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ヒマラヤを舞台にした壮絶な逃避行

連載第13回(著者=木元康晴/登山ガイド)

『神々の座を越えて』の表紙に描かれるのは、アイガーらしき山。しかし小説中では、アイガーで銃撃戦が行われることはありません

共感を覚えた主人公の生き様

山の小説には、登山者そのものに焦点を当てた本格派の山岳小説や、山での事件を取り上げた山岳ミステリ小説がありますが、もう一つ大きなウエイトを占めるものとして、山岳冒険小説があります。これは山を舞台とした闘争など、主にアクションシーンが描かれるもので、ボブ・ラングレーの『北壁の死闘』や、真保裕一の『ホワイトアウト』などが有名です。

私も山岳冒険小説は好きで、話題になったものはだいたい読んできました。その中でも私が一番気に入っているのは、谷甲州の『神々の座を越えて』という小説です。チベット問題を基軸に置いた重厚な内容で、読後に深い余韻を残す、なかなかの名作だと思うのです。ところがなぜか、この小説の人気は今ひとつ。『山と溪谷』2018年1月号の第2特集「登山者のためのブックガイド2018」でも触れられていません。このままではちょっと寂しいので、前日譚となる『遙かなり神々の座』も併せ、ここで紹介します。

この2つの小説の主人公は、滝沢育夫というクライマー。十分な経験と技術とを持ち、ヒマラヤ登山を繰り返すものの、登頂成功回数はなんとゼロ。いっぽうヒマラヤに同行した仲間は8人も死んでいて、そのことが影響してか、明るさに欠けた陰のある人物として描かれています。さらに滝沢には定職がなくて生活は不安定。所属していた山岳会は気まずくなって退会し、恋人は愛想を尽かして離れていく、といった、八方塞がりの状態が序盤で描かれます。

普通であれば、こういった人物のことは冷ややかな目で見るのでしょうが、私はこの滝沢には、とても共感を覚えました。この小説を読んだ当時、私は登山を始めて10年目くらい。私自身も、登山に打ち込んでいる割にはあまり成果がなくて苦しんでいた時期であり、八方塞がりの滝沢と自分の姿とが、オーバーラップするように感じたのでした。

<参考写真>『遙かなり神々の座』の舞台に近い、マナスル北面のトレッキングコースの様子

逃亡の先に待っていたものは?

『遙かなり神々の座』の主な舞台は、ネパールの8000m峰マナスルの周辺。まるで日本から逃げ出すかのようにマナスル遠征に出向いた滝沢は、登山は途中で打ち切ることになって、山中を彷徨します。そこに登場する場所のいくつかは、私もネパールトレッキングの際に立ち寄った場所であり、興味深く読み進めました。ただしこの小説は、重要と思われた人物が途中で登場しなくなったりするので、読後感はややすっきりしないものでした。

ところが続編となる『神々の座を越えて』では、そのすっきりしなかった様々な事柄が一気に収束。『遙かなり神々の座』のほうは、この続編のための伏線とも言えるものだったのです。

その『神々の座を越えて』の冒頭は、スイスアルプスのアイガー北壁の登攀から始まり、その後舞台はネパール、そしてチベットへと移り変わります。

その過程で主人公の滝沢は追い詰められ、敵対勢力やあらゆる人間関係、そして山からも逃げようとします。ところが最後に逃げ着いた先は、あまりにも予想外の場所でした。そして逃げることがいつしか挑戦に変わり、クライマーとしての誇りを取り戻して、力を振り絞って自分と愛する者の未来を勝ち取っていくことになるのです。クライマックスでの力強い滝沢の姿には、ただただ感動しました。

私も苦しい日常から逃げ出したい気分になっていた頃に、この本を読んだことでとても勇気づけられたものです。

作者の谷氏は、SFものを中心に執筆している小説家なのですが、7000m峰にも登っている登山家でもあります。この小説の誇張のない、リアルな登攀シーンやクライマーの心理描写は、ご自身の実体験に基づいたものなのでしょう。

谷氏の作品では、以前『山と溪谷』に連載されていた『単独行者』も良い小説です。こちらは実在の登山家である加藤文太郎が主人公で、加藤の心理や登山の様子を、やはり誇張なくリアルに描写しています。新田次郎の代表作である『孤高の人』も、同じ加藤が主人公であり、両者を読み比べるのも興味深いでしょう。

なお今回紹介した『遙かなり神々の座』『神々の座を越えて』を読もうという方には、その前に佐瀬稔の『ヒマラヤを駆け抜けた男』も読むことを強くお勧めします。これを読んで予備知識を得ることから、面白さが断然アップします!

白井源三さんの写真展「丹沢讃歌」

4月17日(火)~30日(月・祝日)神奈川県立相模原公園で開催

星夜(写真=白井源三)

ダイヤモンド富士(写真=白井源三)

週刊ヤマケイに神奈川県の登山地情報を、ほぼ毎週お寄せいただいている白井源三さんの写真展「丹沢讃歌」が神奈川県立相模原公園内のギャラリーにて開催されます。四季折々の美しい丹沢を写した素晴らしい作品を、この機会にぜひご覧ください。

***

日時:4月17日(火)~30日(月・祝日)、9:30~16:30、23日(月)は休館日

場所:神奈川県立相模原公園内サカタのタネグリーンハウス2階 ギャラリーみどり

小田急相模大野駅北口よりバスにて約15~20分、JR相模原線原当麻駅よりバスにて約5分

http://www.sagamihara.kanagawa-park.or.jp/

『千葉県の山』

「分県登山ガイド」待望の新刊

分県登山ガイド『千葉県の山』/著者=中西俊明、植草勝久、伊藤哲哉、田口裕子/3月16日発売/1900円+税/A5判/144ページ

今週の週刊ヤマケイの表紙を撮影された伊藤哲哉さんが共著者のひとりである、分県登山ガイド『千葉県の山』がいよいよ発売になりました。

ふるさとの山を網羅して大好評のこのシリーズは「大きくて内容が充実した地図」「共通の算出方法で統一した体力度表記」「チェックすべきポイントの写真」など、登山者が知りたい情報を整理し、見やすく、わかりやすく、構成しています。

特に本書では山岳写真家として名高い中西俊明さんの写真が巻頭を飾り、読む人を千葉県の山へいざないます。

紹介されるコースは「養老渓谷・粟又の滝」から始まり全50コース。特に鹿野山や鋸山など人気のある山は複数コースを紹介することで、山の楽しみ方をより深くお伝えしています。

千葉県には高い山こそないものの、花と海が特長の素朴な山々がたくさんあります。本書を片手に、ぜひ歩いてみてください。

知床半島・羅臼岳南西ルンゼ~東岳(後編)

知床連山を一望

東岳山頂より羅臼岳(左)硫黄山(右の突起)(写真=谷水 亨)

東岳山頂より知床岳と北方領土(写真=谷水 亨)

3月18日、快晴

(前編はこちらから)

テントを片付け、夏道縦走ルートを歩き出します。空は快晴ですが10m/s以上の強風が吹く中、この日もスキーをかついでの歩きを覚悟しなければならないようです。縦走路には雪がまったくついておらず、相変わらずのアイスバーン。アイゼンの刃が突き刺ささる音が心地よい。

三ツ峰を下りサシルイ岳を登ると硫黄山や知円別岳、遥か向こうには東岳も見えてきました。振り返ると羅臼岳も見えるので、知床連山が一望でき、最高の気分を味わえます。サシルイ岳を下りオッカパ岳を登ると前方には二ツ池野営地が見えるはずですが、真っ白な大雪原となっていました。

オッカパ岳を下り、ショートカットをしながら南岳を登ります。さらにショートカットで大雪原を歩きましたが、昨日のような悪天候なら、完全に遭難していただろうと思われました。知円別岳の取付から夏道縦走ルートを離れ、登山道もないルートで東岳を目指します。

東岳山頂からは知床半島の先端方向に知床岳が見えますが、今回はここまでで羅臼側に下る計画です。すでに5時間以上25kgのザックを背負い約6kmの道程を歩いてきました。下りはスキーで下りられると楽観していましたが、標高1000m近くまで小石大の氷がびっちり張り付いている状態です。最終的に6時間、約7.3kmをスキーをかつぎ、スキーをはいてからもアイスバーン、モナカ状態、ザラメ状態の悪条件で、4時間かけて樹林帯を下りてきました。

(文=谷水 亨/北海道アウトドア夏山ガイド認定者)

山形県・猿鼻山

飯豊連峰の大パノラマが魅力の山

猿鼻山山頂から飯豊本山、御西岳を望む。御西岳の右奥に大日岳も見えている(写真=曽根田 卓)

烏帽子岳、梅花皮岳、北股岳と連なる飯豊連峰の主稜線。石転ビ沢の大雪渓も一望できた(写真=曽根田 卓)

3月24日、曇りのち晴れ

山形県、新潟県、福島県の3県にまたがる巨大な山塊・飯豊連峰。その前衛峰にあたる猿鼻山(さるっぱなやま・標高982.9m)に登ってきました。登山道がない山なので積雪期限定の山です。

登山口は叶水地区の西側にある河原角集落です。地元の方の承諾を得て、河原角わらび園の駐車場を利用させていただきました。集落から北へ少し車道を戻って沢中沢にかかる橋を渡ります。ここが取付で、標高520m付近までは広大なわらび園の無立木の斜面を登って行きます。ルートは沢中沢と猿毛沢を大きく反時計回りに半周する尾根筋を登りますが、標高650m付近のヤセ尾根は雪庇が崩壊しているので、北側の急斜面をトラバースするので、滑落に注意して慎重に登りました。

その後も2箇所ほど雪庇の崩壊箇所があり、尾根上の雪が消えた踏み跡をたどります。最後の急坂を登ると、大展望が開けた猿鼻山山頂に着きました。

この山頂は飯豊本山から北股岳、朳差(えぶりさし)岳と連なる飯豊連峰の主稜線からおおむね13km離れた距離に位置しています。一部ブナの木で視界がさえぎられる方向もありますが、巨大な飯豊連峰の大パノラマを眺めながら食べたおにぎりは最高に美味しかったです。

帰りは往路を忠実に引き返しますが、気温上昇とともに雪庇の雪割れが大きくなっている部分もあり、山慣れたリーダーの下で行動してください。

なお、ヤセ尾根や急坂が多い山ですので、スノーシューやスキーには向かない山です。カンジキとアイゼンは必携です。

(文=曽根田 卓)

新潟県・赤禿山

融雪進む高浪の池

赤禿山北西斜面を滑る(写真=増村多賀司)

上左:赤禿山山頂/上右:高浪の池/下左:高浪の池と明星山/下中:あがりこ樹形のブナ/下右:赤禿山からの巨大なデブリ(写真=増村多賀司)

3月24日、晴れ

今回は友人の案内で、前回(1月)とは違う北西斜面から高浪の池まで足を伸ばしました(前回のレポートはこちらから)。

途中の小谷村国道148号線沿いは雪が少なく、スキーで行けるのかと心配しましたが、新潟県側に入って山ノ坊集落まで来るとさすがに雪は多くなります。

今回は天気も良いので大峰峠から東にあるピークに少し寄り道をしました。北アルプス最北部の山々が白馬岳から栂海新道の山々まで、さらに日本海まで見渡せます。赤禿山の山頂の西側は樹林で展望が得られないので、この寄り道は楽しかったです。

大峰峠からは赤禿山の東尾根伝いに登ります。北には黒い岩の塊のような明星山が、日本海を背景に見えています。

先日雪が降ったようで薄く積もっており、シールの効きも良く、快適に登っていけました。

標高850m以上ではブナが多くなってきますが、「あがりこ型」の樹形(台伐り萌芽樹形。空に向かってツメをたてる手のような樹形)も見られ、この山がかつて人々に利用されてきた里山であることがわかります。

山頂付近は雪庇の崩壊が始まっていて要注意です。ところどころに亀裂が入っています。

北西側の斜面は適度な傾斜で快適に滑りますが、スピードを出すと急に雪質が変わって板にブレーキがかかり、転倒してしまいました。

尾根上の858mを越えて北側の斜面を降りると赤禿山からの大規模なデブリが行く手を塞いでいました。数年に一回で発生する規模の雪崩だと思われます。

降り着いた高浪の池は我々だけの貸し切りでした。スキーにシールを付けて池を半周し、台地に上がると池の対岸には明星山が見えて日本離れした景観でした。

大峰峠まで140m登り返し、ひと滑りで山ノ坊集落です。下山後は姫川温泉にある瘡の湯(くさのゆ)に入って山の汗を流しました。ここで入浴すると、温泉を使ったゆで卵がもれなくついてきます。

(文=増村多賀司/長野県自然保護レンジャー、写真家)

北アルプス・八方尾根

春の八方尾根を訪れる

月照の白馬三山。雲海も現れて心洗われる風景となった(写真=伊藤哲哉)

八方尾根からの眺め。どこまでも続く雲海が印象的である(写真=伊藤哲哉)

3月23日~24日、晴れ

天気もよく上弦の月でもあり、きれいな山岳夜景の写真を期待し、まずはロケハンで八方池付近まで登ります。前日まで降雪があり、積雪が不安でしたが、八方池山荘のスタッフによると風もあったようで、実際、雪はあまり積もっていません。クランポンはよく効き、八方池付近まで難なく登ることができました。天気は晴れていましたが、べったりと雲が張り付いていて三山の姿を拝むことはできません。春らしいシュカブラを見つけ、夜の撮影ポイントを確かめてから、山荘に戻ります。黒部側から時折冷たい風が吹き、雲が流れてきました。下山途中、ブロッケン現象も見ることもできました。

晩御飯後、すぐに山荘を発ちます。夜の八方山は静かで、風もほとんどありません。西の空には上弦の月、その近くにオリオン座とおおいぬ座が見えます。

五竜岳、鹿島槍ヶ岳の山稜には滝雲が流れ、月光浴の八方尾根の雰囲気を丁寧に撮影します。尾根の反対側には、月照の三山が輝いて佇んでいます。最低気温はマイナス13度で、時々黒部側から吹く冷たい風が身に染みてきます。

やがて、月が沈み周囲が闇に包まれたので下山し、早朝まで山荘で待機。午前3時すぎに東の空にさそり座、いて座が見え始め、撮影再開です。夜明けとともに銀河は消えていき、モルゲンロートの三山を撮影しました。満足感を味わいながら山荘に戻りました。

(文=伊藤哲哉/『改訂新版 千葉県の山』共著者)

南アルプス白嶺南稜・黒河内岳

重荷を背負っての急登ラッセル

原生林の中のラッセル(写真=山田哲哉)

山頂へ! 前方は塩見岳(写真=山田哲哉)

3月24日~25日

黒河内岳(別名・笹山)は南アルプスの白峰三山から南下してきた尾根である白嶺南稜が農鳥岳から広河内岳、白河内岳と続き、最後の森林限界を越えたピークとして2733mの標高を持つ山です。登山口の奈良田との標高差が1900mmあり、訪れる者も少ない秘峰といえます。僕たち「風の谷」では昨年2月に挑戦し、厳しい寒さと延々と続いたラッセルに頂上直下2560mで時間切れと体力切れで撤退しました。今回はその再挑戦です。

24日は暖かい朝で、真っ青な空が広がっていました。ただ20~21日と雨やミゾレが降り、さらに23日夜には夕立まがいの大雨が降ったようで、雪の状態に不安がありました。今回も大ラッセルを想定していましたが、6人パーティが少し早く入山しており、協力しての行動が期待できます。ところが何かあったのか、途中で彼らは下山してしまい、結果的にほとんど僕たちだけの黒河内岳となりました。

発電所の送水パイプ横の作業道から、湿った雪の急峻な尾根を登っていきます。最初は雪の下から落ち葉が出てくる状態でしたが、1400m付近からはワカンでのラッセルに。雪は、下はザラメ雪、中間は湿った雪、上は硬い雪と典型的なモナカ雪です。ワカンが効くような、効かないような、そんな微妙さと雪の重さで辛い登りになりました。

この黒河内岳へ奈良田から登る破線の道は、所々でわずかに平らな部分がある以外はひたすら急峻です。特に1932mから2256mまでの間は先頭でラッセルする者のワカンのテールが、顔の前にある状態が続きます。午後3時、2256mピークに少しあった平坦地にテントを張りました。背後は櫛形山。白嶺南稜が木の間越しにかすかに見える、シラビソの森の中のテントでした。

夜半から強い風に雪がパチパチと当たる一夜が明け、ヘッドランプで出発。登ること約20分、尾根が広がり、二重山稜となっていました。本来ならばテントを張りたかった場所です。

密集して生えたシラビソとダケカンバが行く手をふさぎ、ラッセルは深くなる一方。しかし空は青く、風は強いものの昨年2月に味わった「やる気」を失わせる寒さはありません。「今年は行けるかな」の気持ちが湧いてきます。

そして昨年撤退した2560mピークに到着。まだ7時前です。背後に立派すぎる富士山と、前方左に悪沢岳が見えてきました。ここからの登りも急でラッセル。登る毎に北岳から鳳凰三山と、展望が広がります。

急に森が消えて白い広がりが出てくると、傾斜も落ちてきました。大きなダケカンバの後ろに、雪に埋もれた「笹山」の文字がありました。南峰到着です。ここで一気に大展望が広がります。眼前に塩見岳、左に小河内岳から悪沢、荒川、聖。右に白峰三山。しかし、ここで休むと最高峰・北峰に行く気力が失われるので、そのまま北峰に向かいます。

いったんシラビソの森に入り、凍った斜面を登りきると、ついに「黒河内岳」の東海パルプの標識の前に到達。吹き倒されそうな強風の中、6人でかたい握手を交わしました。中央アルプスや北アルプスの展望も加わって、素晴らしい山頂です。しかし、ここからは辛い、長い下りが待っていました。

黒河内岳は、その標高差の大きさ、未整備の登山道、そして傾斜の強さなどから、あまり人気のない、地味な山です。山頂に着く直前まで展望もありません。しかし、されだけに巨峰の展望は感動も大きいです。

さらに標高2700mを越えてもなお鬱蒼と茂るシラビソやダケカンバの森の深さと重厚さ。これは南アルプスでなければ体験できません。

冬は行程のほとんどでワカンを履きっぱなしのラッセルに終始しましたが、それだけに「山頂に到達した」充実感は最高でした。

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

群馬栃木県境・日光白根山

降雪時には注意が必要です

森林限界手前より。上州武尊山、谷川連峰、至仏山を望む。肉眼では遠く北アルプスも確認(写真=小山貴之)

東側には男体山方面の展望。休憩しながら展望を楽しむ登山者(写真=小山貴之)

3月24日、晴れ

日光白根山は栃木、群馬県境にあり関東以北の最高峰の山で、日光は国立公園にも指定されています。この山に多く自生していることから名付けられた、淡い紫色が美しいシラネアオイの群生地としても知られています。私の好きな花の一つでもありますが、近年はシカの食害と盗掘の被害が進み、保護復元活動が行われています。

丸沼高原スキー場ゲレンデトップより雪で半分ほど埋まった二荒山神社の鳥居から登山開始です。登山口には散策コース案内の看板がありました。南に回り込む形で登山道が続いています。

七色平分岐までの間には不動岩、大日如来脇を通過します。大日如来は雪で埋もれてしまい、注意していないと気付かないかもしれません。深い樹林帯歩きですが、進む途中では上州武尊山や新潟方面が望めるビューポイントが足を止めることでしょう。

樹林帯を直登する形で進んでいると突如視界が開け森林限界となります。ここからは雪をまとった尾瀬の燧ヶ岳、至仏山を近くに望むことができました。

急登を登り詰めると奥白根神社のある南峰です。山頂標識のある本峰からは会津駒ヶ岳、男体山、皇海(すかい)山、燧ヶ岳、至仏山、上州武尊山などの名立たる百名山を一望することができました。山頂標識のある場所は狭いため、南側の広い場所に移動。30分ほど休憩して来た道を戻りました。風はやや冷たかったものの、あたたかい日差しの中、山頂で景色を堪能することができました。この日は40名ほどの登山者が来ていたそうです。

ルート状況は、トレースはありましたが、最近の降雪もあったようで雪は柔らかく、アイゼンが効きにくい状態でした。踏み込むと谷側の雪が崩れる箇所もあり、気を遣う場面もありました。下山時には踏み固められて状況は改善されていましたが、降雪時には注意が必要です。

下山後、ロープウェイ山頂駅で休憩中にルート整備をされている方に声をかけられ、ルート状況やリボンの状況などの情報交換を行いました。ルート上のリボンは自然に還る環境に配慮されたものを使用しているそうです。近々ルート整備で歩くとのことでした。ありがたいことです。

なお、登山でのロープウェイ利用は、チケット売場で登山届の提出が条件で、リフトカードと引き換えになります(往復2000円、保証金1000円)。下山後は下山報告とリフトカード返却で保証金が返金されます。

(文=小山貴之/長野県自然保護レンジャー)

栃木県・三毳山

カタクリの花が見ごろでした

「万葉自然公園 かたくりの里」の群生(写真=中村重明)

カタクリ以外の花々の一部。上左:シュゼンジカンザクラ/上右:ツツジ/下左:スミレ/下右:アズマイチゲ(写真=中村重明)

3月24日、晴れ

カタクリの花の群生が見ごろを迎えた三毳山(みかもやま)を訪ねました。

ハイキングの起点やコースはいくつもありますが、今回は「みかも山公園」の南口から「万葉自然公園 かたくりの里」までを往復しました。標高は、登山口が24m、山頂が229mで差は206mながら、今回の往復の行程だと、中岳(210m)と三毳山(229m)にそれぞれ2回登って降りることになり、累積では標高差約740m、距離も約10kmの、歩きごたえのある行程となります。

目当てのカタクリの花はまさに見ごろでした。中岳北側の「かたくりの園」は、花はほとんどが下向きの筒状で、「万葉自然公園 かたくりの里」は多くが花弁を上向きに反り返らせている状態でした。後者は駐車場からほど近いこともあり見物者がかなりの数で、前者の方が静かに見られました。ただ「かたくりの里」の方はカタクリ(薄紫)に加えてアズマイチゲ(白)もたくさん咲いていて、見ごたえがありました。

行程では、カタクリとアズマイチゲ以外にも、ツバキ、シュゼンジザクラ、ツツジ、スミレ、ミズバショウ、レンギョウ、スイセンなどが見られ、春爛漫という感じでした。

(文=中村重明)

高尾山

春の訪れを様々に感じられます

6号路、前ノ沢のせせらぎのかたわらに咲いていたハナネコノメ(写真=石丸哲也)

左上から時計回りに、モミの大木も見られる6号路、ヨゴレネコノメ、ヤマルリソウ、高尾山山頂、春に向かって両手を広げているようなモミジイチゴのツボミ、小首をかしげたようなシハイスミレ(写真=石丸哲也)

3月24日、晴れ

蟄居している間に自宅のまわりでも桜が咲き始め、草木が芽吹いて、春めいてきました。高い山は、まだ冬の続きですが、低山では春の動きをあちこちで感じられます。というわけで、2カ月ぶりの高尾山に行ってきました。コースは高尾山口駅から6号路を登り、3号路を下る周回です。アクセスがよく、行程が短いので、その分、ゆっくり楽しめること、数あるコースの中で比較的、早春の花が多いことが選択の理由です。

都心から、桜が咲き始めた市街地を車窓に眺め、高尾山口駅を出ると、案内川沿いのソメイヨシノは開花が進んでいましたが、清滝の広場の桜はまだツボミ。前ノ沢に沿って行くと、葉が開き始めているヤマブキやアジサイの芽、早くもユリワサビやヨゴレネコノメの花などを見つけられました。

6号路に入ると、ユリワサビなどに加えてニリンソウ、ハナネコノメ、アブラチャンなども咲いていました。遠目に見ると冬枯れに見える木々も近寄って見れば、ツボミがふくらんだり、新葉がほどけてきたりして、草木の生命が一気に花開く、春のエネルギーを実感します。これを見逃すと、冬からいきなり春になったような断絶を感じてしまうので、季節がシームレスに動いていくことを感じるためにも、今の時期の低山歩きは重要です。

前ノ沢に沿って登る6号路ですが、数日前、雨続きだったためか、ふだんより水量が多く、帰りの6号路でも沢音がはっきり聞こえたほど。せせらぎの音にも、ほとばしる春の生命が感じられました。6号路の途中で、以前、ツアーに参加されたお客さん2人が個人山行で下ってきたのに出会いました。花を探しに来たとのことで、ちょうどハナネコノメ群生地のすぐ上だったので、ご案内できて、よかったです。

思ったより人出が少なく、高尾山山頂に着いたのは、ちょうど昼だったにもかかわらず、空いていて、ベンチに座り、ゆっくりくつろげました。帰りの3号路はスミレが多かったほか、ヤマルリソウなどにも会えました。側弁に毛がないのでシハイスミレだったと思いますが、花がちょっと傾いて咲いている株があり、同じスミレ科のパンジーやビオラの咲き方を連想しました。

余談ですが、パンジーの語源は思いや考えを意味する英語pansyで、花を物思いにふける人に見立てたものだそうです。さらには、pansyはフランス語のPenseeが由来だそうで、パスカルの「瞑想録」の原題が「Pensees(パンセ)てあることにも思い至ります。

そんなこんなで春の訪れを様々に感じられた山行でした。この季節、自然の動きは速く、その動きを実感するためにも、今週末も高尾山に出かけようかと考えています。今週は気温が上がりそうなので、清滝の桜も咲いているでしょうか。高尾山山頂の桜は例年、4月上旬~中旬、一丁平付近が中旬頃に満開ですが、今年はどうでしょうか。しばらくは開花情報に注意する日々が続きます。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

鎌倉アルプス・天園~源氏山

この週末もまだ桜を楽しめそうです

葛原岡神社社務所前の桜。この西側にも桜がまとまって植えられている(写真=石丸哲也)

上から時計回りに鶴岡八幡宮と早咲きの桜、カエデの新葉、天園から鎌倉市街と七里ヶ浜、釣り竿を肩にした姿を連想させるウラシマソウ、天園から富士山(写真=石丸哲也)

3月25日、晴れ

前日の高尾山に続き、手近なハイキングで自然を楽しむべく、鎌倉をたずねました。コースは、定番の鎌倉アルプスとも呼ばれる天園がメイン。登りは、桜の開花も進んでいるようなので、鎌倉駅から鶴岡八幡宮、鎌倉宮を経由し、カエデなどが芽吹いているであろう獅子舞の谷を通ることに。天園コースから北鎌倉へ下った後は、桜の名所である源氏山公園へ登り返し、鎌倉駅へ戻る計画で歩くことにしました。

鎌倉駅から鶴岡八幡宮へ向かう段葛の桜並木は一昨年、改修にともなう植え替えで若木のためか、まだ咲き始め。鶴岡八幡宮の境内では段葛から移植されたというソメイヨシノや早咲きの桜が咲き進んでいました。

獅子舞の谷はカエデ、イチョウが多い、紅葉の名所で、カエデはすでに葉を広げて、掌状の若葉が出ていました。紅色に隈取りされた色合いは春ならではのものです。開葉が遅いイチョウの芽はまだ堅かったです。林下にはタチツボスミレ、ムラサキケマン、ウラシマソウなどが咲き出していました。

天園コースの尾根道に出たのは昼近かったので、富士山は霞んでいるかと思いましたが、露岩に登ってみると、うっすらですが、まだ見えていました。大平山の山頂標識があるピークで昼食の後、露岩があちこちに現れ、鎌倉アルプスの名前も納得できる尾根道を西へ進みます。建長寺を見下ろし、明月院のかたわらへ下ったのですが、途中、「天園ハイキングコース 今泉台4丁目入口」の指導標が右を指していました。ここは指導標に示されていない直進の道に入ります。

住宅地へ下り、明月院、葉祥明美術館を過ぎて、JR横須賀線の踏切を渡って、すぐ左折。鎌倉五山第4位で山門が特徴的な浄智寺を過ぎ、山道を登っていくと葛原岡神社の社務所前で源氏山公園の一角に出ます。この付近は桜の名所で、全体に五分咲き程度になっていて、花見をする人たちでにぎわっていました。桜はソメイヨシノが中心ですが、真っ白の花が特徴的なオオシマザクラも見られました。さらに、頼朝像がある広場を経て源氏山を越え、寿福寺へ下って鎌倉駅へ出ました。

天候にもよりますが、歩いたときの感じだと、この「週刊ヤマケイ」が配信されるころ、桜は全体に満開となりそうで、週末もまだ楽しめそう。段葛は見ごろになりそうに思われました。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

鳥取県・大山振子沢

雪を求めて例年よりひと月早く振子沢に入りました

こぶし大の雨氷(氷の塊)の落下帯を抜け、鳥越峠テラスに着きました(写真=舩越 仁)

振子沢の源頭部を見通せる場所に到達しました。今日の登高はここまでです(写真=舩越 仁)

3月24日、晴れ

奥大山スキー場から歩き始め、健康の森入口からブナ林に入ります。しばらくは歩きやすく快適な雪面です。高度を上げるにつれ、木々に付いた雨氷(氷の塊)がバランバランと落ち始めました。快晴の日差しと風に揺れるせいでしょう。こぶし大もある半透明な氷です。ヘルメットが無かったら大変なことになっていたでしょう。

鳥越峠テラスからは地獄谷へ高度300m下降します。帰りの登りが思いやられる大下りです。このテラスは鳥越峠より50mほど高く、キリン峠との中間にあります。積雪時の鳥越峠は雪庇の張り出す雪壁となり、とても危険なのです。私たちは帰路のテラスへの登り返し中に、十名ほどのパーティがロープも出さずに、その鳥越峠で難渋しているのを垣間見ました。その後、特に何事もなかったようで何よりです。

2日前までの雨が、大山奥深部では20cm以上の新雪だったのはうれしいのですが、思いのほか時間がかかっています。帰路を考慮し、前進は昼ごろまでと時間設定をしました。少しオーバーしましたが、写真(下)の地点まで頑張りました。

(文=舩越 仁/みつがしわ山の会)

くじゅう・佐渡窪

山を彩るマンサクの花

佐渡窪にはマンサクの大きい株があります(写真=池田浩伸)

鳴子山の山肌を飾るマンサク(写真=池田浩伸)

3月24日~25日

くじゅう連山南側の一番水から入山。先週も同じ道を歩きました。その時は曇り空で、山肌や佐渡窪のマンサクは咲き始め。夜中からの雨で、翌日の久住山や白口岳への行程は中止して下山しました。

今回は満開のマンサクを見ようと再チャレンジです。佐渡窪のマンサクは満開で青空に輝いていました。夜は坊ガツルでは満天の星空が見られ、朝は大船山を照らしていた陽が徐々に三俣山をおり、坊ガツルを暖かく照らす景色を見ることができました。

天狗ヶ城、中岳、白口岳、鳴子岳と快晴の稜線では360度の展望を楽しみました。

なお、日差しはとても暖かいのですが、山頂付近には残雪があり、朝はコップの中の水やペットボトルの水も凍るほど強い冷え込みでした。もうすぐ4月ですが、山はまだ防寒着が必要でした。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

裏磐梯・野鳥の森

根開きの始まった野鳥の森を歩く

根開きが始まったブナ(写真=葉貫正憲)

檜原湖上を覆ったガス。なかなかみられない景色??(写真=葉貫正憲)

3月20日、曇り時々晴れ、濃霧

野鳥の森遊歩道は湿原の中に広い木道がつけられていますが、雪の季節はこんもりとした台のような形から木道の形跡を感じられます。1kmほど歩いて平坦な湿地の奥まで進むと、沢や尾根が行く手をふさぎ、ガスがたちこめて迷いそうになりました。

ここから夏道を離れ、できるだけ勾配のゆるやかな尾根に取り付きます。檜原湖側にいちばん近い尾根には幸いにもトレースがついており、上へ上へと進みました。雪はザラメ状態で、根開きも始まっていて春の近づきが感じられます。

夏道の「つげの台」の近くになると東の谷底に檜原トンネルがみえました。ここからは西方向に上がっていく尾根を目印に、北へ北へとアップダウンしながら進みます。

尾根にのると北の方角に青空がみえてビックリ。このあたりが天気の変わり目のようでした。ブナの大木の間を10分ほど上っていくと野鳥の森展望台でした。

南をみると檜原湖の上には雲海のようなガスがかかり、晴れていれば目の前に磐梯山が見えると思うと少し残念な気持ちでした。ガスの流れが感じられたのでしばらく待っていましたが、磐梯山は姿を現さずじまい。途中、眺望のいい尾根もあるのでそれを期待して帰ります。

歩いていると夏道の「つげの台」「馬の背」の案内板が雪の中から見つかりました。緩やかな尾根を下り、ザクザク雪を踏みしめてあっという間に湿原まで下りました。9時30分にスタートし、12時50分に下山。総行程約7km、3時間20分の雪歩きでした。

雪の状態を考えるとツボ足でも大丈夫でしたが、あちこちに小さな沼があり、雪に隠れた水の流れなどの踏み抜きが心配でしたので、ずっとスノーシューで歩きました。

(葉貫正憲/福島県/70歳/よく行く山:福島県の山)

箱根・金時山

溶けた雪で登山道が小川のように

芦ノ湖、三国山などの外輪山、神山中腹の大涌谷が見渡せます(写真=葉山美和)

金時山山頂からの大展望(写真=葉山美和)

3月24日、晴れ時々曇り

箱根に30cmの降雪をもたらした春分の日から3日後、道路は完全に除雪されていました。出発は金時神社で、駐車場脇のミツマタが今にも咲きそうです。

登山道には雪がありましたが、正午過ぎの出発のため、すでにシャーベット状です。気温がぐんぐん上がり、溶け出した雪が登山道を小川のように流れ落ちています。傾斜や日当たりによって融雪具合に差はあるものの、雪道の足跡は大きな水たまりになり、その状態はほぼ山頂まで続きました。

富士山が間近で眺められる金時山ですが、この日は雲がかかっています。ほとんどの人が下山して静かになったころに雲が流れ始め、雄大な富士山を一瞬見ることができました。

下りは勾配が急な矢倉沢峠に向かうので、山頂で念のため軽アイゼンを装着。こちらは雪解けがさらに進み、スムージーの中を歩いているようです。途中で山頂の茶屋の方たちに追い越され、みるみるうちに遠ざかっていきました。茶屋の方たちは長靴です。スニーカーでの登山者が多いなか、無駄のない足さばきに感心しました。

明神ヶ岳への分岐を過ぎると、まもなくコンビニや公衆トイレのある金時登山口バス停に到着しました。ここから車道を約10分歩き、金時神社まで戻りました。

(葉山美和/千葉県/よく行く山:中央線沿線の山、奥高尾)

第百十八回

フクジュソウ、寒い我が家にも祝福を(JINTA)

身体重っ! 誰かが引っ張る? 自業自得。。。(あられちゃん)

【寸評】

一句目、JINTAさん。前回、家庭内紛争が勃発し、投稿が途切れていたので心配しておりました。ご家族でフクジュソウを眺めてなごんでください!

二句目、いつも明るいあられちゃん。体重増加は登山の大敵。泣く前に絞る! がんばってください!!

【段位】JINTAさんは「8000m峰ダウラギリI峰」に昇段。あられちゃんは川柳エベレストC4に到着です。

【応募方法】

山に関する川柳を募集します。投稿先メールアドレスは「weekly@yamakei.co.jp」です。メールの件名には必ず「週刊ヤマケイ・山の川柳」とお書きください。ペンネームでの投稿も受け付けております(読者の登山レポートはペンネームでの投稿不可)。

なお、ご投稿いただいた方には1000m峰から始まる「山の川柳段位」を授与します。ふるってご応募ください。

登山の「まさか」に! レスキュー費用保険で、確かな安心を。

山岳遭難が増えています。無理のない日程、万全の装備、登山届、そして「レスキュー費用保険」。まさかの捜索・救助費用にしっかり備えて、安心登山を楽しみましょう!

登山やアウトドアスポーツなど、日本国内での野外活動中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用に対して保険金をお支払いする保険です。

※海での活動は除きます。

ヤマケイ登山教室からのお知らせ

【机上講習会】 山の危急時対応・山のファーストエイド入門

山で起こりがちなトラブルについて学び、救助要請から応急手当、緊急避難、搬送までの初期対応の知識とスキルを身につけます。山で役立つファーストエイドセットもご紹介します。

参考書:『山のファーストエイド』(山と溪谷社)

https://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2773

開催日・テーマ 4月17日(火) : 山野草の誤食、雪盲、日焼け、毒虫の被害など予防と対策
5月 8 日(火) : 残雪での転倒によるケガ等、T/P、登山用具利用の手当の実習
6月12日(火) : 脱水症・熱中症の予防、評価、応急手当の基本の習得
7月10日(火) : 高山病、山小屋での不眠など予防、その評価と対処法
9月11日(火) : ハチ、蛇、野生動物の回避法と接触事故の応急手当の習得
10月9日(火) : 毒キノコによる中毒、かぶれなど植物との接触障害の対処法
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~21:00
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 2,000円
講師 悳 秀彦(公益社団法人 日本山岳スポーツクライミング協会遭難対策委員)

【机上講習会】 地図読み入門

地図読みを習得し「今どこ?」「あと、どれくらい?」そんな会話から卒業したい人へ。地図を読んで、道迷いを防ぎ、ゆとりを持って山を楽しみましょう。地形図に表された地図記号や等高線の仕組みを理解し、自分のコンパスを使って、進路や目標物の方向を確かめる方法を学びます。

※プレート付きのオリエンテーリングコンパス(シルバR3、スントA10など)をご持参ください。

参考書:『学べる! 山歩きの地図読み』(山と溪谷社)

https://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2762

開催日・テーマ 4月25日(水) 入門編 地形図の基礎知識とコンパスの使い方(高水三山編)
5月16日(水) エリア研究編 地形図で読む・知る・わかる 富士山編
7月11日(水) エリア研究編 地形図で読む・知る・わかる 八ヶ岳編
9月12日(水) 入門編 地形図の基礎知識とコンパスの使い方(日和田山編)
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~21:00
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 2,000円
講師 佐々木 亨(山岳ライター)

【机上講習会】 山の天気入門

山の天気の基本を、実際の山における実例から学びましょう。今年度は全ての講習が基礎編ですので、連続受講をおすすめします。前回の内容の復習も必ず行います。

参考書:『山岳気象大全』、『山の天気リスクマネジメント』(山と溪谷社)

https://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2766

開催日・テーマ 4月24日(火) : 山岳気象の基本と地上天気図の見方
5月15日(火) : 高気圧と低気圧、前線
6月 5 日(火) : 梅雨期の気象の特徴とリスク
7月17日(火) : 落雷、短時間強雨 ~夏山のリスクを避けるために~
8月21日(火) : 台風のリスクを予想する
9月18日(火) : 秋山の気象 ~低体温症から身を守るための知識~
10月16日(火): 観天望気 ~雲から学ぶ天気の基本~
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~21:00
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 2,000円
講師 渡部 均(山岳気象予報士)

【机上講習会】 登山のためのロープワーク

山での危急時に役立つロープワークを身に付けましょう。用具の特性や選び方など、ロープに関するイロハをお話しします。後半は細引きを使って、基本となるいくつかの結び方を練習します。個人山行が多い方にもおすすめの講座です。

参考書:『山登りABC ちょっとロープワーク』(山と溪谷社)

https://www.yamakei-online.com/lecture/detail.php?id=2777

開催日・テーマ 5月22日(火)、9月26日(水) ロープワークの基本
会場 アルパインツアーサービス本社 特設説明会場(3階)
時間 19:00~20:30
定員 35名(最少開催人数10名)
受講料 2,000円
講師 阿波 徹(山岳ガイド)

週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

編集後記

週刊ヤマケイでは毎回必ず山と溪谷社の新刊をご紹介しておりましたが、先週は水曜日が祝日ということもあり、休日進行のために新刊をご紹介しそびれておりました。

すると、とある読者様からお叱りを受けまして。

「ヤマケイ本の紹介を毎週楽しみにしているのに、なぜ今週はのっていないのですか」

水曜日が祝日なので・・・・・・と言えるはずはありません(言っちゃったけど・汗)。

今週は週刊ヤマケイにもご寄稿いただいている伊藤哲哉さんの共著書『千葉県の山』をご紹介させていただきました。これからも、とある読者様のご期待にそえるようがんばります。

そのほか、多くの声を今回もお寄せいただきました。

「不思議に親しみをもてる。うれしい山からの便りです」

「関西の山がメインになるので、そちらを重点にお願いしたいです」

「山岳スキーの記事をもう少し増やしてもらいたい」

「最新の山の状況がわかるので重宝しています」

皆さん、本当にありがとうございました!

さて、先週のアンケートでご協力いただいた方へのカレンダープレゼントですが、厳正なる審査の結果、武衛弘之さん(埼玉県)、田中康雄さん(奈良県)、吉田武彦さん(埼玉県)、永井雅明さん(新潟県)、日下部紀子さん(大阪府)が当選されました! あらためて編集部からメールをお送りいたしますので、少々お待ちください。

というわけで、今回もアンケートを行います!

下記よりご記入ください。ご回答いただいた方の中から5名様に山と溪谷社のカレンダーをプレゼント! 簡単なアンケートですので、よろしくお願いします。

https://goo.gl/forms/3VR32Yh2aN7G7pxg1

株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集
佐々木 惣
アートディレクター
松澤政昭
SSデザイン
塚本由紀(T&Co.)
技術サポート
福浦一広、金沢克彦
プロデューサー
萩原浩司

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