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信州の山岳遭難現場より

島崎三歩の「山岳通信」。

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信しています。

1月16日に第54号と55号が配信されました。54号では2016年12月18日から12月31日までの遭難事例が、55号では新年(2017年)の1月1日から1月3日にかけての遭難事例が掲載されております。

長野県の年末年始の山岳遭難発生件数は過去10年で最多の9件で、前年比5件増、死者は前年比2人増の3人でした。

遭難が、いつ、どこで発生したのかを知ることで、自分自身の遭難防止にぜひ役立ててください。

・・・

・12月25日、北アルプス西穂高岳から下山中の39歳男性がピラミッドピーク付近で滑落。右膝蓋骨骨折の重傷を負い、県警ヘリで救助しました。

・12月30日、八ヶ岳連峰赤岳で、地蔵尾根を下山中の38歳女性が滑落。右肘骨折の重傷を負い、県警ヘリで救助しました。

・1月2日、北アルプス八方尾根からスキーで滑走中の28歳男性が雪崩に巻き込まれました。県警ヘリで救助されましたが、意識不明の重体です。

・1月2日、南アルプス甲斐駒ヶ岳山頂付近で、38歳男性が滑落。多発性外傷で死亡が確認されました。

・1月3日、八ヶ岳連峰の高見石小屋付近で、58歳の男性が倒れているのが発見されました。県警ヘリで救助しましたが、低体温症による死亡が確認されました。

(内容は長野県警察本部の発表時点のものです)

・・・

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。

http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

(文=週刊ヤマケイ編集部)

北海道・チトカニウシ山

頂上につくと雲が一気に晴れるという幸運

山頂から見た北大雪と大雪山の山並み(写真=谷水 亨)

山頂から天塩岳や渚滑岳を眺める(写真=谷水 亨)

1月8日、曇り時々晴れ、トレースなし

旭川から国道39号線(上川経由)・国道273・333号線へと進み、北見峠の手前のカーブにある駐車スペースに車を停めて出発の準備をします。

朝から雪がちらつき、目指すチトカニウシ山は見えません。それでも電波搭のある950ピークをめざして林道をラッセル。しばらく平坦な尾根を歩くと、ほどよい斜面が現われました。滑走には邪魔にならない程度の間隔で、エゾマツとダケカンバの木々が立っています。そのなかを30cmほどの深雪を踏みしめながら1258mのピークまで登りました。そこから先は1445.8mの頂上めざして稜線上を登るだけです。あたりは雲におおわれ、周囲の風景はなにも見えませんが、滑走には十分な天候です。

頂上に着くと同時に、まわりの雲が一気に切れていきました。ブロッケン現象が見えたかと思えば、愛別岳・凌雲岳・黒岳・白雲岳などの大雪山系の山々や、ニセイカウシュッペなどの北大雪、北方には天塩岳や渚滑岳などが見えてきました。なんと幸運に恵まれたことでしょうか。

30分ほど写真撮影した後、頂上から滑走を開始し腰まで舞い上がるパウダースノーを満喫しなら楽しんでいると、途中何人かのバックカントリースキーヤーと出会い「ラッセルありがとうございます」と、心地よい挨拶を受けました。メンバー以外にも喜ばれるのはじつにうれしいものです。

なお、チトカニウシの由来はアイヌ語の「チ・トカン・イ・ウシ」(我ら・射る・木がある・所の意)で、狩猟の際、ここで豊猟を占って矢を放ったとされているそうです。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

南アルプス・仙丈ヶ岳

からだを持ち上げられるかのような突風

美しい曲線を描く仙丈ヶ岳カールに思わず見とれてしまう(写真=奥谷 晶)

一見穏やかな稜線。数分後には身体を持ち上げるような強風吹き荒れる危険地帯に変貌する(写真=奥谷 晶)

1月1日~3日、晴れ

1日、戸台大橋より北沢峠こもれび山荘へ。長い河原歩きの疲れを癒してくれる山荘のあたたかいもてなしや、正月用の特別メニューに感激。翌日への期待が高まりなかなか寝つけず、2日朝の出発が少し遅れてしまいました。

早朝強かった風も、大滝ノ頭をすぎ、小仙丈ヶ岳への急斜面を登るころには穏やかになり、絶好のチャンスかと期待しました。先行したパーティーはすでに仙丈ヶ岳のピークへの雪面を登り始めています。快晴の青空に美しいS字状の曲線を描く雪稜を踏みしめて行きます。

しかし変化は突然でした。風が強くなり始めたかなと思った数分後には、からだを持ち上げられるかのような突風が一気にやってきました。いったん吹き始めると、断続的にではなく、止むことなく続きます。ピッケルを打ち込んで姿勢を低くし、耐風姿勢でこらえます。午後の天気予報も風が次第に強くなるとわかっていたので、ここは無理せず、撤退を決めました。

両側がクラストした雪の斜面となっているリッジの通過は、わずかな風の弱まる間を捉えて這いつくばるように前進し、また耐風姿勢で耐えるという繰り返しで、緊張した行動を余儀なくされました。

樹林帯まで戻って、やっとひと息つくことができました。厳しい厳冬期の冬山の洗礼を浴びた形になりましたが、南アルプスの女王ともいうべき、仙丈ヶ岳の美しいカールを目に焼きつけることができて、充実した山行になりました。

(文=奥谷 晶)

山形県・山寺

山寺の背後の尾根を歩く

積雪を利用し、道なき道を登る(写真=福井美津江)

城岩七岩からの面白山方面の展望(写真=福井美津江)

1月10日、晴れ

登山スタートは山寺の北東奥の千手院から。「やまでら天台のみち」という観光コースの名勝を周回後、積雪を利用して552mピークまで上がりました。

大雪が降り始める前でしたので全行程スノーシューやワカンなどを使うことなく歩けましたが、場所により一部ヒザ上の積雪もありました。

552mピークからは尾根伝いに西へ進み、下山は山寺コミュニティセンターへ。タイムはゆっくり歩いて5時間でした。

道は雪で隠れ、赤布や目印はほとんどありません。人でにぎわう山寺の裏山で、静かな山歩きが楽しめました。

(文=福井美津江)

妙高・三田原山

快適なパウダー滑降と大展望を楽しむ

三田原山から妙高山(写真=増村多賀司)

黒姫山方面。遠くに富士山が見える(写真=増村多賀司)

1月7日、晴れ

これ以上ないという好天の日、妙高山の外輪山である三田原山に山スキーで行ってきました。

入山は杉ノ原スキー場からです。暖冬で雪が少ないといわれていますが、ここは薮も埋まりつつあり、快適なパウダー滑降を楽しみました。

稜線の雪庇は例年に比べて小さく、ほとんどありません。山頂からの展望も申し分なく、北から東にかけては燧ヶ岳や会津駒ヶ岳、越後三山まで、南には富士山や八ヶ岳、奥秩父、南アルプスなどが見えます。もちろん北アルプスも朝日岳から穂高まで全部見えました。

滑降は笹ヶ峰近くにある池ノ峰を目指します。最初はダケカンバの疎林、続いてシラビソの森やブナに変化していき、森の美しさも堪能できました。最後は笹ヶ峰への林道に合流し、スキー場へ滑り込みました。

(文=増村多賀司/写真家)

奥秩父・金峰山

快適な山小屋と凍てつく五丈石の美しさ

金峰山山頂(三角点)より西方。氷雪をまとった五丈石と南アルプス北部の銀嶺(写真=平田謙一)

金峰山小屋のみなさん、お世話になりました(右端が主人、吉木真一さん)(写真=平田謙一)

12月29日~30日、快晴

2016年を締めくくる山行は、「奥秩父で雪山入門」をテーマに金峰山(2595m)へ出かけました。コースは、この時期の最短路である北面、長野県側の廻り目平から山頂へ立ち、下山は西へ延びる稜線にとって富士見平をへて山梨県側、瑞牆山荘の建つ里宮平へ至るもの。年末年始に営業の金峰山(きんぽうさん)小屋泊で時間の余裕を確保するとともに、山上での雰囲気を満喫することも大きな目的とした2日行程です。

今シーズン、雪の降り出しは早かったものの、その後は雨降りの日などもあって積雪量は少なめです。「楽々」と思いきや、樹林帯では雨により登山道がツルツルのアイスバーンと化し、その上に薄雪がのっているという厄介なコンディション。ポジティブに考えれば、多彩な足の運びと集中力が必要とされ、絶好のアイゼン歩行トレーニングにもなります。奥秩父では北奥千丈岳周辺と並んで森林限界をなす山頂部には、それでも20cmほどの積雪があって雪山ならではの雰囲気と美しさを満喫。風は強かったものの360度の山頂パノラマを楽しんだのでした。

そして今山行の楽しみでもあった金峰山小屋でのくつろぎ。暖かく快適な室内と評判通りのおいしい食事に、お腹も心も満たされ、後ろ髪をひかれる思いで山頂へと向かったのでした。

なお、金峰山小屋の冬季営業は、1月中は週末営業のみ。その後はゴールデンウィークから営業が再開されます。1月15日現在での積雪量は、小屋の周辺で20cm程度。樹林帯のアイスバーンもその後の積雪で隠され、ずいぶんと歩きやすくなっているようです。

(文=平田謙一/むさしの山岳biz・山岳ガイド)

秩父・宝登山

ロウバイがいい香りを漂わせ始めました

宝登山への登り。車道をショートカットする登山路にて(写真=中村重明)

西ロウバイ園にて。奧に両神山(1723m)を望む(写真=中村重明)

1月15日、曇り一時小雪

この時季に毎年のように訪ねている宝登山のロウバイ園。山頂付近の西ロウバイ園はすでにかなり開花が進み、いい香りを漂わせていました。ただし、見ごろは1~2週間後かと思われます、また東ロウバイ園の見ごろは2~3週間後では、という感じでした。

ロウバイ以外では、寒桜が1本と、ミツマタが数本、花も咲いていましたが、他方、紅梅はまだ一部のツボミが膨らんでいる程度です。またロープウェイ山頂駅付近にあるフクジュソウが咲くのは、もう少し先のようでした。

(文=中村重明)

高尾・高尾山

千変万化の造形を見せてくれる氷花

繊細な造形を見せるシモバシラの氷花(写真=石丸哲也)

高尾山山頂からの丹沢山地と様々な氷花(写真=石丸哲也)

1月14日、晴れ

今年初の高尾山。前日から急激に冷え込み、シモバシラの氷花を見られそうだったので、出かけてきました。寒いせいか、高尾山口駅で下りた人はふだんより少なく、登山道も空いていました。登りは、最近、歩いていないという理由で前ノ沢沿いの6号路。さすがに早春の花はまだ影も形もありませんでしたが、ヤブツバキの紅い花、アオキの赤い実、ヤブランの藍色の実など、冬ならではの彩りもありました。

5号路に合流してほどなく、小さいながら氷花がありました。これなら、もみじ台でも見られそうです。登り着いた高尾山山頂は、東側は都心のビル群が霞んでおり、南側は富士山が雲に隠れていましたが、丹沢山地が雪で白くなった山肌を見せていました。昼食をとった後、もみじ台北側の巻き道に入ると、期待通り、あちこちに氷花がありました。氷花はシソ科のシモバシラなどの枯れた茎が地中から吸い上げ、茎から染み出す水分が凍ったものです。初めは茎の地上10~20cmほどまで凍って剣状の細長い形ですが、融けたり凍ったりを繰り返すうち、水分が高くまで上がらなくなり、丈が低い代わりに長くリボン状に伸びる姿などを見られます。そのときの気温や土中の水分にも左右されて千変万化の造形が見られます。

さらに一丁平~城山の巻き道、景信山~陣馬山と奥高尾縦走路を進めば、より標高が高く、気温も低くなるので立派な氷花が見られる可能性が高いです。しかし、今回は家を出たのが遅かったこと、まだ正月気分でもあるので、もみじ台の細田屋さんでお汁粉をいただき、のんびりして引き返しました。帰りに再び高尾山山頂に寄ったところ、雲が広がってきていましたが、遠景はくっきり見えてきていて、筑波山や東京スカイツリーを望むことができました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

千葉県・伊予ヶ岳、鋸山

温暖な低山で春を思わせる風景を楽しみました

日本寺東口から大仏広場の途中にて。紅梅とスイセン(写真=中村重明)

「東京湾を望む展望台」より、丹沢方向(写真=中村重明)

1月14日、晴れ

今シーズン最強の寒気が到来し、関東甲信越を含む各地で大雪や交通の混乱が予想されたなか、雪や寒波の影響がなさそうな千葉の低山へ行ってきました。

まずは「安房妙義」とも呼ばれている伊予ヶ岳を平群天(へぐりてん)神社から往復。約1時間半の短い行程ながら、南峰直下には短い区間(距離100m弱、標高差40m弱)に設置されたロープを頼りながら岩場の登下降となる箇所もあり、そこそこ歩きごたえがありました。また、山頂からは富山(とみさん)などの房総の山並みや東京湾の展望も得られるいい行程でした。

続いて、伊予ヶ岳から車で約30分の日本寺(にほんじ)の東門無料駐車場へ移動し、日本寺の大仏(総高31m。奈良東大寺の大仏18mを大きく上回る日本一)、地獄のぞき、百尺観音、石切場などを経て展望が素晴らしい「東京湾を望む展望台」までを往復しました。約2時間の行程です。展望台からは富士山こそ雲に隠れて望めなかったものの、東京湾、丹沢山塊、伊豆半島、先週行った伊豆大島、富山を含む房総の山々などの素晴らしい展望を楽しむことができました。

登山口までの道路脇にはスイセンや菜の花も多数咲いており、平群天神社や日本寺東門にはすでに梅も咲いていて、春を思わせる風景も楽しむことができる行程でした。

(文=中村重明)

南信州・蛇峠山

今シーズン初の雪の感触

馬の背から蛇峠山を望む(写真=原 誠一)

霧氷のアーチが続きます(写真=原 誠一)

1月14日、曇りのち晴れ

南信州にも念願の雪が積もったので、阿智セブンサミットの一座「蛇峠山(じゃとうげやま・1663m)」へスノーシューハイクに行ってきました。

治部坂高原スキー場の脇の林道の終点に車を止めると、すでに先行者のワカンのトレースができていて、おかげでしばらくの間、ツボ足で進むことができました。

馬ノ背山からはふかふかの新雪で、スノーシューが大活躍です。

山頂は、雲に巻かれ視界はありませんでしたが、今シーズン初の雪の感触を楽しむことができました。

(文=原 誠一/アルプスネイチャークラブ・登山ガイド)

鈴鹿・藤原岳

手ごろな冬山として人気の山へ

県境稜線から見る藤原岳展望丘(写真=金丸勝実)

県境稜線の樹林の残雪(写真=金丸勝実)

1月6日、曇りのち晴れ

年が明け、新たな気持ちで藤原岳に登りました。藤原岳は、春のフクジュソウで有名な山で、花の百名山として知られています。一方でこの時期は、手ごろな冬山として人気があり、週末は登山者でにぎわいます。

日本海側気候の影響を受けるこの山域は、例年1m近い積雪があり、スノーハイクや樹氷が楽しめます。今回の登山日は移動性高気圧に覆われ青空の広がる穏やかな天気に恵まれたものの、残念ながら期待した積雪はありませんでした。

ルートですが、山上での散策に時間を使いたいので、安定して歩きやすい大貝戸道で往復することにしました。登山道には雪がなく歩きやすかったのですが、八合目以上は融けた雪が凍結し、滑りやすくなっていました。

予定通り避難小屋に到着し、まずは天狗岩まで足を延ばすことにします。積雪はわずかでした。展望のいい稜線を、白く輝く白山を見ながら、天狗岩まで往復。その後、山頂のある展望丘に向かいました。

展望丘もほとんど積雪はなく夏道同然で、無雪期のコースタイムで山頂に立ちました。パノラマ展望を楽しみ、帰路につきます。

鈴鹿山系もこれからの季節は積雪が期待できそうです。日帰りで楽しめる冬山で、スノーハイクを楽しんでみませんか。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

福岡県・英彦山

氷結した滝を見に行きました

氷結し始めた四王寺の滝(写真=松本高志)

南岳の下りから中岳上宮を望む(写真=松本高志)

1月15日、曇りのち晴れ

北部九州では年末年始から穏やかな天候が続き、例年に比べて暖かい冬となっていましたが、14日に今シーズン最大の寒波が来たので、英彦山の四王寺の滝の氷結を見に行きました。

別所駐車場に着くと、すでに駐車場はほぼいっぱいでした。積雪は数cm、小雪混じりの曇り空のもと、出発です。

昨年再建400周年記念を迎えた英彦山神宮の奉幣殿でお参りして山道へ入ります。四王寺の滝は、以前は知る人ぞ知る幻の滝といわれていましたが、数年前にTVや雑誌で紹介され、いまでは冬季の英彦山の名所として多くの登山者が訪れています。この日も多くの登山者に会いましたが、滝入口分岐からほとんどの人が滝へ向かっておりました。

谷沿いの道を登り詰めて行き、滝が近くなると歓声が聞こえてきました。顔をあげると目の前の岩壁に大きなつららがビッシリとぶら下がり、壮観な光景です。つららが全盛の時に比べると見劣りがしますが、それでも見事な氷結でした。この日は今季最初の氷結のようですので、今後も冷え込みが続くとさらに成長してくるものと思われます。

写真撮影している間にも続々と登山者が登ってきました。滝を堪能した後、中岳へ向かいましたが、中岳山頂の休憩所も登山者でにぎわっておりました。この時期、囲いのある休憩所は非常に助かります。部屋の壁にぶら下がった温度計を見るとマイナス8℃を示していました。

休憩している間に雲が晴れ、青空がでてきましたので、下山は気分爽快で北西尾根を下り、駐車場へ戻りました。

(文=松本高志)

福岡県・高城山

周防灘が一望できる里山を歩いてきました

男岩と女岩が鎮座する高城山山頂(写真=長谷川守克)

龍智山山頂から眺めた苅田市街地、奥に周防灘(写真=長谷川守克)

1月15日、晴れ一時小雪

いつも自宅の庭先から眺めている、標高419mの高城山を主峰とした諌山(いさやま)、大久保山、大平山のピークが連なる高城山山地(苅田アルプス)を歩いてきました。本山の登山口は数箇所ありますが、今回は片島登山口を基点に大平山、大久保山、諌山のピークを越え、主峰の高城山に登頂後、新津登山口分岐に引き返し、おばせ里山5峰縦走路に取り付き片島登山口に戻る周回としました。

寒波襲来とのことで少し寒い空気のなか、前夜に降った雪で薄化粧をした登山口をスタートしました。しばらく林道を進むと周辺は竹林に変わり、イノシシに注意しながら先をめざすと高城山からの尾根道に出あい、数分で灌木に覆われた大平山山頂に到着しました。

一休憩後、新雪を踏みしめ高城山をめざして稜線を進み、大久保山を経て、三等三角点の設置された諌山(基準点名・三石)に到着しました。ここから眺める周防灘は海面が輝き、みごとな光景でした。

展望も味わったので、高城山をめざして歩を進めると、シンボルである男岩、女岩が鎮座する高城山山頂に到着。ここで風を避けながら昼食をとった後、新津登山口分岐に戻り、おばせ里山5峰縦走路に取り付き、多くの大木を眺めながら、冬枯れの稜線を気持ちよく歩き片島登山口に戻りました。

なお本山は地元の有志により整備されていて、道標も適所に設置され、特に危険な箇所もなく、初めて訪れる方も安心して歩ける道だと思います。

(文=長谷川守克)

谷川連峰・谷川岳

最高の登山日和でした

オキの耳からトマの耳を望む(写真=赤地和広)

トマの耳からのオキの耳(写真=赤地和広)

1月2日、晴れ

1月2日は好天、3日は荒れるという予報を見て、2日に谷川岳へ行きました。

天神平から9時半に出発。ゲレンデわきからいきなりの急登ですが、たくさんの登山者の方がいました。コースにトレースはしっかりとついていましたが、最初の人は苦労しただろうと感じるくらい、ヒザまで潜っています。

まず熊穴沢避難小屋をめざしますが、ここに行く間に嫌な難所が1箇所ありました。手がかりがほとんどない、ほぼ垂直に近い4~5mのところを降りなければなりません。避難小屋から次の目標、肩ノ小屋をめざしましたが、とにかく暑い。皆、途中でアウターを脱ぎ、私も汗ダラダラです。しかし、天狗の留まり場手前あたりから、いきなり強風が吹きだします。あわててアウターを着こみますが、バラクラバを出そうかと迷うほど顔が痛くなりました。幸い、肩ノ小屋に着いたころから、微風に変わりました。

山頂からは360度の眺望が得られ、最高の登山日和でした。

(赤地和広/千葉県/56歳/よく行く山:北アルプス南部)

丹沢・大山

連休明け、静かな雪の大山を歩きました

大山山頂から見る富士山。手前は丹沢表尾根。左から二ノ塔、三ノ塔、塔ノ岳(写真=谷上俊三)

塔ノ岳の遠望。尊仏小屋のまわりに登山者が見えた(写真=谷上俊三)

1月10日、晴れ

昨年11月24日に雪が降り、丹沢にも積雪があったので驚きましたが、その後は暖かい日が続いたため、雪はすっかりなくなりました。今年も元日から暖かく、春山のような装いの丹沢・大山でしたが、三連休の中日の8日は大雨。平野部は雨でしたが、大山の山間部では大雪に。標高1000mあたりから上ではかなり積もり、標高1252mの大山山頂では20~30cmの積雪となりました。そして連休明けの10日、この冬初めて雪の大山を歩いてきました。

朝から抜けるような青空が広がり、連休明けということで登山者も少なく、静かで美しい雪山を楽しみます。山頂からは富士山、愛鷹山、箱根の山々、その前には積雪で白い丹沢の表尾根から丹沢山、さらにその奥には南アルプスがくっきりと見えました。

この日も気温が高く、3月の陽気ということで雪がどんどんとけて登山道を流れていました。また雪が腐ってアイゼンがあまりきかないので、下りは苦労しました。

(谷上俊三/神奈川県/76歳/よく行く山:丹沢大山、丹沢表尾根ほか)

静岡県・沼津アルプス

富士山の展望を期待して歩きましたが・・・

沼津アルプスの最高峰・鷲頭山で記念写真に収まるメンバー(写真=八木茂良)

しおみち広場(徳倉山の南)から沼津市街越しに見る、寒気の影響で雲をかぶった富士山(写真=八木茂良)

1月14日、晴れ

私が参加している山の会の新年山行で沼津アルプスの一部を歩きました。コースは多比(たび)バス停~多比口峠~鷲頭山~志下山~徳倉山~横山峠です。

沼津アルプスは一番高い鷲頭山でも392mと低山ですが、峠が多く、アップダウンも激しいタフな縦走路です。特に危険な所はありませんが、やせ尾根があったり、木の根が多く出ているので注意が必要です。

この日はこの冬いちばんの寒気に包まれ、駿河湾からの海風が強烈でした。そんななか、木立が風をさえぎってくれる小広場で、幹事が大鍋で作ったシチューを味わいました。下山後は沼津港近くの魚河岸店で新年会があり、親睦を深めました。

この時期、天気がよければ雪を抱いた富士山がきれいに見られるとのことですが、当日は寒気と強風のため、残念な富士山の展望となりました。

(八木茂良/静岡県/69歳/よく行く山:東海地方の花の山、南アルプス)

三重県・錫杖ヶ岳

古くから雨乞いの霊山としても知られる山

(上)不思議な岩塊のある錫杖ヶ岳山頂、(下)経ヶ峰(左端のピーク)と錫杖ヶ岳(右端奥のピーク)(写真=中川喜久)

鈴鹿山脈と伊勢平野、中央の白い建物はシャープ亀山工場(写真=中川喜久)

1月1日、晴れ時々曇り

錫杖ヶ岳(676m)は津市(旧安芸郡芸濃町)と亀山市(旧鈴鹿郡関町)の境に位置し、それぞれの麓から登山道がありますが、今回は亀山市側の加太(かぶと)向井登山口を利用しました。同登山口は名阪国道向井ICから5分ほどの所に位置し、林道沿いには20台ほどの駐車スペースもあり、足の便はよいところです。

登山口は標高250mほどの所にあり、山頂までは約2km、200m毎に1から9まで案内板が立てられており、人も多く入っていることから、登山道を間違えることはまずありません。途中にはベンチやテラスなどが何箇所か設置されており、休憩場所に困ることもありません。

登山道のほぼ中間点にある柚之木峠(標高約400m)までは、苔むした沢沿いを上ります。この峠までは比較的なだらかな上りですが、ここからは急な尾根沿いに変わり、さらに山頂付近にはクサリ場もあります。初級者ルートといわれていますが、それなりに登山を楽しむこともできるルートでは、と思います。所要時間はゆっくり歩いて1時間10分ほどでした。

山頂からは360度の展望が楽しめます。途中の山道ではゴーゴーとうなりを上げて風が吹いているのが聞こえるのに、山頂に立てばほとんど風を感じることがないのは不思議でした。

(中川喜久/岐阜県/54歳/よく行く山:日本アルプス、岐阜市近郊の山)

京都一周トレイル

戸寺から二ノ瀬、鞍馬山へ

山里の静かな集落・静原(写真=小林昭生)

鞍馬寺本殿から遠くに比叡山を見る(写真=小林昭生)

1月7日、晴れ

京都一周トレイルの銀閣寺道から比叡山までは自分のなかで空白区間となっておりましたが、昨年12月8日に歩いたことで、南の起点・伏見稲荷大社から戸寺までつながりました。今回はこの戸寺からスタートです。

杉林のなかに入ると熊出没の注意書きがあったので、クマよけ鈴をザックにぶら下げました。小さな谷沿いの道を進むと、江文峠に出ました。ここから傾斜の緩やかな道を下れば、静原の集落です。

家々はひとかたまりになったように軒を接しています。村の中心部に静原神社と公園があり、きれいに清掃されていました。地域の結びつきが強いように思われました。

集落に続く道を抜け、薬王坂の急坂を越えるとまもなく鞍馬寺です。山門から鞍馬山に鎮座する本殿までは1km。傾斜のきつい坂道と石段が最後まで続きます。ひと汗かいたあとで本殿前の広場の先端に進むと、遠くに比叡山を見ることができました。

山門まで戻り、二ノ瀬に向かって2.2km、その大半は車の往来する鞍馬街道を歩きますが、単調でおもしろみはありません。次回は二ノ瀬からのスタートです。

(小林昭生/奈良県/75歳/よく行く山:金剛山系はじめ関西一円の山々)

大阪府・岩湧山

山に携わる方々のご尽力に感謝

このススキの丘を登ると山頂です(写真=伊東明美)

山頂で憩う登山者たち(写真=伊東明美)

1月7日、晴れ

ダイヤモンド・トレイル(通称ダイトレ)は、奈良県、大阪府、和歌山県にわたる45kmのロングトレイルです。主なピークには二上山、大和葛城山、金剛山、岩湧山、槇尾山がありますが、その内の一座・岩湧山(897m)を歩いてきました。

今回歩いた滝畑ダムバス停から紀見峠駅までの登山道のほとんどは杉の樹林におおわれていますが、山頂とその前後だけがススキの原になっています。青空の下で揺れるススキの草原は胸がすくような別天地です。

ダイトレの山並みを初め、あべのハルカス、大阪湾から遠く淡路島まで望むことができる山頂は絶好のランチスポットでした。

ススキやヨシなどの茅(萱)は、茅葺屋根の材料、家畜の食糧、田畑の肥料として栽培されてきましたが、時代とともにその需要は減り、現在は主に景観の維持や生物の多様性を目的に日本各地で守られているようです。岩湧山でも2、3月に野焼きをして森林化を防いでいるらしく、その保存に携わる方々のご尽力に感謝の思いが湧く山でした。

(伊東明美/東京都/よく行く山:関東甲信越の山、日本百名山)

六甲・六甲山最高峰

今年初めての山登りでお灸をすえられました

最高峰の標高は阪神淡路大震災で0.12m隆起し931.25mだそうです(写真=山田芳生)

山頂近くは霧氷が美しく輝いていました(写真=山田芳生)

1月14日、曇り時々雪

全国的に寒波が到来し、六甲山系も白く雪をまといました。いてもたってもいられず、芦屋のロックガーデンから一軒茶屋、最高峰をピストンして魚屋道を有馬温泉まで歩きました。歩きやすくて、よく知られた道です。

この日は思ったよりも多くの方が登っておられ、70歳前後と思われる集団や、小学生が多数のボーイスカウトの一団、またマウンテンバイクのグループなど、樹木に積もった雪のトンネルや白い絨毯の道をそれぞれのペースで登下降されていました。

六甲最高峰はもっとも数多く訪れている場所ですが、今回初めて気づいたことがあります。標高が22年前の阪神淡路大震災で0.12m隆起し、931.25mになったことが山頂近くの説明板に書いてあったことです。いままで見落としていました。

雪はまだ降り積もったばかりで、凍結しているところは少なく、危険はあまり感じませんでした。ところが、アイゼンは不要かと思ったとたんに滑ってしまい、思いっきりびてい骨を打ちました。それからすぐにアイゼンを付けたことはいうまでもありません。

今年初めての山登りでお灸をすえられましたので、今後安全に登ることを第一に、今年も楽しもうと思います。

(山田芳生/兵庫県/62歳/よく行く山:六甲、長野の山)

ネパール・アンナプルナサーキット後半

5400mの峠、トロンパスを越えて

到着を歓迎してくれるたくさんのタルチョに覆われた5416mのボード(写真=大久保かがり)

ムクティナートから古い村ジャルコットを抜けてジョモソンへ下る谷(写真=大久保かがり)

12月16日~22日、快晴

アンナプルナ山群を一周するアンナプルナサーキットをベシサハールから歩き始め、7日目にティリチョ湖に寄ったあとは再びマルシャンディ川を遡っていきます。今まで行く手に見えていたアンナプルナの山並みが左手に、そして後ろへと見えるようになってきました。8日目はチュリレダーに、9日目は4800mのトロンハイキャンプに泊まりました。この日は珍しく朝から雲が多く、強い向かい風で短い距離なのにとても疲れたし、翌日のトロンパス越えが少し不安になりました。

10日目、朝5時に出発。月明かりのした、風は弱く雲もありませんが、気温はマイナス10℃。足の先が冷たく痛いぐらいです。1時間ほどして空が白んできました。5000mを越えて息は切れますが、思ったほど辛くなく順調に登っていきます。

7時20分、ついにトロンパス5416mに到着しました! 「Congratulation」というボードとたくさんのタルチョ(旗)が朝日に輝いています。空の色は濃く、峠を囲むヤクワカン峰に当たる朝日がまぶしく、そして暖かい。

ムクティナートまで1600m、ムスタンへ続く茶色い岩肌が広がる谷を一気に下り、ロッジではこの日一緒に登頂(峠)した人たちと喜びをわかちあいながら、楽しく夕食の時間を過ごしました。

翌日は休息を兼ねてカグベニまで4時間歩き、12日目はカリガンダキの広い河原をゆっくり歩きながらトゥクチェまで24km。13日目はダナまで29km歩きます。左手のニルギリ山群はどんどん形を変え、遠くに見えていたダウラギリも頭の上に近づいてきました。

最終日、谷が狭くなり、行き交うジープも増え始めたころタトパニに到着し、さっそく温泉に入りました。さらに西へと向かうため、サーキットはタトパニで終了です。14日間、230kmを越える長いトレッキングでした。

(大久保かがり/東京都/よく行く山:北アルプス)

第七十七回

バーゲンでポチったダウン、そっと着る(貧乏神)

ボルダリング、スタート点で落っこちる(にいしばG)

【寸評】

一句目、初投稿の貧乏神さん。わかります! バーゲンで安く買えたので幸運なのですが、なぜか「もったいない」と思って着られなくなるんですよね。

二句目、にいしばGさん。これもわかります。情けないったらありゃしないのですが、それもまた人生、と自分に言い聞かせてます(笑)

【段位】貧乏神さんには「1000m級」を授与します。にいしばGさんはエベレスト「C2」を出発し、「C3」へ向かいます。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

なお、ご投稿いただいた方には1000m峰から始まる「山の川柳段位」を授与します。ふるってご応募ください。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

登山の「まさか」に! レスキュー費用保険で、確かな安心を。

山岳遭難が増えています。無理のない日程、万全の装備、登山届、そして「レスキュー費用保険」。まさかの捜索・救助費用にしっかり備えて、安心登山を楽しみましょう!

登山やアウトドアスポーツなど、日本国内での野外活動中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用に対して保険金をお支払いする保険です。

※海での活動は除きます

保険料、補償、加入方法を見直して、さらに充実!

※平成28年4月20日より

日本アルプス各地や八ヶ岳などの主要な登山口への便利なアクセスとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。

電車・バスなどを乗り継ぐ面倒がなく登山口に到着できることから、夏・秋の登山シーズンにはたくさんの登山者にご利用いただいております。

日本山岳遺産基金賛助会員の(株)毎日企画サービスでは、今期も、厳冬期に雪山登山をご計画の方に向けて、「冬山登山バス」をご用意しました。

登山にかかる日数やコストの軽減をお考えの方は、登山装備のひとつとして、ぜひご活用ください。

なお、冬山登山は到底無理とお考えの方には、山カフェ女子プランをはじめ、安全に、楽に雪道歩きが楽しめるプランもご用意しました。

山小屋とのセット割引など、電子パンフレットでチェックしていただき、無理のないスケジュールで冬の山旅をお楽しみください。

2月25日、「日本山岳遺産サミット」を開催します

特別講演は「山でのクマとの新しいつきあい方」

日本山岳遺産基金では、未来に残したい日本の豊かな自然環境や、人と自然の関わりを有する山岳地域を「日本山岳遺産」として認定し、環境保全活動や次世代育成活動を行っている団体に対して助成を行なっています。

2月25日(土)に開催する「日本山岳遺産サミット」では、2016年度の日本山岳遺産認定地および認定団体(本年度は美瑛富士・北海道/山のトイレを考える会、嘉穂アルプス・福岡県/嘉穂三山愛会)を発表し、認定団体の方々から活動状況のご報告をいただきます。

また本年は、クマの行動研究の第一人者、東京農業大学教授の山崎晃司先生をお迎えし、今年ニュースをにぎわせたクマをテーマに「山でのクマとの新しいつきあい方」と題した特別講演を行ないます。

開催概要は下記の通りです。参加希望の方は、HPから申し込みフォームに進み必要事項をご入力ください。みなさまのご参加をお待ちしております。

講演会『ブータンの山岳民族ブロクパ ドルジ・ノルブさんによるお話の会』

1月21日(土)、東京・江東区で開催

女神が宿る聖山ジョモ・クンカルで、祈りをささげる山岳民族ブロクパの人々(撮影=小林尚礼)

ヒマラヤやチベットの自然や文化について発信する集い、カワカブ会主催の講演会が今週末に開催されます。

今回の話者はブータン人のドルジ・ノルブさん(28歳)。気鋭の日本語ガイドです。日本語のブラッシュアップのために来日されました。2年前にカワカブ会でブータン東部の山々をトレッキングしたとき、ガイドをしてくれたのが山岳民族ブロクパのドルジさんでした。その気持ちのこもったガイドぶりに接して、「こんな優秀な日本語ガイドがいたのか」と誰もが驚いたものです。

そのドルジさんに、彼の故郷のメラ・サクテン地方のことや、山岳民族ブロクパのこと、そして家族や小さいころの思い出などを日本語で語っていただきます。ブータンの山岳民族のことを日本語で直接聞ける貴重な機会ですので、興味のある方はぜひご参加ください。

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講演会『ブータンの山岳民族ブロクパ ドルジ・ノルブさんによるお話の会』

日時:1月21日(土)10:00~12:00(開場9:30)

会場:総合区民センター(第5会議室)(東京都江東区大島4-5-1)

話者:ドルジ・ノルブさん(ブータン東部・メラ村出身、28才)

会費:1000円(学生500円)

主催:カワカブ会

※予約不要ですが、資料準備のため参加人数をお知らせください

『復刻・穂高岳の岩場』

幻のクライミングガイドブックを復刻!

「この本は、これから穂高岳の岩場を登ろうとする人や、すでに何本か登っているが、より広く、より深く知りたいというクライマーのために作られたものです」。こんな素敵な文章が巻頭を飾る『穂高岳の岩場』は1979年に山と溪谷社から刊行されました。長らく入手不可能になっておりましたが、このたび復刻版として刊行いたします。収録ルートは滝谷、奥又白、涸沢、屏風岩、岳沢など34ルートです。

なお、本書は『穂高岳の岩場』1979年3月1日初版第1刷をもとに、復刻したものです。歴史的資料として復刻したものであり、ガイドブックではありません。掲載されているクライミングルートの状況は当時のもので、現在はまったく状況が異なるか、ルートそのものが消失している場合もあります。

https://www.yamakei.co.jp/products/2816180470.html

著者:武藤 昭/発売日:2017年2月17日/販売価格:4,600円+税/ページ数:194ページ/判型:B5変形判/ISBN:978-4-635-18047-4

2017年1月の新刊

商品名 発売日 販売価格(本体価格)
『ワンダーフォーゲル』2017年2月号 1/10 926円+税
『糞土思想が地球を救う 葉っぱのぐそをはじめよう』 1/13 1,400円+税
『山怪 弐』 1/19 1,200円+税
『いまから始める山スキー入門』 1/20 1,900円+税
『ときめく文房具図鑑』 1/20 1,500円+税
『岩と雪 Best Selection』 1/20 2,800円+税
ヤマケイ文庫『生と死のミニャ・コンガ』 1/20 950円+税
ヤマケイ文庫『時代別 京都を歩く』 1/20 880円+税


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