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ぐんま県境稜線トレイル(仮称)推進シンポジウム

3月18日(土)群馬県庁にて開催

谷川連峰に端を発し、新潟県境、長野県境をかすめて嬬恋村の四阿山に至る、夢のような100kmのトレイル。一部未開通区間もあるため、群馬県が平成30年度の開通をめざして取り組んでいます。今回のシンポジウムでは、その魅力と未来について語られます

谷川連峰から新潟県境を白砂山へ、さらに長野県境を志賀高原から草津白根山をかすめて南下し、四阿山へと続く「日本の背骨」。その長大な稜線上に一本のトレイルを描く「ぐんま県境稜線トレイル(仮称)」プロジェクト。「山登りはジャーニー(旅)」と語る女優・工藤夕貴氏とトレイルの地元で山登りを通じた地域振興に関わる方々がその未来を語ります。ロングトレイルに興味のある方は、ぜひご参加ください。

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●日時:3月18日(土)11:00~16:00

●会場:群馬県庁1階 県民ホール

前橋市大手町1-1-1

●内容:

1)13:00~14:10 講演「山旅の魅力~ぐんま県境稜線トレイルの楽しみ方」

講師:工藤夕貴

1989年、映画『ミステリー・トレイン』出演を契機に、米映画界に進出。91年『戦争と青春』にて日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。以降、カンヌ映画祭など世界各国の映画祭出展作品に出演。近作では、湊かなえ原作NHK BSプレミアム『山女日記』にて主演の登山ガイド、立花柚月役を務めた。また、自らの登山好きがきっかけとなり現在、NHK BS1にて毎週土曜日放送中の『実践!にっぽん百名山』、『Let's!クライミング』のメインMCとしても活躍中

2)14:20~15:40 パネルディスカッション「ぐんま県境稜線トレイルを活用した地域活性化」

パネリスト:工藤夕貴氏(女優)/久保英弘氏(スノーカントリートレイル実行委員会委員長)/木村正臣氏(野反湖うらやまガイド・六合山岳会副会長)/湯田六男氏(一般財団法人自然公園財団草津支部所長)/下谷 通氏(浅間山北麓ジオパーク公認ガイド)

コーディネーター:久保田賢次(ヤマケイ登山総合研究所長)

3)11:00~16:00 展示コーナー(観光PR・山岳写真展示・登山グッズ展示など)

●講演・パネルディスカッション参加方法

募集定員:300人(参加費無料・先着順)※展示コーナーは参加自由

応募方法:①郵便番号 ②住所 ③氏名 ④年齢 ⑤電話番号 ⑥参加人数を明記の上、はがき、FAXまたはE-mailにてお申し込みください。

はがき/〒371-8666(住所不要)上毛新聞社営業局企画部内「ぐんま県境稜線トレイル推進シンポジウム事務局」宛

FAX/027-254-9904

E-mail/kikaku-sanka@raijin.com

●主催:群馬県

●共催:群馬県山岳団体連絡協議会

●お問合せ先:上毛新聞社営業局企画部内「ぐんま県境稜線トレイル推進シンポジウム事務局」

TEL:027-254-9945(土・日・祝日を除く9:00~18:00)

http://www.pref.gunma.jp/houdou/av0200087.html

今週末の「山のワンポイント天気」

ウェブサイト「山の天気予報」を運営し、メールでの天気予報配信も行なっている株式会社ヤマテンの気象予報士、河野卓朗さんによる解説です。今週末の山行に役立ててください。

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先日、飯綱山でスノーシューハイキングに行ってきました。急遽、代役の講師を務めさせていただきましたが、ハイキング当日は冬型が緩んで次第に高気圧に覆われていく様子が見られ、天気の勉強をするには格好の天気となりました。山頂からダイナミックに見える北アルプスでは、主稜線の南北の天気の違いが明瞭でした。北部では雲がかかっていても、南部ほど雲が少なくなっていく様子からは、風と地形が天気に及ぼす影響がわかり、参加者の皆さんにとってはもちろん、私自身にとっても非常にいい勉強の機会となりました。

さて、今週末の天気ですが、25日(土)は弱い冬型の気圧配置となり、北日本や東日本の日本海側では雪が降りやすい天気となる見込みです。26日(日)は冬型が緩むため、日本海側も含めて一旦天気が回復に向かう見込みですが、南西諸島付近に低気圧が発生するため、次第に西日本の太平洋側の山岳から天気が下り坂になりそうです。

3月27日(月)は新潟・角田山での空見ハイキングを予定しています。カタクリや雪割草の大群落が見ごろの時期です。花と雲を愛でながら楽しく歩きましょう! 講師はヤマテン代表の猪熊です。ツアーの詳細についてはこちら、お問い合わせはこちらです。

また、2017年度上期の空見ハイキングの日程が決定しました。こちらをご覧ください。

(文責=河野卓朗)

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「山の天気予報」(月額324円)

コーヒー1杯分のご利用料金で、全国18山域の山頂天気予報や大荒れ情報、予想天気図、ライブカメラ、雨雲レーダー、観天望気講座などが1ヶ月使い放題。メールでの天気予報配信登録もおこなえます。サービスの詳細やご登録方法につきましては、下記URLでご確認ください。

https://i.yamatenki.co.jp/

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『山の天気にだまされるな!』

ヤマテンの猪熊隆之さんの著書『山の天気にだまされるな!』が好評です。一般の天気予報だけでは防げない気象リスクについて解説。猪熊さん自身が生徒を連れて登る「お天気ハイキング教室」の具体例などもとりいれて、わかりやすく解説しております。ぜひ一度、手にとってみてください。

https://www.yamakei.co.jp/products/2815510190.html

山岳遭難防止術

登山ガイドが実体験から遭難防止を考える【連載24】

解りやすさが正しいとは限らない

近ごろは登りたい山の情報の入手先は基本はネット、という人が大半ではないでしょうか? 少し前に知り合った、登山歴数年という人とお話したときもその人は、

「行ってみたいルートが見つかったら、ネットで調べまくります!」

と口にしていました。それを聞いて、今はそんなものなのだろうなと思う反面、不安な思いも感じました。なぜならばネットで目にする登山の情報には、あまり正しいとは思えないものがけっこう多い、というのが私の実感だからです。

とは言っても決して間違ったものばかり、ということではなく、中にはとても良いものも存在します。しかし検索上位に表示されるものの内容に、疑問を感じることは少なくありません。

その理由は、Googleなどの検索エンジンの特性によるのでしょう。

検索エンジンは、気を引くようなタイトルが付けられた、閲覧者を多く集めるページを上位表示する傾向があると考えられます。そして閲覧者を多く集めるのは、解りやすい言葉、親しみやすい耳に優しい言葉でまとめられているページがほとんどです。

けれども解りやすさや親しみやすさと、内容の正しさが一致するとは限りません。中には間違ったことを、解りやすく解説しているページもあるため、危険ですらある、といえるでしょう。

近ごろは本当に、解りやすさというのがとても重要視されていて、私も仕事で講習や取材に出向くと、

「この山のルートの内容と魅力を、一言でわかりやすく説明してください」

とか、

「膝が痛くならない歩き方を、簡潔に教えてください」

と求められたりすることが多いのですが、そういったことを簡単に説明するには無理があります。必要なことをもれなく、また誤解もないように説明するとしたら相応に長くなりますし、最低限度の専門用語も必要になってきます。山の知識が乏しい方には難しいかもしれませんが、ある程度は勉強して、理解する努力をしていただきたいと思うのです。

じっくり読みたいガイドブック。最近は電子書籍版も増えて利用しやすくなりました(写真=木元康晴)

ガイドブックも活用しよう

またネットでは、様々なレベルの人が、独自の視点や考え方で情報発信できます。そのことがネットの魅力であり、多くの皆さんが登った山のレポートなどを発信するのはとても良いことだと思います。

ただしそれによって、情報の質に大きな差が生じているのも実情です。たとえ間違ってはいなくても、初級レベルの登山者の印象中心の山行レポートなどは、参考にするには極めて心許ないものです。

したがって情報を求める側が情報の質の差を意識し、選別していくことが大切です。もし心許ない情報を頼りにしたことが原因で、実際の行動時に何かアクシデントがあったとしたら、怪我をしたり命を落としたりする危険性がつきまとうのが登山です。より慎重な姿勢で情報収集を心掛けるべきでしょう

ではどうするのがよいかといえば、上にあげた知人のように、ネットで「調べまくる」というのもひとつの方法ではあるでしょう。同じ山、同じルートの情報も検索上位だけでなく、数多くのものを見れば、その平均的な内容から、比較的正確な山の概要が見えてくることは期待できると思います。

けれどもそれ以上にお勧めしたいのは、ガイドブックを購入し、読み込むことです。

書店に並ぶガイドブックを書くことができるのは、誰でも、というわけにはいかず、相応の登山経験と見識とを持ち合わせた人に限られます。しかも書いたものがそのまま掲載されるのではなく、必ず複数の編集者によるチェックが入ります。記載内容はネットよりも、信頼性の高いものに仕上がっていると言えるでしょう。

ただしこれもよくいわれることですが、ガイドブックはどうしても情報が古いものになる、という弱点があります。こればかりは、ブログやSNSなどの即時性のあるネット情報にはかないません。

したがって理想は、両方の長所を活用することです。興味のあるルートを調べるときは、各種ネット情報で最新の状況を確認しつつ、同時にガイドブックを読み込むと、より正確な山の概要を知ることができるでしょう。

この『週刊ヤマケイ』も、最新の山の情報を知ることのできるとても有効なネットメディアです。ぜひ有効に活用してくださいね。

(文=木元康晴/登山ガイド)

『アドベンチャーレースに生きる!』

田中正人×田中陽希

『アドベンチャーレースに生きる!』田中正人・田中陽希=著/1,300円+税/2017年2月24日発売/四六判/256ページ/ISBN:978-4-635-17189-2

かくも美しき「覚悟」に私のなかのなにかが揺さぶられる

久しぶりに「熱い」本の登場です。

日本におけるアドベンチャーレースの第一人者、田中正人さん。そして『日本百名山ひと筆書き』『日本2百名山ひと筆書き』でお茶の間にもファンの多い田中陽希さん。このふたりの共著が、熱くないわけはありません。

本書のテーマは「アドベンチャーレース」ですが、ここで描かれているのはただ順位を競うだけのレースではありません。仲間との葛藤、未熟な己への羞恥、それらを乗り越えるために肉体的な衝突に発展するシーンも次から次へと出てきます。

「お前わかっているんだろ! 自分が変わらなきゃいけないってわかっているんだろ! なんで、気づいてて変わろうとしないんだよ!」(p26より)

田中正人さんと田中陽希さんがレースの最中に衝突し、正人さんが陽希さんの胸ぐらをつかみながら怒鳴る場面は、本書序盤の白眉です。

その後も、読んでいて体温が上がり、心拍数が上昇する描写が続出します。『日本百名山ひと筆書き』『日本2百名山ひと筆書き』のエピソードももちろん、ふんだんに盛り込まれています。

上述の正人さんと陽希さんの衝突は、第一章、陽希さんの章で描かれ、正人さんによる第二章では、この衝突の後の陽希さんについて、正人さんはこう記しています。

“自分自身の弱さを素直に認め、強い意志で変わることができるのが、彼のすごいところだ。本当に強い人間しか自分を変えることはできない。僕はそう思っている。”(p148より)

私も含めて、多くの人はいつも「自分はこのままでいいのかな?」「ダメな自分をなんとかしたい!」と思っています。「ダイエットしなきゃ」「勉強しなきゃ」「タバコやめないと」などなど。それでも、日々の生活のなかではなんとなく、そのままになってしまい、昨日と変わらない今日をずるずると過ごします。

しかし、本書で正人さんと陽希さんがレースに挑み、自分を超えようとする姿を読んだなら、きっと心のなかで何かが揺さぶられるはず。アドベンチャーレースの世界大会で優勝したい、そのために強くなりたい、という「覚悟」はかくも美しいものか、と。その美しさの一端に自分も触れることができたなら、きっと今日とは違う明日が訪れるに違いない。

アドベンチャーレースに興味がない人にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

(文=佐々木 惣/週刊ヤマケイ編集部)

ニセコ・白樺山

地元ヒュッテオーナーの案内で深雪を満喫

白樺山北面からは日本海が見渡せる(写真=谷水 亨)

白樺山山頂から滑る同行者たち(写真=谷水 亨)

2月19日、曇り、トレースあり

ニセコの山のなかでは標高が低く、天候の悪いときはニトヌプリと並んで人気の白樺山(952m)。お世話になった「まっさんヒュッテ」のオーナーに同行してもらい、山の北面、西面、南面の3本を滑ってきました。

目国内岳と同じ登山口となる新見温泉は昨年廃業となりましたが、新しい経営者で再開し、今年もこの登山口まで除雪されていました。

後続車の邪魔にならないよう、除雪して駐車スペースを確保。先行4人パーティーのトレースをお借りしながら、1時間30分で頂上に到着。しかし山頂南の肩からは風も強く、視界もなくなってきたため、すぐに滑走を始めました。先行者パーティーは縦走するらしく、シャクナゲ岳の方へ、雲のなかに消えていきました。

まずは北面、標高差350mを滑って、冬季通行止で雪に埋まっている道道268号線を新見峠に向かって歩いて移動。次は西面を200mほど登り、200m滑走。最後は頂上南の肩をめざして200m登り返して、新見温泉に向かって300mの滑走を楽しみました。

地元ヒュッテのオーナーが、その日の天候と降雪状況を見極めてセレクトしてくださった山で、ニセコ特有の深雪を大いに楽しめました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

ニセコ・後方羊蹄山

148号の沢コースへ

独立峰らしい下界の風景に一息入れる同行者(写真=谷水 亨)

148号の沢を滑走する同行者(写真=谷水 亨)

2月20日、曇り、トレースなし

白樺山の翌日は後方羊蹄山へ。

昨年は羊蹄山神社のコースを楽しみましたが、今年は仲間3人(先発隊・ピークハント)と、6人(後発隊・滑走中心)で148号の沢コースを楽しんできました。このコースは羊蹄山北面の斜面を滑走するコースですが、厳しい羊蹄山登山コースのなかでも、特に厳しいコースです。現在、除雪最終地点(駐車場所)から先が伐採作業で大型車両が通行するため駐車禁止となっておりますので、ご注意下さい。

なだらかな樹林帯を約3km(標高差400m)進むと、いよいよ勾配がきつくなります。そして標高1000mになると細尾根となり、スキーでジグをきりながら登るのも厳しくなるのですが、アイゼンに履き替えてもヒザまで埋まることから、そのままスキーで登ります。しかし、メンバーが2度ほどターン時に滑り落ちそうになったり、ピークに立つ時間的余裕もなくなったことから、標高1400mでピークを断念し、滑走を楽しむことにしました。

148号の沢まで移動し、ピットチェックは30cmの評価2を確認したので、滑走開始。標高1100m地点では2時間遅れで出発した後発隊と合流し、ニセコ特有の深雪のパウダースノーを満喫してきました。

なお、このコースは雪崩も多く、サイドからの雪崩でデブリもたまっていることがあるところです。昨年も死者が出ているところなので、充分な対策と安全確認をして楽しんでください。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

北信・佐渡山

妙高の山々を眺めながらの山スキー

佐渡山から妙高山を望む(写真=増村多賀司)

黒姫山から佐渡山、高妻山、乙妻山を望む(写真=増村多賀司)

2月18日、曇り

大橋林道入り口にある駐車スペースに車を置き、林道沿いに進みます。黒姫山への夏道を右に見て沢を渡ったら最初の尾根に取り付き、佐渡山へ。ガスが出ていて、ブナには霧氷が付着して幻想的な景色でした。

1700m付近まで登ると傾斜が緩くなり、雪庇が大きく発達した稜線に出ます。前日は気温が高かったこともあり、雪庇からは距離を置いて登りました。

標高を上げるとガスの上に出て、東には黒姫山が見えています。複式火山特有の形が観察出来る好位置です。佐渡山山頂に出ると北側には妙高山が見えます。ここからは北東の谷を滑り降りました。前日の雨の影響を心配しましたが北斜面のため、パウダーが残っていて快適に滑れました。

1738m峰の北にある尾根を回り込んで再びシールを装着し、大ダルミへ登り返します。大ダルミは雪原となっていて、オオシラビソの向こうに美しい黒姫山が見える別天地です。

この日は時間があるので、さらに黒姫山の外輪山に登りました。外輪山から、先ほどまでいた佐渡山にある我々のシュプールを振り返ります。その向こうには乙妻山、高妻山が高くそびえています。

黒姫山外輪山からの滑降は、南面なので少し重い雪でした。そこからスタート地点である大橋に滑り込みました。

(文=増村多賀司/写真家)

北八ヶ岳・北横岳

山頂からの展望に大満足

北横岳南峰より、北峰方向(写真=中村重明)

北横岳より、槍・穂高連峰(写真=中村重明)

2月18日、曇り

雪山ビギナーを含むパーティで、ピラタス蓼科スノーリゾートの北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅(2230m)から北横岳(2480m)と縞枯山荘を周回するルートを歩いてきました。

ロープウェイ始発(9:00)の2本後の便(9:20発)で坪庭まで行き、12本爪アイゼンを装着して出発。先行者のおかげでスノーシューやワカンは不要で、アイゼンが最適な状態でした。しかも気温は山頂駅でマイナス10℃程度(北横岳山頂でもマイナス14℃程度)で風もそれほど強くなかったため、快調に北横岳山頂に到着。天候は曇りだったものの、蓼科山や南八ヶ岳だけでなく、遠くの槍・穂高連峰や御嶽山、中央アルプズ、南アルプス、浅間山などの素晴らしい展望も得られました。

北横岳で展望を楽しんだ後、往路をたどり坪庭まで戻った後、縞枯山荘へ。下りでは10~20人の団体を含む続々と登ってくる後続の登山者のため、すれ違い待ちが何度もありました。

縞枯山荘での昼食休憩の後は、縞枯山と五辻を経由して山頂駅に戻るルートを歩く予定だったのですが、北横岳山頂からの展望で充分満足したこともあり、縞枯山荘からそのまま帰路に着きました。

(文=中村重明)

南アルプス・黒河内岳、白河内岳

白峰南嶺をいくも・・・・・・

ひたすらラッセル(写真=山田哲哉)

最高到達地点にて。ここで撤退を決断(写真=山田哲哉)

2月11日~12日、晴れ

南アルプスの主たる山脈は赤石山脈主脈とも言うべきでしょうか。北岳から、塩見岳、悪沢岳、赤石岳へと3000m級のジャイアンツを林立させて南下しています。

一方、白峰三山からまっすぐ南へのびた山脈は、大井川を挟んで笊ヶ岳へ、白峰南嶺として黒々と山脈を連ねています。その重厚な連なりのなかで白河内岳は2813m、「笹山」とも呼ばれる黒河内岳は2733mの標高を持ち、地味ながら堂々とした山稜を早川の上に屹立しています。

この山域は、南アルプスに大穴を開け、フォッサマグナを縦断してトンネルを通す「リニア中央新幹線」が建設されようとしている場所です。今回のアプローチでも、早川町では無造作に積み上げられた残土が見られて残念でした。

寒々とした奈良田湖にかけられた塩見橋が出発点。発電施設の脇から、いきなりの急坂が始まります。最初はカラマツ林だった急峻な尾根は徐々にブナ、ミズナラに変わり、トレースひとつないラッセルの開始。尾根が合流する1344m付近でワカンを装着。ハラハラと降り続けていた雪の間から真っ白い稜線が見上げられました。白河内岳付近がきれいです。

近いし登れそうと思いましたが、後から考えると甘かったです。「水場入り口」の標識あたりから、雪は深くなり、先頭は空身でラッセル。次々と交代し、どんどん登りますが、傾斜はキツく、風も強く、気温もさらに下がってきました。風当たりの少ないテント適地が標高2258mの先にあるので、そこまで行きたかったのですが、2100m付近で雪も強く降ってきたのでテントを張ります。一晩中、強い風が吹くなかの宿泊。夜半から月がテントを照らします。

夜明けとともに出発。荷物も軽いし「さぁ、がんばるぞ!」と出発しましたが、コンスタントに股近いラッセルです。2258mで傾斜が緩み、広々とした明るい尾根が少し続く。できれば、昨日ここまで来たかった場所です。

次は2580mピークに向けて一層きつい傾斜をラッセル。背後の富士山、鳳凰三山が見事です。2580mの「通称・段」では一気に展望が広がり、悪沢岳、赤石岳が見事。もうひと息です。

しかし、さらに深いラッセルが続き、2600m付近で時間は12時を大きく過ぎてしまいました。「あぁ、無理だ」。悔しいが撤退です。

次回は3月中旬以降。この時期ならワカンがきくし、日照時間も伸びるでしょう。大きく、静かで、雄大な白河内岳、黒河内岳。全力で雪と格闘できました。次は絶対に登るぞ!

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

赤城山・地蔵岳

雪山が初めての人も楽しんだスノーシューイング

地蔵岳から望む大沼と黒檜山(中央)、駒ヶ岳(右)。黒檜山と駒ヶ岳の鞍部の上に男体山も見えています(写真=石丸哲也)

上:地蔵岳の下りで眺める小沼と長七郎山(右上)。下:地蔵岳直下の雪原を思い思いに下る(写真=石丸哲也)

2月19日、快晴

THE NORTH FACEのイベント「基礎から学ぶトレッキング 赤城山・地蔵岳」のスノーシューイングに同行してきました。当日は冬型の気圧配置で、強い季節風や山頂部が雲に覆われることが気がかりでした。しかし、現地に着いてみると、雲はなく、青空が広がっていました。登山口の見晴山下では時折、雪煙が舞う突風が吹いていましたが、登山道に入ると樹林が風をさえぎってくれました。また、登るうちに風が弱まり、雪山が初めてという方が半数近くいる参加者の方たち16人も順調に登高できました。

雪の状態は、やや堅い雪の上に、さらさらの新雪が20~30cmほど積もっている感じで、快適に歩けました。待望の展望も尾瀬方面は雲に隠れていましたが、足もとの大沼を隔てた赤城山最高峰の黒檜山と駒ヶ岳をはじめ奥日光の男体山や筑波山、草津白根山や浅間山などのパノラマを楽しめます。

山頂は風当たりが強い一角で地肌が出ていましたが、下りは30~50cmほどの新雪で、気持ちよく下れます。初めての方も、まっさらの雪に自分のトレースを残しながら下る楽しさ、THE NORTH FACEの3人のスタッフ、2人のツアーリーダーのサポートやノリのよさもあって、下山後も口をそろえて「楽しかった」とおっしゃって、目を輝かせていました。

下りきった八丁峠から小沼に寄り、氷結した湖面を歩いたり、記念撮影をしたりした後、赤城公園ビジターセンターに下りました。地蔵岳は黒檜山より150mほど低いのですが、その分、ビギナーにも無理なく登れますし、尾根がやせた黒檜山と違って広い斜面を楽しく登り下りできます。山頂も黒檜山より広く、展望も勝るとも劣らない素晴らしさ。前橋駅からの路線バスもあるなどアクセスにも恵まれて、スノーシュー入門に好適な山のひとつです。

なお「基礎から学ぶトレッキング」はハイキングやアイゼン使用の雪山を含め、原則として毎月行なわれています。詳しくはTHE NORTH FACEのブログで「RECENT ENTRY」をご参照ください。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

奥多摩・勝峰山

手軽に登れる山頂から踏み跡薄い尾根へ

踏み跡程度の小道が続くロンデン尾根。出だしの区間のみ、地元NPOが設置した標識が立っています(写真=木元康晴)

金比羅尾根から見たロンデン尾根の全容。遠くには都心の高層ビル群も見えていました(写真=木元康晴)

2月14日、曇り

奥多摩の南東端、武蔵五日市駅から登れる勝峰山へ行ってきました。

登山口は、駅の北側に回り込んだ幸神集落から林道勝峰山線を歩いた林道終点となります。ここから山頂までの一帯は近年、「勝峰山・歴史と伝説の森」としての整備が進み、桜の木の植栽などもされています。手軽に登れることから、今後は人気のハイキングコースになるのかもしれません。

今回は頂上からは、地図読みの練習も兼ねて、北西に延びる「ロンデン尾根」へ向かいました。熟達者向けとされているものの、尾根の地形は明瞭であり、読図の基本を学んだ人がチャレンジするにはいいコースでしょう。

三角点の設置された白岩山を過ぎた先で、一般登山道のある金比羅尾根に合流。あとはなだらかな道を下り、琴平神社の境内を経由して武蔵五日市駅に戻りました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

東京・植村冒険館

冒険家・植村直己さんゆかりの地、板橋を歩きました

植村冒険館前にて(写真=平田謙一)

植村冒険館では、4月11日までメモリアル展「山頂に残された旗-マッキンリーに消えた植村直己の足跡」が開催中(写真=平田謙一)

2月9日、曇りのち雨

冒険家・植村直己さんが、だれもなしとげていない厳冬期のマッキンリー(デナリ)6190mの単独登頂に成功し、無線交信があったのは昭和59(1984)年の2月13日。その後、植村さんは消息を絶ちました。その2月13日を前に、ガイド仲間である小川元章さんの奥様で、植村さんの姪っ子としてともにした思い出も多いという小川直子さんの案内で、植村さんゆかりの板橋の地を歩きました。

墓所の参拝や板橋区立赤塚植物園などをへて、最終目的地は、板橋区蓮根の植村冒険館。この時期、植村冒険館では「山頂に残された旗」と題したメモリアル展が開催されており、コンパクトなスペースながら貴重かつ興味深い展示品の多くを見ることができます。

なかでも必見は、行方不明から三ヶ月をへて、たしかに植村さんが山頂に立った証として第二次捜索隊が山頂から発見し、持ち帰った日の丸と星条旗。このほかマッキンリーの雪洞に残された日記などにも目を引かれ、偉大な冒険の足跡ばかりでなく、人間くさい魅力もうかがい知ることができます。

不器用だけれどまっすぐで一生懸命な植村直己さんの生き方に、あらためて刺激とパワーを頂いた一日でした。

(文=平田謙一/むさしの山岳biz・山岳ガイド)

三浦半島・三浦富士~大楠山

新たな縁がつながったハイキング

上:津久井浜観光農園へ向かう里道から眺める武山。下:三浦富士山頂で写真を撮るイラストレーターの美木麻穂さん(写真=石丸哲也)

右:うみべのえほんやツバメ号。左上・下:三浦海岸駅付近から小松ヶ池公園まで京浜急行に沿って続く河津桜の並木(写真=石丸哲也)

2月18日、晴れのち曇り

先週末に引き続き、見ごろの河津桜を求めて三浦半島のハイキング。今回は京浜急行三浦海岸駅からスタートし、河津桜並木を通って小松ヶ池公園へ。ハイキングコースではないのですが、里道を気ままに歩いて津久井浜観光農園へ向かい、三浦富士、砲台山、武山をミニ縦走した後、津久井浜駅へ下りるコースです。ゴールで絵本屋さんの「うみべのえほんやツバメ号」に寄ることも目的でした。2016年1月21日配信の週刊ヤマケイ通巻175号に「武山、三浦富士~野比海岸」のレポートを投稿しましたが、そのときに出会った店で、1階は絵本の展示販売とカフェ、2階がギャラリーになっています。店名は岩波少年文庫のイギリス文学『ツバメ号とアマゾン号』にちなんでいます。湖水地方で夏休みを過ごす4人の子どもたちが自分たちだけでヨットを操り、無人島でキャンプしたり「アマゾン海賊」と同盟を結んだりする物語です。そのアウトドア体験の魅力が私の山に向かう心のルーツともなっています。この店にご案内したかった日本画家の長谷川誠子さんとイラストレーターの美木麻穂さんもご都合が合い、3人+長谷川さんのお子さんで出かけてきました。

河津桜は三浦海岸駅前の木、並木と菜の花ともに満開。駅前には海産物などの出店も並んでにぎやかでした。小松ヶ池公園からはなるべく裏道の農道を選んで歩きました。三浦半島はマリンレジャーのイメージが強いですが、全体に台地状の地形で、ゆるやかに起伏する斜面が畑になっていて、のどかなカントリーウォークを楽しめます。前方に三浦富士~武山の丘陵が近づき、ふと東を見ると東京湾越しに富山(とみさん)の双耳峰や鋸山も望まれます。

登山口となる津久井浜観光農園は、今がシーズンのイチゴ狩りのほか、メロン狩り、ミカン狩りなど季節折々のフルーツ狩りを楽しめるところです。イチゴの温室やミカン園のなかをゆるやかに登り、三浦富士山頂に着くと富士講の石碑や浅間神社の石祠が並んでいます。南面が開けて、三浦半島の海岸線から太平洋や大島などを眺められます。

尾根道を進み、第2次大戦時に備え付けられた高角砲の台座が残る砲台山、展望台があり武山不動尊が鎮座する武山へと縦走して観光農園へ戻り、「うみべのえほんやツバメ号」へ向かいました。席に落ち着いて、紅茶をいただきながら、ゆっくり店内を眺めると、絵本とともに、ギャラリーで展覧会をされた方など、ゆかりの作家の色紙やサインも飾られています。訪れたときは「石川えりこ絵本原画展『あひる』」が開催中。穏やかな筆致に、命をいただき、命をつなぐ深さが表現されて、この展示を見るだけでも立ち寄ってよかったと思えました。4日前まで「コロボックル物語」シリーズなどの『佐藤さとるの世界と岡本順原画展』が開催されていたのですが、前日に佐藤さとるさんの訃報が伝えられて驚いたという巡り合わせもありました。佐藤さんが横須賀で過ごした少年時代を描いた『わんぱく天国』とともに、昨年10月に記された色紙も並んでいました。

居心地のいい、素敵な空間でくつろいだ後、主人の伊藤ひろみさんに話をうかがいました。2013年3月に開店して1000冊以上の絵本と関連グッズを展示販売し、11月にギャラリーをオープンして月替わりの展覧会を開催、お話会やスケッチ教室も開催しているそうです。「前回の『週刊ヤマケイ』を読んで来られた方もいた」という、うれしい話もうかがいました。とても気に入って、後から記事を送ってもくださったそうです。ありがとうございました。長谷川さん、美木さんも喜ばれて、また新たな縁がつながった、ハイキングのフィナーレでした。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

丹沢・弘法山

大山山系で至福な気分の山行

権現山山頂より山頂に立つ展望台と陽光に霞む富士山を遠望(写真=白井源三)

めんようの里へ下る馬場道分岐から大山を望む(写真=白井源三)

2月16日、晴れ

小田急線秦野駅から東にこんもりとした山が見えますが、それが弘法山公園の山々です。低山ながら、権現山の展望台から秦野盆地を隔てて箱根の山々の背後に白銀の富士山が正面に対峙します。全山落葉広葉樹に覆われて、今の季節は葉を落とし、明るい陽だまりハイクの山中になります。

権現山山頂のベンチでは、陽光を浴びながらハイカーがのんびりと寛いでいました。春は桜、初夏のあじさい、夏はヤマユリロードとなる馬場道にこの日は春を思わせる日差しが注ぎ、樹林越しに大山が望まれました。

弘法山では、山頂とは思えない「乳の泉」と呼ばれる井戸や鐘楼が立ち、桜や黒々とした常緑樹に囲まれた様子は、さながらモノクロームの世界です。

善波峠上からいくつかのピークを越えて吾妻山へ。終着の鶴巻温泉では思ってもみなかった無料の足湯(温泉の営業日・午前10時~午後5時まで利用可)に浸かり、至福な気分の山行でした。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

京都府・鷲峰山

南山城の山岳修行の行場

和束町側からはのどかな茶畑の中を登り、尾根に出るとはるか遠くに生駒山あたりまでが見渡せる(写真=根岸真理)

行場巡りのコース中の最大の難所「平等岩」。高度感もあり、ちょっとしたロッククライミング気分。右手に巻き道もある(写真=根岸真理)

2月16日、晴れ

南山城地方の最高峰「鷲峰山(じゅうぶさん)」。山頂付近には「金胎寺」というお寺があります。奈良朝時代、聖武天皇により都の鬼門を守るためのお堂が建てられ、後に役行者(えんのぎょうじゃ)が開山。大峰山に匹敵する山岳修行の道場として栄えたそうですが、南北朝騒乱をはじめとする戦禍で多くの堂塔が失われました。現在は、山頂に宝篋印塔(ほうきょういんとう)が、その周囲に多宝塔や山門、本堂、行者堂などの建物がひっそりと佇んでいます。

境内から1kmほど東に「行場巡り」のコースがあり、山岳修行の雰囲気を体験できます。「東の覗」「西の覗」などの急な岩場を下ったり、狭い岩穴「胎内潜」をくぐったり。「鐘掛」「大金掛」などの岩場、「千手の滝」「後光の滝」という神秘的な滝にも出会えます。

アプローチは南側の和束町「原山」バス停と、北側の宇治田原町「維中前」バス停の2方向。バス利用の場合、JR関西本線加茂駅と「原山」バス停を結ぶ奈良交通バスは本数が限られているので、原山を起点に維中前へ下るのがお勧め。維中前からは京阪宇治駅、近鉄新田辺駅行きのバスが毎時1~2本程度運行されています。

なお、行場巡りには入山料300円が必要。約2時間かかるため、11月~3月は13時まで、4月~10月は14時までしか入山できません。

(文=根岸真理/山岳ライター)

三重奈良県境・三峰山

霧氷が人気の山

八丁平の霧氷(写真=金丸勝実)

平倉峰からの天望(写真=金丸勝実)

2月12日、曇り時々雪

三重県と奈良県の県境にある高見山地の高見山と三峰山(みうねやま)はこの季節、霧氷見物の登山が人気です。とりわけ、奈良県側の登山口になっている御杖村では例年、「三峰山霧氷まつり」が行なわれ、村おこしの一助を担っています。一方、三重県側の登山口は、奈良県側のにぎわいとは対照的で、入山者も少なくひっそりとしています。

今回はあえて三重県側からアプローチし、静かな冬の山歩きを楽しむことにしました。三重県側には3本の登山道が整備されていて、林道でつながっています。今回、福本登山道から登り、ゆりわれ登山道で下り、林道を利用して周回することにしました。アプローチに使う林道はこの時期は積雪があるので、冬タイヤをはいた4WD車があると安心です。

登山道の状況ですが、週末の寒波による積雪は10~20cmほどだったので、ラッセルの必要もなく登りは順調で、ほぼコースタイムで八丁平に到着しました。霧氷はたっぷりとできていましたが、冬型の気圧配置で風が強く、樹林帯に逃げ込みました。

山頂付近は予想通りたくさんの登山者でにぎわっています。我々は時間にゆとりがあったので、ワカンを装着し平倉峰を往復しました。平倉峰は高見山地の稜線上のピークで、ブナ林の霧氷がきれいでした。新雪は30cmほどで、往復に1時間半くらいかかりました。

帰路はゆりわれ登山道を快調に下り、林道を歩いて福本登山口に戻りました。林道は凍結しているのでスリップに注意です。霧氷は青空があると映えます。天候を読んで登り、霧氷を楽しんでみてください。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

台高山脈・高見山

輝く霧氷の森を歩く

まぶしくも美しい霧氷のトンネルは幻想的(写真=山口敬二)

頂上から麓へと伸びる霧氷の尾根(写真=山口敬二)

2月19日、曇りのち晴れ

関西の霧氷のメッカといえば奈良と三重の県境に位置する高見山(1248m)や三峰山(みうねやま・1235m)が有名です。なかでも台高山脈の北端に位置する高見山はその白きピラミダルな山容が麓から見てもひときわ美しく、岳人ならずとも一度は頂上に立ってみたいと憧れる山でしょう。

ルートは北西側のたかすみ温泉から西の尾根に取り付き、樹氷の森を抜けるルートが人気です。この日は昼からの晴れ予報に合わせて遅めに(9:40ごろ)出発しました。

2時間ほどで白くコーティングされた木々が現われ出すと、みるみる白い世界に吸い込まれていきます。途中、樹間にのぞく台高の山並みを見ながら霧氷の花咲く道を登って行くと、刻々と青空も広がっていきました。やがて霧氷の回廊をくぐって頂上直下の岩稜へ飛び出ると真っ青な空が広がり、曽爾(そに)高原の山々も一望できました。人であふれる頂上で折り返すと、輝く霧氷の森まで戻り、ぜいたくな昼食を楽しみました。

(文=山口敬二)

岡山県・花知ヶ仙

大豪雪がおさまった翌日、出かけました。この山は5年ぶりです

花知ヶ仙の主稜線台地、奥の頂上に向け天空漫歩です(写真=舩越 仁)

恩原高原を左手に見ながらダイナミックに下山、でも地形図確認は慎重に(写真=舩越 仁)

2月15日、晴れ

花知ヶ仙(はなちがせん)は岡山県では後山山系に次ぐ高峰です。県境より内側の山では最高峰(1247.3m)で、その山容も素晴らしく岡山県の主峰といってもいいでしょう。ただ冬季には周囲の除雪地点から3km以上離れており、入山する人がほとんどありません。私たちはこの無人の山域を5年前に縦横無尽に歩き尽し、その行く末が県境200kmの冬季踏破に繋がったのです。

今回はもっともノーマルなアプローチポイント、遠藤集落から歩き始めます。除雪の最終地点は胸の高さの雪断層で、雪面に這い上がるのにも苦労しました。遠藤川沿いのふかふか林道を2 kmほど上り、橋を渡った正面の尾根に取り付きました。初めて登る尾根ですが、予め選定しておいた尾根です。尾根上にはみごとな天然杉や数本の大ブナもありました。

1時間30分で200mの高度を登ると予定どおり、真っ白な花知ヶ仙主稜線上の4等三角点本谷付近に飛び出しました。ゆったりした広い稜線を頂上に向かいます。その頂上は360度の大展望、3年間で歩き終えた懐かしい県境の山々や遥かなる大山、日本海も望めました。

(文=舩越 仁/みつがしわ山の会)

福岡県・金剛山~尺岳

福智山系の未踏の道を歩いてきました

尺岳山頂より望む、うねる見事な尾根が続く金剛山全景(写真=長谷川守克)

稜線上の赤松の大木に寄り添う同行者(写真=長谷川守克)

2月19日、晴れ

福智山系で唯一未登頂である金剛山を歩いてきました。

コースはケヤキ谷登山口を基点に四方越を経て、金剛山へ。登頂後、四方越へ戻り尺岳をめざす。その後、九州自然歩道を進み観音越を経て畑観音に下山した後、ケヤキ谷登山口に戻る周回としました。

冬晴れの空の下、ケヤキ谷登山口をスタートし、汗ばみながら金剛山への分岐点である四方越をめざしました。到着して一休憩後、金剛山山頂をめざします。とにかく急勾配のアップダウンが繰り返す道で疲れました。そのうえ、尾根道は樹林に覆われて展望はなく、ただ先をめざすのみ。

ようやく5つめのピークである三等三角点<基準点名・屋敷田>の設置された山頂に到着。昼食をとりながら同行者と「山歩きの醍醐味は味わったけど、展望はだめだったね」と話しながら、いま来た道を引き返し尺岳をめざしました。

尺岳山頂からの展望は素晴らしく、先ほど歩いてきた凸凹した金剛山への稜線や福智山系の主峰である福智山への稜線がきれいに見えました。

展望を満喫したので九州自然歩道をたどり、観音越より登山口をめざして下山しました。

(文=長谷川守克)

裏磐梯・小野川不動滝

大量に水が流れ落ちる厳冬期の滝

登り口の鳥居。雪の多さに、まもなく埋もれそうです(写真=葉貫正憲)

不動滝にて。水量が多いので凍りません。滝つぼにはブルーアイスが(写真=葉貫正憲)

2月20日、雪

昨年、小野川不動滝に新コースができたので、そこをめざして駐車場までいきましたが、雪の壁が高くてあがれません。仕方なくいつも使う遊歩道まで戻ってスタートしました。

登り口の鳥居は雪が多く、くぐれないほどでした。ただ、コースにはトレースがはっきりと残っていて歩きやすかったです。

スタートから30分ほどで不動滝に到着。滝からは大量の水が流れ落ち、滝壺周辺は鈍いブルーの氷になっていました。この日は月曜日でしたが、私たちのほかに5名の訪問者がありました。

帰りはまっすぐ下りないで、かつての木材運搬のための軌道跡を西へ進み、水源地のところから下り、遊歩道へ戻りました。

この日は終始細かな湿った雪が降り続き、上着につくとすぐに溶けてしまい、びしょぬれになりました。そのため、レンゲ沼から中瀬沼を周回する予定でしたが、裏磐梯ビジターセンターで衣服を乾かしながら休憩。そこで本日の活動を終了しました。

昼食をとり、入浴して帰路につくころ、湿雪は雨に変わって道路はぬかるみ、自宅まで慎重に運転しました。

(葉貫正憲/福島県/69歳/よく行く山:会津百名山)

新潟県・坂戸山

素晴らしい山頂からの360度の展望

上:稜線をめざして。下:山頂方面(写真=三笠建次)

2月16日、晴れ

JR上越線六日町駅からスタート。魚野川にかかる橋の上から、坂戸山を登っている人がわかります。

登山口に着き、スパッツを付けて出発。雪は凍っている感じですが、アイゼンをつけるほどではありません。トレースはしっかり付いています。

はじめは緩やかで道幅も広いコースですが、段々急になり、道幅も狭くなりました。稜線の手前近くでは右側の斜面が急で、斜面の頂上から雪が転がり落ちて下方でデブリになっていました。ほかの斜面でも急なところでは雪崩の跡が見えました。

稜線に出る手前の急な箇所は階段状に道が切られています。稜線に出ると、はじめは幅も広いのですが、山頂手前では狭くなります。山頂直下の鉄階段は掘り出されていました。

(三笠建次/埼玉県/66歳/よく行く山:首都圏近郊の山)

丹沢・丹沢山~塔ノ岳

秀麗な富士山の眺めを楽しむ山歩き

丹沢山にて。上:山頂の展望、下左:堂平の登り、下右:丹沢山頂・みやま山荘(写真=谷上俊三)

塔ノ岳にて。上:山頂の展望、下左:丹沢山から塔ノ岳へ向かう道、下右:相模湾を望む(写真=谷上俊三)

2月7日、快晴

この冬は典型的な冬型の気候で、北海道や日本海側では大雪のようですが、太平洋側、特に関東では連日晴天に恵まれ、雨がまったく降りません。そのため湿度が低く、空気が澄んでいて、山に登るといつでも秀麗な富士山を楽しむことができます。そんな富士山を楽しむため丹沢の主脈・丹沢山から塔ノ岳の稜線を歩いてきました。

宮ヶ瀬の奥の塩水橋から林道を約1時間歩いてやっと登山口に着きます。この日も快晴で、葉を落としたブナの林は明るく、堂平の登山道は快適です。

堂平から天王寺尾根への登りは北面なので、1月初旬に降った雪がこのところの冷え込みで融けることなくかなり残っていて、アイゼンを着用して登りました。丹沢山の山頂からは期待通り富士山を中心とした絶景が望めました。

丹沢山から塔ノ岳までは約1時間の行程ですが、常に富士山をはじめ丹沢主稜、愛鷹山、箱根の山々を眺めながらのすばらしい稜線を歩きます。稜線上に雪はほとんどなく、日陰や北面の道に凍った雪が残る程度でした。

塔ノ岳からは富士山、丹沢、箱根はもちろん、下には相模湾が一望され、小田原の市街や真鶴半島、その向こうに伊豆半島が、海の上には大島、利島、初島が浮かんで見えました。展望を満喫したあと、林間の登山道・長尾尾根を下り塩水橋に戻ってきました。

(谷上俊三/神奈川県/76歳/よく行く山:丹沢大山、丹沢表尾根など)

広島県・宮島弥山

歴史に思いをはせ、展望を楽しみました

巨岩が重なる弥山山頂(写真=伊東明美)

大聖院コース途中の休憩舎より、潮が引き始めた様子がよく見えました(写真=伊東明美)

2月11日、晴れ

古来より「神の島」と崇められ、江戸時代には日本三景のひとつとされ、20年前には世界遺産にも登録された安芸の宮島。宮島といえば、海を敷地に含めた厳島神社が有名ですが、世界遺産としてはその背後にそびえる弥山(535m)や原生林も含まれており、巨岩が重なる景観をこの目で見るべく出かけてきました。

この日は中国地方も日本海側は大雪でしたので、その影響を覚悟していましたが、瀬戸内側の天候は気温は低いながらも穏やかな快晴でした。

海に浮かぶ神社への参拝は下山後にゆっくりとするべく、まずは弥山へ。登りは3本ある登山道のうち、もっとも歩きやすいといわれる紅葉谷コースで、山頂まで2時間弱です。往路復路ともに凍結箇所少々で積雪はありませんでした。

信仰の山に巨岩はつきもの。本堂の後に出会う「くぐり岩」も典型的で山頂の磐座(いわくら)においては、いかにも古代にはまつりごとが行なわれたようなユニークな景観を呈しています。巨岩群の向こうには穏やかな瀬戸内海と点在する小島の展望が広がり、なるほど、伊藤博文をして「日本三景の一の真価は頂上の眺め」と言わしめたことに思わず納得です。

下りは大聖院コースへ。1200段といわれる石段にヒザが笑い始めるころ、弘法大師ゆかりの大聖院に至ります。大変大きいお寺に想定外の時間を要し、厳島神社に着くともう4時でしたが、ちょうど潮が引ききったタイミングで大鳥居の周りは大にぎわい。これだけ多くの人が喜ぶ鳥居はほかにありませんね(この日は満月で、もっとも潮が引く日だったと後に判明しました)。

なお、宮島ロープウェーは改修と定期点検のため2月いっぱいは運休となっています。

(伊東明美/東京都/よく行く山:関東甲信越の山、日本百名山)

第八十二回

薪つかみ、焚火に放り炎(ほむら)揺れ(弾親)

君の名は? 山座同定、地図足りない(あられちゃん)

ご来光、亡き両親と会う気分(ガンバ)

【寸評】

一句目、初投稿の弾親さん。ショートフィルムのような美しい映像が目に浮かびます。次回は川柳らしい句での投稿をお待ちしております!

二句目、いつも明るいあられちゃん。私は以前に山の名前を間違えて覚えてしまい、「もしかして・・・・・・」「山の名前・・・・・・」「間違ってる~~~!?」と、なったことは内緒です。

三句目、ガンバさん。「親孝行、したいときに親はなし」という有名な川柳がありますね。親孝行ネタは川柳に欠かせません。

【段位】弾親さんには「1000m級」を授与します。あられちゃんはいよいよ8000m級「シシャパンマ」に昇段。ガンバさんもチョ・オユーに昇段です。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

なお、ご投稿いただいた方には1000m峰から始まる「山の川柳段位」を授与します。ふるってご応募ください。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

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2月25日、「日本山岳遺産サミット」を開催します

特別講演は「山でのクマとの新しいつきあい方」

日本山岳遺産基金では、未来に残したい日本の豊かな自然環境や、人と自然の関わりを有する山岳地域を「日本山岳遺産」として認定し、環境保全活動や次世代育成活動を行っている団体に対して助成を行なっています。

2月25日(土)に開催する「日本山岳遺産サミット」では、2016年度の日本山岳遺産認定地および認定団体(本年度は美瑛富士・北海道/山のトイレを考える会、嘉穂アルプス・福岡県/嘉穂三山愛会)を発表し、認定団体の方々から活動状況のご報告をいただきます。

また本年は、クマの行動研究の第一人者、東京農業大学教授の山崎晃司先生をお迎えし、今年ニュースをにぎわせたクマをテーマに「山でのクマとの新しいつきあい方」と題した特別講演を行ないます。

開催概要は下記の通りです。参加希望の方は、HPから申し込みフォームに進み必要事項をご入力ください。みなさまのご参加をお待ちしております。

株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
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編集スタッフ
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