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信州の山岳遭難現場より

島崎三歩の「山岳通信」。

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信しています。

5月16日に配信された第70号では5月1日から7日にかけて長野県で発生した18件の遭難事例が掲載されております。

残雪の多い山域に入山するときは、雪山での歩行技術やルートファインディング技術などをしっかりと身につけていることが大前提です。そして事前に積雪状況や天候、気温などをチェックし、慎重な判断をしてください。また、雪崩のリスクもあるので、ビーコンやスコップ、ゾンデ棒などの装備品を携え、雪崩の発生には充分な警戒をはらってください。

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【5月1日から7日に発生した主な遭難事例】

・5月1日、北穂高岳山頂付近で82歳男性が足を踏み外し、北穂沢方向へ滑落。頭部外傷などを負う山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。

・5月1日、八方尾根スキー場で、29歳女性がコース外の斜面へ入り込んだ後、沢筋の川に落水。低体温症により行動不能となる山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。

・5月1日、前穂高岳で43歳の男性と28歳の男性が最低コルから稜線を外れて岳沢方向をめざしたものの道に迷い、大滝上部付近で天候不良のため行動不能となる山岳遭難が発生。翌2日に県警ヘリで救助しました。

・5月2日、中央アルプス空木岳で、57歳男性が小地獄から迷尾根の頭に向けて雪上をトラバース中、南方、荒井沢へ滑落。県警ヘリで救助しましたが、死亡が確認されました。

・5月4日、奥穂高岳で20歳の男性が南稜を登攀中、アイゼンを滑らせ岳沢方向へ滑落。多発外傷により死亡しました。

・5月4日、北穂高岳北穂沢インゼル付近を登山中、雪崩に流されて滑落。左肩脱臼の重傷を負い、県警ヘリで救助しました。

・5月4日、奥穂高岳コブ沢付近で52歳の男性が雪崩に巻き込まれ、頭蓋底骨折などにより死亡しました。

・5月5日、前穂高岳北尾根の3峰で73歳の男性が登攀中に何らかの原因により転落、死亡しました。

・5月5日、栂池から金山沢を経由して猿倉へ下山する予定だった男女4人(70歳男性、68歳男性、41歳女性、37歳女性)がバックカントリースキー中にルートを間違え、行動不能になりましたが、県警山岳遭難救助隊員が発見して同行下山しました。

・5月7日、爺ヶ岳で南尾根を下山していた60歳男性と57歳女性がスリップして滑落しました。県警ヘリなどで捜索し、翌8日に捜索隊が発見し、県警ヘリにより救助しました。

(内容は長野県警察本部の発表時点のものです)

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長野県警のホームページでは長野県の春山情報をご覧いただけます。長野県警察ヘリ「やまびこ2号」によるヘリコプターテレビシステムにより撮影された横尾~涸沢、涸沢より上部、西穂高岳などの映像も見ることができます。

http://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html

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下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。

http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

(文=週刊ヤマケイ編集部)

第8回TKフォトクラブ作品展「四季の彩景」

6月2日(金)~8日(木)、東京・銀座で開催

爽朝(撮影=菊池孝七)

雪解けを待つライチョウ(撮影=小川圭太)

週刊ヤマケイの表紙を2012年の創刊時から3年にわたり飾っていただいた山岳写真家・菊池哲男さん。その菊池さんを顧問として活動しているTKフォトクラブの作品展が開催されます。

山岳写真を中心に自然写真を題材にした写真で技術を磨いてきた方々の力作、50点以上が展示されます。ご興味のある方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

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第8回TKフォトクラブ作品展「四季の彩景」

会期:6月2日(金)~8日(木)の7日間

時間:平日10:30~19:00(最終日14時まで)、土日11:00~17:00

会場:富士フォトギャラリー銀座

〒104-0061東京都中央区銀座1丁目2-4 サクセス銀座ファーストビル4F

TEL:03-3538-9822

入場無料

『山と溪谷』6月号

夏山登山のステップアップへ

『山と溪谷』6月号/5月15日発売/1018円+税/A4変形判/200ページ/別冊付録:登山バス時刻表 日本アルプス&長距離バス/綴じ込み付録:HIKER’S MAP & HANDBOOK尾瀬・桧枝岐

実践者が教える「計画・装備・行動」の新常識

今月号の特集は「夏山登山を変える最新テクニック70」。憧れのコースを踏破するために行動をマイペース化する「マイペースのススメ」に始まり、「マイペース登山のプランニング術」、進化する最新登山装備を使いこなす「ウェア・シューズ・小物の戦略」、そして知っておくべき技術と知識の「最新行動術」など、どこを読んでも新たな発見に気づかせてくれる大特集です。個人的にもっとも注目したいのは岳沢小屋支配人の坂本龍志さんと北沢峠こもれび山荘支配人の竹元直亮さんの対談や、日本海から太平洋まで55日間かけてアルプスの著名な山を一筆書きでつないで歩いた斎藤しのぶさんなど、山を深く知り、そこで実践している人たちのお話はぜひ多くの登山者に読んでもらいたいものです。

第2特集は「初夏、高山の花を訪ねて」。また「高校登山部(山岳部)の活動と安全対策」という緊急レポートも掲載。那須連峰の事故を考えるために、高体連とはどんな組織か、また高校登山部ではどのような登山活動を行なっているのかについて、長野県大町岳陽高校の取り組みを通じて紹介します。

日高山脈・アポイ岳

太平洋の眺めと高山植物を楽しめる山

アポイアズマギクとアポイ岳(写真=谷水 亨)

中腹から、馬の背と太平洋(写真=谷水 亨)

5月9日、晴れ

『山と溪谷』6月号の「潮風薫る海の見える山」企画(p196~197)でご紹介した山、アポイ岳に妻と登ってきました。

夏山を中心に楽しむ登山者が、この時期は待ちこがれたかのようにアポイ岳を登り始めます。低山のわりに森林限界が低いため景色がよいこと、また雪解けが早く、高山植物も豊富となれば、登らないわけにはいかないでしょう。私も毎年のように初心者の妻を連れて高山植物を楽しみながら、のんびりと登山を楽しんでいます。

今年は降雪が少ないので花も早いかなと思っていましたが、中腹の馬の背からはまだ高山植物の花が咲いておらず残念でした。しかし、頂上からは襟裳岬や先々月縦走した日高山脈などが見られて、満足のいく登山となりました。

登山道は頂上まで残雪はありません。高山植物は麓からエゾオオサクラソウ、ヒメイチゲ、フイリミヤマスミレ、アポイアズマギク、サマニユキワリ、アポイキンバイ、ヒダカソウなどが開花しています。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

南八甲田

山スキーツアーを堪能してきました

猿倉岳山頂から南側面の展望。右に大きく乗鞍岳、左に赤倉岳、その間に戸来岳が見える(写真=野口いづみ)

櫛ヶ峯の東の大斜面を滑降する(写真=野口いづみ)

5月4日~5日

1日目は三嵓(みくら)ツアーで、睡蓮沼から猿倉岳、乗鞍岳、赤倉岳の3座を巡って蔦温泉へ下るルートです。猿倉岳に登ると、南側に乗鞍岳と赤倉岳が見えました。猿倉岳から乗鞍岳との鞍部に滑降し、乗鞍岳山頂へと登ります。乗鞍岳の滑降を楽しんで、少し登り返せば赤倉岳です。大斜面を滑降後、樹林の中を滑りました。やがて雪がなくなってしまい、1時間以上、スキー板を担いで歩きました。

2日目はクラシックルートで、城ヶ倉大橋から逆川岳、横岳を経て、南八甲田の最高峰の櫛ヶ峯へ登りました。一大イベントの東の大斜面滑降は爽快!

その後、駒ヶ峯から睡蓮沼に下りました。

(文=野口いづみ/日本登山医学会理事)

秋田山形県境・鳥海山

谷の先に海を見ながら滑走

七高山(外輪山)から新山へ(写真=増村多賀司)

振り返ると千蛇谷を登る人々が見える(写真=福井美津江)

5月4日、晴れ

あがりこのブナがある中島台に車をデポして、祓川に向かいます。駐車場は各地から来た登山者でにぎわっていました。ここから外輪山である七高山まで向かいます。途中の七ッ釜避難小屋はいい目印です。背後に海を見ながら、ひたすら登ります。確実に山頂が近づいてくるなか、展望を楽しみながらがんばります。

七高山は外輪山の最高点ですが、鳥海山の最高点は中央火口丘である新山です。外輪山から向かうと、急斜面を下る部分が凍結していたので、ここだけはアイゼンが必要です。

新山の溶岩ドームへは雪の吹き溜まりで橋の様なものができていて、そこを渡ります。山頂からは月山や岩手山、秋田駒ヶ岳、男鹿半島などが見えます。

山頂からはダイレクトに千蛇谷に向かって滑りました。谷に下りると、登りとはまるで違うアルペン的な景観となり、胸が高鳴ります。谷の先に海を見ながらの滑走は鳥海山ならではの醍醐味ですね。

1000m付近まで高度を落とすとブナが出てきます。ブナ林のなかのツリーランも楽しいのですが、雪が少なくなってくるので最後は板を背負って歩きます。いつの間にか付近は新緑となっていました。

中島台の遊歩道をめざして沢から離れないように藪を進むと、突然あがりこ大王に出ました。ここから木道を30分で駐車場です。

注意点1)外輪山からの下りは滑落注意。

注意点2)下部雪が消えた先、中島台までは藪こぎになるのでルートファインディングは慎重に。

(文=増村多賀司/長野県自然保護レンジャー、写真家)

山形県・月山

まるで谷に吸い込まれるような感覚

月山東面を滑る(写真=増村多賀司)

月山山頂より鳥海山を望む(写真=福井美津江)

5月3日、晴れ

志津野営場の駐車場に車を置き、月山スキー場の始発リフトに乗ります。リフトを降りると森林限界です。姥ヶ岳をトラバースして月山山頂に向かいました。

山頂手前にある鍛冶小屋跡の前から斜面が急になり、スキーではジグザグに登る必要がありますが、そこから山頂までは雪が切れているので板を背負います。背後を振り返ると朝日連峰が屏風のように連なっています。さらにその奥には飯豊連峰、遠く磐梯山、東には蔵王や吾妻などが見えます。山頂から北を望むと真っ白な鳥海山が堂々と横たわっていて、西は庄内平野と日本海、佐渡島まで360度の大展望が楽しめました。山頂の小屋と月山神社は屋根まで雪に埋もれています。

ここから誰もいない月山の東斜面を滑ってみましょう。前方に葉山や念仏ヶ原を見ながら谷に吸い込まれるように滑っていきますが、登りかえしのことも考えて、適当な高度で切り上げます。山頂に戻って往路をたどって下山しますが、スキー場を横断してさらにその下のブナ帯を滑りましたが、先ほどの斜面とはまた違った趣きを楽しめます。

最終的には石跳川沿いにルートをとって、月山自然博物園がゴールとなります。除雪が終わった道路を歩いて、志津野営場の駐車場に着きました。

(文=増村多賀司/長野県自然保護レンジャー、写真家)

みちのく潮風トレイル

釜石から大船渡、そして碁石海岸まで

唐丹町荒川にて。2011.3.11の津波到達地点(写真=中村重明)

碁石海岸(写真=中村重明)

5月4日~6日、4日・5日快晴、6日曇り一時小雨

ゴールデンウィークの連休を利用して「みちのく潮風トレイル」の釜石~大船渡~碁石海岸区間を歩いてきました。一部は電車移動も利用しながらの、(前泊)2泊3日の行程です。

出発地の釜石に前日移動し、トレイル歩きを開始。初日は平田駅まで歩いた後、唐丹駅北側に通行止め区間があることから平田駅~唐丹駅間は電車で移動し、その後、唐丹駅から三陸駅まで三陸浜街道をたどる山道を歩きました。

翌日は三陸駅から恋し浜駅経由で綾里駅まで歩いた後、綾里駅~陸前赤崎駅は電車で移動。陸前赤崎駅からさらに徒歩で、至るところ震災復旧工事中の大船渡へ移動し、宿泊しました。

3日目は、大船渡駅からBRT(bus rapid transit,バスを基盤とした大量輸送システム)で碁石海岸駅まで移動し、そこから風光明媚な末崎半島を時計回りに周回しました。

リアス式海岸の景観や、八重桜・山吹・桃・椿などの花々を眺めながら、また、入り江毎に建設中の巨大防潮堤と被災区域の復旧工事現場(八戸~宮古間よりもずっと目立ちました)を見ながらのトレイル歩きでした。

(文=中村重明)

北アルプス・立山雄山

快晴の空の下、残雪の雄山山頂に立つ

雄山を目指す人の群れ(写真=原 誠一)

山頂からの剱岳(写真=原 誠一)

5月14日、晴れ

外国人観光客で混雑する朝の室堂を出て、雄山を目指しました。この雪の季節、三度目の挑戦です。一度目は昨年の11月中旬。二度目は4月の中旬。どちらもホワイトアウトで、雄山の山頂を諦めざるを得ませんでした。ところが、三度目の今回はサングラス越しでも目がくらむほどの晴天になりました。

そして、目指す雄山には長蛇の列。そのほとんどが、バックカントリーのスキーヤーやスノーボーダーでした。

一の越の手前でアイゼンを装着して雄山を目指しましたが、尾根上は、ところどころ雪が消えていて、アイゼンを削りながらの登高となりました。

山頂では360度の大展望を堪能。そして下りは雪が緩んで踏み抜き多発でしたが、無事に室堂へ下山できました。

(文=原 誠一/アルプスネイチャークラブ・登山ガイド)

北アルプス・北穂高岳

大展望の北穂山頂より北穂沢を緊張の下降

北穂沢上部より涸沢を見下ろす。まだ続々と続く登山者の列(写真=奥谷 晶)

松濤のコルより急斜面を登り切れば北峰頂上だ(写真=奥谷 晶)

5月3日~5日、晴れ

絶好の登山日和にめぐまれた5月連休の後半戦、涸沢より北穂高岳をめざしました。昨年と違って今年は横尾からほぼ雪道。涸沢までデブリに覆われた雪渓の登りがこたえました。冷え込んでいた朝方から気温がぐんぐん上昇し、たっぷり汗をかいてしまいました。涸沢をめざす登山者の列のなかには半袖Tシャツになる人も。涸沢は登山者で超満員、テントは300張りを越えていたようです。

翌日早朝よりスタート。午後には雪がゆるんでくることを想定して、午前中には北穂山頂までピストンして戻る計画でした。北穂沢は末端から雪崩のデブリの上を進みます。中間部より傾斜はいよいよ強まり、確実なアイゼンとピッケル操作が必須です。気温はぐんぐん上昇、松濤のコルにあがる9時過ぎには、早くも雪が緩み始めていました。北穂北峰に上がると、待っていたのは紺碧の空とアルプスの白き峰々が織りなす大パノラマでした。夢中で写真撮影に時間をかけてしまいました。

10時ごろより下降を開始しましたが、このころには雪がぐさぐさになり、登りのステップも崩れかけ、アイゼンもききが甘く、滑りやすい状態になっていました。ピッケルを一歩ごと確実に打ち込みながら、もっとも傾斜の強い部分を慎重に下りきって、ひと息ついたころ、上部から「雪崩だ!」の声。

第一弾の雪崩は私のすぐ横をとおり、2名の登山者を巻き込み、1名が重傷。その5分後には第二弾が発生し、その雪崩に私も巻き込まれ、100mほど流されましたが、幸いけがはありませんでした(雪崩の詳細については5月11日配信の週刊ヤマケイを参照)。雪崩を目撃した登山者の多くは登頂を中止して、下る方がほとんどでしたが、知らずに登ってくる方もまだ多く、それらの登山者には雪崩の状況を伝えました。また救援に登ってこられた山岳救助隊の方にも状況を説明し、涸沢に戻りました。

この日は奥穂高でも同時刻に雪崩があり、死亡事故が起きました。連休はじめに降った雪が、落ちきっていない状態で、急激な気温上昇で不安定になり、湿雪雪崩を起こしたのではないかと推定され、今後も重大な警戒が必要と思われます。

(文=奥谷 晶)

西上州・笠丸山

期待したアカヤシオは終了

笠丸山西峰、一面のアカヤシオに覆われるはずが・・・・・・すでに終わっていました(写真=畠山茂信)

新緑の樹林帯。霧に覆われ幻想的な景色です(写真=畠山茂信)

5月10日、曇り

この日は昼まで雨の予報でしたが、歩き始めるころには止みました。また気温は低く、汗をかかず快適に歩けました。

笠丸山は西峰と東峰があり、間のコルまではほぼ谷筋を歩きます。コルの手前が岩場になっていて緊張しますが、固定ロープがあるので安全に通過できます。

低山の常で、頂上までは眺望がききません。この日は中腹から上が霧で覆われ、一気に展望が開けて感動を味わえる頂上も周囲は真っ白。でもそのぶん、霧に覆われた新緑の樹林帯が幻想的な風景を醸し出していました。

今回は頂上周囲を覆う一面のアカヤシオを期待したのですが、残念ながらすでに時期は終わり、日陰にミツバツツジやヤマツツジが少し咲き残っているだけでした。今年は例年よりも早めに咲き終えたようです。

西峰で昼食を取った後、東峰に向かいます。狭い岩稜を越えますが残置ロープがあります。東峰には古いお社が祀られ、信仰の山であることが伺えました。

下山は東峰から尾根伝いに下りますが急な尾根が続き、日陰で地面は湿って滑りやすく、かなり注意しました。

(文=畠山茂信)

南秋川・小坂志川ウルシガ谷沢

新緑とコケの沢の周遊

窮屈な滝を登ります(写真=川﨑拓兵)

ロープを使った滝場の下降(写真=川﨑拓兵)

5月14日、曇り時々晴れ

市道山に詰め上げるウルシガヤ沢へ沢登りに行きました。前日は大雨でしたが、普段から水量が少ないこの沢は、遡行当日もほぼ平水でした。今回は右俣を遡行し、ウルシガヤの頭まで詰め上げてから隣の沢である左俣を下降しました。

新緑がより濃くなった森のなかを入渓すると、両岸が岩壁となったゴルジュ帯の滝場があります。すべて登り二俣へ到着。右俣はコケのきれいな8m二条の滝となって合わさっています。ここを登り、右俣遡行開始です。適度な滝をすべて登って高度を稼ぎ、源頭部付近の落ち葉ラッセルをクリアすると稜線の一般登山道にはいあがります。日曜日ともあって、マイナーな山域にもかかわらず登山者が数名通っていました。

隣の沢まで登山道を利用し、左俣に入渓します。滝場ではロープを使ったり、小滝はクライムダウンしたり、沢の下降は遡行と同様にスリップや落石への注意が必要です。

無事に二俣まで戻り、そして下山完了。新緑とコケの緑が癒してくれる沢の遡下降でした。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide やまんど塾)

山梨県・滝子山

春の花が咲くバリエーションコース

お正人のタルから急な尾根を登る(写真=木元康晴)

東稜の下部にはヤマツツジ(左)やフデリンドウ(右上)が、上部にはイワカガミ(右下)が花を咲かせていました(写真=木元康晴)

5月11日、晴れのち曇り

毎年この時期に足を向ける、山梨県大菩薩連嶺の南端に位置する滝子山に行ってきました。登ったのは登山道のない、東稜からです。

JR中央本線の初狩駅から北の藤沢集落へ向かい、子神社の裏手からまずは殿平へ。周囲にはたくさんのヤマツツジが、色鮮やかな花を咲かせていました。

そこからは倒木の目立つ尾根を北西に進み、急斜面を登って鞍五山へ。さらに二重山稜の区間を過ぎ、沼ノ沢ノ峰を過ぎると、いよいよ核心部の始まりです。

まずはロープの付けられた岩場を慎重に下り、お正人のタルへ。その先は次第に傾斜が強まって、狭いバンドをトラバースしたり、木の根をつかんでハング気味の岩の段差を越えたりという、厳しい登りが続きます。けれどもこの一帯にはたくさんのイワカガミが花を咲かせていて、コースの厳しさも忘れさせてくれました。

やがて三角点の設置された小ピークに出て、一般登山道と合流。西へわずかに進み、滝子山の頂上に立ちました。下山はミツバツツジの花を見ながら女坂を下り、檜平経由で初狩駅に戻りました。

(文=木元康晴/登山ガイド)

丹沢・大山

丹沢山塊の春を告げるマメザクラを求めて

蓑毛越分岐上部で咲いていたマメザクラ。陽光を浴びて純白の可憐な花が印象的(写真=白井源三)

ヤビツ峠からの合流点からイタツミ尾根を少し下ると、丹沢山塊の展望台に立つ(写真=白井源三)

5月3日、晴れ

混雑が予想されるので早朝に出かけましたが、6時半というのにすでにいちばん上の駐車場は満車。まだ戸の開かない宿坊や土産物屋通りを上って、始発登山電車待ちの観光客を横目に、今日は追分社から女坂を進みます。

まずは、モミジの若葉が茂る階段を登り、大山寺詣でから。私が撮った境内の紅葉の写真が掲載された毎日新聞を届けてから、石段を詰め、観光客がまばらな下社へ。相模湾が霞み、江の島が点となって浮かんでいました。赤い鳥居の下に立つ1丁目の道標からカウントが始まります。

8丁目の夫婦杉あたりから杉の大木が覆い、往時の巡礼のにぎわいがしのばれます。16丁目の蓑毛越分岐でひと息入れました。期待通りのマメザクラが五月晴れの陽光を浴びて点在し始めています。

しばらく登っていくと歓声が聞こえ、富士見台では残雪の富士山がのぞいていました。順番に記念撮影です。25丁目の分岐からヤビツ峠側に降りると、左に富士山、正面に三ノ塔から丹沢山の山並みが一望できます。石ころの登りを終えると、鳥居の根元に28丁目の道標を確認しました。山頂は足の踏み場もないくらい、連休の登山者があふれていました。

下山は、雷ノ峰尾根を点在するマメザクラを鑑賞しながら見晴台へ。下社への下りは、谷側にしっかりとしたロープが張られています。この日は二重の滝もくっきりと見えました。

(文=白井源三/『神奈川県の山』共著者)

佐渡島・ドンデン山~金北山縦走

シラネアオイ始め、花咲く稜線を満喫

密集したオオタチツボスミレの群落は登山道のいたるところで見られた(写真=奥谷 晶)

シラネアオイはアオネバ十字路付近では登山道の両側に、金北山、白雲台への縦走路にも要所に大輪の花を咲かせていた(写真=奥谷 晶)

5月13日~14日、13日雨、14日晴れのち曇り

花であふれる島・佐渡島を代表するかのような道、ドンデン山から金北山への縦走路を歩いてきました。

新潟港よりジェットフォイルで両津港へ、そこからバスでアオネバ登山口へつくころには、雨が降り出してしまいました。登山口からニリンソウ、タチツボスミレ、ヒトリシズカ、イワカガミなどの群生がいたるところで見られます。シラネアオイもちらほらと見え始め、アオネバ十字路への急登部分の両側に咲き並んで登山者を迎えてくれました。残念ながら雨に濡れ、花びらがうつむきかげんなのはしかたがないところ。

翌朝、金北山への縦走路へ向かいますが、霧が晴れて予想外の青空が見えはじめました。起伏のある草原状の縦走路からは両津湾が見下ろせ、展望も抜群、カタクリの群生がいたるところで咲き誇り、要所にはシラネアオイの元気な姿も見ることができました。

金北山頂上へ近づくにつれ、雪渓の横断や残雪も増え、一部には急峻なところもあり、トラロープが設置されているところもありますが、ストックと軽アイゼンなどがあれば安心です。

縦走路は中高年のグループなど多くの登山客でにぎわっていました。

(文=奥谷 晶)

鈴鹿・御在所岳

藤内壁中尾根の登攀

藤内沢出合から見上げる中尾根(中)とバットレス(左)(写真=金丸勝実)

P2の3ピッチ目の登攀、写真中央はP3(ツルム)(写真=金丸勝実)

5月2日、晴れ

御在所岳では藤内沢の残雪が消え、アカヤシオが咲き始めました。それを追いかけるように若葉が山腹で萌え始めています。日差しが強くなるとともに藤内壁の岩が暖まり、いよいよクライミングシーズン到来です。今回は関東からの遠征組が加わり、藤内小屋ベースで、中尾根の登攀を楽しみました。

中尾根は中級者向けの好ルートです。壁は立っていますが、スタンス、ホールドとも豊富で、クラックの登攀技術、プロテクション技術があれば、快適なクライミングが楽しめると思います。中尾根はまた、藤内壁全体を見渡せる位置にあり、高度感のあるロケーションを楽しめます。

中尾根はP4、P3、P2、P1の4つのピークからなり、登攀はP4の基部から始まりますが、アプローチがあまりよくありません。基部が崩れていたり、不安定な岩があるなど、トラバースに注意が必要です。できればP3中間部に入り、懸垂でP4の取付に下りてスタートした方がいいと思います。パーティーに経験者がいればいいのですが、初めての場合は藤内小屋で情報を仕入れてください。掲示もされています。

登攀ですが、P4、P3はクラックに沿った登攀で、それぞれのピーク、展望台とツルムを通過し、懸垂でコルに降ります。P2は出だしが2008年に崩壊したので、離陸にはアブミがあった方がいいと思います。

この日は出発が遅かったことと、人数が多かったこともあり、時間切れでP2の頭(おにぎり)で登攀を終了しました。帰路についても、懸垂のルートなど、事前に確認しておいてください。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

岡山鳥取県境・毛無山~白馬山

カタクリからオオカメノキに、主役は交代していました

ブナの若葉、爽やかな空気、ウグイスのさえずり聞きながら(写真=舩越 仁)

カタクリより少し遅れて咲くのですね。オオカメノキの花が続く縦走路(写真=舩越 仁)

5月11日、曇り

今月の会例会は、長いゴールデンウィークを避けての山行になりました。お目当てはカタクリの花ですが、残っているかどうか心配です。下界の気温は30度の予報ですが、新緑を吹き抜ける風はとても爽やかです。この日も田浪登山口からのメインルートで毛無山頂上を目指します。けっこうな急登なので、下方の新緑ブナ林も上部ではまだ芽吹きの薄い黄緑色です。

うす曇りなので、毛無山頂上からの大山展望も裾野がかすかに見えるだけでした。昼食を済ませ、後半部は県境稜線を白馬山まで縦走します。最盛期なら縦走路の両脇にカタクリが咲き誇るのですが、この日はわずかで、大半は三角形の実をつけていました。代わりに咲き誇っていたのがオオカメノキ(ムシカリ)です。ずっと連なっている景色に感動しました。

(文=舩越 仁/みつがしわ山の会)

島根県・三瓶山

魅力あふれるお鉢巡り

室ノ内池を囲む孫三瓶山(左)と小三瓶山(右)(写真=山口敬二)

女三瓶山(左)を見ながら小三瓶山から孫三瓶山へ向かう(写真=山口敬二)

5月5日、曇りのち晴れ

以前から行ってみたかったちょっと遠出の山、三瓶山(さんべさん)へゴールデンウィークを利用して行ってきました。

三瓶山は日本に110山ある活火山のひとつで、周囲4kmほどの爆裂火口には男三瓶山(最高峰1126m)、女三瓶山(957m)、子三瓶山(961m)、孫三瓶山(907m)、太平山(854m)と5つの峰が連なっており、四方の登山口から登ることができます。今回は観光リフトのある東ノ原コースから登り、女三瓶山から左回りで周回してきました。

山道からはこれから巡る峰々を指呼し、新緑に包まれた火口底の室ノ内池を見下ろしながら、主峰の男三瓶山をめざします。そして頂上広場まで登ると真っ青な日本海が白い雲の下に広がり、西側には大江高山火山群の峰々が連なって見える素晴らしい景色でした。このお鉢巡りの魅力は、登山道から望む裾野に広がる雄大な眺めと、巡る5つの峰をいろんな角度から楽しめることでしょう。

男三瓶山から子三瓶山へは扇沢分岐まで一気に下り、子三瓶山まで登り返すのですが、そのダイナミックな高度感と下から仰ぎ見る男三瓶山の山容には圧倒されます。

子三瓶山から孫三瓶山は開放的な緑の風景のなかに伸びやかに引かれた山道をたどり、孫三瓶山から太平山へは樹林のなかから見え隠れする4つの三瓶山を見ながらの尾根歩き。また違った趣きの山歩きを楽しませてくれました。

そして山裾の広大な草原のドライブは、牛たちが放牧される牧歌的な風景の中を行き、これもまた、この山の魅力のひとつといえるでしょう。

(文=山口敬二)

愛媛県・鬼ヶ城山系

シャクナゲの花園

高月山頂上のシャクナゲの開花(写真=西田六助)

三本杭近くのヒノキ尾根のシャクナゲの花(写真=西田六助)

5月11日、晴れ

4月30日に「シャクナゲ山行」と銘をうって24名を案内しましたが、花はやっと咲き始めが数輪。花芽の多さに驚きもしたので、参加者には1週間か10日後には咲きます、と話しました。今年は寒さが長く続いたためか開花が平年よりずいぶんと遅く、連休明けにやっと満開近くになったようです。

鬼ヶ城(おにがじょう)山系は宇和島市の東側背後にそびえるどっしりとした鬼ヶ城山(1151m)を中心に、その東側の滑床渓谷を囲むように1000mから1200mクラスの峰々が連なっている山域で、四国ではシャクナゲの多さから有名になってきました。連休中は我が家の所用で動くことができず、やっと晴れ間を見つけての単独行です。

標高1020mの鹿のコルまでスーパー林道が舗装されているので、車で行くことが多いです。最近は高齢者の仲間入りをして、昔のように元気がなくなったことも大きな原因です。前述の鬼ヶ城山から三本杭(1226m)へ、そしてシャクナゲ林のヒノキ尾根へと足を延ばします。見事なシャクナゲの咲き様は豪華であり、久しぶりに目の保養ができました。

再度、鹿のコルに帰り、高月山(1229m)に向かいます。梅ヶ成峠から肩の尾根と呼ばれる約2.4kmの尾根筋はいたるところで花のトンネルとなり、この時期には数回足を運んでいるにもかかわらず、改めて花の多さに驚いている我が身でした。

尾根筋はどこもシャクナゲの花のオンパレードといってよく、こんなに咲いたのは数年ぶりではないでしょうか。まさにシャクナゲの花園と彩られた鬼ヶ城山系です。

(文=西田六助/分県登山ガイド『愛媛県の山』共著者)

佐賀県・城山

サクラツツジ咲く城山登山道

5月7日撮影(写真=五十嵐 賢)

5月13日撮影(写真=五十嵐 賢)

5月14日、晴れ

九千部山の東南の尾根上にある城山(じょうやま・498m)には戦国時代の山城跡があり発掘調査が進んでいます。毎年4月には史跡見学会が行われています。

私はこの城山一帯に分布する南方系のサクラツツジの調査をしています。亜熱帯性のこのサクラツツジはこの九千部山系が北限とされ、しかも鹿児島県の南端の大隅半島から300km以上離れてこの地に隔離分布しているのです。

かつての記録では11群落約1000本のサクラツツジが記録されていますが、いつのまにかその存在は忘れられていました。それを探し求めて7年前に数本を確認。それ以来毎年確認本数は増えて、現在150本ほどを確認しています。

そのサクラツツジの花期が4月下旬から5月中旬、このため毎週3回ほど開花を楽しみに登っています。白い花弁の中央部分がややピンク、まさに桜色をした上品な花です。

ただ花をつけるのは1割ほどの木で、今年は12本の木で花を確認しました。最近は地元鳥栖市もサクラツツジのことを史跡案内のパンフレットで紹介するなどの協力をいただいたため、サクラツツジ鑑賞の登山者がずいぶん増えました。

(歩いた日:4月28日、30日、5月2日、4日、7日、13日、14日)

(文=五十嵐 賢/自然公園指導員)

長崎県・九千部岳

新緑とヤマツツジ

ヤマツツジの田代原牧場と九千部岳(写真=池田浩伸)

露岩から橘湾の青い海、新緑まぶしい山々を一望(写真=池田浩伸)

5月13日、曇り

田代原とレールセンターから山頂へ向かい、九州自然歩道をたどって周回しました。

九千部岳や雲仙一帯の山は6月中旬から7月初旬にかけてヤマボウシがきれいなことで知られています。その時期には登山道が混雑するほどのにぎわいですが、この日はまだ静かな山歩きが楽しめました。

稜線の新緑とヤマツツジが目にやさしく、汗ばむ身体に尾根を渡る風が爽やかでした。山頂の西側の展望のいい露岩からは、橘湾や雲仙周辺の山々を一望する絶景が広がっています。稜線上のヤマツツジは赤やピンクなど株によって色が違い、青空に映えていました。1ヶ月もすると、ヤマボウシが山肌を真っ白に飾ります。またそのころに訪れてみたいと思いました。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

宮崎県・大崩山

アケボノツツジ街道を歩いてきました

立ち止り道傍に咲くアケボノツツジを眺める(写真=長谷川守克)

風に舞う蝶のような、アケボノ街道に咲く花(写真=長谷川守克)

5月3日、曇り時々晴れ

4月30日に山中に咲くアケボノツツジが観たくて大崩山のワク塚尾根~坊主尾根を歩いたことは週刊ヤマケイ前号(5月11日配信号)でご紹介しましたが、その素晴らしい光景が記憶に残り、再度アケボノツツジに逢いたくなったので、再度訪れることにしました。

コースは山頂への最短コースである宇土内谷登山口から取り付きました。霧雨の降るなか、花を求めて訪れた多くの登山者といっしょに登山口をスタートし、アケボノツツジ咲く稜線をめざします。

稜線に到着すると期待通り、綺麗に開花したアケボノツツジが出迎えてくれました。ただ天候がよくなく、願わくば青空が欲しいところですが、ぜいたくはいえません。アケボノツツジ街道を、花を眺めながら歩を進めると鹿納山分岐に到着しました。このあたりのアケボノツツジはツボミ状態のものが多く、この先まだまだ楽しめそうでした。

小雨の降るなか、先をめざすと山頂に到着しましたが、周囲はガスに覆われ展望もまったくなく、その上、雨も本格的に降ってきたので、早々に今来た道を引き返しました。

(文=長谷川守克)

北アルプス・岳沢小屋往復

快晴の岳沢を3世代で満喫

木漏れ日が差し込む岳沢湿原(写真=木戸一典)

岳沢小屋に向けて雪上歩行の仲良し男子たち(写真=木戸一典)

5月5日、快晴

2010年5月から数えて今回で8回目の岳沢小屋へ、御年82歳の爺じぃと私と息子の恒例3世代が、山友達とともに上高地から往復しました。この面子でも安心して入山できたのは、ブログでていねいな情報発信をしてくださる岳沢小屋のおかげです。

キラキラと木漏れ日が差し込む岳沢湿原を抜けて、登山口からわずかのところで残雪が現れました。朝は雪が固い箇所もありましたので、傾斜が増すころに年配者と子連れの私たちは早めにアイゼンを装着。見晴台からは豊富な残雪の沢のなかを歩き、スキーを楽しむ幾人もの方とすれ違いました。

途中は腕まくりをするほどの暑さで、ぜいたくな快晴の穂高を堪能してきました。

(木戸一典/富山県/50歳/よく行く山:北アルプス北部)

中央アルプス・南木曽岳

迫力満点の展望を求めて

木曽川(関西電力山口ダム貯水池)と南木曽岳(写真=中川喜久)

女岩展望台から目前に迫る中央アルプスを望む(写真=中川喜久)

5月3日、うす曇り

南木曽(なぎそ)岳は御嶽山、木曽駒ヶ岳とともに「木曽三岳」のひとつとして数えられ、別名を「泣きびそ岳」「金時山」「揚籠(アゲロ)山」とも呼ばれ、古くは修験場となっていた岩峰がそそり立つ山です。

二等三角点とともに「南木曽岳頂上」の碑のあるところは標高1677.3mで展望はまったくありませんが、碑の北東100mほどの所に標高1679mの最高点があり、その岩場からは御嶽山、乗鞍岳の展望が開けます。最高点からさらに10分ほど進むと避難小屋があり、すぐ近くの女岩展望台に上がると中央アルプスが目前に飛び込んできます。その左には御嶽山、乗鞍岳、穂高岳、大天井岳、常念岳が、右には南アルプスの悪沢岳、赤石岳、聖岳が望めます。さらに20分ほど、右手に恵那山、左手に南アルプスを見ながら進むと、摩利支天の岩峰に到着し、迫力満点の風景が堪能できます。

蘭(あららぎ)キャンプ場の奥に登山者用の駐車場(のべ30台程度)があり、登山口の標高は約960m。登山口から標高約1160mまでは一部林道と普通の登山道ですが、この地点から登山道は上り下りが完全分離しており、大きく右回りにルートをとることになります。登山道はこの分岐から山頂まで急登が続き、山頂から摩利支天まで、ところどころの展望台で景色を楽しみながらの山歩きになります。

摩利支天から分岐までは急な下りで、上り下りとも急なハシゴとクサリ場が多くあり、好天時はまだしも、雨天時には滑落に注意が必要かと思われます。

時間的には標高差約700mを上り(駐車場~山頂)約2時間、下り(摩利支天~駐車場)約1.5時間、山頂移動(山頂~摩利支天)約20分でした。

(中川喜久/岐阜県/55歳/よく行く山:日本アルプス、岐阜市近郊の山)

埼玉群馬県境・蓬莱山

春訪れし蓬莱山からP1・P2へ、鳥瞰を満喫してきました

八丁峠登山道の花々たち。八丁トンネル駐車場近くではオオヤマザクラが、登山道では数種類のネコノメソウやエイザンスミレなどが咲いていました(写真=林 由季子)

P1から、鳥瞰したつもりでパノラマ撮影してみました。両神山の全景をはじめ、赤岩尾根や群馬県側の山並みはもちろん、遠くは富士山の頭や南アルプスなどの雪山まで眺めることができました(写真=林 由季子)

5月2日、晴れ

前日の不安定な天候と対照的に、みごとな青空になりました。今回は埼玉県と群馬県の県境にある蓬莱山から赤岩尾根のP1&P2を歩きました。

蓬莱山は踏み跡のみで急坂続き、山頂直下は踏み跡が乏しく油断できません。しかし山頂の眺望の良さと、群馬県側の斜面に咲く桃源郷のようなアカヤシオ群に、「蓬莱」の言語が重なりました。

蓬莱山からP1は大岩や木々の枝などに苛まれましたが、P1の頂上にたどり着いた瞬間に飛び込んできた鳥瞰景色に、思わず「うゎ~!」と驚きの声を発してしまいました。

その後P2の頂上を踏んだ後は、登山道脇でお目覚めの小さな花々を愛でながら八丁峠登山口へ下山しました。

(林 由季子/埼玉県/よく行く山:秩父の山)

富士山須山口

富士山資料館から水ヶ塚まで

遅い山桜と、雲に隠れた富士山(写真=眞田喜義)

小さな花を見つけました(写真=眞田喜義)

5月2日

須山口の登山記録は、多くが水ヶ塚を出発地とし、しかも一合目と称しています。しかし須山口も他と同様に、須山浅間神社が起点となります。神社から富士山資料館までは舗装車道であるため、今回は資料館から水ヶ塚までを踏破してみました。

登り始めてすぐ、遅い山桜と早いアシタカツツジに迎えられ、しばらくするとカタクリの花も見つけることもできました。登山者が少ないため、道が荒れはててわかりにくいのかと思い、二万五千分ノ一地形図を持って臨みましたが、思いのほか道は整備されていました。しかし、日没近くや霧になると迷いそうな箇所もところどころに見られ、注意が必要だと感じました。

最初のうちこそ富士山は見えましたが、途中からはブッシュにさえぎられ見えなくなり、かわりに遊園地の観覧車が見えていました。

(眞田喜義/静岡県/60歳/よく行く山:南アルプスと冬の富士山など)

長野県・霧訪山

花と360度の展望を堪能しました

左上から時計回りにイワウチワ、カタクリ、ニリンソウ、オキナグサ(写真=八木茂良)

霧訪山山頂からの北アルプスの眺望。左:穂高連峰・槍ヶ岳、中央:常念岳・燕岳、右:鹿島槍ヶ岳・五竜岳・白馬三山(写真=八木茂良)

5月2日、晴れ

花と展望のよい霧訪山(きりとうさん)に登りました。コースは山ノ神自然園から下西条本コースを経て霧訪山へ。そして大芝山から洞ノ峰、山ノ神自然園とたどります。天気に恵まれ、山頂では360度の展望があり、雪を抱いた北アルプスや八ヶ岳連峰、南アルプスを見ることができました。素晴らしい景色で見飽きることがありません。

花は霧訪山への登りではタムシバ、イワウチワ、カタクリが見られ、山頂にはオキナグサが保護されて咲いていました。大芝山への登りでは、いろいろなスミレ、カタクリ、ニリンソウ、ワチガイソウ、ヤマエンゴサクなどが見られました。ニリンソウはこれからが本番のようです。

登りのコースは特に危険なところはありませんが、下山時の洞ノ峰から山ノ神自然園の間では、細いトラバース道や倒木などもあり、注意が必要です。

(八木茂良/静岡県/70歳/よく行く山:東海地方の花の山、八ヶ岳)

大阪奈良府県境・葛城山

葛城山のツツジを見に行きました

葛城山のツツジ群落。奥には金剛山が聳える(写真=山田芳生)

ダイヤモンドトレール平石峠手前にある岩橋山の登り(写真=山田芳生)

5月11日、晴れ

葛城山のツツジが開花しているとのことで、友人とふたりで登ってきました。近鉄電車の尺度駅から満員のバスにゆられ、ロープウエイ下の登山口に到着。そこから櫛羅谷コースを通って山頂まで歩きました。

途中には櫛羅の滝もあり展望も時折開け、よく整備された道です。ロープウエイでも手軽にアクセスできるので、平日にもかかわらず、ツツジ目当てと思われる人たちで、登山道も頂上もにぎわっていました。

ツツジは咲き始めたところだったので、ガイドブックに載っているような全面が真っ赤という感じではありませんが、周囲の緑に混じり、オレンジや赤に染められたツツジが浮き上がります。そしてピンクのヤマザクラも残っていたので、非常に美しい景観を楽しむことができました。

下山はダイヤモンドトレールの一部を通って平石峠から磐城駅まで行くことに。ツツジが咲いているところの人混みとはうって変わって、この縦走路ではほとんど人に会うことはありません。途中きれいなトイレもあり、怖いと思うところもない快適な道ですが、今回のゴールである平石峠の手前にある岩橋山には登り返しの急な階段があります。友人の話では、この階段の手前で嘆く方が多いとのことでした。確かにかなり急な坂道ですので、その気持ちはよくわかります。また、トレールを途中から近鉄線側に下りる道はどこも枝が散乱しているそうで、歩きにくく注意が必要です。

ツツジもあっという間に終わってしまうそうで、タイミングが難しいとのことです。今回はちょっと早めでした。

(山田芳生/兵庫県/63歳/よく行く山:六甲山、日本アルプス)

第九十三回

山菜のマナー守らぬヤツは××(JINTA)

おかしいぞ?連泊お酒多すぎる(あられちゃん)

雪消えにブヨふりかけに昼メシか(にいしばG)

久々の花の名出てこず春の山(山形山人)

【寸評】

一句目、JINTAさん。基本的に投稿された句についてはよほどのことがないかぎり手をいれませんが、さすがに伏字にせざるを得ない言葉でした・・・・・・。気持ちはわかりますが、もう少しマイルドにお願いします。

二句目、あられちゃん。きっと妖怪が出てくるんですよ。夜中にあんどんの油なめるみたいに、みんなが寝静まったころにお酒をなめる妖怪が(笑)。

三句目、にいしばGさん。「雪消えに」がきいてますね。爽やかな季節の到来と、それに反してブヨが乱舞する光景が、えもいわれぬ雰囲気をかもし出しています。

四句目、山形山人さん。今回は美しくまとめていただきました! それにしても花の名ならまだしも、人の名前も出てこなくなった私はどうすればいいでしょう・・・・・・。

【段位】JINTAさんは2000m級でビバーク。あられちゃんは8000m級「ローツェ」に昇段。にいしばGさん、山形山人さんは川柳エベレスト頂上が目前。ぜひおふたりで山頂に立ってください!

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

なお、ご投稿いただいた方には1000m峰から始まる「山の川柳段位」を授与します。ふるってご応募ください。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

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投稿先メールアドレス

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※平成28年4月20日より

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