ツイート

山からはじまる福島の旅「やまふく」

福島の山の魅力を伝えるWebサイト

福島県は、県内に多くの山があり、7つの日本百名山をはじめバラエティ豊かな山々がそろっています。山麓に温泉がある山が多いのも福島の山旅の楽しみのひとつ。さらに下山後のグルメや観光も欠かせません。

「山からはじまる福島の旅 やまふく」はそんな福島の山旅の楽しさを伝える山岳・観光情報サイトです。

この「やまふく」には県内の山岳ガイドさんがお届けする「山の案内人ブログ」など、週刊ヤマケイ読者としても気になる情報が満載。

今回はその「山の案内人ブログ」の最新記事、雪の安達太良山のレポートをご紹介します。

冬型の気圧配置が緩んだとはいえ、稜線では強風が(写真=五十嵐 潤)

稜線の風の通り道にて。大きな白い鳥が羽を休めているようでした(写真=五十嵐 潤)

風が創る芸術「雪の安達太良山」

2月14日、冬型の気圧配置が半日だけ緩んだタイミングで雪の安達太良山へ出かけました。

安達太良山はグリーンシーズンこそ子供でも気軽に登れるフレンドリーな山ですが、冬はまったく別の顔を見せます。

この日もかなりの強風で、常時15m/sオーバー、稜線ではその1.5倍にもなる風が吹き荒れていました。雪山登山者にとって強すぎる風は一番の敵ですが、ときに、とてもきれいでおもしろい芸術作品を披露してくれます。風の芸術を観に、雪の安達太良に出かけてみませんか?

なお、3月下旬までの安達太良山は「本格的な雪山」です。きちんとした装備と計画を持って入山してください。雪山初心者~中級者は、「山岳ガイド」や経験豊富な仲間とともに一緒に安全な登山を楽しみましょう。

(レポート=五十嵐 潤/福島在住登山ガイド)

『猪・鹿・狸』(早川孝太郎)

連載第10回(著者=小林千穂/山岳ライター・編集者)

『猪・鹿・狸』(早川孝太郎 角川ソフィア文庫)

作家の間でも話題になった本

著者の早川孝太郎は、柳田国男の弟子にあたる民俗学者である。この本は著者が幼い頃に見聞きしたことや、村の古老や猟師に取材して聞いた、猪・鹿・狸、それぞれにまつわる話をまとめたものだ。

刊行されたのは大正15年。芥川龍之介がブックレビューに「僕は実際近頃にこのくらい愉快に読んだ本はなかった」と評し、島崎藤村もこのような里の暮らしをまとめたいと思っていたと言うなど、作家の間でも話題となった。民俗学的資料としてだけでなく、文学的評価も高く、現在も多くの人に読み継がれている。

「猪」は、田畑を荒らすイノシシと人との攻防についての話題から始まる。「猪に荒らされた後の稲は、誠に情容赦もない事であった。わけて子持猪にでも出られたが最後、それは目も当てられぬ狼藉であった」というが、収穫間近の米を食べられ、さらに踏みつけられて泥に埋もれた稲を見れば、田んぼの持ち主はどれほど悔しく、悲しいことかと思う。作物を守るために、人は、落とし穴を掘ったり、寝ずの番をしたり、石垣を築くなどの苦労をしてきたのである。

三重県の南部を旅したとき、数メートルの高さに及び、城壁かと思うほどりっぱな石垣を見た。聞くと猪垣(ししがき)といい、イノシシの食害除けとして、江戸時代から昭和はじめにかけて造られたものなのだそう。周辺地域には、ほかにも「ミニ万里の長城」とも言えるほど長い石塀や、迷路のように造られた石積みもあった。言うまでもなく、そのような猪垣を造る苦労は途方もない。生きるために食べるイノシシと、これまた生きるために田畑を守る人とのすさまじい攻防の跡だと思う。つい最近まで、人はそのようにして暮らしてきたのだ。

三重県で見たどこまでも続く猪垣

「鹿」のところでは、シカの数が少なくなり、すっかり姿を見なくなって久しいことが話のひとつに挙げられている。明治から昭和始めにかけての乱獲でシカは激減したが、ここに書かれていることから、大正末期、話の舞台である三河(愛知県)でも、かなり数を減らしていることがわかる。

著者はシカが減ったことを嘆いているが、後の保護政策などにより、現在はニホンジカが増えすぎて、山の植生などに影響が出ている。今、増えすぎたシカに頭を悩ませていることが、なんとも皮肉である。

「狸」はいろいろなものに化けて人を騙したり、驚かせたりする話が多い。子どものころによく読んだ昔話は、少し不気味で怖く、でもたまらず好奇心をくすぐられ、読むのをやめられなかったことを思い出した。

そういえばそのころ、父に連れられて甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根を登ったのだが、家から山へ向かう途中で、不幸にも車との事故に遭い、道に横たわるタヌキを目にした。そのようなタヌキを見ることはめずらしくはなかったが、大きな山に登る前だったこともあって、不吉なことがあるのではないかと、不安な気持ちを大きくした。そして自分がしたことではないものの、子ども心に申しわけなくも思った記憶がある。

登山口に着いて竹宇駒ヶ岳神社に向かうと、そこにひとりのお婆さんがじっと立ってこちらを見ていた。早朝からお婆さんがいることに驚き、あのタヌキが化けているのではないかと思い、たまらなく怖くなった。

それからは、古い石塔の影から何かが見ているような気がしたり、いつまでも景色の変わらぬ道を歩き続け、一向に山頂に着かないのはタヌキの仕業ではないかと不安になったりした。この本でも紹介されているような昔話が記憶に刷り込まれていたからだろう。

なかなか山頂に着かなかったのは、タヌキのせいではなく自分がバテていただけだったけれど、タヌキといえばいつも甲斐駒ヶ岳を思い出す。

さて、この本のおもしろさは、取材力はもちろんだが、書かれている話が実話であったり、実際に語り継がれた物語であることが大きいと思う。「実はこれも獣たちの最後を飾る物語の一つであろうかもしれぬ」という著者の言葉が重い。

信州の山岳遭難現場より

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を配信しています。

2月21日に第104号が配信され、2月5日から12日にかけて長野県で発生した遭難事例5件が掲載されております。

5件の遭難のうち3件はバックカントリーやスキー場のコース外での滑走によるものです。近年、用具の発達により愛好者が増えていますが、それに伴い遭難も増加しています。雪山のリスクを理解したうえで装備や技術を習得して、遭難を防いでください。

***

・2月5日、八ヶ岳の西天狗岳から下山中の44歳男性が視界不良により道に迷い、行動不能となりましたが、諏訪地区遭対協隊員により発見・救助され、付近の山小屋に収容されました。

・2月6日、白馬村内のスキー場で、41歳のスウェーデン人男性がコース外をスキーで滑走中に立木に衝突、左下腿骨折の重傷を負い、山岳遭難救助隊員等に救助されました。

・2月8日、45歳男性が北アルプスの八方尾根周辺にバックカントリースノーボードへ出かけたまま行方不明となり、警察等で捜索しています。

・2月12日、八ヶ岳の硫黄岳で54歳の女性が、転倒した同行者のアイゼンが刺さり負傷し、その後、強風と降雪のため行動不能となりましたが、茅野署員等により救助されました。

・2月12日、黒姫山をスキーで滑走していた46歳女性がバランスを崩して転倒、負傷しました。

(内容は長野県警察本部の発表時点のものです)

・・・

下記URLより、「島崎三歩の山岳通信」バックナンバーもご覧いただけます。今後の登山にぜひ役立ててください。

http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html

また、中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会では、中央アルプスの最新の山岳情報を発信するために公式フェイスブックを立ち上げました。登山計画の参考にしていただき、遭難を未然に防止することを目的としています。中央アルプス登山の前に、ぜひご覧ください。

https://www.facebook.com/chuoalps.soutaikyo/

(文=週刊ヤマケイ編集部)

「ピクチャーハワイ」写真展

3月1日(木)~6日(火)、東京・江戸川橋で開催

ハレマウマウ・クレーターの噴煙(撮影=篠田充紀子)

ペレの足跡(撮影=太田清美)

火山や植物の研究など、長年ハワイをフィールドに活動している近藤純夫さん。エッセイスト、翻訳家などさまざまな顔をもつ近藤さんは、ハワイの自然をテーマに素晴らしい写真も多く撮影されています。

その近藤さんのミニ講演会と、講座受講生による写真展が江戸川橋で開催されます。ハワイの自然に興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

***

ピクチャーハワイ写真展「La’au o Hawai’i ハワイ島を切り撮る」

日程:3月1日(木)~6日(火)

会場:ギャラリー niw

東京都文京区関口1-44-8

東京メトロ江戸川橋駅から徒歩3分

http://gallery-niw.jp/access.html

開館時間:12:00~20:00(ただし初日は13:00より、最終日は19:00まで)

なお、3日(土)4日(日)の13:00より、ミニ講演会とプロジェクタによる写真紹介が開催されます。

詳細は下記URLをご覧ください。

http://picturehawaii.seesaa.net/article/456152418.html

日本山岳写真協会による一般公募のお知らせ

3月16日~25日まで

2017年特選作品「雲間のタムセルク」(写真=中本いくゑ)

山岳写真をテーマとした創作、研究、発表などを行う伝統ある作家集団、日本山岳写真協会では、山岳写真愛好家に発表の場を開くために、毎年一般公募を行なっています。

特選には10万円、総額20万円の賞金・賞状があり、入選作品は8月31日より東京都美術館で開催される写真展に全紙サイズにて出展されます。2017年には401点の応募があり76名の方が入選されました。

入選者には日本山岳写真協会会員へ無審査での入会資格の他に、初年度の入会金免除などの特典があります。

募集期間は2018年3月16日から3月25日の期間内に、宅配便かゆうパックなど記録の残る方法で下記まで送付してください。

宛先:日本山岳写真協会 公募係

〒160-0008 東京都新宿区三栄町6 第一原嶋ビル502号室

題材は四季の山岳景観・山野の動植物、応募作品はA4または六切りサイズにプリントを1人10点以内。

その他の応募規定詳細は募集要項(ホームページにも掲載)をご覧ください。

http://www.japa.server-shared.com/

なお、ご不明の点がありましたら下記にてお問合せください。

japa_kobo@yahoo.co.jp

(文=伊藤哲哉/日本山岳写真協会)

Kindleストアで「THE・遭難セール」開催中!

Amazon.co.jpはKindleストアにて“【50%OFF】THE・遭難セール”を開催中です。このセールでは約65タイトルの遭難関連本が通常時の半額以下で販売されています。

対象となった書籍には『ドキュメント単独行遭難』や『ヤマケイ文庫 ドキュメント生還』などのドキュメントシリーズに加えて、『ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓』、『ヤマケイ文庫 空へ』などの遭難に関連した読物、ノンフィクションが選出されています。

このほかにも『山登りABC 山の天気リスクマネジメント』や『新版 レスキュー・ハンドブック』など、遭難にあわないための技術書や、遭難後の対処法についての技術書も選出されています。

春の登山シーズンを前にして、ぜひこの機会に電子書籍を購入してみてはいかがでしょうか?

セール期間は2月22日までのようですので、この機会にぜひKindleストアを訪れてみてください。

『ヒマラヤ 生と死の物語』

奇跡の生還と遭難の悲劇

『ヒマラヤ 生と死の物語』著者=池田常道/3月31日発売/1600円+税/四六判/288ページ/ISBN 978-4-635-17194-6

世界規模で描く山岳遭難事例のセレクション

マロリーとアーヴィンの遭難に始まり、ナンガ・パルバットの血塗られた歴史、人類初という栄光の陰に隠されたアンナプルナ初登頂の悲惨な逃避行、嵐のK2ハイキャンプから血栓症に陥った友を助けるための救出劇、エベレスト公募登山隊の破綻、アンナプルナ南壁に集まったクライマーたちによる国際救助隊、そして、嵐につかまった山野井夫妻のギャチュン・カンの死闘まで、ヒマラヤの山中で繰り広げられた13の「生と死の物語」。

オホーツク海(網走)・能取岬

アイスクライミングに魅了されました

トップロープでクライミングを楽しむ仲間たち(写真=谷水 亨)

釧路と帯広から集まったクライミング仲間(写真=谷水 亨)

2月10日~11日

昨年、能取岬でのアイスクライミングを経験してすっかり魅了され、今年も帯広・釧路・旭川から集まった仲間達に入れてもらい2日間を楽しんできました。

オホーツク海に面した網走国定公園内にある能取(のとろ)岬の海岸部に、湧水が造り出したいくつもの氷瀑があります。この氷瀑の特長は、流れ落ちる川が凍ってできる滝とは違い、地表下からの湧水が絶壁から海岸に向かって染みだし凍ってできるため、とても澄んでいて、青く色付いたきれいな氷であることです。この氷瀑や流氷、オジロワシ、アザラシなどを見るために海岸沿いや林をスノーシューで歩くトレッカーたちも大勢訪れるところです。

今回は一度接岸した流氷が沿岸に離れてしまっていましたが、水平線上には流氷も見られ、頭上にはオジロワシも飛来していました。1日目は「オオワシ」「オジロ」の氷瀑で何本も登り、宿泊は友好のある地元山岳会の会館をお借りして交流を楽しみました。2日目は「オノコ」「メノコ」の氷瀑に取り付き、仲間たちとアイスクライミングを楽しみました。

帯広、釧路、旭川から親交のある仲間たちを集め、初心者や技術・知識を高めようとする若者たちのサポートを惜しみなく担ってくださった若きリーダーに感謝するとともに、会館の使用に快く受けていただいた地元山岳会関係者の皆様にも感謝する山行となりました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

北海道中央部・タケノコ山

大満足のバックカントリー滑走

通称タケノコ山に続く稜線を歩く筆者(写真=片山宣孝)

下界に南富良野町を眺めながら滑走する同行者と筆者(写真=谷水亨・片山宣孝)

2月15日

日高山脈と十勝連峰の狭間に位置する社満射(しゃまんしゃ)岳は、南富良野町幾寅(高倉健主演映画「駅」のロケ地)や金山湖を眺められる冬限定の山です。残念ながら眼下を走る鉄路は台風災害の影響でいまだ不通となっており、映画で見られた赤い列車(1両ワンマン列車)が走る勇姿を見ることはできません。

通称タケノコ山は、そんな社満射岳の手前にあるピークで、今回は天候もあまりよくなかったので、職場の同僚とバックカントリー目的で登りました。

前日に降った2cmの雪はトレースを隠すことなく、緩やかにジグをきりながら登っていきます。疎林帯になるとトレースもなくなり、すねラッセルで直登気味に登り、一気に標高を稼ぎました。

無風に近いタケノコ山ピークで休憩を取り、社満射岳の様子をしばらく見ていましたが、その後も晴れることがなかったので滑走に切り替えました。

一本目は東斜面の北面を滑り、50分ほど登り返して南面を滑ります。雪面には土日祝日に滑られたであろうシュプールが残っていましたが、すねまである積雪に大満足して下山しました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

北八ヶ岳・蓼科山

しっかりとした雪山の備えをお願いします

樹林帯より蓼科山を捉える(写真=小山貴之)

山頂より南八ヶ岳方面。金峰山まではっきりと見える(写真=小山貴之)

2月18日、晴れ

蓼科山はその円錐状の美しい山容から別称「諏訪富士」とも呼ばれ、ビジンサマという名の神様が住んでいるという伝承もあります。

スズラン峠駐車場から登山開始です。駐車場には1基使用可能なトイレがありました。

しばらくは笹原を進みます。標高を上げると、休憩にはちょうどいい幸徳平標識手前の平地に着きました。また、樹林帯からは、出発してから初めて蓼科山の全容を捉えることができるポイントもあります。急登を上り詰め、森林限界までくると山頂はもう少しです。

森林限界より上は強風への備えが必要となります。この日は強風の予報でしたが、比較的穏やかな風でしたので山頂ではゆっくりすることができました。雪原のように広い山頂には蓼科神社の奥宮があります。蓼科山からの展望はさえぎるものがなく360度の大展望です。景色を堪能し、ピストンしました。

蓼科山はアクセスもよく、スズラン峠からの登山道は一本道なので雪山入門として入りやすい山かと思います。後半は急登となりますのでアイゼンワークの練習にもなります。この日は軽装(ジーンズ、夏靴)や装備不足(チェーンスパイクのみ)の方を見かけました。この時期はまだまだ雪山です。しっかりと備えをして入山をお願いします。

(文=小山貴之/長野県自然保護レンジャー)

栃木県・八方ヶ原 スッカン沢

渓谷の氷瀑群のみごとな氷の造形を楽しむ

岩壁には鋭い大つららが放射状に連なる(写真=奥谷 晶)

白と青の色合いが美しいスッカン沢の流れ(写真=奥谷 晶)

2月18日、雪ときおり晴れま

冬型気圧配置の影響で、どの山域も稜線上は大荒れの様相。そこで風の影響が少なく、かつ低い気温で発達しているであろう氷瀑群を見にスッカン沢へ行ってきました。

麓は晴れていましたが、出発点の「山の駅たかはら」では風も強く吹雪でした。樹林帯から渓谷へ下りていくと風はなく、時折雪煙が吹き込む程度に。昼ごろには晴れ間も見えるようになりました。

新雪が30cmほどありましたが、登山者も多く、すでに立派なトレースができていたので、スノーシューは使用せず。アイゼンで歩きました。

氷瀑群は期待通り、大つららが鋭く放射状に連なり、迫力充分でした。

(文=奥谷 晶)

奥利根・宝台樹山、吾妻耶山

名湯をベースに奥利根エリアでスノーシュー

宝台樹スキー場第7ペアリフト・トップからは白毛門から朝日岳、奥利根源流域の山々を一望(写真=平田謙一)

小雪が舞う美しいカラマツ林を吾妻耶山へ(写真=平田謙一)

2月1日~2日、1日晴れ、2日曇り時々雪

三国街道沿いに湧く名湯、法師温泉泊で、奥利根エリアでの山岳スノーシューを楽しみました。初日はときに豪雪で知られる、みなかみ町藤原地区の宝台樹(ほうだいぎ)スキー場エリア。2日目は関越道水上インターから至近の、ノルン水上スキー場を擁する吾妻耶山(あずまやさん)。両エリアともスキー場の理解と協力により、スノーシュー登山者も乗車可能なリフトがあります。

宝台樹スキー場といえば、第9クワッドリフトのトップをはじめ、宝台樹尾根(仮称)上に広がる谷川連峰や奥利根源流域の山々の一大パノラマが素晴らしい。このロケ―ションに魅せられ、十数年前に初めてスノーシューで訪れて以来、折々に訪ねてきたエリアです。やや到着が遅れた今回は、第7ペアリフトで尾根上にあがり、宝台樹尾根を宝台樹山(1152m)へ。鞍部に戻ったならばキャンプ場側(南側)に下り、キャンプ場から林道を回ってゲレンデ正面へ戻るという宝台樹にあって「スタンダード」というべきコースどり。宝台樹スキー場では、スノーシュー登山者の全リフトの乗車可はもとより(スノーシューは脱いで乗車)、ゲレンデ端であればスノーシュー歩行も許容されています。入山に際しては、スキーパトロール詰所への登山計画書の届け出・下山報告が必須です。

2日目。ノルン水上スキー場でスノーシュー登山者が利用できるリフトは、第3クワッドリフトのみ。スキー場内の歩行は厳禁です。入山計画書の提出が必須(第3クワッドリフト係員へ渡すこと)のほか、ルールをしっかり確認しましょう。

リフトのトップからは、複雑な地形の山肌をたどり、急傾斜で立ち上がる吾妻耶山山頂部へと迫ります。急斜面を登り切った広い平坦地の東端に、大きな石祠が3基まつられた吾妻耶山の最高点(1341m)があります。

山頂までのルートは夏道沿い。今回はトレースも残っていましたが、トレースがなく夏道を知らないと、読図力とともにルートどりのセンスが問われるところです(中級者以上に向くコースでしょう)。

帰路は第3クワッドリフト終点まで戻り、スキー場南側の樹林帯を下りましたが、ここでもまたルート・ファインディングを悩みながらも楽しみました。

(文=平田謙一/アルパインオフィス・てく&てく むさしの山岳biz 山岳ガイド)

上州・武尊山

コンパクトな行程で本格的な雪山登高を楽しむ

剣ヶ峰山を越えてその尖峰を振り返る。東斜面の木々は時に素晴らしい樹氷となります(写真=平田謙一)

剣ヶ峰山を越えた雪稜より山頂(沖武尊=左奥のピーク)を望む(写真=平田謙一)

2月10日、快晴

土曜日も含めた3連休だというのに10日夜から11日にかけ低気圧通過の予報。となれば谷川岳はじめ脊梁山脈周辺は、低気圧通過後の冬型の強まりにより風雪、悪天の方程式が容易に想定されます。これにより日程を前倒しして深夜に山麓の宿に入ったのち、朝一番で川場スキー場トップから上州武尊山(沖武尊、2158m)を目指しました。天候は下り坂ながらこの日は、よくありがちな穏やかな晴天。昨今、連続する大雪もないようで雪の締まり具合も雪質もよく、アイゼンを効かせて快適に山頂を往復しました。

山頂に待つパノラマは変わらず素晴らしいものがあります。背にする関東山地の山々や傍らにする谷川連峰、皇海山(すかいさん)や日光白根山などにくわえ、北側には尾瀬や奥利根源流域の真白き秀峰の数々が連なります。

川場スキー場のリフト始発は8時。桜川エクスプレス、クリスタルエクスプレスの2本を乗り継いで登山起点となるスキー場トップ、標高約1860m地点へ。登山の核心は剣ヶ峰山越えで、ヤセ尾根から足もとに切れ落ちる急峻な溝状をへて急雪壁を下ります。アイゼンとピッケルをしっかり効かせ、慎重に通過しましょう。この日は登山者も多く、やがてしっかりとしたステップとなりましたが、雪山初級の方などはよきリーダーのサポートを受けると安心でしょう。チェーンスパイク+ストックという方もいましたが、これはあまりにも危険です(さすがに剣ヶ峰山は越えられず)。

なお天候の下り坂を明確に把握している場合、晴天といえども無理は禁物。万全なる装備とウェアはもとより、時間的な余裕やスピーディな行動も必要です。引き返しポイント(時間や場所)の設定、そしてあきらめのよさも重要となります。

本コースの登山に際しては、川場スキー場専用の登山届への記入・提出が必要です。これと引き換えにリフト券購入となります。リフト2本の往復で2000円。これにICカード式リフト券保証金が500円。ICリフト券には氏名が印字されており、下山時の返還により保証金の返金、および下山届を行うことになります。登山届の書面は現地に備えつけの用紙か、川場スキー場のホームページから「アクティビティ」→「スノートレッキング」と進めば、登山時の注意事項とともに登山届(PDF)があります。

(文=平田謙一/アルパインオフィス・てく&てく むさしの山岳biz 山岳ガイド)

西上州・志賀坂諏訪山

雪の低山歩きを楽しみました

志賀坂峠から見る二子山(写真=畠山茂信)

ずっと雪道を歩きました。中央奥の木立に囲まれたピークが頂上です(写真=畠山茂信)

2月14日、快晴

この日は雲一つない快晴で風も弱く、思ったほど寒くなくて快適に歩けました。

志賀坂トンネル脇の登山口から、軽アイゼンを着けて雪道を歩き始めます。積雪は足首ほどで、下の石や岩にアイゼンの爪が取られて歩きにくい箇所も多くありました。

まず尾根ルートから少し遠回りして志賀坂峠に登ります。周囲の木々が伐採されたおかげで、そこからは二子山が目前に大きく望めました。

続いて尾根沿いに薄いトレースをたどってしばらく進み、右に回り込んだ先のピークが頂上です。そこには諏訪大明神の祠が鎮座し、目前に両神山が大きくそびえていました。

下山は谷ルートを取りましたが、陽が当たらないせいか雪がフワフワで固まっておらず、アイゼンの効きが悪くて少し苦労しました。

途中の九十の滝は全面結氷しており、見事な氷瀑となっていました。滝壺に向かうトレースはありましたが、足場が悪そうだったので近くまで行くのは断念し、遠くから眺めるだけにしました。

舗装された林道に出て登山道は終わりですが、林道も雪に覆われており、雪のなくなる国道までは滑らないように注意して歩きました。

(文=畠山茂信)

奥武蔵・柏木山

帰りの里道では梅の芳香が漂っていました

龍涯山山頂から見渡す、武甲山~越上山の山なみ(写真=石丸哲也)

上:柏木山山頂から首都圏方面を眺める/下:手作りの標識やベンチが置かれた柏木山山頂(写真=石丸哲也)

2月18日、快晴

この日の午前中は、昨年も出かけた「いいね!地方の暮らしフェア」を見学しました。昨年は有楽町の東京国際フォーラムで開催され、見学した後、午後から高尾山を登りましたが、今年は池袋のサンシャインシティで開催されたので、西武鉄道の沿線で、近くて短時間で登れる山へ。気になりつつまだ登っていなかった、飯能市の龍涯(りゅうがい)山と柏木山(高ドッケ)に行ってきました。

フェアをゆっくり見学したり、アンケートに答えたりしていたら、いろいろお土産をいただき、桃ジュース(岡山)、もみじまんじゅう(広島)、デコポンなど、行動食がそろってしまいました。ゆっくり見学したうえ、途中で買い物をしたりしたので、遅れを取り戻すために飯能駅から歩き出さず、永田大杉までバスを利用しました。それでもスタートが15時ちょうど。低山のショートハイキングとはいえ、かなり遅めです。

ドレミファ橋で入間川を渡り、八耳堂から登山道に入ります。地元の方たちにより、手作りの指導標、杖などが置かれて、ほのぼのとしました。ひと登りで最初のピーク、龍涯山の山頂です。開けた広場になっていて、大人数でもゆっくり休憩できます。展望も武甲山など奥武蔵の山なみから首都圏の市街地などがよく見えます。ひと下りして、30mほど寄り道した展望地からは丹沢から奥多摩の山、その上に頭を出した富士山も眺められました。

尾根を巻くように下り、龍涯山公園からは造成された物流・企業団地を横切り、ふたたび山道に入った後も、資材置き場に沿って歩きます。赤根ヶ峠から茜台自然広場へ向かい、途中で西へ入って、柏木山を往復します。龍涯山、柏木山、多峯主山を飯能三山と称しているそうで、303mの柏木山が最高峰になります。柏木山の山頂は龍涯山と対照的に狭いですが、展望は同様に優れ、特に南側を中心に開けています。

もとへ戻り、茜台自然広場を経て入間川沿いの車道へ下り、行きに通った八耳堂前を経て、飯能駅まで歩きました。飯能駅に着いたのは18時ちょうど。山道にはごく一部、雪があるものの、歩行には支障ありませんでした。空気はまだ冷たかったですが、帰りの里道では梅が咲き始めていて、夕闇に芳香を漂わせて、春の訪れも感じられました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

奥多摩・川苔山、百尋ノ滝

鳩ノ巣駅からの往復行程をとりました

百尋ノ滝(写真=中村重明)

登山者でにぎわう川苔山山頂(写真=中村重明)

2月17日、晴れ

『山登り365日 首都圏起点240コース』の2月21日の項で「氷結の滝から登頂感のある頂へ」と紹介されている百尋ノ滝と川苔山を訪ねました。

ガイドブックの通り「奥多摩駅→(バス)→川乗橋→百尋ノ滝→川苔山→鳩ノ巣駅」の周回ルート(コースタイム 5:30)を歩きたいところでしたが、残念ながら川乗橋~細倉橋間は大規模な落石のため2017年8月から3月末まで通行止めとのこと。そこで、行程はだいぶ長くなってしまうのですが「鳩ノ巣駅~川苔山~百尋ノ滝」の往復の行程(コースタイム 8:05)としました。

歩き始めてしばらくは杉林、その先も広葉樹や針葉樹の樹林帯で、山頂以外はほとんど展望がありません。途中から積雪が目立ち始め、トレースが圧雪されて凍結している箇所が多くなってきたためチェーンアイゼンを装着。斜面の向きなどの加減で積雪・凍結していない区間も結構あるため、4回ほどチェーンアイゼンの着脱を繰り返しました。

川苔山山頂でようやく展望が開け、西の雲取山方面がきれいに望め、また樹林越しながら北西方向に特徴的な形の蕎麦粒山、南西方向に富士山なども望むことができました。

川苔山山頂から百尋ノ滝までは、直線距離は1.2kmと短いもののコースタイムは下り1:30、登り2:00。そんなにかからないのではとも思っていたのですが、標高差は480m(登り返しもあり、累積では下り780m、登り300m)もあり、確かにコースタイムに近い時間を要しました。

落差40mの百尋ノ滝は、氷結は下部のみでしたが、氷が大きく盛り上がり、崩落したと思われる大きな氷塊もあってかなり迫力がありました。

滝見物を楽しんだ後、再度川苔山に登り直して鳩ノ巣駅に下山。累積標高差は1800mほどにもなり、最後はへとへとでした。

なお、大根ノ山ノ神~舟井戸間は、登りは西側(大ダワ、鋸尾根経由)、下りは東側を通り、川苔山~百尋ノ滝間は、下りは南西側(足毛岩経由)、登りは北東側をたどりましたが、いずれも後者のルートが格段に歩きやすいと思われました。

(文=中村重明)

奥秩父前衛・茅ヶ岳

今年に入って初めて、快晴無風の穏やかな山

手が届きそうな距離の甲斐駒ヶ岳(写真=山田哲哉)

頂上直下より八ヶ岳(写真=山田哲哉)

2月14日、快晴

中央線が甲府を過ぎるころ、右手・北側の空にキツネ色の山々が大きく広がります。それが茅ヶ岳から黒富士、曲岳、太刀岡山を中心とした標高1700m前後の山塊です。昔、夜行列車に乗って山へ向かった人々が寝ぼけてこの山を八ヶ岳と間違えたことから「ニセ八ヶ岳」と言われたこともあります。また、この山は1971年の春、『日本百名山』の著者・深田久弥さんが頂上直下で休憩中に病死されたことにより、その名を多くの人に知られるようになりました。

茅ヶ岳は甲府盆地に突き出したような位置にあるので、正面に南アルプス北部、左手に富士山、大菩薩、右手には八ヶ岳、南アと八ヶ岳の間には乗鞍岳から北アルプス、そして手の届きそうな近さに凛とした金峰山の姿と、大展望が得られます。

2年に一度程度、晩秋から早春にかけて山々が澄んだ空気の中に見られる時に私はこの山を訪れています。歩き出した深田公園の駐車場はマイナス6℃。穏やかな天気ですがほほが痛かったです。

女岩に向かう道は明るいカラマツで、後にやはり明るい広葉樹の森となり、足もとに踏み固められた雪は解けて凍って、少し歩きにくかったです。女岩周辺は岩盤崩落の危険とかで立ち入りはできません。ここからは雪の上に落ち葉の堆積した急斜面になります。ミズナラの木の間からまっ白な悪沢岳や赤石岳がかいま見えました。

尾根に上がると岩が出て、「深田久弥終焉の地」の石碑があります。正面に屹立する富士山が眺められる美しい場所でした。

岩とツツジの灌木の中、雪と泥の道を登ると広い茅ヶ岳山頂です。朝から雲ひとつない山頂はグルリと山々に囲まれ、見上げる角度の金峰山は手が届きそうな近さです。もちろん、他の山々も素晴らしい眺めです。貸し切りの山頂で、浅間山や南アルプス南部の山々も見つけられました。

下りは南西の尾根から深田公園へ。昼過ぎの暖かい日差しに雪が解けだし、泥まみれの春らしい下りになりました。下りついて見上げると茅ヶ岳は明るい落葉の色をしていて、穏やかで暖かな雰囲気でした。

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

広島県・吉和冠山

独特な冠型をした頂を登る

雲が晴れて青空のもと、山頂直下へ向かう(写真=松本高志)

吉和冠山の山頂にて。山頂標識は無雪期には身長以上の高さです(写真=松本高志)

2月17日、曇りのち晴れ

吉和冠(よしわかんむり)山は広島県では2番目の高さの山で、中国自動車道の吉和ICから近くて比較的アクセスがいいことから、冬期雪山登山としても人気がある山です。今回は潮原温泉から往復しました。

林道は積雪40cm程度、小雪が舞う中、ワカンを装着して出発。汐谷に入り、沢沿いの道を行きます。途中、雪でカマボコのように狭くなった渡渉用の木橋を慎重に渡りました。

汐谷から分かれてクルソン谷へ入ります。新雪は数cm程度で、その下にはしっかりしたトレースがあり助かりました。

落葉して明るくなった斜面をトラバースぎみに登り、国体コース分岐を過ぎると、木々の間から独特な冠型の急峻な頂が姿を現し、ワクワクします。このころから雲がはれて青空が出始めました。

山頂直下に出るといよいよ急な登りが始まります。青空の下、白い雪が付着したブナの大木が混じる自然林と雪景色を楽しみながら、急斜面をほぼダイレクトに山頂を目指します。青空に向かって急斜面にあえぎ、最後に雪庇の雪壁を乗り越えると山頂へ飛び出ました。無雪期には見上げるほどの高さである山頂標識を見下ろしながら記念撮影です。

山頂で休憩していると2組の登山者が上がってきました。冬期には何度も来ていますが、今回は風もほとんどなく、目が覚めるような青空で、今まででいちばん恵まれた天候でした。

(文=松本高志)

熊本県・太郎丸次郎丸嶽

春を感じる山歩き

太郎丸嶽の山腹から次郎丸嶽を見る(写真=池田浩伸)

有明海と雲仙岳(写真=池田浩伸)

2月18日、晴れ

今泉登山口から、太郎丸嶽と次郎丸嶽を往復しました。先週まで雪の山に登っていたのに、暖かい天草ではスイセンや菜の花が咲いていました。日差しのため額に汗がにじみ、常温の水が冷たく、おいしく感じられるほどです。

太郎丸嶽の手前の岩の展望台からは、有明海と雪を残した雲仙岳のどっしりとした山容に、太郎丸嶽では海に浮かぶ島々の景観が素晴らしい松島に、ため息がもれます。次郎丸嶽では、巨岩にロープが設置された松尾尾根の頭で、もう一度青い海と大展望を楽しみました。

次郎丸嶽山頂では、コーヒーを片手に観海アルプスと呼ばれる20km以上にもなる長い尾根のピークを数えながらのんびりとした時間を過ごしました。

標高400mに満たない山とは思えない素晴らしい展望と、春の日差しを感じた一日でした。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

猪苗代・名倉山

猪苗代町翁沢にある山へ

猪苗代湖を泳ぐクジラのような翁島(写真=葉貫正憲)

磐梯山を望みながら下山(写真=葉貫正憲)

2月14日、快晴無風

数日間雪が降り続いた後だったので、山はフカフカの深雪でした。猪苗代湖畔長浜にある天鏡閣の駐車場より出発します。

名倉山までは2km足らずの道のりなので、寄り道をして紅葉山展望台をめざしました。旧翁島スキー場跡から杉の人工林の中を歩いて、40分ほどで展望台です。視界が開け、猪苗代湖がパノラマとなって広がっていました。

一息ついてすぐに出発。遊歩道から夏場は藪で歩くことのできない斜面をどんどん下って名倉山直下の鞍部へ。鞍部に着くと、西風によって描かれた雪の縞模様の尾根です。ここまで無風でしたが、心地よい西風がありました。いつもは硬くて登るのが大変な段差でもスノーシューがよくききました。

東側の樹間から猪苗代湖が所々顔をだし、その奥には額取山の連なりも見えます。樹上では霧氷がとけ始め、もう少し早かったら見事な木花(きばな)が見られたようです。

山頂部からは、猪苗代に浮かぶ唯一の島、湖を泳ぐクジラのような形の翁島(クジラ島)が眼下に広がっているのが見られました。ここでしばらく休憩していると、防災無線で12時の放送がありました。

帰り道、白く輝く磐梯山を眺めながら尾根を下り、駐車場へ直行。出発が9時50分、下山が12時50分で総行程はちょうど3時間でした。

深雪で心配しましたが、晴れて気温が上がったことと4名で代わる代わる先頭を交替できたことでそれほど負担にはなりませんでした。地形的にも迷うような箇所もなく、初心者の足ならしにはちょうどいいところだと思います。

(葉貫正憲/福島県/70歳/よく行く山:福島県の山)

上信国境・四阿山

あずまや高原ホテル登山口から山頂へ

四阿山山頂から根子岳と、遠く飯綱、黒姫、妙高を望む(写真=山田芳生)

四阿山山頂をバックに滑走(写真=山田芳生)

2月10日、晴れ

学生時代の友人と三人で登ってきました。三人とも四阿山(あずまやさん)は初めてです。

寒い天候が続いていたようですが、当日は晴天になり、温度もやや上がって風も微風、絶好の登山日和になりました。私は初めてのスノーシューを付けての登山です。

途中の道ではいくつかの踏み抜き跡がありましたが、さすがに浮力があるので少々道を外れても踏み抜くことはなく快適に登ることができました。友人二人は山スキーにシールを付けての登山です。登山口から山頂までスキーを担ぐことなく登り切りました。

小学生くらいの二人のお子さんを連れた外国の女性に山頂手前であっという間に抜かれてしまい、体力面でトレーニングが必要かと感じました。

登山道はアイスバーンもなく、危険を感じるところはほとんどありません。頂上では信越五岳や草津白根山、浅間山などが特に美しく、360度の展望を楽しみました。

(山田芳生/兵庫県/63歳/よく行く山:六甲山、日本アルプス)

奥高尾・景信山

今シーズン3度目の雪山を楽しみました

小下沢分岐を振り返る。直進方向は景信山(写真=葉山美和)

約20cmを超える積雪のある広場を過ぎても一面銀世界の小下沢林道(写真=葉山美和)

2月11日、晴れのち曇り

高尾駅ではバスが増発されていましたが、この日の登山者はいつもの3割程度でした。

小仏バス停から南東尾根コースで小下沢分岐まで来ると、ようやく雪道となり軽アイゼンを装着。しかし快適だったのは数分で、半分以上の行程は泥と格闘しながらとなり、ようやく山頂へ。閑散としていましたが、2組の大パーティが餅つきを楽しんでいました。

ここから高尾山方面に進む予定でしたが、登山道の状態を考え、もと来た道を戻ることにします。分岐まで戻ると、小下沢コースは残雪が多そうです。泥道を避けるため、ルートを変更しました。

快適な雪道が続き、泥濘もなく下山すると、登山口のある広場は一面雪景色でした。山頂よりも多く残った積雪を踏みしめ、最後まで雪を楽しみながら約2kmの小下沢林道をバス停まで戻りました。

(葉山美和/千葉県/よく行く山:中央線沿線の山、奥高尾)

岐阜県・芥見権現山

街から近い山で岩場を楽しめます

権現槍(中央右)と芥見権現山(中央上)(写真=中川喜久)

山頂から御嶽山、中央アルプスを望む(写真=中川喜久)

2月18日、晴れ

岐阜市街から車で数十分の所にある芥見権現(あくたみごんげん)山は、各務原(かかみがはら)アルプスの一角(ほぼ西端に位置)を担う標高316.5mの山です。遠目には普通の山ですが、標高300mの低山で3000m級の岩場を体験することができるといわれており、今回はその岩場を体験してきました。

登山ルートは複数(普通の登山道、岩尾根等)あり、岩尾根のルートは山頂の南西に位置する東部クリーンセンターの脇から入ります。10分ほど歩くと岩場に取り付きますが、ルートそのものは岩を回り込んでガレ場を通る箇所が多く、時々岩をよじ登る、という感じです。装備があればロッククライミングを楽しむことができそうですが、岩質がもろく、注意が必要だと思います。

ゆっくり登って山頂まで1時間弱。山頂からは眼前の各務原アルプスはもちろん、西には伊吹山から西美濃の山々、北東から東には御嶽山、中央アルプス、恵那山、南には濃尾平野の展望を楽しめます。

下山は別ルートの岩尾根を下りましたが、ルートがほとんどわからず、結構な岩場を下りました。

3000mはちょっとオーバーですが、街から近い山で手軽に岩場を楽しめる、とは言えそうです。

(中川喜久/岐阜県/55歳/よく行く山:日本アルプス、岐阜市近郊の山)

登山の「まさか」に! レスキュー費用保険で、確かな安心を。

山岳遭難が増えています。無理のない日程、万全の装備、登山届、そして「レスキュー費用保険」。まさかの捜索・救助費用にしっかり備えて、安心登山を楽しみましょう!

登山やアウトドアスポーツなど、日本国内での野外活動中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用に対して保険金をお支払いする保険です。

※海での活動は除きます。

日本アルプス各地や八ヶ岳などの主要な登山口への便利なアクセスとしてすっかり定着した登山バス「毎日あるぺん号」。

電車・バスなどを乗り継ぐ面倒がなく、各地に早朝に到着できることから、夏~秋の登山シーズンには大勢の登山者にご愛顧いただいております。

日本山岳遺産基金賛助会員の(株)毎日企画サービスでは、冬期の登山者に向けて「冬山登山バス」をご用意しました。 登山にかかる日数やコストの軽減にも役立ちますので、登山装備のひとつとしてぜひご活用ください

なお、冬山登山はまだまだ先とお考えの方には、安全にトレッキングが楽しめるプランもご用意いたしました。

冬期営業の山小屋とのセット割引など、電子パンフレットでチェックしていただき、無理のないスケジュールで冬の山旅をお楽しみください

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集
佐々木 惣
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦
プロデューサー
萩原浩司

©2018 All rights reserved. Yama-Kei Publishers Co., Ltd.