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日本最長の稜線トレイル誕生に向けて

3月18日(土)「ぐんま県境稜線トレイル(仮称)」シンポジウムが群馬県庁にて開催

谷川連峰に端を発し、新潟県境、長野県境をかすめて嬬恋村の四阿山に至る100kmのトレイル。一部未開通区間もあるため、群馬県が平成30年度の開通をめざして取り組んでいます。この区間が開通すると、稜線のロングトレイルとしては国内最長になるとのこと

群馬県みなかみ町の谷川連峰から志賀高原や草津白根山をかすめて嬬恋村の四阿山へと続く「日本の背骨」。その長大な稜線上に一本のトレイルを描く「ぐんま県境稜線トレイル(仮称)」プロジェクト。今回のシンポジウムでは女優・工藤夕貴氏とトレイルの地元で山登りを通じた地域振興に関わる方々がその未来を語ります。登山愛好者やロングトレイルファンは、ぜひご参加ください。

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●日時:3月18日(土)11:00~16:00

●会場:群馬県庁1階 県民ホール

前橋市大手町1-1-1

●内容:

1)13:00~14:10 講演「山旅の魅力~ぐんま県境稜線トレイルの楽しみ方」

講師:工藤夕貴

1989年、映画『ミステリー・トレイン』出演を契機に、米映画界に進出。91年『戦争と青春』にて日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。以降、カンヌ映画祭など世界各国の映画祭出展作品に出演。近作では、湊かなえ原作NHK BSプレミアム『山女日記』にて主演の登山ガイド、立花柚月役を務めた。また、自らの登山好きがきっかけとなり現在、NHK BS1にて毎週土曜日放送中の『実践!にっぽん百名山』、『Let's!クライミング』のメインMCとしても活躍中

2)14:20~15:40 パネルディスカッション「ぐんま県境稜線トレイルを活用した地域活性化」

パネリスト:工藤夕貴氏(女優)/久保英弘氏(スノーカントリートレイル実行委員会委員長)/木村正臣氏(野反湖うらやまガイド・六合山岳会副会長)/湯田六男氏(一般財団法人自然公園財団草津支部所長)/下谷 通氏(浅間山北麓ジオパーク公認ガイド)

コーディネーター:久保田賢次(ヤマケイ登山総合研究所長)

3)11:00~16:00 展示コーナー(観光PR・山岳写真展示・登山グッズ展示など)

●講演・パネルディスカッション参加方法

募集定員:300人(参加費無料・先着順)※展示コーナーは参加自由

応募方法:①郵便番号 ②住所 ③氏名 ④年齢 ⑤電話番号 ⑥参加人数を明記の上、はがき、FAXまたはE-mailにてお申し込みください。

はがき/〒371-8666(住所不要)上毛新聞社営業局企画部内「ぐんま県境稜線トレイル推進シンポジウム事務局」宛

FAX/027-254-9904

E-mail/kikaku-sanka@raijin.com

●主催:群馬県

●共催:群馬県山岳団体連絡協議会

●お問合せ先:上毛新聞社営業局企画部内「ぐんま県境稜線トレイル推進シンポジウム事務局」

TEL:027-254-9945(土・日・祝日を除く9:00~18:00)

http://cc.mas.yamakei.co.jp/c/00a1w3_0000og60_11

信州の山岳遭難現場より

島崎三歩の「山岳通信」。

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信しています。

2月20日に第60号、27日に第61号が配信されました。2月10日から2月18日までに発生した3件の遭難事例が掲載されております。

特にこの冬はバックカントリーでの遭難が多発しています。2017年1月1日から2月19日までの間に長野県内のバックカントリーで発生した遭難は20件です。昨年の同期間で発生した遭難は9件なので、倍以上に増えていることになります。リスクマネジメントを充分に行なってください。

・・・

・2月10日、八ヶ岳の阿弥陀岳南稜P3付近を登攀中の4名パーティのうち、男性3名が滑落。頭部などを負傷する遭難が発生しました。茅野警察署山岳遭難救助隊員などが捜索活動を行ない、11日に遭難者を発見、救助しましたが、20歳の男性1名の死亡が確認されました。

・2月15日、中央アルプス木曽駒ヶ岳頂上付近で「男性が祠(ほこら)で行動不能になっている」との山岳遭難を受理しました。静岡県警のヘリで22歳の男性を発見・救助しましたが、低体温症による死亡が確認されました。

2月18日、白馬乗鞍岳で立木に衝突して重傷を負った遭難発生場所(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)2月22日付)

・2月18日、白馬乗鞍岳で、4名でバックカントリースキー中に、天狗原下部で36歳男性が立木に衝突し、頭部に重傷を負う山岳遭難が発生しました。19日に県警ヘリで救助されました。

(内容は長野県警察本部の発表時点のものです)

・・・

なお、下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。

http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

(文=週刊ヤマケイ編集部)

第2回 東京メトロポリタン・マウンテンミーティング

3月19日(日)東京都庁にて開催

左上から、宮崎良文さん(千葉大学教授)、椎名誠さん(作家)、田中陽希さん(プロアドベンチャーレーサー)、新井信太郎さん(雲取山荘主人)、青木亮輔さん(東京チェンソーズ社長)、神野賢二さん(東京裏山ベース代表)、宇都宮浩さん、曽田夕紀子さん(フリーペーパー発行人)

東京の山や自然に親しむ機会をより多くの人に提供することを目的に、実行委員会と東京都環境局がタッグを組んで開催するトークショーイベント『第2回 東京メトロポリタン・マウンテンミーティング』が3月19日(日)、東京都庁で開催されます。おかげさまで、事前申し込みが必要な椎名誠さんと、田中陽希さんの講演会は定員となりましたが、当日受付のプログラムもありますので、ご紹介いたします。

午前のプログラム「東京都最高峰雲取山(標高2017m)と雲取山荘を巡るものがたり」では、雲取山荘のご主人に登壇いただきます。山に魅せられて、雲取山の雲取山荘で50年以上もの長きにわたり主人として雲取山の移り変わりを見守ってきた新井信太郎さんを招いて、登山・自然・人間模様など、雲取山にまつわるよもやま話をうかがいます。

雲取山は、標高が2017mで、名前に「とり」がついていて、今年の"西暦と標高""干支と名前"が一致することから、今年一段と話題となっている東京の山でもあります。ぜひ、皆さまもご注目を。

■第2回東京メトロポリタン・マウンテンミーティング概要

日時:2017年3月19日(日)10:30~17:00

会場:東京都庁「都民ホール」「都民広場」(東京都新宿区西新宿二丁目8-1)

入場:無料(一部、事前申込みが必要なプログラムあり)

イベント公式サイト

http://ymm.yamakei.co.jp/tmmm2017/

【連動企画で写真コンテストが開催】

雲取山をはじめ、東京の山の写真を大募集中。締切りが明日(3月3日・金)となりますが、お手持ちの写真がございましたら、ぜひご投稿ください。

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/news/m_photo.html

【本イベントについての問い合わせ先】

東京メトロポリタン・マウンテンミーティング実行委員会

TEL 03-6744-1918(山と溪谷社内)

第7回山岳遺産サミットが開催

山のトイレを考える会(北海道、美瑛富士)と嘉穂三山愛会(福岡県、嘉穂アルプス)が認定される

2016年度認定団体のみなさま

2月25日(土)、東京・神保町のインプレスグループセミナールームで「第7回日本山岳遺産サミット」が開催された。

サミットでは2016年度日本山岳遺産認定地(北海道・美瑛富士、福岡県・嘉穂アルプス)が発表され、認定団体の山のトイレを考える会と嘉穂三山愛会には認定証と副賞の「やまつみ」が贈られた。その後、各地の活動報告がなされた。

後半は、東京農業大学教授の山﨑晃司氏による「山でのクマとの新しい付き合い方」の特別講演が行なわれた。そのなかでは、本州のほぼ全域でツキノワグマの生息域と個体数が増加し、どこの山でもクマと遭う危険性があると思ったほうがよく、今までとは異なる新たな認識でクマと人間との共存を考えていく必要があることが述べられた。

当日は約75人の聴衆が集まり、認定地における活動や山﨑氏の講演に耳を傾けた。

(文=神谷浩之/山と溪谷編集部)

『新編 西蔵漂泊』

チベットに潜入した十人の日本人

ヤマケイ文庫『西蔵漂泊』江本嘉伸=著/1,100円+税/2017年3月1日発売/文庫判/528ページ/ISBN:978-4-635-04799-9

鎖国状態のチベットで十人が実践した旅は、きわめて稀有な「知の体験」だった

明治から大正、そして太平洋戦争前後にかけて、仏教の経典を求めて、あるいは僧院での修学に、そして国の密命を帯びて、鎖国状態のチベットに密かに潜入した十人の日本人がいた。彼らの行動を、新発見の資料と現地を含めた取材で探った異色のドキュメンタリー。当時のチベットの特異性と歴史に翻弄された日本人の稀有な体験が、詳細に綴られる。

1993年3月発行の『西蔵漂泊〈上〉』と、1994年4月発行の『西蔵漂泊〈下〉』が1冊にまとまり、待望の文庫化。

八甲田・田茂萢岳、前岳

バックカントリースキーを楽しみました

樹氷と弘前市街(写真=畠山茂信)

大斜面を滑降(写真=畠山茂信)

2月19日~24日、雪、霧

6日間の滞在中、低気圧が通過すると雪が降り、高気圧に覆われると霧になり、晴れて視界の開けた日はありませんでした。それでもパウダースノーを求める人は多く、宿は満室、ロープウェイも長い待ち時間がありました。

今回は視界不良のため、田茂萢(たもち)岳から北東の尾根を田代平に下るルートと、前岳から北側の尾根を銅像茶屋に下るルート、そして前岳から鳴沢露営地に下るルートを繰返したどりました。同じルートでも場所を選べば、毎回ノートラックの斜面を楽しむことができます。

積雪が多く、ほぼ毎日降雪があるので、雪崩には細心の注意を払いました。特に鳴沢は大変深いパウダースノーを楽しめますが、リスクが高いのであまり立ち入らない場所です。また、いずれのルートも上部は樹木のない大斜面で素晴らしい滑降を楽しめますが、視界不良時は沢に迷い込みやすく、注意が必要です。八甲田に入山の際は、危険を回避するため地元のガイドの方に案内を依頼するのがよいでしょう。

(文=畠山茂信)

秋田県・森吉山

樹氷モンスターの間を縫って滑りました

森吉山山頂にて(写真=増村多賀司)

一ノ腰を見ながら樹氷の間を縫って滑る(写真=増村多賀司)

2月25日~26日、25日雪のち曇り、26日曇り

森吉阿仁スキー場で入山届を提出して、ゴンドラに乗りスタート。山頂駅に着くとホワイトアウトで視界が悪く、コンパスやGPSを使って慎重に進みます。石森から森吉避難小屋へ寄って、休憩。しばらく天候の様子を見ます。予報では終日ガスか雪でしたが、地元友人の見立てで晴れ間が出ると予測。泊まり装備を小屋にデポして山頂に向けて出発しました。

阿仁避難小屋付近まで来ると薄日がさすようになり、周辺の樹氷モンスターたちが幻想的に浮かびあがり、メンバーから歓声があがります。樹氷になっている木はここではモロビと呼ばれています。別名アオモリトドマツ、オオシラビソです。

山頂に着くころには青空も広がり、北西の方角を見ると三角の雪稜が美しい一ノ腰が印象的でした。西方には男鹿半島と日本海が見えます。山頂からは、スキーで連瀬沢源頭に向けて樹氷の間を縫って滑走し、最後に森吉避難小屋へ登り返しました。

この日は避難小屋にて宿泊。夜は地元の名物、キリタンポ鍋やイブリガッコをいただきました。

翌朝は吹雪いていたので、前日リーダーがルートにさしておいたマーキングポールを頼りに下山しました。冬の森吉山は視界が悪いと迷いやすいので、注意が必要です。

(文=増村多賀司/写真家)

妙高・前山

雄大な景色を見下ろしながらの山スキー

前山山頂まであとひと息(写真=安倍 仁)

雄大な景色を見ながらの滑降(写真=安倍 仁)

2月22日、晴れ

妙高山の東面直下にある前山に行きました。

赤倉観光リゾートスキー場を経由して、前山山頂までハイクアップします。この日は高気圧が張り出し、とてもいい天気でした。袖をまくっての登りは、額にも汗がにじみ、風が快適に感じられます。

山頂から雄大な景色を楽しみ、滑り始めます。少し重くなってきた雪面でしたが、まだ乾いている雪面もあり、みんな思い思いに滑りを楽しみました。

今回のメンバーはいつものプロガイド仲間です。ハイクアップよりも滑降を長く楽しめる、いいルートでした。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

北アルプス・上高地

冬の上高地で雪道トレッキング

上高地・明神間より、明神岳(写真=中村重明)

大正池ホテル脇より、大正池と奧穂高岳(写真=中村重明)

2月25日~26日、両日とも晴れ

釜トンネル入口から大正池や河童橋を経て明神を往復する雪道トレッキングを楽しんできました。

沢渡にマイカーを駐車し、タクシーで釜トンネル入口に移動してトレッキング開始。釜トンネルと上高地トンネルを抜けたところで軽アイゼンを装着し、大正池までは車の往来で圧雪されカチカチに凍結した車道をたどりました。その先、無雪期の遊歩道をたどり河童橋に向かうルートは、携行したスノーシューを付ける必要がないほどしっかりしたトレースがあり、軽アイゼンで快適に歩くことができました。

河童橋周辺は写真撮影や昼食休憩をするハイカーで大にぎわい。到着時に奥穂高岳方向はガスがかかっていたものの、昼食休憩中にガスが晴れ、穂高連峰と明神岳の素晴らしい展望を楽しむことができました。

その先明神までは、めっきりハイカーの数は減ったもののしっかりしたトレースがあり、静かな雪道散策を楽しむことができました。

宿泊した明神の「山のひだや」は、部屋に豆炭のこたつとガスカートリッジのストーブがあり、とっても暖かく過ごすことができました。

翌日は明神を5時半過ぎに出発し、河童橋で、朝日に赤く染まる雲をまとった明神岳と奧穂方向の景観を眺めながら朝食休憩。最初はガスに隠れていた奧穂も徐々に姿を現し、素晴らしい展望を楽しみながら、田代池、大正池を経て釜トンネル入口に戻りました。

(文=中村重明)

北八ヶ岳・稲子岳

誰にも会わない、静かで美しい山

登山道から分かれて稲子岳に向けてラッセル(写真=山田哲哉)

稲子岳頂上直下にて。風が強く砂礫も出ている(写真=山田哲哉)

2月14日~15日、晴れ

稲子岳は天狗岳下の中山峠の東側に、主稜線からぽつんと離れてにゅうなどとともにそびえる東面、南面に岩場を持つ山です。登山道がなく、しらびそ小屋から中山峠直下まで登り、地形図を読んでラッセルしてトラバースして到達できるという、ちょっとやっかいな山なので、小海線側からのルートは訪れる人も少ない静寂の地です。

しらびそ小屋は素朴で食事もおいしく、なによりも朝の真っ赤に輝く天狗岳の東壁の姿が美しい、素敵な小屋です。小屋を出発して、森林高地の緩やかな斜面を中山峠直下に迫り、傾斜が急になる箇所からラッセル開始。少し尾根らしくなった箇所をたどり、稲子岳の岩壁の途切れる左端を攀じ登ります。飛び出す稲子岳山頂台地からは天狗岳や硫黄岳が手の届きそうな近さで美しく眺められました。誰にも会わない静かで美しい稲子岳です。

なお、稲子岳は夏にも踏み跡程度の山なので、ラッセルは必須です。また、中山峠に向かう登山者が稲子岳へ迷い込まないよう、登山道に戻ったらトレースを丁寧に消す配慮をしましょう。

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

北八ヶ岳・天狗岳

ピッケルとアイゼンを使って登る本格的雪山へ

東天狗岳に向かう急斜面を慎重に進む(写真=木元康晴)

西天狗岳から見た東天狗岳。山頂には大勢の登山者がいました(写真=木元康晴)

2月25日~26日、両日とも晴れ

雪山初級者といっしょに、本格的雪山登山の入門コースとされる天狗岳に行ってきました。

1日目はバスで渋の湯に向かい、そこから樹林のなかを2時間ほど歩いて黒百合ヒュッテへ。到着後はすぐに、摺鉢池側の斜面でピッケルとアイゼンのコンビネーション歩行について同行者にレクチャー。それからヒュッテにチェックインしましたが、天気がよい予報の週末だったためか、やや混雑気味です。それでもひとりひとりの就寝スペースはしっかり確保されていて、快適な一夜を過ごすことができました。

翌朝は朝食後、すみやかに出発。中山峠を過ぎて森林限界上に出ると風が強まったものの、それも次第におさまって絶好のコンディションに。岩場を慎重に通過して立った東天狗岳山頂は、大勢の登山者でにぎわっていましたが、続けて向かった西天狗岳まで足を向ける人は少なく、広い山頂で360度の展望を思う存分満喫できました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

谷川連峰・平標山

雪洞泊で仙ノ倉山をめざしました

雪洞堀りに挑戦(写真=山田哲哉)

雪洞の内部(写真=山田哲哉)

2月25日~26日

谷川連峰最高峰・仙ノ倉山を目指して、平標山登山口から別荘地を抜けてヤカイ沢の上に広がる広大な斜面を登ります。付近は大きなブナとダケカンバの美しい森。見上げればハラハラと舞う雪のなかに、平標山から松手山に伸びる稜線が時折見えます。

平標山南の1820m付近から西に伸びる尾根に取り付く。1433mピーク付近からは南東側に雪庇の張り出した尾根を登ります。出発直後からワカンをつけてくるぶし程度の締まった雪を快適に登りました。

群馬・新潟県境の尾根との合流点から南に、雪洞適地を探しながら降ります。平標山の家付近で適地を発見し、荷物を下ろしてすぐに雪洞堀りにとりかかりました。僕たち「風の谷」では、雪洞を堀るときは2ヶ所に穴を堀り、一定の深さまで掘ったら左右の穴をつなげて居室を作りますが、今回は全員で真横に掘って最期にブロックで壁を作るやり方にしました。ガイド仲間の木本哲さんに教えてもらった方法ですが、4人という少人数だったので、この掘り方にしました。

結果、「風の谷」方式より早く、濡れも少ないので感心しました。しかし、弱点としては雪の壁がないので強度的に弱いことと大きな雪洞は掘れないことです。雪洞のなかは静かで、ローソクの灯でも明るく見えます。夜は星空となり、湯沢の花火も見えました。

翌朝は雪で、風も強い。うす明るくなった6時に出発。平標山まではホワイトアウトのなか、1時間程度で到着しましたが、空と雪面の区別がつかない視界に撤退を決断。仙ノ倉山はあきらめます。前日登った尾根から谷へ、一気に下りましたが再び雪でした。

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

浅間周辺・湯の丸山、烏帽子岳、桟敷山

湯ノ丸高原エリアで2週にわたり雪山を堪能しました

湯ノ丸山山頂から烏帽子岳。その向こうに北アルプス(2月19日)(写真=平田謙一)

湯ノ丸山や浅間山を背に、烏帽子岳稜線へと快適なアイゼン登高(27日)(写真=平田謙一)

2月19日、2月26日~27日、19日快晴、26日晴れ、27日快晴

浅間山の噴煙を東に望む湯ノ丸高原・旧鹿沢温泉周辺の冬場は、高峰高原周辺とともにスノーシューの楽しみをはじめとする人気の雪山登山エリアで、湯ノ丸山ではバックカントリースキーヤーも多く見うけられます。脊梁山脈から少し離れていることにより、冬型の気圧配置にあっても太平洋側気候寄りで晴天率が高く、標高も2000mを超えるので、ある程度の積雪量や雪質のよさが期待できるのも人気の要因でしょう。

この湯ノ丸山周辺で2週にわたって雪山を堪能してきました。まず19日(日)は、ちょっぴり歩きごたえのある日帰り行程のプチ山岳スノーシューをテーマに、旧鹿沢温泉の名湯・紅葉館のわずか上手、90番観音からスタート。コンコン平をへて古いスキー場跡の急斜面を交代でトレースをつけながら鐘分岐に上がります。ここからはよく踏まれた地蔵峠からのルートを湯ノ丸山山頂(2101m)へ。さらに新雪のダウンヒルをまじえて角間峠へ下り、地形図を読みながら百番観音が立つ旧鹿沢の紅葉館前へ下って周回しました。

翌週は1泊2日行程で再訪しました。26日(日)、旧鹿沢温泉の裏手(南側)にそびえる溶岩ドーム、桟敷山(さじきやま、1915m)へ。さいわいトレースはつけられていたものの、等高線を見て案じた通りかなりの急斜面で、雪質もやや硬め。蹴り込み技術なども駆使してスノーシューで山頂まで登りましたが、下りは安全確実にと、アイゼンも使いました。雪質などのコンディションにもよるでしょうが、小粒ながら侮れない中級の雪山コースといえます(雪山入門や初級の方ならば、休暇村嬬恋鹿沢からの村上山1746mなどがおすすめです)。

翌日(27日)は、前日に増して大快晴。山頂での展望を楽しみに烏帽子岳(2066m)を目指す計画です。午前7時過ぎ、地蔵峠ではマイナス14度。この冷え込みに加え、昨日の入山者の多さも考慮して、スノーシューは迷わずザックに背負います。結果、ほぼ終日にわたって軽快なアイゼン歩行でした。

コースは、湯ノ丸山南面を巻いて烏帽子岳との鞍部へ。緩い尾根状をわずかにたどった先は、左方(南側)へと斜上していく夏道と分かれ、急峻な尾根を直上。頂稜に顔を出すと、その向こう側には、まるで屏風絵のような北アルプスの銀嶺がありました。風もない穏やかな山頂で存分に展望を楽しんだのちは、湯ノ丸山への鞍部から湯ノ丸山を越えて地蔵峠へと戻ったのでした。

三寒四温のこの時期。天候や雪の状態を見極めるのは難しいものです。寒波の再来や南岸低気圧の通過により、まだまだ降雪も考えられます。山行に際しては、天候の推移を注意深く観察するとともに、スノーシューやワカン、そしてアイゼンなどを賢く使いわけることが重要です。

(文=平田謙一/むさしの山岳biz・山岳ガイド)

栃木県・三毳山

早春から野草の花を楽しめます

左:ザゼンソウ。右:フクジュソウ(写真=石丸哲也)

上から時計回りに、湿性自然植物園から見上げる三毳山最高峰の青竜ヶ岳、咲き始めたばかりのアズマイチゲ、大粒で甘いスカイベリー、開き始めたカタクリの葉とつぼみ(写真=石丸哲也)

2月28日、快晴

三毳(みかも)山は標高229mの丘陵ですが、関東平野の北端に位置する独立峰で、古くからランドマークとされ、万葉集にもうたわれている、由緒ある山です。登山者には春、佐野市万葉自然公園かたくりの里などに群れ咲くカタクリのピンクの花が人気です。

行政的には栃木県佐野市と岩舟町にまたがり、かたくりの里は最高峰である青竜ヶ岳の北面に広がっています。また、南面は栃木県みかもやま公園として整備、管理されています。みかもやま公園には東口、西口、南口があり、それぞれ登山口にもなっていて、かたくりの里が北面の登山口に当たります。各登山口には様々な施設があり、ハイキングコースも複数あって、色々な歩き方ができます。特に東口には野草の園、湿性自然植物園などがあり、早春から野草の花を楽しめます。

今回は東口からスタート。みかも山岩舟特産館で栃木のイチゴの新品種スカイベリーを購入した後、野草の園から湿性自然植物園を巡って、フクジュソウ、アズマイチゲ、ザゼンソウなどの花を観賞しました。時間の都合で、大温室もある「とちぎ花センター」は寄らず、さらに山裾を歩いて、かたくりの里に入りましたが、ここでもフクジュソウやアズマイチゲに会うことができ、すでに葉を広げ、つぼみを見せた株もあるカタクリに季節の移ろいを実感しました。

かたくりの里から雑木林を登って青竜ヶ岳山頂に着けば、赤城山や安蘇山地など西側を中心に展望が開けます。ここで昼食をとり、デザートにジューシーなスカイベリーをいただきました。休憩後は南へ向かってミニミニ縦走。2等三角点がある中岳、東側の眺めがよいハンググライダーの離陸地、三毳神社奥社のピークを経て南口へ下りました。梅やロウバイが咲く三毳庭園、三毳神社を見た後は、また山裾を歩いて、東口へ戻りました。

カタクリの花の見ごろは例年3月下旬~4月初めごろですが、年により変動があります。かたくりの里では3月16~31日にライブやかたくりウォーク、土産物などの臨時販売所設置などの「かたくりの里花まつり」が開催されます。20日と27日にはJR両毛線・東武佐野線佐野駅からシャトルバスも運行の予定です。運行期間外は、両毛線岩舟駅から、かたくりの里入口まで1時間ほど歩くか、佐野駅からの路線バスか都内からの高速バスを利用できる佐野プレミアムアウトレットから徒歩30分ほどで南口へ達することもできます。マイカーの場合は東北自動車道佐野藤岡インターから数分で南口。各登山口には駐車場が整備されています。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

高尾・高尾山

ヤマルリソウが咲き始めています

芽を出し、開花したばかりのヤマルリソウ。これから枝を伸ばし、花を広げていく(写真=石丸哲也)

左:清滝広場の飛翔するムササビ像のかたわらで梅が咲き始めていた。右上:こちらも咲き始めたばかりのユリワサビ。右下:高尾山山頂から都心方面を望む(写真=石丸哲也)

2月25日、晴れ

手近なフィールドを季節折々に訪れることで自然の移り変わりを知り、より深く山を理解できる。そんな目的にぴったりの高尾山を毎月、1~2回は登るようにしているのですが、1ヶ月以上ご無沙汰してしまいました。25日は夕方、渋谷へライブを観に行くので遠くの山へ行くには時間がとれなかったのですが、そろそろ早春の花が咲き始める季節ということもあって、久しぶりの高尾山に出かけてきました。

登りは、清滝の広場で咲き始めの梅を見た後、6号路に入りました。沢沿いで日当たりがよくないため、花が遅いと考えられがちですが、早春の花を意外に多く見られます。まだ2月なので、さすがに野草の花は見つかりませんでしたが、ヤブツバキの赤い花が点々と咲き、ヤブランの青い実、アオキの赤い実が枯れ木立に彩りを添えています。

しかし、大山橋を過ぎ、日が当たる斜面にユリワサビの花が見つかりました。目当ての花のひとつヤマルリソウを含めて、ほかの花はありませんでしたが、ヨゴレネコノメが葉を広げていたり、マユミやモミジイチゴが芽を開いたり、膨らませたりしていて、春がそこまで来ていることを感じました。

高尾山山頂に着いたのは、ちょうど昼時でしたが、比較的、空いていました。富士山が雲に隠れていたものの、丹沢や都心方面が眺められました。高尾ビジターセンターに寄ると、1号路の男坂付近にヤマルリソウが咲き始めているとのことで1号路を下山。ヤマルリソウの花は思ったより多く咲いていましたが、どれもまさに芽を出して、咲き始めたばかり。夏の高山に登ると、残雪が融けた後からすかさず芽を出すとともに花を咲かせる植物が多く見られることを思い出しました。

芽を出すとともに花を咲かせるためには、前年、冬に入る前に花芽を用意する必要があります。可憐に見えながら、強い生命力を備えていることを実感しながら、花を愛で、写真を撮りました。前後しますが、薬王院では紅梅がほぼ満開、白梅は咲き始め。前述の清滝の梅も含めて、高尾山はこれから梅の季節に入ります。北面の高尾梅郷の開花も進んでいるようで、3月11~12日の高尾梅郷梅まつりのころ、ちょうど見ごろになりそうです。

ライブはフォーク・ロックの女性デュオ、ハルカトミユキ。歌うことが生きること、生きることが歌うことと感じさせる真っ直ぐさが魅力にひとつです。山を登ることが生きること、生きることが山を登ること。そんなピュアな登山をしたいという思いにかられたのでした。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

丹沢・焼山

丹沢主脈縦走路の入下山口の山へ

焼山山頂は、植林された白樺が林立して、奥に鉄塔展望台が立っている(写真=白井源三)

鉄塔展望台より眼下に宮ヶ瀬湖が光り、対岸に仏果山の稜線が望まれる(写真=白井源三)

2月24日、晴れ

丹沢主脈縦走路の入下山口の山、焼山。バスの便が激減する前、焼山登山口には旅館もあり、裏丹沢山域をにぎわせていました。現在でも、県の自然環境保全センターによる崩壊地の補強や道標の新設など、蛭ヶ岳まで延びる主脈路を管理維持している姿があります。

この日は焼山登山口バス停側から歩きました。林道を詰めるとゲートがありますが、ピンを抜いて開けられます。しばらくすると登山口です。登ってすぐに焼山へ3.0km、西野々からのルートと合流し、石畳の道が続きます。登った台地には、ござ松と呼ばれる休憩場にベンチが置かれ、背後の露岩横から奥高尾の稜線が望まれます。

登りが続いて落葉樹の尾根に変わり、道は落ち葉が重なる尾根を巻いていきます。焼山へ1.4kmの道標左下へ、水場から西沢の林道に出て登山口へ下る道がありましたが廃道になっています。

トラバースが続き、桜が点在する登りとなりました。左手が明るくなり、宮ヶ瀬湖や石老山が望まれ尾根に出ます。いよいよ、焼山への暗い杉林のなか、ジグザグの長い急登が始まります。姫次へ5.1kmの道標を右に登っていくと、白樺林に囲まれた白銀の鉄塔展望台が立つ焼山山頂に到着です。

鉄塔上からは、東に大岳山、陣馬山方面の奥高尾山稜、石老山、眼下に宮ヶ瀬湖が光っていました。西には樹林越しに丹沢三峰から蛭ヶ岳が望まれます。山頂には山麓の青根、青野原、鳥屋地区のそれぞれの祠が置かれ境界となっています。往時は、屋根萱の屋根葺きの材料採取地となっていました。展望塔や白樺の植林は麓の有志によるものです。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

南信州・京平山

スノーシュー初めての人たちと楽しむ裏山

京平山山頂から恵那山を指さす(写真=原 誠一)

スノーテーブルでティータイム(写真=原 誠一)

2月21日、晴れ

南信州の京平山(1620m)にスノーシューで行ってきました。南信州最大規模のスキー場「ヘブンスそのはらスノーワールド」は、もともと、京平と呼ばれる牧場でもあった高原を開発して造られました。今日はその裏山「京平山」を目指します。

この京平山は普段、カラマツと笹に覆われ、登山道は踏み跡程度です。冬の雪が積もった時がもっとも登りやすい山といえます。スノーシューは初めてというメンバーたちでしたが、ヘブンスそのはらの展望台付近で新雪のラッセルトレーニングを行ない、スノーシューの歩き方に慣れてから、京平山に取り付きました。

ツボ足では腰まで潜る斜面も、スノーシューを履くとヒザ下程度のラッセルになり、快適に高度を上げられます。

ほどなく、京平山の山頂に到着しました。山頂には避雷針が立っていて、そこに山頂を示す標識がかけられています。カラマツ林の合間から日本百名山の恵那山が見られました。

下りは、新しいトレースをつけながらヘブンスそのはらへ戻りました。

(文=原 誠一/アルプスネイチャークラブ・登山ガイド)

鈴鹿・藤原岳、御池岳、鈴北岳

霧氷を見ながら、鈴鹿北部縦走と雪原ハイク

鈴北岳から見る雪原(写真=金丸勝実)

左上:雪原と鈴北岳/右:雪原の霧氷/左下:御池岳山頂から見る名古屋の夜景/右下:朝日に染まるテーブルランド(写真=金丸勝実)

2月25日~26日、25日曇り時々晴れ、26日曇りのち晴れ

鈴鹿山系は今季、度重なる寒波の襲来で積雪が多くなっています。ネットでは、ラッセルを強いられ山頂に届かなかったレポートをよく目にしました。しかし2月も後半になると雪が締まり、稜線や雪原が歩きやすくなります。週末には少し寒波が入るようですが、日曜日は高気圧の圏内に入り晴れの予報だったので、テントを担いで藤原岳から鈴北岳に縦走することにしました。

藤原岳登山口前の駐車場は朝の7時には、登山者でにぎわっていました。登路は大貝戸登山道が一般的で、登山口は駐車場の脇にあり、比較的歩きやすいルートです。この日は4合目当たりから雪道となりました。寒波の影響で気温は低く、圧雪された路面は凍り付き滑りやすくなっていたので、6合目からアイゼンを装着しました。8合目から9合目は雪崩の危険を回避するため冬道になります。9合目で通常ルートに復帰し山上の避難小屋に到着しました。積雪は1mほどありましたが、雪はよく締まっていて、アイゼンが気持ちよく雪面をとらえ、ぐいぐいと高度を上げていきました。

避難小屋は食事休憩する登山者でにぎわっていました。我々は初日に、御池岳まで足を伸ばしたかったので、時間短縮のために藤原岳の山頂をパスして先に進むことにしました。

縦走路に入ると登山者は少なくなります。展望のいい天狗岩まで来るとガスが晴れ、藤原岳をはじめ、鈴鹿北部の山々を一望することができました。遠くに御池岳の奥の平が見えています。これから先は県境稜線をたどりますが、白瀬峠とカタクリ峠で鞍部まで下り登り返しがあります。カタクリ峠に着いたころには、冬装備のザックが肩に食い込み、疲労の色は隠せません。時間次第ではここにテントを張るつもりでしたが、まだ少し時間にゆとりがあり、雪の状態もよかったので、御池岳山頂まで頑張ることにしました。

山頂へは16時30分に到着。風が収まってきたので、山頂脇にテントを設営することしました。山頂は、夜空に輝く星と名古屋の夜景がすごくきれいなところです。

二日目は4時半に起きて食事をすませ、空身で御池岳の雪原散策に出かけました。この雪原はテーブルランドと呼ばれ、雪に埋まり窪地となったドリーネや雪原、霧氷のついたオオイタヤメイゲツの樹林が点在し、素晴らしい景観が楽しめます。我々の他に2パーティーが入山していたようで、それぞれの場所にテントを設営していました。山頂から御池岳の台地の東半分を周回しテントに戻ります。

帰路は鈴北岳まで縦走し、鞍掛峠に降りることにしました。御池岳山頂から鈴北岳までは縦走路がありますが、それにこだわらず、雪原歩きが楽しめます。方向を定めて自由に歩くのも楽しみですが、ガスが出ると迷いやすいので注意が必要です。山頂を後にするころにはガスが晴れ、青空がのぞき始めました。青空の背景があると、霧氷が雪原によく映えます。

鈴北岳からは、県境縦走路で鞍掛峠に下ります。雪の状態がいいので快調に峠までは下れましたが、本日の核心はその先にありました。峠から国道までの下りです。夏道なら20分ほどで下れますが、日当たりのよい斜面は雪が緩み、何度も雪を踏み抜きながらの下りになりました。やっと国道まで降りることができましたが、冬季閉鎖の国道はガードレールが埋まるほどの積雪があり、しかも雪が緩んでいて、ワカンを装着して下りました。山中ではワカンがお荷物になっていましたが、まさか国道で使うことになるとは思いませんでした。

2時間半かかりやっと国道のゲートに到着し、そこからはタクシーを頼んで大貝戸の登山口に戻りました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

岡山鳥取県境・三平山

青空の下、スノートレッキングを楽しみました

それぞれのマイロード、お色直しの稜線を頂上へ(写真=舩越 仁)

下山途中で横一列、背後は蒜山高原と蒜山三座です(写真=舩越 仁)

2月24日、晴れ

明治以降、陸軍の軍馬放牧地であったこの山の上半部はススキと灌木が密集し、積雪のたびに全層雪崩れする山です。今日は私たちの会にとっては年に一度の雪山例会で、今回で3度目になります。これまでは雪崩の危険のない県境土塁登山道をピストンするのが慣例でした。しかし今日の三平山は雪崩るものはすべて雪崩れ終わっているようです。そこで今回は眺望のきく夏山登山道を登ることになりました。

樹林帯を抜け視界が開けると、巨大な岩が押しつぶされたようなデブリゾーンが続きます。夏山登山道はこのデブリの下らしい。デブリ通過の可否判断する間もなく、いっそのこと柴原斜面を直登することにしました。きついけど早い、ショートカットで県境稜線へ出ました。

広い稜線をみな思い思いに頂上へ向かいます。強風のため、ほとんど雪の積もらない稜線はとても歩きやすかったです。さえぎるもののない頂上で大展望を楽しんだ後、帰路はいつもの県境尾根を下りました。

今回はカンジキとスノーシューの混成でしたが、斜度の強い箇所ではカンジキの方が使いやすかったようです。特に雪山初心者はレンタルを使用せざるを得ず、浮力重視でグリップ力の弱いスノーシューであったことが反省材料となりました。

なお、夏山登山道は初めての私たちが避けたデブリ通過ですが、2日後に開催された蒜山ガイドクラブ主催のスノーシューツアーのガイドさんによると、夏山登山道へのデブリの影響は少なく、危険性はほとんどないとのことでした。

(文=舩越 仁/みつがしわ山の会)

裏磐梯・雄国山

冬芽の観察をしながら歩きました

動物の足跡がたくさんありました(写真=葉貫正憲)

山頂の展望台が見えます(写真=葉貫正憲)

2月27日、晴れ時々曇り

雄子沢駐車場から夏道を外れ、沢沿いに上っていきます。湿地に多い樹木、シロヤナギ、サワグルミ、カツラなどの大木の間を進みます。枝先にとりわけ大きな冬芽をつけているトチノキがたくさんありました。夏場は鬱蒼として薄暗い沢すじですが、日差しがさして白く輝いています。

沢を登りきった後、雄国沼へは行かずにまっすぐ雄国山へ向かいました。ミズナラの林のなか、ジグザクをきりながら急斜面を一気に上ると、沢から上の樹林は霧氷がびっしりとついて別世界の様相です。稜線に出ると、山スキーのふたり組と合流し、山頂まで歩きました。登山口から2時間10分でした。

しばらく休んでいると雲がわいてきて見晴らしもきかなくなったので、下山することに。上ったところをたどって雄国沼手前の平らなところまで下り、昼食をとりました。30分ほど休んでいると再び青空が見えてきました。少し待っていればいい景色がみられたのかもしれません。

下りの沢道は、あちこちに昨日までのトレースが残されていましたが、できるだけ高低差のないところを選んで下りました。何度もきているので、そのあたりは経験でわかります。今年は雪が多く、沢もすっかりふさがっていたので歩きやすかったです。帰りもゆっくり歩いたので2時間でした。

なお、新雪のときは上記より2倍近い時間がかかると思われますので、雪の条件を適切に判断しながら歩くことをおすすめします。

(葉貫正憲/福島県/69歳/よく行く山:会津百名山)

福島県・龍ノ山

氷筍を探索に冬の洞窟へ

林立する氷筍(写真=松井圭子)

終始急斜面の登下山ルート(写真=松井圭子)

2月19日

喜多方観光物産協会山都支部主催の「氷筍(ひょうじゅん)探索&洞窟トレッキング」に参加しました。氷筍とは、洞窟のなかに育つタケノコ状の氷柱。限られた地域でしか見ることができない自然現象です。

集合は喜多方市山都町の「いいでの湯」。開会式の後、登山口まで移動しました。吹雪や突風に見舞われながら急斜面をひたすら登り、龍ノ山稜線まで1時間強。稜線を越えて反対側に急下降すると、うそのように風が穏やかになり、数10m下って氷筍のある洞窟に到着。上下ふたつの洞窟で立派な氷筍を観察することができました。

写真撮影やランチを楽しみ、来た道を戻って、参加者特典の無料券で温泉を楽しみました。

この企画は毎年1月半ばに発表され、事前申込制で、今年の参加費は3000円でした。参加される場合、開催要項には書かれていませんが、軽アイゼンはあったほうがいいと思います。。

(松井圭子/神奈川県/よく行く山:福島県の山)

丹沢・高松山~松田山

展望の山から河津桜の山へ

高松山山頂からの眺望(写真=谷上俊三)

松田山にて。河津桜が満開(写真=谷上俊三)

2月15日、快晴

丹沢山塊の南端に位置する高松山は、NHKの『花の百名山』でも紹介されています。春にはキブシを始めアブラチャンや桜など、いろいろな花で飾られるきれいな山です。冬に花はありませんが、山頂からの富士山、愛鷹山、箱根連山、それに小田原の市街から相模湾への眺めは素晴らしいものがあります。

今回は南の山北側から登り、西側の尺里峠(第六天)へ下り、最明寺史跡公園へ出て松田山へまわりました。松田山は河津桜の山で有名ですが、ちょうど河津桜が満開で、大勢の観光客でにぎわっていました。

(谷上俊三/神奈川県/76歳/よく行く山:丹沢大山、丹沢表尾根など)

台高山脈・高見山

最高のスノーコンディション

小峠から大峠に向かう途中で(写真=樋上春男)

2月12日、雪

奈良交通の霧氷バスで近鉄榛原駅から高見登山口に向かい、旧伊勢街道から小峠、大峠、頂上、たかすみ平野のコースを中高年6名グループで登りました。雪が非常に多く、アイゼンをずっと装着していましたが、凍っている箇所はほとんどありませんでした。

上の方は、気温も低く、吹雪とあいまって震えるほどでしたが、最高のスノーコンディションの時に登ることができて、一同大満足の山行でした。

(樋上春男/大阪府/67歳/よく行く山:六甲・妙見)

三重奈良県境・三峰山

霧氷トレッキングを楽しむ

霧氷のトンネルを行く(写真=小林昭生)

山頂直下から倶留尊山方面(写真=小林昭生)

2月15日、晴れ時々曇り

ひさしぶりに晴れ間が広がるとの予報に誘われ、三峰山(みうねやま)に行ってきました。シーズンになると土・日には霧氷バスが出る山です。この日は平日でしたが、駐車場はすでにいっぱいでした。

登山口から30分ほどで不動の滝ですが、今回は氷結していませんでした。ここから急登になります。つづら折れの道をいくこと1時間あまり、登り尾ルートとの合流点にある小屋に着きました。

大きめの小屋には休憩するのに充分なスペースがあります。パンとコーヒー、ドライフルーツで簡単に食事をすませ、三畝峠(同じ「みうね」でもここだけは字が違う)に向かいます。

10分ほど歩いた峠から霧氷の林が続き、ほどなく山頂に。室生火山群の最高峰・倶留尊山(くろそやま)、大洞山(おおぼらやま)、尼ヶ岳などが望めます。4人グループが記念写真を撮っていました。

山頂を辞して少し下ると、解放感あふれる八丁平に出ます。台高山脈が気持ちよさそうにその長い尾根をのばしていました。ここでも何人かがカメラを構えていました。

小屋に引き返し、登り尾ルートを下って登山口に戻りました。休憩時間を含めて5時間弱、手ごろな霧氷トレッキングでした。

(小林昭生/奈良県/75歳/よく行く山:金剛山系はじめ関西一円の山々)

福岡県・皿倉山

工業都市の大展望と森林浴を満喫

北九州市から関門海峡を経て山口方面を臨む(写真=串崎道徳)

皿倉山山頂より、平尾台山焼きの大きな煙を確認(写真=串崎道徳)

2月19日、晴れ

北九州市八幡東区市街地の南に位置する皿倉(さらくら)山一帯は、北九州国定公園にも指定され、市民の憩いの場として、また新日本三大夜景にも選出されるなど、豊かな自然に恵まれ多くの人々に愛されています。

この日の天候は晴れでしたが、前日の陽気とは裏腹に冷たい風が吹く1日でした。登山コースはいくつも整備されていますが、今回は往路を「皇彩(こうさい)の森コース」、復路は皿倉表登山道を歩きます。急登の見返り坂・皿倉ノ泉を、森林浴をしながら過ぎ、やがて皿倉平へ。テレビ塔が林立する山頂へはわずかです。

冒険の森を過ぎれば、広い山頂広場が待っています。そこは360度の大展望が展開。眼下には北九州工業地帯、玄界灘から関門海峡を経て周防灘、また南側は英彦山・福智山など峰々が連なります。また、この日はカルスト台地・平尾台の山焼きとも重なり、大きな煙が山頂からも見ることができました。これは、今日の登山のご褒美かもしれません。

皿倉表登山道で下山しましたが、舗装道路を併用となるので車の往来には注意が必要です。こちらの景観も「素晴らしい」の一言でした。

(串崎道徳/山口県/59歳/よく行く山:山口県や九州の山)

第八十三回

山歩き、いつのまにやら句をひねり(弾親)

山スキー、登りは得意、降りイヤ~(あられちゃん)

しゃもじスキー皆履きオレのは細身スキー(にいしばG)

雪洞の朝は快適、三つ星トイレ(山形山人)

【寸評】

一句目、弾親さん。先週「次はもっと川柳らしい投稿を」とお願いしたところ、さっそくひねってくれました。ありがとうございます!

二句目、今週も明るいあられちゃん。私も同じく滑りより、登りのほうが得意です。今度、山スキー(ただし登りのみ)同好会を結成しましょう。

三句目、にいしばGさん。スキーは細身でメーターが勲章の時代でした。ロシニョールの7Gでかっこつけていたあの頃が懐かしいです。

四句目、久しぶりの登場、山形山人さん。しかし、久しぶりの投稿を下ネタで飾らなくっても、もっといいネタがあるのではないでしょうか!?(笑)

【段位】弾親さんには「2000m級」を授与します。あられちゃんは「ガッシャブルムⅡ峰」に昇段。にいしばGさんはエベレスト「C4」が目前に! 山形山人さんはエベレスト「C4」で残念ながらビバークです。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

なお、ご投稿いただいた方には1000m峰から始まる「山の川柳段位」を授与します。ふるってご応募ください。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

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ヤマケイ登山教室からのお知らせ

【机上講習会】 山の天気入門「春山の気象と温帯低気圧の発達(中級編)」

『山岳気象大全』『山の天気リスクマネジメント』(山と溪谷社刊)を参考書として、机上で山岳の気象を学びます。この講座では天気を予想することの楽しさを伝えるとともに、登山の成否やリスクを大きく左右する山岳気象について興味を持っていただけるような解説を心がけています。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2353

開催日 3月6日(月)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~21:00
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 3,000円
講師 猪熊隆之(山岳気象予報士)

【机上講習会】 山のファーストエイド(応用編)「骨折の応急手当 携帯用ロール副子(サムスプリント)の使い方」

この講座では、山で起こりがちなトラブルに対処するための事故防止対策、救助要請や応急手当の方法のポイントを学びます。身の回りの登山用具などで応用できる資材と、山で有効な救急用品の紹介と比較を行なうなど、「できるようになる」ための実習ベースになります。参考書は『山のファーストエイド』(山と溪谷社刊)です。

http://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2341

開催日 3月7日(火)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~21:00
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 3,000円
講師 悳 秀彦(日本山岳協会 遭難対策委員)
株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
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