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秋の山中湖村ハイキングコース

富士山を望みながら歩く、秋の楽しみ

明神山のすすき草原より、富士山を望む

10月27日から旭日丘湖畔緑地公園で開催される「夕焼けの渚・紅葉まつり」

山中湖村は、富士山の麓にある「山中湖」を中心に周囲を山々に囲まれた自然豊かな、標高1000mの高原リゾートです。

そんな山中湖村のハイキングコースは、富士山や山中湖を望む絶景スポットをはじめ、春の新緑から秋の紅葉まで多くの見所があり人気を集めています。

特に秋のおすすめは、「高指山・明神山ハイキングコース」。山梨県と神奈川県の県境の尾根道を歩くコースで、モミジやブナ林などの落葉広葉樹林は鮮やかな朱色や鬱金色に染まり、紅葉とハイキングを楽しむことができます。

山中湖交流プラザきららをスタートし、70分ほどで高指山山頂に到着です。目の前には富士山と山中湖のすばらしい景色が広がります。高指山山頂からは、自然針葉樹やブナなどの落葉広葉樹林帯を歩き、約90分で「富士山」と「山中湖」が一望できる明神山山頂に到着です。明神山一帯はすすきの草原で、秋には一面が黄金色に輝いて美しい光景が見られます。

10月27日(金)から11月12日(日)の間、旭日丘湖畔緑地公園において、「山中湖 夕焼けの渚・紅葉まつり」を開催。600mの紅葉回廊のライトアップは圧巻です。ぜひ山中湖村で秋を満喫してみてはいかがでしょうか。

今週末の「山のワンポイント天気」

各地の山から紅葉とともに、初氷や初雪の便りも届くようになりました。秋の急変する気象には、特に注意が必要です。今週末の山の天気について、ウェブサイト「山の天気予報」を運営し、メールでの天気予報配信も行なっている株式会社ヤマテンの気象予報士・猪熊隆之さんと小林充さんに解説していただきます。

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9月は2回、赤岳に行きました。両方とも素晴らしいお天気で、天望荘からの夕焼け、朝焼け&ご来光、星空は今も目の奥に鮮やかに残っています。また、穴あき雲、彩雲、ブロッケン現象、波状雲などの神秘的な現象も見ることができました。一度目の山行では初めて御小屋尾根を下りました。好展望の尾根、ちょっとした岩場、そして気持ちのよい森。かつてはここで御柱(おんばしら)となるモミの木を伐り出していたのですね。八ヶ岳の魅力を再発見しました。

(文責:猪熊隆之)

さて、今週末は体育の日の連休の方が多いと思います。7日(土)は低気圧の影響で雨が降りやすく、荒れた天気となるところもあるでしょう。8日(日)から9日(月)は、北日本の一部を除き、概ね晴れて、登山日和となる見込みです。日中の気温は比較的高いですが、最新の気象情報をチェックして、山へお出かけください。

(文責:小林 充)

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10月18日(水)に、谷川岳で日帰りの空見ハイキングを行います。日本海と太平洋の分水嶺をなす、谷川岳へ天神尾根から登頂。気圧配置によって、日本海側と太平洋側の天候が大きくことなることを、錦織に染まる山腹を見ながら体感します。詳細については、こちらでご確認ください。

また、10月28日(土)から29日(日)には、蓼科山と横谷渓谷で空見ハイキングを行います。初日は、見所のある滝が連続する、信州屈指の紅葉美の横谷峡を訪ねます。到着後は、猪熊講師による山の天気を学ぶ講座を開催。翌日の蓼科山へは、七合目・一ノ鳥居からのスタートで、“雲や風の気持ち”の解説を聞きながら登ります。山頂では中部山岳のほとんどの山を望む360度の大パノラマを満喫します。詳細については、こちらでご確認ください。

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「山の天気予報」(月額324円)

コーヒー1杯分のご利用料金で、全国18山域の山頂天気予報や大荒れ情報、予想天気図、ライブカメラ、雨雲レーダー、観天望気講座などが1ヶ月使い放題。メールでの天気予報配信登録もおこなえます。サービスの詳細やご登録方法につきましては、下記URLでご確認ください。

https://i.yamatenki.co.jp/

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『山の天気にだまされるな!』

ヤマテンの猪熊隆之さんの著書『山の天気にだまされるな!』が好評です。一般の天気予報だけでは防げない気象リスクについて解説。猪熊さん自身が生徒を連れて登る「お天気ハイキング教室」の具体例などもとりいれて、わかりやすく解説しております。ぜひ一度、手にとってみてください。

https://www.yamakei.co.jp/products/2815510190.html

穂高岳

10月2日に初雪が降りました

穂高岳山荘周辺で、10月2日に初雪が降りました。その後、雨に変わったとのことですが、朝夕は冷え込み、氷が張る日も多くなっています。登山道の凍結に注意してください。防寒対策についても、充分に注意して、降雪に備えてください。

(文=週刊ヤマケイ編集部)

初めて手にした5冊の山の本

連載第1回(著者=木元康晴/登山ガイド)

友人に勧められて山の本を読む

今週から『登山者のブックシェルフ』と題した連載を担当する、登山ガイドの木元康晴です。私は子どものころから大の読書好き。その後、登山を始めてからは、山の本も数多く読んできました。この連載ではそれらの山の本の中から、読んで面白いと感じたものや、自分が登山をする上で影響を受けたものを選び出し、皆さんに紹介していきます。

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さて私が山登りを始めたのは今から30年ほど前の、上京後に会社勤めをしてしばらく経った頃。当時は気分転換のつもりで、3ヶ月に1回くらいのペースで奥多摩などの低山を登っていました。

転換点は、私の勤務先にアルバイトに来ていた杉浦くんという山好きの学生と一緒に、ゴールデンウィークに八ヶ岳を登ったことでした。赤岳を目指したこの山行は鮮烈な印象を私の心に刻み込み、もっと本格的に登山に取り組みたいと考えるようになったのです。

杉浦くんにそのことを伝えると、

「だったらまずは山の本を読むといいですよ。僕の本を貸してあげますから、読んでみてください!」との返事が。

それからは彼の持つ本を次々と借りて、むさぼるように一気に読み進めました。そのときに読んだのは、『山男たちの死に方――雪煙の彼方に何があるか』『狼は帰らず』『雪煙をめざして』『グランドジョラス北壁』『ミニヤコンカ奇跡の生還』の5冊でした。

改めて入手して読んだ、今回紹介した5冊の本。『山男たちの死に方』は1995年に文庫化される際に、『みんな山が大好きだった』に改題されました。『ミニヤコンカ奇跡の生還』はヤマケイ文庫版を入手。他は『狼は帰らず』もヤマケイ文庫で読むことが可能です

これらの本が問いかけること

杉浦くんに最初に勧められたのは、ノンフィクション作家の山際淳司氏が書いた『山男たちの死に方』でした。数多くの登山家が取り上げられているので、登山の世界の全体像を把握するにはちょうど良いと考えてくれてのことでしょう。けれどもこの本は、このような書き出しで始まります。

-----<引用>-----

男にとって“幸福な死”と“不幸な死”があるとすれば、山における死は明らかに前者に属するのではないかと思う。それが、この本の出発点である。

-----<引用ここまで>-----

書かれている内容は、現在の安全登山を第一とする風潮とはまるで正反対の、命を賭して山に向かう登山家の情熱と精神とを讃える(もちろん無謀登山や、不注意による遭難は除外してのことです)、過激とも思えるものでした。共感はできるのですが、タイトル通りに山での死がたくさん取り上げられていて、登山に取り組むことの怖さも感じてしまいました。

次に読んだ『狼は帰らず』は、1980年にヨーロッパアルプスのグランドジョラス北壁で墜死した、森田勝氏の生涯を描いたものであり、著者はノンフィクション作家の佐瀬稔氏。安定した生活を捨てても登攀にのめり込む森田氏の姿が、心を打つ名著です。

その次は『雪煙をめざして』。これは1982年、冬のエベレスト登頂後に行方不明になった加藤保男氏の著書です。登山界のスター的存在だった加藤氏が、自身の華々しい登山歴を綴った爽やかな本なのですが、あとがきの、

「絶対山では死なないぞ!」

という言葉のわずか2ヶ月後には行方知れずになってしまうという事実を知ると、無常感を感じます。

『グランドジョラス北壁』は1971年に冬のグランドジョラス北壁を登った山学同志会隊の隊長である、小西政継氏の記した記録。『ミニヤコンカ奇跡の生還』は市川山岳会が1982年に向かった中国のミニヤコンカ山の遠征隊で、下山時に遭難状態に陥りつつも、奇跡的に生還した松田宏也氏の手記です。しかし小西氏はそのグランドジョラス登攀中に凍傷を負い、両足指10本と左手指1本を切断。松田氏はさらに痛ましく、膝下からの両足と両手指全てを凍傷で失うという、いずれも壮絶な内容が記されていました。

これらが書かれたのは、日本の登山家たちがヨーロッパアルプスやヒマラヤでの困難な登山に積極的に取り組んでいた、先鋭登山の最盛期とも言える頃でした。そういった登山の中で限界を突き抜けてしまった人たちの行動を、単に「遭難」で済ませずに、極限状況の中でも困難を追求し続ける人間の持つ意志の力を、これらの本は伝えているのでしょう。

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それにしても、このとき杉浦くんに勧められて読んだ本の5冊ともが、山での死や、指を失うほどの凍傷を扱ったものであったのは、私にとってかなりショッキングなことでした。それはまるで、自分の登山に対する覚悟を、問いかけてくるようなものにも感じられました。私の山の読書は、このような厳しい内容の本からスタートしたのでした。

八甲田・八甲田大岳、毛無岱

極彩色の紅葉の大パノラマに感動

上毛無岱(かみけなしたい)と下毛無岱を結ぶ急階段からの絶景に、誰しも息をのむ(写真=奥谷 晶)

右から八甲田大岳、井戸岳、赤倉岳(写真=奥谷 晶)

9月25日、曇り一時晴れ

前夜、酸ヶ湯の駐車場で見た満天の星空で、すっかり晴天を確信していましたが、起きてみると稜線はガスの中。それでも好転を期待して八甲田大岳を目指して登ります。

ガスの切れ間から見える地獄湯ノ沢の紅葉もあざやかで期待は高まりますが、大岳山頂はガスの中。井戸岳、赤倉岳へと稜線をたどるうち、風も強まりますが、時折一瞬、ガスが切れて日射しがこぼれるようになってきました。

上毛無岱(かみけなしたい)に入ってくるとガスはさらに薄くなり、紅葉の色もますます冴えてきました。圧巻は、上毛無岱と下毛無岱の境の急階段からの絶景です。樹林帯のトンネルを潜ると一気に広がる大パノラマは誰しも感動を覚えずにはいられません。立ち去りがたく、一歩一歩階段を踏みしめ、時間をかけて、極彩色の紅葉の中の木道を下りました。

(文=奥谷 晶)

秋田県・秋田駒ヶ岳

燃えるようなムーミン谷の紅葉を満喫

劇的なガス切れ。青空に映えるムーミン谷の紅葉(写真=奥谷 晶)

駒池より振り返るムーミン谷紅葉の絶景(写真=奥谷 晶)

9月26日、ガスのち晴れ

前日の八甲田山と同じパターンなのか、八合目登山口は朝からガスの中で、しかも風が強い。まずは阿弥陀池を目指しますが、見通しがききません。男岳に登頂するも視界はありません。

五百羅漢方面へ進み、女岳との鞍部を進みます。夏草に覆われて踏み跡が薄く、藪漕ぎもあります。すこしガスが晴れてきたと思ったら、いきなり女岳の黒々した溶岩流跡が目の前に現れて、度肝を抜かれました。視界がないので無理をして登頂せず、女岳の脇からムーミン谷(馬場の小路)への踏み跡を進みます。

次第にガスが切れてきて、紅葉の絶景が徐々に色濃く表れてくる様子はまさに圧巻。ムーミン谷の中は風も届かず、一歩毎に振り返り振り返り、刻一刻と変幻する極彩色のパノラマを堪能することができました。

大焼砂から横岳間は風の通り道らしく、強風が吹き荒れる中を必死で登り返し、阿弥陀池へと周回すると、朝方に空の様子を見ていた登山者が続々登ってきていました。

帰路は旧道をたどりましたが、警告の看板どおり、所々登山道が崩壊しています。ロープと杭が打ってあるものの、頼りなさげでひやひやしながら通過しました。

(文=奥谷 晶)

岩手秋田県境・八幡平

湿原、火口湖の紅葉を楽しむ散策路

八幡平頂上付近に点在する火口湖を彩る紅葉(写真=奥谷 晶)

黄色く染まる頂上台地に広がる高層湿原(八幡沼)(写真=奥谷 晶)

9月27日、晴れのち曇り

東北遠征3日目、半日の時間を利用して八幡平の散策です。高層湿原の静かな秋、火口湖のまわりを彩る紅葉を愛でながら、頂上から茶臼岳までのんびり散策を楽しみました。

(文=奥谷 晶)

秋田焼山

後生掛温泉から玉川温泉へ

紅葉の様子(写真=佐藤浩二)

湯沼にて(写真=佐藤浩二)

10月1日、快晴

秋の山行のぜいたくといえば、温泉と土地の味覚、そしてなにより紅葉ではないでしょうか?

ということで紅葉最盛期の一歩手前という情報を得て秋田焼山へ。後生掛温泉からスタートし、玉川温泉へと縦走をしました。

この山の魅力は小さいながらも、山麓のブナ林からオオシラビソの混交を経て、樹林帯を越えてからは緑と生命感あふれる空間から一転して荒涼となるところです。地球の鳴動を視覚、聴覚、嗅覚で感じられる火山活動を目の当たりにできたり、表情豊かでエキサイティングな山行を楽しめるのが秋田焼山の魅力だと思います。

このレポートが掲載のころ、秋田焼山の紅葉は最盛期を迎えていることでしょう。季節移ろう森の命(エネルギー)と、大地の力(エネルギー)をぜひ実感してください。

※注意※

玉川側のブナ帯は長く続く傾斜木道が狭く滑りやすいので要注意です。また、灌木帯(標高1200mあたり)の急登部はもっとも狭く、交差時に注意を要します。全般に交差時のタイムロスを加味し、タイムスケジュールは余裕を持って計画してください。公共交通機関を移動として利用される方は特に余裕が必要です。

また、秋田焼山は気象庁の常時観測火山に指定されているとおり、火山活動が活発です。入山前には活動状況の確認をお忘れなく。

焼山山荘(避難小屋)は10月1日時点で使用は禁止されております(トイレは開放されてはいましたがドアノブなどは設置されておりません)。

(文=佐藤浩二/登山ガイド)

岩手県・南本内岳

灌木の紅葉が見事な焼石連峰の寂峰

南本内川源頭の色鮮やかな紅葉(写真=曽根田 卓)

尾根コースから南本内岳を見上げる(写真=曽根田 卓)

10月1日、曇りのち晴れ

焼石連峰のいちばん北側に位置する南本内(みなみほんない)岳。この山に西和賀町側から登る場合、約10kmもある未舗装の林道走行を余儀なくされるため、登山者が極端に少なく、山の奥深さと相まって、ほとんど誰にも会わない貸し切りの登山が楽しめます。

ブナの原生林を抜けると、お花畑と称する湿原が現れます。夏場は様々な高山植物が咲き乱れる別天地です。しかし南本内岳を訪れるベストシーズンは秋の紅葉期です。お花畑から尾根コースの周回路は灌木地帯となっていて、焼石連峰でも有数の紅葉が見られるスポットとなっています。

訪れたこの日は午前中霧雨が降る、あいにくの天気でしたが、お昼過ぎから一気に晴れ間が広がり、南本内岳一帯に広がる紅葉の錦絵を堪能できました。

北東北の紅葉は次第にブナ帯の黄葉へ移り変わっていきます。高山の雪の便りもまもなく聞けるでしょう。

(文=曽根田 卓)

山形県・月山

色とりどりの山を楽しむ

華やかな月山山頂南西斜面(写真=福井美津江)

金姥付近の密集した紅葉(写真=福井美津江)

9月26日、晴れ

リフト上駅から姥ヶ岳を経て山頂へ向かいました。今年の紅葉は鮮やかで、長持ちしているような感じがします。そのため色付きの範囲も広く、見ごたえがあります。

時折咲き残ったハクサンイチゲなども見ることができ、夏と秋の季節の重なりを楽しんだり、休憩時には肌寒く冬が近いことを悟ったり。山頂からは大雪城の万年雪が見えるところまで往復。チングルマの紅葉が見事でした。

下山は牛首から姥沢小屋跡へ向けて。途中、輝く黄葉に足が止まりました。

(文=福井美津江)

朝日連峰・障子ヶ岳

爽やかな秋晴れの周回

紫ナデを過ぎ、紅葉の中の稜線歩き(写真=福井美津江)

朝日連峰主稜線を背景に天狗角力取(てんぐすもうとり)山(写真=福井美津江)

10月1日、曇りのち晴れ

南俣沢出合から反時計まわりに周回をしました。林道、登山道ともに大きく荒れている箇所はありませんでしたが、滑りやすい場所や、片側が切れ落ちている道など、注意箇所はあります。

9時ごろまで雲が多く、その後晴れてきました。紫ナデからの稜線上に続く登山道、間近で観る障子ヶ岳の急峻な岩壁、天狗角力取(てんぐすもうとり)山から一望できる朝日連峰の主稜線、魅力的な眺望が次々と現れます。

紅葉は障子ヶ岳山頂付近、粟畑、天狗小屋周辺で多く見られ、色鮮やかでした。

(文=福井美津江)

朝日連峰・大朝日岳

山頂からの景色は、悪天に泣かされたこの夏のうっぷんが消えるほど素晴らしかったです

銀玉水付近の紅葉(写真=山田哲哉)

山頂直下にて。朝日連峰の広がりが見てとれる(写真=山田哲哉)

9月26日~27日

前夜は全員で山形駅周辺に宿泊。26日の朝、山間のひなびた鉱泉宿・古寺鉱泉を8時ごろ出発。みごとなブナの純林の中の登りとなります。ところどころにミズナラやダケカンバはあるものの、ほとんどブナ一色! しっとりとした東北独特の森の道を進みます。

ハナヌキ峰先で稜線に立つと、森林限界でもないのに、ところどころで展望が広がります。古寺山からは小朝日岳、大朝日岳、中岳、西朝日岳の色とりどりに染まった紅葉の草モミジの大展望が見られました。

小朝日岳を巻き、さえぎるものもない展望の道を登り続けます。稜線上のオアシス・銀玉水で水をたっぷり補給して、重荷に耐えながら最後の登りへ。西側の展望が開け、朝日連峰の以東岳、天狗角力取山など主要な山はすべて見えました。

大朝日小屋には平日でもそれなりの人数が泊まっていましたので、管理人さんの指示で場所を決めたのちに山頂へ向かいます。山頂では遠く月山や鳥海山も見えました。

その夜は満天の星空でしたが、朝はガスに覆われる天気です。それでも小朝日岳に向かうころには、主稜線以外の雲はとれ、再び展望の尾根歩きです。鳥原山に登り返し、避難小屋もある湿原に寄り道。中規模の湿原がいくつも点在する静かな光景は、秋を充分に感じさせてくれました。

古寺鉱泉への下り道もすべてブナ一色。素敵な道でした。

なお、朝日連峰の小屋は管理人さんが在住しているところもありますが、水や食料、寝具などはすべて持参です。毛布などの貸し出しもありません。通常の営業小屋とは異なりますので、準備を怠りなく!

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

北アルプス・裏剱縦走

剱岳八ツ峰の表と裏

別山からの剱岳八ツ峰(写真=川﨑拓兵)

仙人池からの剱岳八ツ峰(写真=川﨑拓兵)

9月22日~25日、曇り時々晴れ

岩と雪の殿堂・剱岳をぐるっとまわり、表から裏へ縦走してきました。

室堂からまずは別山に登り、雄大な剱岳を眼前にとらえます。そこから一気に剱沢に下りていくと雪渓がまだ大量に残っていました。とはいえ、徐々にそれは塊となって崩れていくので、確実でより安全な雪渓処理が必要となります。

そんな緊張する雪渓を歩き、真砂沢ロッジから二俣へ行くと、そこからは谷を離れ仙人新道で尾根に上がります。仙人池ヒュッテに到着し、仙人池から剱岳をみやると、そこには長い八ツ峰がよく見え、池にきれいに映ります。別山側からみた八ツ峰とはまったく逆方向からの八ツ峰、つまり裏から剱を見ることになります。前日までのガスと霧雨はどこかへ、よく晴れて風もなく鏡面の仙人池に映るみごとな剱・八ツ峰を写真に収めることができました。

その後、阿曽原温泉を抜けて欅平へ到着。長く険しい縦走を完歩できました。

紅葉が始まり、温泉にも浸かれる景色のよい縦走ですが、雪渓処理や急な登りと下り、水平歩道など、なかなか手強い縦走なので充分な体力と集中力で歩き通しましょう。

(文=川﨑拓兵/オフィスカワサキMountainGuide(やまんど塾))

北アルプス・立山

龍王岳から東一ノ越を経て黒部平へ

東一ノ越から龍王岳を望む(写真=増村多賀司)

左上:龍王岳から立山剱岳/右上:龍王岳から御山谷と東一ノ越/左下:御山谷の紅葉/右下:龍王岳山頂から針ノ木岳方面(写真=増村多賀司)

10月1日、晴れ

観光客でにぎわう室堂を後にして、浄土山に登ります。この日は秋晴れ、絶好の登山日和です。背後には大日岳、そして富山平野と富山湾、能登半島が見えていました。立山カルデラの湯川谷は紅葉に彩られています。南方向には五色ヶ原の向こうに大きく薬師岳、さらに笠ヶ岳や槍・穂高も見えます。

浄土山からすぐ近くの龍王岳まで足を伸ばしてみました。踏み跡は明瞭です。とがった岩の山頂では浄土山とはまた違った展望が広がります。眼下には紅葉の御山谷が見られました。これから向かう東一ノ越への道の両側には紅葉が広がり期待が高まります。

一ノ越は立山雄山に向かう登山者でにぎわっていましたが、御山谷方面に足を踏み入れると静かです。東一ノ越までトラバース気味の道はナナカマドやチングルマ、ミネカエデの紅葉が見ごろで、背後には先ほどいた龍王岳と鬼岳、獅子岳がまるで三兄弟のように並んでいます。それらの山々のカールや尾根が紅葉に彩られていて素晴らしい景観でした。こちらに来る登山者がほとんどいないのが意外なくらいです。

東一ノ越から田圃平への道へ下ると、こちらもナナカマドの紅葉が見られますが日当たりなどの違いからか、斜面には緑や黄色、そして紅いナナカマドがグラデーションとなっています。背後には立山の稜線があり、北アルプス独特の景観を形作っています。

黒部平まで沢をいくつか横切ります。最後2kmほどはササが伸びて道を覆っていますが、足元はしっかりしているので通行には支障ありませんでした。

(文=増村多賀司/長野県自然保護レンジャー、写真家)

北アルプス・雲ノ平

雲ノ平と黒部源流の紅葉を満喫

雲ノ平と水晶岳(写真=金丸勝実)

祖父岳と黒部源流の紅葉(写真=金丸勝実)

9月25日、晴れ時々曇り

前日(24日)は折立から入り薬師沢小屋で宿泊しました。折立から入山の場合、有峰林道のゲートが開く時間が決まっているので、折立の出発は8時過ぎになりました。この日、太郞平小屋から薬師沢にかけての紅葉が始まっていて、今年はナナカマドの色づきがいいように思いました。ナナカマドの赤色、ミネカエデの黄色、シラカバの白色の樹皮、笹の緑色が織りなす造形が青空のキャンバスに映えました。

25日はメインにおいていた北アルプスの最深部にある雲ノ平です。薬師沢小屋から2時間強の急登でアラスカ庭園に到着。クロマメノキやチングルマ、ナナカマドが赤く色づき、ハイマツの緑色と岩が造る造形はまさしく庭園です。

薬師岳、赤牛岳、水晶岳に囲まれ、雲上の台地を満喫しながら祖父岳を目指しました。祖父岳からの展望もよく、黒部源流の谷を挟んで鷲羽岳、三俣蓮華岳、その背後に穂高と槍がどっしりと構えていました。

祖父岳からは黒部源流を下り、三俣山荘からトラバース道で黒部五郎小舎に下り宿泊しました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

北アルプス・黒部五郎岳

展望と紅葉を満喫できた、静かなロングルート

黒部五郎カール(写真=金丸勝実)

薬師岳を見ながらの稜線歩き(写真=金丸勝実)

9月26日、晴れ時々曇り

黒部五郎小舎を5時30分に出発し、カールルートで山頂をめざしました。転々と転がる岩を縫うように流れる水、見ごろになっているナナカマドやチングルマの紅葉、朝の冷え込みでキリリとしまった空気の中を気持ちよく歩き、約2時間で黒部五郎の肩に上がりました。雲ひとつない晴天です。

黒部五郎の山頂に登ると、360度の展望が開けました。北アルプスの中央部に位置しているため、北アルプスの全山と乗鞍岳、御嶽山、白山が一望でき、山座同定に興じながら展望を楽しみます。

黒部五郎岳から太郞平までは、赤木山、北ノ俣岳のピークを踏みながらのなだらかなロングルートです。さえぎるものはなく終始、正面に薬師岳、右手に雲ノ平、水晶岳を見ながらの稜線歩きは爽快でした。

ハイマツ帯の岩場には、真っ赤に色づいたチングルマ、クロマメノキ、ウラシマツツジが映え、何度も立ち止まり撮影に興じました。また、稜線から見下ろす赤木沢、薬師沢の紅葉が見ごろを迎え、きれいでした。

山深い山域のロングルートで、しかも平日で登山者が少なく、静かな山旅を満喫しました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

北アルプス・西鎌尾根(前編)

紅葉の撮影に西鎌尾根をたずねる

弓折中段にて。ナナカマドの紅葉が始まっていた(写真=伊藤哲哉)

双六岳頂上にて。どこまでも登山道が続くようだ(写真=伊藤哲哉)

9月24日~25日、快晴

新穂高温泉の朝は、9月下旬になると寒く息も白くなります。9月24日の天気は快晴、風もなく登山日和となりました。

新穂高温泉からわさび平を経て、秩父沢まで快調に登ります。秩父沢では、山の斜面が黄色や赤色に染まっているのが分かります。山の上部では、紅葉が最盛期であることを期待しながら歩み進めます。真夏とは違って、シシウドヶ原までは、快適に登ることができます。時折、登ってきた道を振り返ると北西側に笠ヶ岳までの稜線、南に目を移すと穂高の稜線がよく見えます。

正午に鏡平山荘に到着。早速、鏡池に映る槍穂稜線の撮影をしました。鏡平付近では紅葉が始まったばかりで、これからさらに色づくことでしょう。

山荘のスタッフは、皆明るく気さくな方ばかりで、この辺りの山の様子や撮影ポイントのアドバイスをいただきました。

9月25日深夜には、オリオン座が稜線から出てくるので、鏡池に向かうと数名の方が撮影をしていました。紅葉だけでなく山岳夜景写真について熱く語り合いましたが、デッキには霜がおりて滑りやすくなっていました。もちろん、空には満天の星があり、カシオペア座にかかる天の川がとても印象的でした。

朝食後、双六岳に向かいます。弓折の稜線は、秋色に色づいていました。最盛期まで後少しという印象です。秋の太陽を浴び、額に汗をかきながら、稜線を歩きました。双六小屋では、いつもどおり、山荘スタッフが暖かくかつ礼儀正しく出迎えてくれ、疲れを癒してくれます。チェックインには早いので、荷物を預け、双六岳に向かいます。山荘のご主人に巻道の紅葉が綺麗だったと聞いていたので、さっそく向かうとナナカマドが彩よく染まっていました。鷲羽岳をはじめとする黒部源流域の山々を眺めながら撮影を堪能しました。

午後になると雲が湧きやすくなるので、分岐まで急いで戻り、双六岳頂上に向かいます。双六岳頂上付近は、草紅葉に覆われてすっかり秋模様です。また、眼前に大きく聳え立つ槍ヶ岳の存在感に圧倒されます。やはり、予想通り、雲が湧いてきてしばらくするとガスに覆われてしまいました。頂上からは中道を通って小屋に戻りました。明日の縦走に備え、充分休養をとりました。

(文=伊藤哲哉/『改訂新版 千葉県の山』共著者)

北アルプス・西鎌尾根(後編)

紅葉の撮影に西鎌尾根をたずねる

夜明けの西鎌尾根にて。槍・穂高稜線のシルエットが印象的だ(写真=伊藤哲哉)

西鎌尾根からの槍ヶ岳。秋色に染まったナナカマドも美しい(写真=伊藤哲哉)

9月26日~28日、晴れ、雨

9月26日午前3時ごろ、西鎌尾根縦走のため、そして山岳夜景の撮影も狙いももちろんあって、双六小屋を出発しました。外は真っ暗でしたが、数人、槍ヶ岳に向かう人がおり、撮影ポイントまで縦列になって進みます。撮影ポイントに着くと、急いで防寒、撮影準備に取りかかりました。空気はとても冷たく、気温は零下でしたが、空は期待通りの満天の星でした。残念ながら、この日は滝雲が現れることはありませんでしたが、大天井岳の頂上付近から太陽が上がり、朝焼けも美しく、感動的な景色を見ることができました。

天気は快晴で風もなく、西鎌尾根の縦走はとても快適でした。千丈乗越分岐に着く前にとてもきれいな紅葉があり、撮影に専念しました。南側を見るとそびえ立つ槍ヶ岳と峻厳な岩稜の北鎌尾根が目前に控えています。

鎖場を慎重に越え、千丈乗越からの傾斜のある登りが終わると槍ヶ岳山荘に到着。槍ヶ岳山荘では、若主人から紅葉の情報を教えてもらい、翌日に期待して早めに就寝しました。

9月27日の朝は、雲が多く晴天のうちに撮影ができるよう早めの出発です。天気予報では、午前中から曇りでした。しかし、槍沢上部の紅葉が最盛期で、撮影に時間を要しました。時折、雲からの陽光が差すと紅葉たちはキラキラと輝き、幻想的な風景となっていました。天狗池に着くころには曇ってしまったので、早々に槍沢ロッジへ向かいます。午後からは雨が降り、翌朝まで降り続けました。

9月28日、雨の中をロッジから出発しましたが、上高地まで、今回の撮影山行を振り返りながら軽快な足取りで向かいました。

(文=伊藤哲哉/『改訂新版 千葉県の山』共著者)

北アルプス・蝶ヶ岳

槍・穂高の大パノラマを望む

蝶ヶ岳から槍ヶ岳を望む(写真=増村多賀司)

左上:大滝山との分岐付近/右上:蝶ヶ岳稜線の紅葉/左下:蝶ヶ岳ヒュッテ/右下:蝶ヶ岳西斜面の紅葉(写真=増村多賀司)

9月23日、曇り

三股の駐車場で雨があがるのを待ってから出発。この日の天気は回復傾向です。

登山道は蝶沢より少し上まで要所要所に階段が設置され、以前より歩きやすくなっています。紅葉は蝶沢から上部で見ごろを迎えつつありました。

稜線に出ても天候の回復が遅れてガスでなにも見えませんが、蝶ヶ岳ヒュッテで休憩後に外へ出ると、槍と穂高が姿を現しました。稜線ではナナカマドやミネカエデ、ウラシマツツジの紅葉が見ごろです。

下山は再びガスの中へ。登って来る方々に、稜線は晴れて槍ヶ岳が見えることを伝えながらの下山となりました。

(文=増村多賀司/長野県自然保護レンジャー、写真家)

日光・戦場ヶ原

美しい草紅葉をながめながら散策

戦場ヶ原より男体山を望む(写真=中村重明)

小田代ヶ原の草紅葉(写真=中村重明)

9月30日、晴れ

草紅葉が美しい戦場ヶ原~小田代ヶ原を散策してきました。

いろは坂はまだ紅葉の前で渋滞はなく、赤沼車庫まではスムーズでした。いろは坂が渋滞するのは、10月中旬~11月初旬とのことです(※秋の渋滞予測)。が、赤沼車庫の駐車場は9時半ごろにはすでに満車で、約1km離れた三本松茶屋駐車場に駐車しました。

赤沼車庫からまず湯ノ湖に向かう湯川沿いの自然研究路の一部を往復しました。美しい草紅葉の戦場ヶ原やその奧にそびえる男体山、またきれいな湯川の流れやそこでエサを求めて水に潜るカモなどを愛でながら歩きます。

続いて小田代ヶ原まで樹林帯の遊歩道を歩きました。木々の葉はまだ色づき始めたばかりでしたが、それでもなかなかいい雰囲気でした。到着した小田代ヶ原は戦場ヶ原同様にきれいな茶色の草紅葉に彩られており、山の緑や空の青、雲の白と相まってとても素晴らしい眺めでした。

(文=中村重明)

妙高・火打山、妙高山

紅葉が真っ盛りでした

高谷池から望む火打山(写真=畠山茂信)

火打山頂上直下から見る妙高山、右下の湿原は天狗の庭(写真=畠山茂信)

9月30日~10月1日、快晴

二日間とも雲ひとつない快晴の下、真っ盛りの紅葉を満喫しました。

初日は笹ヶ峰から入山し、高谷池手前から素晴らしい紅葉を満喫しつつ、天狗の庭を経て火打山に登りました。高谷池と天狗の庭の草紅葉、その周囲のナナカマドの赤とハイマツの緑、他の木々の黄色ときれいなコントラストを描いていました。

火打山の山頂からは噴煙をあげる焼山、そして妙高山、黒姫山、戸隠山、白馬乗鞍岳から槍・穂高連峰に至る北アルプスを一望できました。

翌日は暗いうちに出発。大倉乗越でご来光を拝み、その後、妙高山に登りました。南峰からは昨日に続き北アルプス、加えて南アルプスと八ヶ岳連峰、そして富士山を望むことができました。なお、この日は気温が下がり、氷点下まではありませんが歩いていても肌寒く、つま先がしびれるほどでした。

帰路は称名滝と光明滝を経て燕温泉に下ります。途中、称名滝の滝壺近くと赤倉温泉の源泉近くにある野天風呂に立ち寄りましたが、残念ながら両方とも湯が抜かれており入浴はかないませんでした。最後の望みである旧燕温泉スキー場の脇にある黄金の湯でようやく入浴ができ、そこで汗を流して帰りました。

(文=畠山茂信)

富士山

ネパール6000m峰登頂に向けての順応訓練

八合目付近の上り(写真=山田哲哉)

下山道からの「影富士」(写真=山田哲哉)

9月30日~10月1日

今回の富士山山行は、年末からネパールヒマラヤ・タパピーク(6012m)登山を予定している山岳ガイド「風の谷」+KAZEエクスペディション登山隊の、富士山高所順応訓練2回目のものです。

季節は秋になり、登山者の減少とともに寒さも風も強くなりました。今回は山頂泊のつもりで全装備を背負っての登高です。強い風に乗って砂礫も舞い、辛い登りです。随所でSPO2(動脈に含まれる酸素の飽和度。数値が低下すると、体内に充分な酸素を取り入れられていないことがわかる)を測りながら、腹式呼吸をこころがけ、高所への対処を学びながらの登山です。

八合目下で、風の強さから山頂泊が危険に感じられ、宿泊用具、水、食料をデポし、ゆっくり、ゆっくりと山頂を目指します。背後には奥多摩、大菩薩、丹沢、御坂、八ヶ岳、南アルプスが大きく見られ、海も真下に見えます。

九合目を過ぎるとガックリとペースが落ちるのは毎回のこと。風が一段と強くなり、砂礫の間から沁みだした水はコチコチに凍っています。「もう少し、もう少し」とはげましあいながら、今回の参加者5人で吉田口山頂である浅間神社前に登り着きました。火口壁にはツララがたくさん下がっています。剣ヶ峰に行く時間がなかったので、伊豆岳に立ってそこを山頂としました。

下山時、下るにつれて雲海の上に「影富士」が浮んでいました。八合目でデポを回収し、日没と同時に五合目に着きました。

なお、「たかが富士山でヒマラヤ高所の順応にはならない」とはよく聞く言葉ですが、大切なのは「高度を体感する」ことです。数値的にも3000m前後の標高でSPO2値は顕著に下がります。その低下を、腹式呼吸の繰り返しで克服します。このように高さに順応する方法を知ることには必ず意味があります。高所を目指す方は、意識的に富士登山をされることをすすめます。

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

京都府・由良ヶ岳(丹後富士)

天橋立と宮津湾を見下ろす丹後の名峰

東峰にて。足元には由良川の河口、対岸の奥には若狭富士・青葉山の美しい円錐形が見える(写真=根岸真理)

西峰にて。若狭湾に突き出す栗田半島と、その背後に丹後半島、左奥には天橋立がかすかに覗く(写真=根岸真理)

9月30日、晴れ

森鴎外の小説「山椒大夫」の舞台として知られる丹後由良。安寿姫が汐汲みをさせられたという“汐汲浜”を見下ろすようにたたずむ「由良ヶ岳」へ登ってみました。

京都丹後鉄道・丹後由良駅から10分ほど歩いたところにある国民宿舎丹後由良荘の先から登山道が始まります。四合目あたりまでは風化花崗岩のザラザラした土壌で、上半はぬかるみやすい粘土質。林道と交差するあたりで斜面が崩壊している部分があり、雨の後などは注意が必要かもしれません。

山頂部一帯はなだらかな山容で、天橋立を遠望する西峰(主峰・640m)と、虚空蔵菩薩を祀る石の祠がある東峰(585m)のふたつからなる双耳峰です。かつては、修験道の拠点で、地元では十三歳になるとこの山に登る「十三詣り」の風習があったそうです。

西麓へ下る舞鶴漆原コースは、途中に真奥大滝という見ごたえのある滝がありますが、漆原側へ下るとバス便が一日数本しかないので、事前にクルマを停め置くなどの方法を取らないと縦走は困難です。

なお、林道上漆原和江線は土砂崩れのため通行止めになっていました。

(文=根岸真理/山岳ライター)

六甲縦走路

公称56kmの試練の道へ

須磨アルプスは六甲全山縦走大会では大渋滞となる場所(写真=山口敬二)

鍋蓋山から眺める神戸の港町(写真=山口敬二)

9月30日、晴れ時々曇り

神戸市主催の六甲全山縦走大会は今年も11月12日(日)と11月23日(木・祝日)の日程で開催されます。今年はエントリーしていませんが、キンモクセイの香り漂うこの時期になると縦走路を歩きたくなります。ちょっと足慣らしにと朝からサブザックに荷物を積め、須磨浦公園駅まで電車を乗り継ぎました。すると、出場者とおぼしき人たちが幾人か練習に来ています。

秋晴れの瀬戸内海を見ながら、まずは軽快に旗振山(253m)まで登ると、淡路島に架かる明石海峡大橋を望めます。ここからウバメガシの稜線を高倉台まで歩くと、栂尾山(274m)への400段の階段が待ち受けています。そして横尾山(312m)の先にある須磨アルプスと呼ばれる馬の背の岩稜が、この縦走路前半の核心部です。両側が深く切れ落ちた岩稜を慎重に越えると、妙法寺へと下りてから高取山(328m)のキツい登りへとかかります。この山は新田次郎の小説「孤高の人」の冒頭に出てくる山で、頂上からは加藤文太郎が歩き回った神戸の町が一望できます。

ここでお弁当を食べ、鵯越(ひよどりごえ)駅の先に待ち受ける菊水山(459m)の急登へ。鈍った身体を渾身の力で頂上まで引き上げ、やせたガレ場を下ってから次は、鍋蓋山(486m)の上りが容赦なく迫ります。

頂上からすぐ下には港・神戸の景観が開けていますが、日没時間が気になるので早々に次の目的地の大竜寺へと向かいました。この時点でヒザにはかなりの痛みがありました。

大竜寺から市ヶ原の桜茶屋に到着したのは夕方5時前。9時半に須磨浦公園駅を出発してここまで、全山縦走路の半分にも満たないのですが、この日はここで山を下りました。

神戸市公称の56kmの縦走路は試練の道ですが、要所要所ではいろいろな思い出がよみがえり、感慨深く秋の山歩きを楽しむことができました。

(文=山口敬二)

佐賀県・天山

秋の花を探しに

笹原の中でひときわ目立つトリカブト(写真=池田浩伸)

ツボミをたくさんつけたセンブリ(写真=池田浩伸)

9月29日

午前中のあいた時間に、最短コースの天山神社上宮から山頂へ。東西に長い山頂を持つ天山は、トリカブトやセンブリの花を探す登山者でにぎわっていました。

銀色に輝くススキの向こうには、稲穂が黄色く色づいた佐賀平野と有明海、そして遠く雲仙岳の眺めが広がっていました。

トリカブトもセンブリもツボミが多く、まだしばらく楽しめそうです。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

北アルプス・立山

雄山往復と室堂平散策

室堂平周辺から雄山を望む(写真=木戸一典)

初秋の立山。さまざまな表情を見せる(写真=木戸一典)

9月30日、晴れ

若手の山仲間から「坂じぃ隊長」と親しまれている御年82歳の義父のお供で、立山の雄山往復と初秋の室堂平散策に出かけました。ちょうど最近は室堂界隈での仕事が続いていたので、プライベートでの雄山往復はいい気分転換になりました。

この日は秋晴れで、朝の気温も3℃と表示されて氷も張っていましたが思った以上に暖かく感じられました。しかし一ノ越から上は風が強く、防風対策の重ね着をしてピークを目指します。ピークからは大日連山はもちろん、槍ヶ岳や富士山も見えました。

雄山から御前沢氷河も見下ろして一ノ越まで戻り、昼食の鶏団子鍋とシメのおじやで温まります。

室堂の紅葉もピークを迎え、そろそろ天狗平から下に移りつつあるように感じましたが、初秋のステキな週末となりました。

(木戸一典/富山県/50歳/よく行く山:北アルプス北部)

南アルプス・仙丈ヶ岳

友人夫婦たちと3年がかりで山頂へ

仙丈ヶ岳山頂からの富士山。「雲がゴジラだ」という声につられて撮影しました(写真=山田芳生)

9月24日~25日、晴れ時々曇り

友人夫婦二組と仙丈ヶ岳に登ってきました。友人夫婦は駒ヶ根に住み、毎日仙丈ヶ岳を見てはあそこに登れるのかなぁ、登りたいな、と感じていたそうです。その希望にこたえるべく、3年がかりで実現しました。

昨年は台風で断念しましたが、この日は最高の天気に恵まれました。また、初年度は稜線伝いルートをとりましたが、今回は馬の背からのルートに変更することで、なんとか仙丈小屋に到着することができました。そのとき83歳の方がおられた大阪からのグループに励まされ、本当に助かりました。ここまでくれば仙丈ヶ岳山頂は目の前です。

次の日、朝4時起床で山頂を目指し、全員でご来光を拝みます。山頂では日本の高峰ワンツースリーのシルエット、反対側には中央アルプスに仙丈ヶ岳の影が映る光景。甲斐駒ヶ岳と鋸岳、その後ろに八ヶ岳、さらに奥には浅間山が望めます。もちろん、御嶽、乗鞍、北アルプス連峰も見えて360度の絶景を望みました。

(山田芳生/兵庫県/63歳/よく行く山:六甲山、日本アルプス)

南アルプス・北岳

朝日に輝く北岳

大樺沢から八本歯のコル、北岳を見上げる(写真=中川喜久)

9月29日~30日

芦安駐車場で仮眠後、朝いちばんの乗合タクシーで広河原へ。大樺沢の彼方に朝日に輝く北岳が望め、いやおうなしにボルテージが上がります。

6時20分に入山。大樺沢・左俣コースで北岳を目指します。大樺沢二俣の分岐を過ぎ、最後に大樺沢を渡ってから八本歯のコルに取り付くまでの急登は、木製の階段が整備されています。皆さん「きつい」といいながら登っていました。コルから見る間ノ岳のでっかい山容は、一見の価値があると思います。

吊尾根分岐に荷物をデポし、身軽になって13時30分に北岳山頂へ。30分ほど大展望を楽しみ、荷物をピックアップして、15時過ぎに北岳山荘へ到着しました。この日は150人の定員に対し60人ほどの宿泊でした。

翌朝は日の出を中白峰で見ようと4時50分に山荘を出発。東の空を見ながら歩き、5時30分に中白峰へ。5時38分、雲の間からの日の出を拝み、間ノ岳へ足を進めます。振り返れば仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳のモルゲンロートが美しかったです。

6時35分、誰もいない間ノ岳山頂着。太陽が雲に隠れて寒かったためカッパを着込み、15分ほどで退散。8時過ぎ北岳山荘に戻り、下山の身支度をしました。8時45分に山荘を発ち、もう一度北岳に登ります。前日は身軽でもきつかったのですが、一夜の休憩のおかげでしょうか、荷物があっても前日ほどきつく感じなかったのは不思議です。再び360度の展望を楽しみ、肩ノ小屋を経由して、白根御池コースを通り15時過ぎ、広河原へ下山しました。

小太郎尾根分岐からの草すべりと白根御池先の登山道は急坂です。特に白根御池から大樺沢分岐の間は登山道が荒れており、肩ノ小屋へ行かれる方は、大樺沢・右俣コースがおすすめかと思います。

(中川喜久/岐阜県/55歳/よく行く山:日本アルプス、岐阜市近郊の山)

秩父・二子山(西岳)

石灰岩の花園は秋を迎えました

西岳の稜線を振り返る。振り返れば、歩いてきた稜線は我が人生とオーバーラップした瞬間でした(写真=林 由季子)

自然環境の厳しい稜線上で出遭えたお花たち。残りひと月もするとアンカーのリンドウにバトンタッチです(写真=林 由季子)

9月24日、晴れのち曇り

秩父と言えば武甲山の石灰岩が有名ですが、今回はその石灰岩に因んだ自然環境を堪能しに、日帰りで小鹿野の二子山(西岳)へ行ってきました。

秩父市内から登山口まで車で約1時間、シーズンの休日はどのスペースも満車です。そこで今回は西秩父林道から三ッ石山を経由して、西岳の北側から稜線にアプローチしました。

県境尾根や三ッ石山はまだ緑に覆われたブヨの多い山道でしたが、西岳稜線に躍り出ると、紅葉の始まった木々と共に爽快な360度のパノラマが広がります。

石灰岩にできた様々な野草のフラワーポットを楽しみながら西岳山頂を踏み、その後は一般コースで林道へ戻りました。三ッ石山周辺はテープがなく、ロープなどは必須です。なお、西岳一般コースの泥土斜面は滑りやすいので注意してください。

(林 由季子/埼玉県/よく行く山:秩父の山)

※編集部注:秩父二子山には危険な箇所が多くあります。登山初心者、初級者だけで安易に登ることのないよう、注意してください。

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

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