳以上という高齢者集団なので、ゆっくりペースで進みます。

最難関のキレットを過ぎても、変化に富むアルペンチックな岩場登りや岩壁トラバースが続きます。スリル満点で、息のあがる八合目あたりの紅葉がきれいでした。1等三角点の頂上台地でゆっくり展望を楽しんだ後、15分間の下山ロープウェイからも岩峰の紅葉を楽しみました。

(文=舩越 仁/みつがしわ山の会)

台高・大熊三山

錦秋の大熊川の三山(迷岳、白倉山、古ヶ丸山)をめぐる

白倉から古ヶ丸山への稜線の紅葉(写真=金丸勝実)

迷岳へ続くブナの稜線(写真=金丸勝実)

10月30日、晴れ

大台ヶ原を源流に持つ宮川は、日本で1、2位を争う清流で、台高山脈を深く刻んでいます。宮川と櫛田川に挟まれた稜線上には、登山対象となる山がいくつか点在しています。今回は、宮川の支流である、大熊谷を取り囲むように連立する迷岳、白倉山、古ヶ丸山を、それぞれのピークを踏みながら周回しました。

この三山はそれぞれ登山道が整備されていて、日帰りピストンが可能となっていますが、大台町側の八知山林道を利用すると、この三山を周回することが可能となります。実際、古ヶ丸山の登山口の案合板には、この大熊三山を周回するコースが紹介されています。

さて行程ですが、林道を利用することで時間短縮を図れるものの、周回距離は約16km、累積標高はプラス1300m、マイナス1900mとなり、かなりハードになります。秋は日照時間も短くなります。山行計画をたてるときは参加メンバーの力量などを考慮する必要があります。

林道を利用することで1時間ほどで稜線に上がれ、迷岳に向けてじょじょに高度を上げていきます。稜線はブナ、ヒメシャラ、ミズナラ、カエデなど落葉広葉樹林が続き、約1時間で迷岳山頂に到着しました。迷岳から白倉山までも同じような植生の稜線が続きます。約3時間の行程です。稜線の紅葉は見ごろでした。この間は踏み跡が不明瞭で、大熊谷の頭やいくつかの小ピークがあり、枝稜への迷い込みには注意を要します。

白倉山から古ヶ丸山の間は約1時間30分の行程ですが、やせ尾根で岩場の通過やアップダウンがあります。変化があっておもしろいのですが、注意して行動してください。アケボノツツジやカエデが多く、紅く色づいた葉がきれいでした。コウヤマキが出てくると、いよいよ最後のピークの古ヶ丸山です。展望はあまりよくありませんが、雰囲気のいい山頂です。

下山は大台町側の「からすき公園」に下ります。標高差が1000m以上あり約2時間を要し、かつ、車の回収に1時間かかります。三山を周回するときはアプローチも含めて計画してください。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

大峰・八経ヶ岳

頂上から360度の大展望を満喫

弥山から八経ヶ岳へと向かう(写真=山口敬二)

眼下に広がる頂上からの絶景(写真=山口敬二)

10月30日、晴れ

近畿最高峰の八経ヶ岳(1915m)は日本百名山ということもあって、関西では人気の高い山です。特に7月のオオヤマレンゲの時期がにぎわいますが、秋の景色も見てみたくなり、登ってきました。

ルートはもっとも一般的な行者還(ぎょうじゃがえり)トンネル西口からの最短コースです。主稜線の奥駈道までは尾根伝いルートと沢沿いルートがありますが、今回はたどったことがない沢沿いルートを登りました。

すると、私以外にこのルートを歩く人影はなく、静かな谷間の秋を独占できました。上部からは色づく尾根越にのぞく大普賢岳がとても印象的でした。しかし紅葉は稜線まであがると、ほぼ終わっています。

トウヒとシラビソの森を抜け、奥駈道を2ピッチで弥山小屋まで登ると、立ち枯れのトウヒを前景に大普賢岳の大展望が広がります。弥山小屋からは八経ヶ岳まで往復1時間ほどですが、今回は頂上直下の絶景ポイントでお弁当を広げてゆっくりしました。頂上からの360度の大展望は、奥駈道の山々や同じく百名山の大台ヶ原の日出ヶ岳、奈良の万葉の名山・二上山のかなたまで見渡せました。

復路で最後の登山口までは尾根伝いルートを選びましたが、紅葉はこちらの方が華やかでした。

(文=山口敬二)

福岡県・英彦山

山頂付近から色づき始めています

堂々たる鬼杉。周囲の杉とは種類が違うようにも思える(写真=池田浩伸)

所々に、はっとするほど美しく色づいた木がありました(写真=池田浩伸)

10月26日、曇り

曇りの予報でしたが、英彦山へでかけてみました。奉幣殿から鬼杉までは、所々に色づいた葉を見ることができます。

今回は久しぶりに鬼杉に立ち寄ってみました。同行者は鬼杉を見るのは初めてで、堂々としたその姿に驚き、「お~」と声を出し、しばらくの間じっと見上げていました。

鬼杉から南岳までは、急なガレ場が続きます。雨で濡れて滑る岩に用心しながら進むと、標高が上がるにつれてガスの白いベールのなかに色づいた葉が多くなりました。稜線に出ると頭上にも赤や黄色の紅葉を見ることができるように。南岳から中岳への移動もガスの中で、あたりの景色を見ることはできませんでしたが、黄色の葉がたくさん落ちていて登山道を飾っていました。

あいにくのお天気で展望はありませんでしたが、いつもと違う雰囲気の山を楽しみました。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

吾妻連峰・一切経山

久しぶりに寒さを感じた山歩き

家形山と五色沼(魔女の瞳)(写真=葉貫正憲)

蓬莱山南側の登山道より浄土平と吾妻小富士を望む(写真=葉貫正憲)

10月24日、曇り

平成28年10月19日より、浄土平から酸ヶ平(すがだいら)及び酸ヶ平から一切経山の間の登山道の通行止めが解除になりました。そこでこの日は浄土平から一切経山をめざします。

肌寒さはありましたが、晴れ間もあってまずまずの登山日和です。酸ヶ平が近づいてくると、道端の斜面には霜柱がびっしり。2~3cmもある大きなもので、冬が近づいていることを実感します。

分岐に近づくと強い向かい風を受けました。避難小屋で小休止した後、石ころだらけの稜線を登っていきます。風はますます強くなって、山頂に着いたときには、山頂の岩かげでひと休みせずにはいられません。意を決して五色沼へ近づき、青い火口湖「魔女の瞳」と久しぶりの再開です。ふき飛ばされそうな風の中でやっとのことでカメラをとりだし、数枚の画像に収めました。

撮影後はすぐに下山です。急ぎたい気持ちを抑えてゆっくりと下山し、避難小屋で昼食をとりました。鎌沼を一周し、蓬莱山の南側を下山。上りでは道は凍結していましたが、下りのときには融けだしていて、泥んこのなかをゆっくりと下山しました。追い風を背中に受けて、上りとはずいぶん違う歩きとなりました。総行程は3時間40分でした。

(葉貫正憲/福島県/69歳/よく行く山:会津百名山)

尾瀬・尾瀬ヶ原

冬支度の季節がはじまっています

早朝、大江湿原からながめる燧ヶ岳の雄姿(写真=三橋亜紀子)

池塘に映る雲と浮かぶヒツジグサとの色の共演(写真=三橋亜紀子)

10月19日~21日、晴れ時々曇り

晩秋の尾瀬は訪れる人もまばらで、静かで、寂しくて、落ち着きます。燧ヶ岳の容姿をいろんな角度からながめてみたくて、山を独り占めしながら歩きまわることが楽しく思えます。コースは鳩待峠~見晴(泊)~沼尻~ビジターセンター(泊)~大清水です。

池塘に映る雲と浮かぶヒツジグサとの色の共演(尾瀬ヶ原)、金色に輝く3本カラマツ(尾瀬沼)、広葉樹と針葉樹の赤・黄・緑色のパッチワーク(大清水)と、自然色のビタミンに身体が喜びます。

宿泊した長蔵小屋は、質素な造りながら清潔で温かく、さらに、自然保護運動に尽力された小屋三代の眠るお墓からは尾瀬沼が見渡せ、お墓に手を合わせながらこの地の歴史を感じました。山小屋は順次今年の営業を終え、冬支度の季節がはじまっています。

(三橋亜紀子/東京都/よく行く山:北アルプス、八ヶ岳)

北八ヶ岳・蓼科山

スケールの大きさを感じる山頂

蓼科山の山頂では長大な北アルプス全山を観ることができます(写真=山田芳生)

双子山から蓼科山(奥)を望む。山頂が広い(写真=山田芳生)

10月16日、晴れ

学生時代の山仲間と3人で蓼科山(2530m)に行ってきました。大河原峠から蓼科山~亀甲池~双子池~双子山~大河原峠と周回する、コースタイム約6時間の道です。

蓼科山の山頂では、長大な北アルプスの全山が見渡せます。山頂は広く、数え切れない岩石が平坦に重なり、その上に北アルプスが載っているようです。私なりに、スケールの大きさを感じることができました。

周回途中の双子池ではカップヌードルで昼食にしようとしましたが、先着しているパーティの方から思いがけず本物の豆腐や野菜の入った稲庭うどんをごちそうになりました。大変おいしくいただき、ありがたかったです。

(山田芳生/兵庫県/62歳/よく行く山:六甲、長野の山)

滋賀県・金勝アルプス

巨岩、奇岩連なる景色

美しい落ヶ滝(写真=小林昭生)

天狗岩と琵琶湖の向こうに見える比叡山(写真=小林昭生)

10月30日、晴れ

金勝(こんぜ)アルプスは特異な形をした巨岩、奇岩が多いところで、特に天狗岩の上から見る景色は絶景といえるでしょう。

JR草津駅からバスで30分、終点上桐生からスタートです。小1時間歩いて落ヶ滝に寄ってみました。絵に描いたようにきれいな滝です。先行者が盛んにシャターを切っていました。

登山道に戻って40分ほどで稜線に出ると展望が開けます。近江富士と呼ばれる三上山が特長ある姿を見せていました。大小の花崗岩のあいだを縫うようにアップダウンを繰り返すと、やがて展望随一の天狗岩に到着です。ひと登りで岩のてっぺんに立つことができます。琵琶湖とその向こうに連なる比叡の山並み、湖南方面の素晴らしい眺望が楽しめました。

金勝アルプスは、最高峰でも龍王山の604.7mなので低山ですが、一帯は谷あり、滝あり、岩場ありのいろんな面をみせてくれるところです。花崗岩の山なので登山道は明るく、ハイキングにはおすすめの山といえましょう。

(小林昭生/奈良県/75歳/よく行く山:金剛山系はじめ関西一円の山々)

三重県・大杉谷

紅葉がすすむ渓谷を訪ねて

神秘的な雰囲気が漂うシシ渕(写真=佐藤 稔)

突然現われた小鹿(写真=佐藤 稔)

10月21日~22日、晴れ時々うす曇り

かねてからの念願だった大杉谷へ行きました。

初日は12時スタートで17時に桃ノ木小屋着の予定なので、暗くならないうちにたどり着かなくては、と時間を気にしながらの行程でした。岩場では鎖場も多く、「毎年転落事故あり・注意」という看板もあり、慎重にゆっくりと歩きます。岩場のアップダウンはかなり厳しく、足がつりそうになりました。

それぞれの滝は水量も豊富で、見ごたえ充分。紅葉と相まって、エメラルドグリーンの流れもひときわ鮮やかでした。

翌日は、堂倉滝までは前日と同様の岩場歩きでしたが、その後の日出ヶ岳までの登りは長丁場でした。登るにつれて樹々の紅葉が濃くなり、曇り空だったものの見ごたえがありました。また、小鹿が目の前に現われたときの、きょとんとしている表情も疲れを癒してくれました。

1泊2日の行程ではゆっくり景色を堪能しながらとはいかず、時間的・体力的にもう少し余裕をもって行動したほうがよかったかもしれません。

(佐藤 稔/兵庫県/69歳/よく行く山:六甲・摩耶山)

福岡県・福智山

低山ながらも展望にすぐれた山です

北側の展望。玄界灘方面を望む。遠賀川河口、直方市街が一望(写真=星野靖彦)

南側の展望。英彦山を望む。田川地方の街並みが一望(写真=星野靖彦)

10月13日、晴れのち曇り

福智山は福岡市と北九州市の間にある低山ですが、山頂からの見晴らしは360度の展望で、北九州市街、玄界灘、遠賀川河口、直方市街などが一望できる素晴らしい山です。

今回は福智山ダムを起点とした周回コースの山歩きです。頂上付近はススキの丘になっていて、午後から風や雲が出てきましたが、風になびくススキはとても風情のある景色でした。快晴ならば、もっとはっきりとススキの白さが浮き出て見えるでしょう。低山ですが、スケールの大きな山です。

(星野靖彦/福岡県/68歳/よく行く山:九州の山)

ニュージーランド・ケプラートラック

約70kmの周回コース

残雪の上に前夜の雪も少し積もった稜線。遠くはまだ冬山の様子(写真=大久保かがり)

木洩れ日の森林歩き(写真=大久保かがり)

10月18日~23日、雨のち雪、のち快晴

ケプラートラックはフィヨルドランド国立公園にあり、グレイトウォークのひとつです。

テアナウ湖のコントロールゲートから出発して湖畔を歩き、登りにさしかかるあたりから雨が降り出しました。ここは雨の多いエリアで、やはり濡れるのを避けることはできません。緩やかですが登りが続き、岩壁に沿って進んで行くと、標高1000mあたりで森林限界を越え、ふきさらしの草地に出ました。冷たい雨の中、ラクスモア小屋に到着。大きな小屋ですが、すでに40人ほどいて、薪ストーブのまわりは混み合っていました。

翌日はもともと小屋で停滞する予定だったのですが、昼前からあられが降り出し、そのあと雪になり、強い風とともに夜まで降り続けました。

行程のほとんどが稜線歩きとなる3日目は待った甲斐があって快晴。昨晩の雪が5cmほど積もったトレイルを登り、雪渓をトラバースしていきます。ピークを回り込んで稜線に飛び出て、まだ雪が多く残る険しい峰々を望みながら2時間ほど歩きました。空気は冷たいですが、気温10℃。風はなく快適な稜線歩きです。途中、野生のオウムを見ました。ふたつ目の避難小屋を過ぎて一気に下り、シダとコケの森に戻って来て、アイリスバーン小屋に到着です。

4日目、今度は一日の行程のほとんどがコケの森歩きです。船の形のような、お城の形のような、朽ちた木に生えたコケが波のように続く森の中を5時間歩き、マナポウリ湖畔のモトゥロウ小屋に到着です。砂浜で遅くまで焚き火を楽しみました。最終日、鳥のさえずりの大合唱で目が覚めました。シダとコケの森を抜けてコントロールゲートに戻り、約70kmの周回コースが終了しました。

(大久保かがり/東京都/よく行く山:北アルプス)

ニュージーランド・ルートバーントラック

おどろおどろしくも美しい森の中を歩く

エメラルドグリーンのマッケンジー湖と小屋を見下ろす(写真=大久保かがり)

コケの森の向こうに滝が見えました。なかなか晴れません(写真=大久保かがり)

10月24日~25日、雨のち曇り

ルートバーントラックはフィヨルドランド国立公園にあり、人気のトレッキングコースです。2泊3日で縦走するのが一般的ですが、この時期はまだ雪渓が多く残り、2日目の最高地点を越えるのが危険だということで、ふたつめの小屋までのピストンに変更しました。この週までは山小屋の予約は不要で、ハイカーも多くありません。

登山口ディバイドから1時間ほど登ると、最初のハウデン小屋に着きます。しとしとと雨が降り始め、森には海藻のようなコケがぶら下がり、おどろおどろしいような、でもとてもきれいで、静かな森歩きです。

右手に落差174mのアーランド滝が見えてきましたが、雨が強くなってきて滝を見上げることができません。滝つぼがかなり近く、しぶきを浴びながら通り抜けます。

しばらく行って振り返る滝がガスの中に浮かび上がって見えました。5時間歩いて灌木の広場に出ると、湖のほとりに建つマッケンジー小屋に到着。薪ストーブが使え、濡れたものを乾かすことができました。

翌朝は青空が見え、晴れを期待して小屋から3時間ほどの最高地点ハリスサドルまで登ってみることにしました。ジグザグに登って行くと、深い緑色の湖と人形の家のような小屋が足元に見えます。右手に高い岩の壁を見ながら回り込むと、このルートのハイライトでもある長く開放的なトレイルに出ました。タソックと呼ばれる草の道はアップダウンがほとんどなく、ホリフォード渓谷を見下ろしながら2時間近く歩いてハリスサドルに到着しました。美しい池があり、ルートバーントラックのほぼ中間点にあたります。

しだいにガスが出てきて雨が降りだしました。少し休んだ後、急いで同じルートを戻ったのですが、帰りのハウデン小屋あたりで今度は急に青空が広がってきました。

(大久保かがり/東京都/よく行く山:北アルプス)

第六十七回

息切れが・・・体力それとも山予算?(あい)

日の出なら最高峰はご来光(ガンバ)

ツアー客、時間ですともう下山(にいしばG)

耐寒と、言い訳をして脂肪溜め(山形山人)

【寸評】

一句目、あいさん。体力の衰えはトレーニングでカバーできますが、予算の衰えはなかなかカバーできません。寒さに強い身体をつくって、防寒予算を削るのも危ないですしね。

二句目、ガンバさん。「山の頂上で見る日の出は最高に素晴らしいです」とのコメント付きでいただきました。あの景色を見たいから、苦しい思いをしても山に登るんですよね。

三句目、にいしばGさん。ツアーにはスケジュールがあり、また、ペースをそろえる必要もあるので、仕方ないですよね。暖かいまなざしをお願いします。

四句目、山形山人さん。この時期、お腹の肉をつまみながら、つぶやきたくなります。思わず笑ってしまいました(笑)

【段位】あいさんには「4000m」級を授与します。ガンバさんは8000m級に昇段されましたので、審査が今までより少し厳しくなりまして、「シシャパンマ」でビバーク。にいしばGさんもエベレストB.C.が目前。山形山人さんはエベレスト「C3」に到着です。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

なお、ご投稿いただいた方には1000m峰から始まる「山の川柳段位」を授与します。ふるってご応募ください。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

登山の「まさか」に! レスキュー費用保険で、確かな安心を。

山岳遭難が増えています。無理のない日程、万全の装備、登山届、そして「レスキュー費用保険」。まさかの捜索・救助費用にしっかり備えて、安心登山を楽しみましょう!

登山やアウトドアスポーツなど、日本国内での野外活動中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用に対して保険金をお支払いする保険です。

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保険料、補償、加入方法を見直して、さらに充実!

※平成28年4月20日より

日本アルプス各地や八ヶ岳などの主要な登山口への便利なアクセスとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。

電車・バスなどを乗り継ぐ面倒もなく、各地に早朝に到着できることから、利用者が増え続けています。

日本山岳遺産基金賛助会員の(株)毎日企画サービスでは、今期も夏・秋を中心に毎日あるぺん号を企画・実施いたします。

登山にかかる日数やコストの軽減をお考えの方は、登山装備のひとつとして、ぜひご活用ください。

山小屋(95軒)とバスの自由な組み合わせで申し込みができるセットプランもお見逃しなく。

日本山岳遺産基金ニュース

美しい山を次世代に。みなさまからのご寄付をお願いいたします

山の環境保全や登山道整備の費用の一部に使わせていただきます(徳本峠)

日本山岳遺産基金は、2010年に設立して以来、計20箇所(2016年10月時点)の日本山岳遺産を認定してまいりましたが、個人の方からの寄付もお預かりして、認定地で活動する団体様への助成金の一部としております。

みなさまからのご寄付は、「美しい山を次世代に」つなげていくため、登山道整備や希少植物や樹木の保護、子どもたちに向けた環境教育など、山の環境を守り、次世代に繋げていくための活動に使われます。ぜひ、みなさまのご支援とご寄付をお願いいたします。

下記の振替口座へ、最寄りのゆうちょ銀行の窓口でお振込みください。

〔ゆうちょ銀行 口座記号番号〕00130-8-451049

〔加入者名〕日本山岳遺産基金

田部井淳子さんの追悼展示会「田部井淳子 思い出の展示会~77年の軌跡~」

11月10日(木)~12月29日(木)、東京・昭島のモリパーク・アウトドアヴィレッジで開催

10月20日に亡くなられた登山家・田部井淳子さんの追悼展示会が東京・昭島のモリパーク・アウトドアヴィレッジ内のクライミングジム&ヨガスタジオ「PLAY」にて、11月10日から開催されます。

田部井さんのこれまでの活動写真やスペシャルムービー、文章や愛用品などを展示し、田部井さんの77年にわたる軌跡を思い出とともに伝える回顧展となっています。ぜひご覧ください。

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「田部井淳子 思い出の展示会~77年の軌跡~」

【期間】11月10日(木)~12月29日(木)

【開催時間】平日10:00~21:00、土日祝10:00~20:00

【休館日】毎週水曜日/11/23(水・祝)は特別営業、11/24(木)は振替休日

【入場料】無料

【場所】

クライミングジム&ヨガスタジオ「PLAY」

住所:〒196-8533 東京都昭島市田中町 610-4 MORIPARK Outdoor Village内

JR青梅線「昭島駅」北口より徒歩3分

アクセス詳細はこちら

https://www.play-tokyo.com/access.html

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田部井淳子(たべい・じゅんこ)さんプロフィール

1939(昭和14)9月22日、福島県三春町に生まれる。

1962(昭和37)昭和女子大 英米文学科卒業、社会人の山岳会に入会し、登山活動に力を注ぐ。

1969(昭和44)『女子だけで海外遠征を』を合言葉に女子登攀クラブを設立。

1975(昭和50)エベレスト日本女子登山隊 副隊長兼登攀隊長として、世界最高峰エベレスト8848m(ネパール名:サガルマータ、中国名:チョモランマ)に女性世界初の登頂に成功。

1992(平成4)女性で世界初の7大陸最高峰登頂者となる。

2000(平成12)~九州大学大学院 比較社会文化研究科 修士課程 修了(研究テーマ:エベレストのゴミ問題)。

76か国の最高峰・最高地点を登頂。

山岳環境保護団体・NPO法人日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト(略称:HAT-J)所属。

自然に親しみたい20~40代女性のための山の会MJリンク呼びかけ人。

2016(平成28)10月20日、腹膜癌のため逝去(享年77歳)

山岳写真家・志水哲也さんの講演会&スライドトークショー「森林と渓谷・日本の山の魅力を語る」

11月12日(土)秋田県・由利本荘市、11月14日(月)東京・渋谷で開催

写真集『剱』『日本の幻の滝』『黒部』や、冬の襟裳岬から厳冬の日高山脈を越えて宗谷岬をめざす壮大な山行の記録『果てしなき山稜』などで知られる山岳写真家・志水哲也さんの講演会が11月12日(土)に秋田県・由利本荘市で開催されます。

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山の日祝日制定記念講演「森林と渓谷・日本の山の魅力を語る」

日時:11月12日(土)13:30~15:00

会場:紫水館

秋田県由利本荘市鳥海町伏見字久保193

入場無料

問い合わせ先:鳥海教育学習課

TEL:0184-57-2881

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なお、11月14日(月)の夜には『果てしなき山稜』の文庫化を記念して、東京・渋谷のモンベルストアでスライドトークショーが開催されます。参加費は無料。申し込みも不要です。直接、会場へお越しください。『果てしなき山稜』掲載写真をプロジェクターで映写しながら、当時のエピソードや思い出を語ります。

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ヤマケイ文庫『果てしなき山稜』出版記念 スライドトークショー

日時:11月14日(月)19:15~20:30

会場:モンベル 渋谷店6Fサロン

東京都渋谷区宇田川町11-5 モンベル渋谷ビル

参加費:無料

予約:不要

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上記ふたつのイベント詳細は以下URLをご参照ください。

志水哲也山案内事務所ブログ

http://www3.nsknet.or.jp/~guriguri/mountainguide/blog.html

カレンダー2017美しき日本の山

ヤマケイ定番の山岳カレンダー2017年度版です

1,000点にもおよぶ作品の中から選びに選びぬいた13点の山岳写真で構成された毎年好評のヤマケイ定番山岳カレンダー2017年度版。美しく、そして四季折々の表情を見せる日本の山々が日本を代表する山岳写真家によって、渾身の作品となり、迫力のあるカレンダーに仕上がっています。

https://www.yamakei.co.jp/calendar/2816852160.html

発売日:2016年9月30日/販売価格:1,400円+税/用途:壁掛け/月めくり/サイズ:タテ300mm×ヨコ380mm

なお、山と溪谷社のカレンダー特設サイトでは「猫」「犬」「生き物」「山岳」「自然」などジャンルに分けた美しいカレンダーを紹介しております。ぜひ一度ご覧になってください。

https://www.yamakei.co.jp/calendar/

10月~11月の新刊
商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『根本達久写真集 空から見た日本の名峰』 10/4 2,500円+税
『逃げろツチノコ』 10/7 1,200円+税
『新編 山小屋主人の炉端話』 10/14 1,300円+税
『山と溪谷』11月号 10/15 952円+税
『関西ハイキング2017』 10/17 933円+税
『ときめくインコ図鑑』 10/21 880円+税
ヤマケイ文庫『あやしい探検隊 バリ島横恋慕』 10/21 600円+税
『くらべてわかる野鳥 文庫版』 10/21 880円+税
『分県登山ガイド 愛媛県の山』 10/21 1,900円+税
『児玉毅のよくわかるバックカントリースキーテクニック』DVD付 10/28 2,200円+税
『skier2017』 10/31 1,100円+税
『魔女の12ヶ月 自然を尊び、知り尽くした魔女の暮らしと知恵』 11/4 1,300円+税
『本物の学力・人間力がつく最高の子育て 尾木ママ流自然教育論』 11/4 1,200円+税
『ワンダーフォーゲル』12月号 11/10 926円+税
ヤマケイ新書『山岳名著読書ノート 山の世界を広げる名著60冊』 11/11 880円+税
『山と溪谷』12月号 11/15 952円+税
『Massif du Mont-Blanc モン・ブラン山群Ⅱ 大野崇写真集』 11/17 2,800円+税
ドキュメント『雪崩遭難』 11/18 880円+税
ヤマケイ新書『山の天気にだまされるな!』 11/18 800円+税
『山とスキー2017』 11/28 1,300円+税
『分県登山ガイド 群馬県の山』 11/30 1,900円+税


アルパインツアーサービス「日本の山 山へ行こうよ」からのお知らせ

【公開机上講習会】雪山講習会

白い雪、誰も歩いていない雪原、凍りついた樹木、木々についたエビのしっぽ、樹氷と青空、深雪など。雪山は普段の生活とはまったく違う世界となります。そして雪山にもレベルがあり、時期と山により、準備する装備が変わります。足を置く場所は雪や氷で、風が強ければ体感温度が下がります。融けた雪は水となり、風にあたると水はまたたく間に凍ります。

そんな雪山では持ち物に不備があることは危険にもつながります。しっかり準備を整えて雪山に挑戦していただくための講習会です。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2356

開催日 11月9日(水)阿波、11月24日(木)武川、12月7日(水)中島、12月22日(木)阿波、1月12日(木)武川
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 各回2,000円(雪山講習会各ツアーにお申込みの方は無料になります。当日申込みも可能)
講師 阿波徹(山岳ガイド)、武川俊二(山岳ガイド)、中島政男(国際ガイド)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集長
久保田賢次
編集スタッフ
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アートディレクター
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SSデザイン
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技術サポート
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本誌は、できるだけ正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、山行時はご自身で現地の最新情報のご確認をお願いいたします。