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写真家菊池哲男と行く海外の山とオーロラ展

6月29日(金)~7月5日(木)東京・銀座にて開催

大河ユーコンに映るオーロラ(写真=加藤浩子)

イタリア側からのモンブラン(写真=安斉貴子)

週刊ヤマケイの表紙を2012年の創刊時から3年にわたり飾っていただいた山岳写真家・菊池哲男さん。15人の写真家が菊池さんと海外をめぐり、オーロラなどを撮影した作品を東京・銀座で展示します。

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写真家菊池哲男と行く海外の山とオーロラ展

日時:6月29日(金)~7月5日(木)10:30~19:00(土日祝は11:00~17:00、最終日は14時まで)

入場無料

会場:富士フォトギャラリー銀座

東京都中央区銀座1-2-4 サクセス銀座ファーストビル4F クリエイト銀座本店

出展者:有賀清吉/有賀直記/安斎貴子/大石匠/岡田一女子/岡本陽子/加藤浩子/岸本孝一/小椎葉陽子/佐藤雅子/篠崎富秀/野村康子/森山政己/吉田茂司/和田眞二

三宅修山岳写真塾卒業展

7月5日(木)~11日(水)東京・四ツ谷にて開催

雲の上の花園(写真=齋藤健志)

荒ぶる峰(写真=本間晶子)

私たちは、かつて山岳雑誌『岳人』の山岳写真コンテストに応募して研鑽を続けてきた山岳写真愛好家です。山岳写真界の次世代を担う人材を育てることを目的に、長年コンテストの選者を続けてこられた三宅 修先生は、山岳写真コンテスト終了後、3年という年限を決め私塾を立ち上げ、私たちは引き続き研鑽を続けることにいたしました。

このほど、その3年の節目を過ぎたことから、塾生各人がそれぞれの心に在る「自分の山」を内面にまで踏み込んで制作した1人5~6点の組・連作作品を発表し、写真展を開催するものです。

(文=松原貴代司)

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「三宅修山岳写真塾卒業展」

日時:7月5日(木)~11日(水)10:00~18:00(土日祝は11時から、最終日は15時まで)

入場無料

会場:ポートレートギャラリー

東京都新宿区四谷1-7-12 日本写真会館5F

特別出展:三宅修

出展者:梶野春信/輿水忠比古/小島台吉/齋藤健志/佐藤孝也/本間晶子/長谷川由美子/松原貴代司/緑埜公一/三間千恵/脇坂恭司

問い合わせ先:松原貴代司090-4672-5748

イーハトーヴ西和賀 写真展

7月9日(月)~15日(日)福島市にて開催

ファザーツリー(写真=瀬川 強)

錦秋湖銀河誕生(写真=瀬川 強)

高山(たかやま)の原生林を守る会主催による写真展が福島市「コラッセふくしま」で開催されます。今回は高山の原生林を守る会会員でもある岩手県西和賀町在住の瀬川強氏による「イーハトーヴ西和賀 写真展」と福島在住会員による「福島の自然・花・山 写真展」が同時開催。厳しくも美しい西和賀に移り住んで35年の瀬川氏は「宮沢賢治が生まれて120年が過ぎましたが、生きていた時代の素敵な作品が溢れるように醸し出された自然は今も残されているのでしょうか」と次第に失われてゆく自然の刹那をカメラは捉えている。「イーハトーヴ西和賀 写真展」ではB1~B2サイズ約70点、「福島の自然・花・山 写真展」ではA3サイズ40点の展示。ご高覧をお待ちしております。

(文=奥田 博/東北山岳写真集団・福島)

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瀬川強「イーハトーヴ西和賀 写真展」

高山の原生林を守る会「福島の自然・花・山 写真展」

日時:7月9日(月)~15日(日)10:00~17:00 ただし9日は14時から、15日は15時まで

入場無料

開催場所:福島市 福島駅西口「コラッセふくしま」1階アトリウム及び5階プレゼンテーションルーム

主催:高山(たかやま)の原生林を守る会

『琴乃木山荘の不思議事件簿』

『山と溪谷』の好評連載ミステリがついに単行本化!

『琴乃木山荘の不思議事件簿』著者=大倉崇裕/6月16日発売/1700円+税/四六判/272ページ/ISBN=978-4-635-17195-3

『山と溪谷』2017年4月号で連載が開始するやいなや、多くのファンから注目を集めた大倉崇裕さんのミステリがついに単行本になりました。

本作の舞台は架空の山小屋、標高2200mにある「琴乃木山荘」。主人公の棚木絵里は、そこで働くアルバイトスタッフ。山小屋オーナーの琴乃木正美、年齢不詳のベテランアルバイト・石飛匠らと、山で起こる「不思議なできごと」の真相に挑む、というストーリーです。

第一話「彷徨う幽霊と消えた登山者」は、幽霊の謎。主人公といっしょに働く斉藤まゆみが、テント場の先で二晩連続して幽霊を見た。そしてなぜか同じ姿格好の人間が三日続けて、ふっと現われ、ふっと消えていくのです。

第二話「雪の密室と不思議な遭難者」は、密室の謎。雪が降る夜に、ロウソクと寝袋、携帯だけを所持した男が、山小屋の離れに倒れていた。離れは施錠されており、そして雪が降り積もる周辺に足跡はありませんでした。

第三話「駐車場の不思議とアリバイ証明」は物体移動の謎。山小屋の横に停めた動かないはずの車が動いた。一年前に発生した殺人事件との関連は・・・・・・。

このほか3年連続で故意に動かされた指導標をめぐる「三つの指導標とプロポーズ」、7年前に失踪した人間が琴乃木山荘で働いていた?「石飛匠と七年前の失踪者」、山荘玄関から消えた看板が山頂で見つかる「竜頭岳と消えた看板」、そして単行本書き下ろしとなる「棚木絵里と琴乃木山荘」では暗号の謎が描かれています。

大倉崇裕さんといえば、ヤマケイ文庫『生還 山岳捜査官・釜谷亮二』などに代表されるシリアスな作品から、「警視庁いきもの係」シリーズのような軽妙洒脱なユーモア作品まで、さまざまなミステリを手がけることで知られています。

全7編を収録する本作でも、ハートウォーミングなストーリーあり、人の心の闇を描くサスペンスあり、と大倉さんの筆は縦横無尽にふるわれています。石飛匠が主人公に語る「琴乃木山荘にだって、光と陰がある」という言葉は、読後にあらためて読者の胸に染み渡り、そしてもう一度、最初から読み返したくなるはずです。

山形県・月山

梅雨の晴れ間の撮影登山

姥ヶ岳から月山へ続く稜線(右上が月山山頂)(写真=小瀬村 茂)

新緑と残雪のゼブラ模様がきれいな尾根(写真=小瀬村 茂)

6月22日、曇りのち晴れ

姥沢登山口からリフトを利用しないで登ろうと思いましたが、前日にリフト係の方から夏道は残雪で分断されているのでルート不明瞭と聞いていたので、やむなくリフト利用での登山となりました。リフト索道の草地には一面ニッコウキスゲが咲き、足元に花を眺めながらの空中散歩です。

リフトを降りると景色は一変して残雪豊富な雪渓が目の前に広がっていました。6月下旬というのにその雪の多さはさすが月山だなと感心しました。

この日は梅雨前線が南へ下がり朝から快晴になるはずでしたが、予報に反して山は厚い雲に覆われ、一面のガスです。写真撮影は無理かもしれないと思うとカメラの三脚が一層重たく感じます。視界がほとんどない中、月山への通過点である姥ヶ岳へは急な雪渓を誘導ロープたよりに行くことになるので、安全のためアイゼンを付けて登山開始です。

山頂に着くと雪はなく、チングルマがわずかに咲き残っていました。雪が解けた稜線上の登山道はどこも同じで、途中の金姥付近にもチングルマの大きな群落がありましたが花は終りでした。

姥ヶ岳から牛首を経て月山山頂へ。昼を過ぎ山頂を後に戻り始めても相変わらずガスの流れは続いていましたが、牛首付近に下降した頃からしだいに雲に切れ目が出始めてきました。日が差し始めると雲の影が山肌を流れ、雪渓を陰と陽に分けて予想外の撮影チャンスです。ガスで写真撮影はあきらめていたので、いそぎカメラをセットし光の移りを見極めながらシャッターをきりました。

登山終盤で思いがけなくフォトジェニックな残雪の山を撮ることができました。

(文=小瀬村茂/山岳写真工房)

北アルプス・立山

6月下旬の立山を滑る

雄山山頂より剣岳を望む(写真=平野裕也)

室堂山展望台より槍に続く稜線の絶景(写真=平野裕也)

6月21日~22日、21日曇りのち晴れ、22日快晴

梅雨の晴れ間を狙って立山に出かけました。アルペンルート扇沢~室堂平日割引往復8290円というお得なチケットを利用し、中国語が飛び交う団体客に囲まれながらトロリーに乗りました。

室堂山荘にチェックイン後、雪がつながっていそうな山崎カールの小ルンゼを雪の切れる2600mあたりまで登り、数分で滑り降ります。

翌22日は快晴。一の越までほぼシール登行し、スキーをデポ、雄山山頂を往復しました。兼用靴なのですこぶる不安定なため慎重に下山後、一の越から室堂山荘まで滑走し、そのまま室堂山展望台に登ります。五色ヶ原から薬師、槍に続く稜線の絶景を堪能し、縦縞の激しい斜面を室堂山荘まで滑り降り今シーズンの板納めとしました。

立山は、この時期、アプローチの良さ抜群の捨てがたいフィールドといえるでしょう。

(文=平野裕也/森林インストラクター東京会・東京スキー山岳会・日本山岳会)

北アルプス・蝶ヶ岳

彩り鮮やかなミヤマキンポウゲ

槍・穂高の大眺望(写真=小山貴之)

槍ヶ岳を背景に、ミヤマキンポウゲの花畑(写真=小山貴之)

6月24日、曇りのち晴れ

梅雨の晴れ間を狙い、蝶ヶ岳へ行ってきました。予定では土日で常念岳を周回する予定でしたが、土曜の天気があまりよくないため変更しました。

三股登山口より登山開始。現在、三股登山口手前700m付近で道路崩落があるため、三股駐車場までは車で入ることはできませんのでご注意ください。臨時駐車場が設けられています。

登山開始時には重たい雲がかかっていましたが、時間の経過に伴い晴れ間が出てきました。長い樹林帯の登山道脇にはゴゼンタチバナ、オサバグサの群落が見られます。標高を上げるにつれサンカヨウ、ショウジョウバカマ、ミヤマキスミレ、キヌガサソウなど色とりどりの花が出迎えてくれ登りの疲れを癒してくれました。

稜線に出ると蝶ヶ岳ヒュッテは目の前です。と同時に槍ヶ岳の先端が目に飛び込んできて、穂高連峰の大眺望を得ることができます。稜線上にはミヤマキンポウゲの花畑が広がって彩りを添え、登山の疲れが一気に吹き飛ぶ瞬間でした。時間も十分余裕があったため、大眺望を堪能し下山しました。

登山道はもう夏道で、稜線に出る手前のみ雪を踏むことがありましたが20mほどでした。十分に整備されている道ですが、九十九折りの部分が多く、落石を起こしやすい道のため注意してください。

(文=小山貴之/長野県自然保護レンジャー)

南アルプス・北岳

キタダケソウをたずねて

キタダケソウ(写真=増村多賀司)

左上から時計回りに小太郎尾根から北岳山頂、シナノキンバイ、ミヤマオダマキ、お世話になった北岳肩の小屋の森本さん親子、オヤマノエンドウとミヤマハタザオ、ミドリハクサンイチゲ(写真=増村多賀司)

6月23日~24日、23日曇りのち雨、24日雨のち曇り

悪天候でしたがキタダケソウが咲いているとのことで、開山直後の北岳へ行ってきました。広河原を出発するころは曇り空でしたが視界は良く、山頂もよく見えています。大樺沢ルートはまだ2箇所の橋がかかっていないので白根御池を経由して草すべりから行きます。

小太郎尾根稜線直下ではシナノキンバイが咲き始めていました。シナノキンバイは一時期、シカの食害で激減しましたが、保護柵に効果があったのか多くなってきている印象です。御池から稜線直下までずっと咲いている白い花はサンリンソウです。日本海側では里山で見られるショウジョウバカマやサンカヨウはこちらではハイマツの下に見られます。まだミネザクラも満開でした。

小太郎尾根に上がると雨が降ってきましたが仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳は見えていました。この後、翌日までずっと雨で、山は見えなくなりました。宿泊した北岳肩の小屋では開山祭ということで、ワインが振る舞われました。

翌朝、雨も小降りになったので北岳の南面一帯に群生するキタダケソウを見に行きます。すでに盛りは過ぎていましたが、まだ元気な花やツボミも見られました。雨の雫で半透明になったキタダケソウは、この天候ならではの姿です。ミヤマオダマキやチョウノスケソウ、オヤマノエンドウ、イワウメなども咲き始めていました。緑のハクサンイチゲは他ではあまりみられない珍しい花です。

(文=増村多賀司/長野県自然保護レンジャー、写真家)

八ヶ岳・赤岳~硫黄岳

稜線の花々は最盛期を迎えています

横岳稜線に咲く花々を阿弥陀岳、南アルプスを背景に撮影(写真=佐藤孝也)

狭く過酷な場所に咲き乱れるチョウノスケソウ、オヤマノエンドウ(写真=佐藤孝也)

6月25日~26日、晴れ

梅雨の晴れ間、八ヶ岳の稜線を彩る高山植物を撮影しました。

5月下旬、ツクモグサの開花から始まる八ヶ岳稜線の花々は今、最盛期を迎えています。チョウノスケソウ、イワウメ、オヤマノエンドウ、ツガザクラ、イワベンケイ、ハクサンイチゲ、ウルップソウなどが狭く過酷な場所で健気に、また力強く咲いている姿はほんとうに愛おしく感じられます。

今回のルートは地蔵尾根を登り赤岳天望荘に宿泊、赤岳往復、横岳の岩稜をたどって硫黄岳へ縦走、赤岳鉱泉へと下りました。

気になる硫黄岳周辺に咲くコマクサは、葉っぱがそこら中に出ていましたが、まだまだ先といった感じです。

(文=佐藤孝也/日本山岳写真協会会員)

上越・鬼ヶ面山~浅草岳

ヒメサユリ乱舞する大岩壁上の稜線を行く

浅草岳を背景に咲き誇るヒメサユリの大輪(写真=奥谷 晶)

東面がすさまじく切れ落ちた鬼ヶ面山の大岩壁。その上の痩せた尾根道を行く登山者がかすかに見える(写真=奥谷 晶)

6月23日、高曇り

東北南部と上越の周辺山地などにだけ分布する貴重なヒメサユリ、その可憐な姿を登山道沿いに見ることができる浅草岳に行ってきました。

六十里越登山口は午前5時頃にはほぼ満車、多くの登山者が詰めかけていました。樹林帯のゆるやかな登りから展望が開ける南岳にいたってようやく、最初のヒメサユリの群落に出会うことができます。

ここから鬼ヶ面山をへて前岳にいたる稜線は、雪崩によって磨かれた東面の断崖絶壁の上、痩せた尾根道のアップダウンが次々と連続するタフな登山道です。しっかり整備されていて、緑茂る草や灌木で覆われているせいか、あまり高度感を意識はしませんが、東面は数百メートルも切れ落ちた急峻な崖になっており、油断することはできません。

展望は素晴らしく、目指す浅草岳や越後三山、はるか燧ヶ岳などを見通すことができます。稜線に咲き乱れるヒメサユリのあでやかな晴れ姿とみごとにマッチして、誰しも感動を覚える瞬間です。

前岳からは頂上付近の湿原と残った雪渓を越え、木道が浅草岳へと続いています。頂上は大勢の登山者でいっぱいでした。

(文=奥谷 晶)

上越・浅草岳

車両通行止めについて最新情報の確認を

浅草岳山頂直下(北東側)に咲くヒメサユリ。奥は田子倉湖(写真=中村重明)

ネズモチ平駐車場手前の車両通行止め表示(写真=中村重明)

6月24日、曇りのち晴れ

ヒメサユリを目当てに浅草岳に登ってきました。ネズモチ平駐車場からの時計回りの周回コースです。

ネズモチ平駐車場手前約2.5km地点(浅草山麓エコミュージアム先)から先は8月13日まで災害復旧工事のため車両通行止め(歩行者通行可)ですが、6月23日(土)~7月8日(日)の期間は通行止めが一時解除されています。6時頃駐車場に着くと、すでに車が多数停まっていました。

登りは前岳への直登コース(ブナ曽根コース)をたどりました。急登続きで大いに汗をかきましたが、ギンリョウソウ、オオカメノキ、ウラジロヨウラク、アカモノ、マイヅルソウ、イワカガミ、ゴゼンタチバナ、シラネアオイなどの花が目を楽しませてくれました。

前岳直下には雪渓が残っていて、しっかりしたステップがついているためツボ足で歩きましたが、雪渓の下りに不安がある場合は軽アイゼンがあると安心とも思われます。

前岳東側の湿原にはワタスゲがたくさん見られました。そしてそのあたりから浅草岳にかけて、お目当てのヒメサユリが姿を見せ始めました。前岳側はまだツボミのものも多かったものの、山頂の北東側に少し進むと多数咲いていて素晴らしい景観でした。

帰路は桜ゾネ経由のコースへ。前岳の西側も結構ヒメサユリが見られました。こちらのルートは、前岳直登コースに比べ距離はほぼ倍ながら急斜面が少なく、相対的にはかなり歩きやすいと思います。コースタイムもさほど変わりませんので、下りはこちらがおすすめと思います。

(文=中村重明)

新潟長野県境・苗場山

高山植物のオンパレード

この日見られた高山植物(写真=中村重明)

苗場山山頂部にて。咲き乱れるチングルマ(写真=中村重明)

6月23日、晴れのち曇り

4年ぶりに苗場山を訪ねました(前回2014/7/5のレポート)。祓川コースの往復です。

もともとは、6月22日に南アルプス・夜叉神峠の先までバス・タクシーの乗り入れが可能になったタイミングを捉えての北岳登山を計画していたものの、あいにくの雨予報だったため、天気予報や予想天気図や降水予想をいろいろ調べ、なんとか午前中は天気が持ちそうな山域としてここを選定しました(特にSCWはとても有用だと思います)。結果的には幸い予報通り、12時過ぎの下山時点でほんのわずかに降水があったものの雨具を必要とするほどではなく、濡れずに歩くことができました。

登山口駐車場は4時半過ぎの時点ではや半分強が埋まっていました。他の登山者のレポートでは、7時には既に満車で、係員の誘導で駐車場の先の、和田小屋宿泊者と関係者以外進入禁止の看板の先のスペースに駐車したとのことです。

行程は高山植物のオンパレードでした。和田小屋前ですでに、マイヅルソウやミツバオウレンの群落があり、その先、ツマトリソウ、ギンリョウソウ、ムラサキヤシオ、ベニサラサドウダン、イワカガミ、ゴゼンタチバナ、チングルマ、ショウジョウバカマ、シャクナゲ、ワタスゲ、コケモモ、ナエバキスミレ、シラネアオイ、カラマツソウ、アカモノ、エンレイソウ、コバイケイソウ、ミヤマダイコンソウ、ツガザクラ、ハクサンチドリなどなどがコース脇を彩っていました。特にイワカガミはコース上の至る所に咲き乱れていました。

山頂部はすでにほとんど雪は無く、一部木道が雪に覆われている部分もあったものの、アイゼンなどは不要です。高山植物に関しては、そこまでのコース上ほどの彩りは無かったものの、苗場山神社や小赤沢コース方面の木道末端や赤湯コース方面の木道末端へ足を伸ばすと、山頂より若干標高が下がるせいか、チングルマやショウジョウバカマやイワカガミがかなり咲いていました。

なお、羽虫が多くまとわりつくため、頭にかぶる虫除け網がとても有効でした。

(文=中村重明)

日光白根山

数日ぶりの青空がプチ登山へ誘ってくれました

ロックガーデンで咲いていたコマクサ。背景は日光白根山です。このほかに通路の足元ではシロバナノヘビイチゴが咲いていました(写真=林 由季子)

左:七色平の木道脇で咲きはじめていたハクサンチドリ。右上:もう遅いかなと思っていたシラネアオイですが、半日蔭の斜面で咲いていました。右下:足元に注意していると、可憐なイワカガミに出あえました(写真=林 由季子)

6月22日、晴れ

前日までの雨天とは変り、この日は朝から気持ちの良い青空が広がっていました。用事を片付けつつも心はすでに山へ。絶好の山日和を諦めきれず、時間やリスクなど諸々の条件を総合的に判断して、急きょ向かったのが日光白根山の史跡散策コースです。

登山初体験の息子と共に、ロープウェイで標高を稼いで、一周約2時間の散策コースを歩きながら、開花中のズダヤクシュやコミヤマカタバミ、イワカガミ、ハクサンチドリをはじめ、まるでお花が咲いているような姿をしたチョウチンゴケ類などの蘚類やカニコウモリの群落、遠くの山々などを眺めながら、プチ登山を堪能しました。

なお、天候の急変などでロープウェイが休止になった場合は自力下山になります。登山に適した準備や装備は欠かせません。

(文=林 由季子)

奥秩父・笠取山

多摩川最初の一滴が流れ出す「水干」と小さな分水嶺へ

シラベ尾根周辺の明るい森(写真=山田哲哉)

多摩川最初の一滴。水干にて(写真=山田哲哉)

6月20日

都民の川・多摩川。その最初の一滴は雲取山から金峰山へと続く奥秩父主脈の東部・笠取山の下、水干(みずひ)と呼ばれる場所から流れ出ています。

一ノ瀬高原の中島川橋から黒槐尾根へ。水源林として整備された森の中の巡視路である道は傾斜も緩く、ヒノキ、カラマツの人工林からミズナラの広葉樹の森へと変化します。ウラジロモミなどの森には急な登りがいっさいなく、雨に濡れた森の美しさを楽しめる道でした。

奥秩父主脈縦走路に出て、豊富な水量の黒槐沢を渡り、シラベ尾根を登って笠取山方面の道と分かれます。美しい原生林をトラバースしていくと、水干の看板がありました。かつては赤土の滑りやすい道を恐る恐る歩いて「東京湾まで138km」の小さな手書きの看板があるだけの場所でしたが、東京都水道局の「水源の森整備事業」で道も整備され、水干の横にはベンチやテーブルも置かれ、ちょっとした広場になっています。

そして「最初の一滴」! 実は、ここ二十年くらいはポタッと滴りがあっても、水は枯れていることも多く、晩秋などはカサカサと乾いていることもありました。今回は、梅雨時の連日の降雨とこの日の大雨のおかげで、水が小さな窪みに注ぎ、いかにも大河が流れ出すような地でした。

この水でネパールから仕入れた紅茶を飲みましたが、最高でした。見上げればミズナラとナナカマドの森が霧に霞み、とてもすてきな景色です。

この後、笠取山に向かう予定でしたが、降り続く雨と斜面の状態を考えて、山頂の南側、雁峠への分岐手前の1832mピーク「小さな分水嶺」に登りました。ここは、ちょうど荒川水系滝川ブドウ沢と富士川水系・笛吹川広川と多摩川の分水嶺のピークです。この場所から流れ出た水がまったく違う海に注ぎ込むのです。

あたりは奥秩父最大の草原・雁峠に向けて草原が広がり、霧の中にダケカンバが浮かぶ幻想的な世界でした。笠取小屋を経由し、ミズナラの美しい一休坂から作場平橋へと雨の中を下りました。

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

鎌倉アルプス・長谷寺~源氏山

6月30日のあじさい路は大混雑が予想されます

長谷寺あじさい路入口のアジサイ(写真=石丸哲也)

上:御霊神社前の江ノ電とアジサイ、中右:聖敷き屋の三色丼、中左:明月院のハート形アジサイ、下:源氏山公園のアジサイとカエデ(写真=石丸哲也)

6月19日、晴れ/21日、曇り

先週に続き、長谷から源氏山のアジサイハイキングに行ってきました。しかも、カルチャースクールの山行で19日と21日の2日、ほぼ同じコースで歩きました。先週は寄れなかった成就院、御霊神社も回り、御霊神社ではTV番組「もしもツアーズ」と同じ江ノ電が入ったアングルの写真も撮れました。このアングルで、線路の手前側で数人が集まって写真に収まる場所は一箇所だけ。「もしもツアーズ」に限りませんが、ロケ地をたずねて、ここに出演者がいたのだと思うと、ちょっと不思議な感じがします。

全体にアジサイの見頃が続いていて、長谷寺は先週より花が多めの感じでした。長谷寺のサイトでも今週いっぱいは楽しめるとのことですが、既報のように7月1日(月)から選定を始めるそうなので、6月30日(日)が今年のラストチャンスでしょうか。あじさい路は大混雑、入場規制が予想され、混雑状況によっては15時で整理券配布を打ち切ることもあるようですから、行かれる方は朝のうちに着くのがおすすめです。

長谷寺から源氏山へは高徳院(大仏)かたわらから大仏坂トンネルに出て大仏コースの尾根道を歩きます。21日は高徳院手前の路地にある小さな店ですが、ずっと気になっていた「しらす丼」の聖敷き(しょうじき)屋に入りました。鎌倉から江ノ島にかけて、しらす丼の店はたくさんありますが、かなり玉石混淆で、石に当たるとガッカリします。聖敷きやは直感あやまたず、最上級の美味しさでした。いろいろな味を楽しもうと、欲張って生しらす、釜揚げしらす、沖漬けの三色丼をいただいたところ、どれも絶品。とりわけ沖漬けがしらすと思えない濃厚な味わいで、寄ってよかったと思いました。聞くと、網元の直営で、鮮度、使用する塩も厳選するなど気を配り、沖漬けは船の上で作られているそうで、その美味しさに納得でした。

源氏山公園は大仏コースから歩いた入口から葛原岡神社まであちこちにアジサイが植えられています。ノムラモミジだと思うのですが、春先も真紅になるカエデがあり、まだ赤い色が残っていて、ちょっと珍しいアジサイと紅葉のコラボを見られました。葛原岡神社鳥居前の「こもれび広場」で休憩した後、神社に詣でて参道のアジサイを観賞し、こもれび広場から「あじさい小径」を通って源氏山へ向かいました。この道は日陰のためか花付きは今ひとつですが、日本的なつつましい品種が多く植えられています。

源氏山からは少し戻って鎌倉七切通の化粧坂切通、亀ヶ谷坂切通を通って北鎌倉に出て、夕方、少し空いてきた明月院に詣でて帰りました。余談ですが、明月院のホンアジサイ(ヒメアジサイ)には、全体がハート形をした花がいくつもありました。裏側からのぞいたりして観察すると、枝の頂点にやや大きな花の塊、一段下に、四方に広がるやや小さな塊があり、全体として手まり上に見えている花が多いようです。下の花がひと塊を欠き、へこんだものがハート形になる確率が高いようでした。ほかに1つだけでしたが、紫色の覆輪の品種(シャンパーニュミカコと思われました)でもハート形の花を見つけました。

源氏山公園と葛原岡神社、明月院のアジサイもまだまだ花盛りの株が多く、今週末も楽しめそうです。大仏コースは、山道を歩く部分は1時間足らずと短いですが、雨後はぬかるみになるところがあり、滑りやすい木の根や岩もあるので、しっかりした靴で出かけるほうが安心です。

(文=石丸哲也/山岳ライター)

西丹沢・小川谷廊下

ヒル対策グッズは忘れずに

滝が連続する、石棚のゴルジュ(写真=山田哲哉)

石棚のゴルジュ、出口の滝にて(写真=山本季晋)

6月23日

ブナ林の同角山稜から流下する小川谷。長年にわたって豊富な水量で磨かれた、石英閃緑岩の白いゴルジュが連続する楽しい谷です。

今回、幸運にも穴ノ平橋までクルマで入山でき、すぐに沢に入ることができました。梅雨時でも極端に増水していることもなく、ゴーロから2mの滝を越えて、5mCS(チョックストーン)の滝です。右側の流木をショルダーでトップが登り、後続を引き上げます。すぐに最初のゴルジュです。次々と現れる美しく磨かれた滝と釜を乗り越えて行きました。スラブの滝と釜が続く第二のゴルジュのあたりから、かなり強く雨が降りだしますが、すでに沢登りで全身濡れているので気にせず遡行を続けます。

滝の裏側を通過すると、ツルツルの大岩。雨で濡れているため、それなりに滑ります。続いて、「石棚のゴルジュ」と呼ばれる、もっとも激しいゴルジュの中に次々と滝の連続するいちばん刺激的な部分を通過しました。かつてよりも残置ハーケンが減って、それなりに厳しい登りの後、後続はユマールで越えていきます。

そして、見上げる高さから二段の美しく落ちる石棚と出会います。雨は大粒になり、この滝の左壁をロープで登って遡行終了としました。下降にとった中ノ沢経路を降りしきる雨の中、下山しました。

なお、小川谷廊下に「ヒル」はかつていなかったのですが数年前から目撃されるようになりました。今回も梅雨時とあって多かったです。ヒル対策グッズは忘れずに!

(文=山田哲哉/山岳ガイド「風の谷」主宰 (株)KAZEエクスペディション顧問 山岳ガイドⅡ)

戸隠連峰・西岳

天気が良く、北アルプスがきれいでした

P1尾根上部で見えた北アルプスの展望(写真=畠山茂信)

難所の一つ、蟻の塔渡りとその先のルンゼ(写真=畠山茂信)

6月17日~18日、晴れ

全行程が長いので、麓に前泊し早朝4時半に出発しました。

鏡池登山口から入山。P1尾根に取り付くまでは沢沿いに下りますが3回の徒渉が必要です。

尾根に乗ってからは牧場となっている天狗原の緩やかな草原をのんびりと歩きます。その先の急登を登ると望岳台で、これから向かう西岳から戸隠山への稜線が美しく望めました。

そこから100mほど登るといよいよ難所の始まりです。最初の岩場はほとんど垂直の、足場や手掛かりの少ない滑り易い岩壁で、最初から鎖に頼るきつい登りでした。気の抜けない岩場が連続し、特に無念の峰の下りは梯子に取り付くまで短いものの厳しいトラバースで大変緊張しました。

その先は蟻の塔渡りのナイフリッジや垂直に近いルンゼなどが続き、頂上まで緊張が途切れることはありません。

弁慶岳の別名がある西岳第一峰(P1)は主稜線から少し左に行った所にあり、踏み跡沿いに西岳に進むと見逃してしまいます。ここからアップダウンを繰返しながら八方睨みまで主稜線を進みますが、厳しい箇所も多く楽ではありません。八方睨みで一般道と合流しようやくほっとしました。

下山は距離が長く、時間もかかりますが、険しくはない一不動からのルートを取りました。

梅雨の合間の青空の下、見晴しも良く北アルプスの大展望を楽しめた山行でした。

(文=畠山茂信)

※編集部注:難所歩きが苦手な人は、安易にこのコースに取り付かないようにしてください。

両白山地・白山

花を求めて両白山地の盟主・白山へ

加賀禅定道に咲くハクサンイチゲと白山御前峰(写真=金丸勝実)

加賀禅定道油坂の頭付近から見る別山(写真=金丸勝実)

6月24日~25日、晴れ時々曇り

梅雨はまだあけていませんが、太平洋高気圧のがんばりで晴れ間のチャンスがやってきました。

これに合わせて白山と別山を歩きました。ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ハクサンタイゲキ、ハクサンハタザオなど、和名にハクサンのつく花は多く、またゴゼンタチバナは白山の主峰御前峰に由来し、白山は古くから花の山として知られています。今回はアツモリソウ、オオサクラソウが目当てで、白山と白山釈迦岳を周回する予定でしたが、釈迦新道が通行不可ということで急きょ、帰路を別山からチブリ尾根に変更しました。白山は花と紅葉の季節に毎年訪れている山で、慣れていることから事前情報の入手を怠り当初の目的がかなわなかったことを反省しました。

さて初日は市ノ瀬に車を駐車し、山友達に別当出合まで送ってもらいました。別当出合まではこの時期、車で入れますが、シャトルバスはまだ運行していません。夏山の開山となる7月1日より、白山室堂の山小屋の食事と、シャトルバスの運行が始まります。

別当出合からの登山ルートは砂防新道と観光新道があります。大半の登山者は歩きやすい砂防新道を利用しますが、展望の良いのは観光新道です。今回は観光新道で登りました。

別当坂分岐までは樹林帯の急登が続きますが、ダケカンバ帯の尾根に出ると展望が開けます。樹林帯にはコケイラン、マイヅルソウなどが咲いていました。しばらくやせ尾根が続き、やがて草付きの斜面になります。やせ尾根にはハクサンシャクナゲ、ムラサキヤシオ、ヨウラクツツジ、ツマトリソウなどが、草付きにはハクサンチドリ、ニッコウキスゲ、ハクサンタイゲキ、カラマツソウ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマタンポポ、オオバキスミレ、ミヤマキンバイ、ヨツバシオガマなどが咲いていました。黒ボコ岩までは殿が池周辺に少し残雪がありましたが通行に支障はありませんでした。雪渓周辺にはキヌガサソウやサンカヨウが見られました。弥陀ヶ原は雪原になっていました。平地なのでアイゼンなどは不要です。

室堂の山小屋で宿泊手続きを済ませ御前峰を往復しました。登山道に雪はなく夏道を歩けました。夏の花にはまだ少し季節が早いですが、クロユリが出迎えてくれ、コイワカガミは今が盛りと咲いていました。平日で素泊まりのみということで宿泊者は少なく、食事をしながら山談義に花が咲きました。

翌朝、3時に外に出ると風とガスがありました。ルート変更を想定し、とりあえず食事を済ませることにします。しかし空が白み始めるとガスが晴れてきたので、予定通り別山に向かうことにしました。

南竜までは最短コースのエコーラインで下りますが、残雪が多くアイゼンが必要になりました。この後別山まで、アイゼンの脱着を10回ほど繰り返すことになりました。

このルートの難所は油坂の登り返しです。夏道は残雪で寸断されており、雪面を登った方が効率よく登ることができました。もちろん傾斜があるので、アイゼンとピッケルは必要です。

稜線に上がると起伏は落ち着きますが、岐阜県側の斜面に残雪が多く残るため、何度も雪面のトラバースを余儀なくされました。その度にアイゼンの脱着を強いられました。

稜線上は天候にも恵まれ良好でしたが、少し靄がかかり透明度は若干低めでした。ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンチドリ、チングルマ、ハクサンコザクラ、コバイケイソウが咲き始めていて、これから雪解けが進むとさらに多くの花が見られそうです。この日の縦走者は我々のみでした。御舎利山まで進むと、チブリ尾根から別山日帰りの登山者と数名出会いました。

チブリ尾根は若干、残雪がありましたが通行に支障はありません。御舎利山から避難小屋までは、ムラサキヤシオやサラサドウダンなどの樹木の花が目立ち、避難小屋から少し下った所の草付き斜面には、ニッコウキスゲの群落があり花が咲き始めていました。ササユリも多いところですが、まだツボミでこれから期待できそうです。しかし、登山口周辺では見頃を迎えていました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

鈴鹿・御在所岳藤内壁

梅雨の晴れ間を狙って前尾根をマルチピッチ岩トレ

P1からの展望(写真=金丸勝実)

最終ピッチP2やぐらの登攀、裏道登山道が眼下に見える(写真=金丸勝実)

6月23日、晴れ時々曇り

梅雨の晴れ間を狙って、前尾根の登攀に行きました。前日まで雨が降り、岩の乾きが心配でしたが、高気圧が乾いた空気を運んでくるようなので出かけてみることにしました。

この日は平日だったので、入山パーティは我々も含め3、4パーティと少なく、前尾根はマルチピッチクライミングの人気ルートですが我々のみでした。

前尾根のピークは下部から順にP7から始まり、最上部のピークがP1で、10ピッチ前後の登攀になります。クラックはNP(ナチュラルプロテクション)で、フェイスと終了点はボルトが整備されています。ルート並列に数本あり、力量に応じて選択できます。今回は、北岳バットレスを想定して、山仲間のスキルアップを目標にしました。

この前尾根のルートはクラック、フェイス、スラブ、チムニーと多彩で、登攀の総合力を身につけられる好ルートです。登攀のおもしろさもさることながら、藤内壁全体を見渡せるロケーションには臨場感があり、眼下に広がる伊勢平野や濃尾平野、伊勢湾の展望が秀逸です。また、御在所岳は花崗岩質の白っぽい岩壁が随所に見られ、この季節は樹林の緑色とのコントラストが美しいです。岩場にはイワキンバイやキンレイカ、コメツツジが咲いていました。

この日は登攀終了後、P1を経由して裏登山道に合流し、山上公園を散策後、中登山道で立岩まで下り、そこからバリエーションで砦岩(クライミングルートを整備されている)を経由し藤内小屋に下りました。

(文=金丸勝実/『三重県の山』著者)

雲仙・九千部岳

見頃をむかえたヤマボウシ

九千部岳山頂から雲仙妙見岳と国見岳を見る。山肌は一面のヤマボウシ(写真=池田浩伸)

九州自然歩道にはたくさんのヤマアジサイがさいています(写真=池田浩伸)

6月21日、晴れ

この日、午前は曇り、午後から晴れの予報だったので、ヤマボウシを見に出かけました。

花の時期には満車になる田代原トレールセンターの駐車場ですが、平日ということもあり数台の車があるだけでした。

反時計回りに周回するコースでスタート。例年なら赤いヤマツツジもたくさん咲いているのですが、今年のピークはもう過ぎていました。

前日雨が降った割に足元はあまり汚れず、先に登った数名の登山者と入れ替わるように山頂に到着。

途中の展望岩や山頂から雲仙岳への稜線はヤマボウシが見事です。雲仙岳にかかるガスが無くなるのをしばらく待ちましたが、山全体の姿を見ることはできませんでした。

下山路の田代原分岐からは九州自然歩道となり、ヤマアジサイの光沢のある青色の花がとてもきれいです。7月初旬まで見頃が続くのではないでしょうか。

(文=池田浩伸/登山ガイド)

北アルプス・常念岳

テントを背負い、一ノ沢から山頂へ

笠原沢出合上部から胸突八丁までの雪渓(写真=三浦裕美)

常念乗越に咲いていたコマクサと槍・穂高連峰(写真=三浦裕美)

6月21日~22日、21日霧のち晴れ、22日晴れ

雪渓歩きは笠原沢出合上部から胸突八丁の階段手前まで。その先の夏道にはツマトリソウやハクサンチドリ、ミヤマカラマツといった花がたくさん咲いていました。最終水場を過ぎたあたりでガスが晴れ、常念乗越では楽しみにしていた大展望! ミヤマキンバイが咲き、コマクサも早々に開花しています。常念岳への登山道はイワウメが見事でした。

常念岳山頂は貸切で、絶景を満喫。夜は強風でしたが快晴で、月の入り後には満天の星空も広がっていました。

なお、初日に山ノ神を少し過ぎた笹藪でクマ1頭を目撃しました。時間は朝8時半ごろです。クマが逃げたのでなにごともなく済みましたが、沢沿いはクマもこちらに気付きにくいのかもしれません(クマ鈴は携行していました)。しばらくの間、見通しの悪い場所では笛を吹いたり、声を出しながら歩きました。

(三浦裕美/長野県/よく行く山:北アルプス、長野~山梨周辺の山)

南アルプス前衛・櫛形山

整備されていて歩きやすい山です

櫛形山三角点手前の展望地から望む北岳(写真=太田正孝)

裸山周辺に咲くアヤメ(写真=太田正孝)

6月22日、晴れ

1日だけの梅雨の晴れ間、アヤメが咲いたと聞いて櫛形山へ行ってきました。さまざまなルートがとれる櫛形山ですが、池の茶屋林道終点の登山口から櫛形山、裸山、アヤメ平、北岳展望デッキと反時計回りのコースとします。

櫛形山三角点手前の展望地や裸山山頂からの白峰三山は、思っていたより間近な眺望が楽しめました。もう一つのお目当てのアヤメも裸山周辺でしっかり咲いていました。出会った自然調査員の方から聞くと、アヤメ平のアヤメが咲くのは7月になってからだそうです。花芽がたくさんあるので咲きそろうときれいですとのことでした。

櫛形山の山道は歩きやすく、要所に案内標識もあるので安心して歩くことができます。梅雨明けはまだ先ですが、いい日に訪ねることができてよかったと思います。

(太田正孝/愛知県/78歳/よく行く山:岐阜、長野、三重、静岡の山)

山梨県・八重山

雨上がりを待ち、3年ぶりの八重山

左:八重山山頂ではほんの少し顔を見せてくれた富士山 右上:群生していたオカトラノオ 右下:森のキノコたち(写真=葉山美和)

権現山(中央)から扇山(左奥)方面。夏を感じさせる空が広がる(写真=葉山美和)

6月24日、雨のち曇り時々晴れ

上野原駅に着くと、北口にあったはずのバス乗り場は南口になっており、何もなかった南側にはスーパーやホームセンターが建てられ駐車場は大混雑です。4月1日に竣工式を迎えた地上5階建てのエレベーター棟により、駅は見違えるほど立派になりました。スーパーは3日前にオープンしたばかりとか。

新井行きバスに乗り、終点で降ります。登山口までは道標がありません。馬頭観音菩薩や夫婦岩を過ぎ、約40分で山頂に到着。さらに進むと展望台があり、中央線沿線の馴染みの山々が一望できます。裾野が見えていた富士山はすっかり分厚い雲に覆われました。

八重山は五感で楽しめる山で、2m以上に育ったタケノコやこびとの世界のようなキノコに出会えました。

トイレが併設された駐車場でいったん車道に出ます。少し下った先の道標で左に折れ、上野原遊歩道に入って後半の行程が始まります。八重山を背に一登りで小さな祠のある秋葉山に到着。尾根伝いに進み根本山を過ぎ国道20号に出ればゴールです。駅まで歩くと30分ほどかかりますが、ちょうど来たバスで上野原駅まで戻りました。

八重山ではほんの数組、後半は誰にも会わない静かな山行でした。

(葉山美和/千葉県/よく行く山:中央線沿線の山、奥高尾)

鳥取県・大山ほか

車旅行で5つの山に登りました

蒜山八合目から望む大山(写真=江川 誠)

平治岳山頂のミヤマキリシマ(写真=江川 誠)

5月14日~6月7日

佐世保へ車で旅行しましたが、その途中で5つの山に登りました。ひとつめの山は鳥取県の大山です(5月21日・快晴)。大山は見る場所によりまったく違う山になることに驚きました。南の鍵掛峠から見ると幅のある峰々はすべてガレ場で屏風のように広がっています。西の伯耆町からは富士山に似た裾野の長い伯耆富士になり、そして元谷入口付近から見上げる大山北側は再び崩壊した岩山に見えます。登山中はダイセンキスミレ、ショウジョウバカマ、イワカガミなどが見られ、山頂はまだ枯草色でした。特別天然記念物のダイセンキャラボクが青々と茂っていました。山頂からは美保湾の向こうに弓ガ浜が湾曲し、遠く隠岐諸島まで見えました。

次の山は岡山県・蒜山(ひるぜん)三山の最高峰、上蒜山(5月22日・快晴)。蒜山高原の広い牧場が登山口です。山頂が1199mのため登山道は樹林帯の中で展望はききませんが、八合目では昨日登った大山が見渡せました。花はチゴユリ、カタクリなどが咲いていました。

三つ目の山は長崎県の雲仙普賢岳です(5月29日・曇り)。晴れれば普賢岳のある島原半島を中心に有明海、島原湾、天草諸島など、風光明媚な景色が見られるはずですが、霧の中でまったく展望はききませんでした。ただ、山頂付近ではミヤマキリシマが所々に咲いていて、初めて見るピンクの花に目を見張りました。冬に霧氷が多いという霧氷沢にはまだ雪が残っていました。

四つ目は大分県・くじゅう連山(6月1日~2日)。牧ノ戸峠から登り始め、すぐに背丈の低いミヤマキリシマが登山道の周辺や、山々の頂きに見えてきました。連山の最高峰・中岳を登り、宿泊地である法華院温泉へ向かいます。翌朝、学生時代に山で歌った坊がつる賛歌の坊がつるに初見参。まったく違ったイメージで歌っていたことがわかりました。そして平治岳を目指します。樹林帯を抜け大戸越で突然視界が開け、登山者から歓声が上がっていました。見上げる平治岳はピンク色。ここのミヤマキリシマは背丈が高いです。山頂はさらにピンク一色に染まっていました。帰路は坊がつるに戻り、雨ガ池越経由長者原に下山。

最後は長野県の入笠山で花を見ながら、のんびりハイクでした。

(江川 誠/東京都/66歳/よく行く山:北アルプス)

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週刊ヤマケイ「表紙写真」「読者の登山レポート」「山の川柳」「よもやまばなし」応募要項

週刊ヤマケイでは、読者の皆さんから表紙写真、登山レポート、山の川柳を募集しています。また新たに「よもやまばなし」も募集します。ぜひあなたの作品をお送りください。

【表紙写真について】

●タテ位置で撮影した写真に限ります。

●横幅1200ピクセル以上のjpeg画像。

●写真に簡単な説明も添えてください。


【読者の登山レポートについて】

●本文200字~300字。1ヶ月以内の山行に限ります。できれば2週間以内の情報をお寄せください。国内・海外は問いません。山名・日程・天気を明記。登山道の様子や開花状況などもできるだけ盛り込んでください。

●写真キャプション(写真の解説を簡単なもので結構ですので付けてください)

●お名前(ふりがなもお願いします。匿名、ペンネームでの掲載は不可です)

●メールアドレス

●年齢

●郵便番号と住所

●登山歴

●よく行く山名、山域

※文字数を大幅に超えたものは対象外となります。掲載の目安は、投稿から約2週間です。掲載、不掲載についての事前連絡はしておりませんので、あらかじめご了承ください。


【山の川柳】

「夏休み 孫と一緒に 百名山」

「お父さん 登山道具を 片付けて」

「登れども登れども ぴくりとも動かぬ 体重計」など、山に関する川柳を募集します。どうぞ気軽にお送りください(川柳の投稿はペンネームでも可)。編集部が審査して、段位を授与します!


【よもやまばなし】

山で体験したちょっといい話や不思議な話、使って役立った装備や安全登山のための工夫、昔の登山の思い出などを募集します。お気軽にご投稿ください。こちらの投稿もペンネーム可です。文字数は400字以内でお願いします。


投稿先メールアドレス

weekly@yamakei.co.jp

※メールの件名に必ず「週刊ヤマケイ・表紙写真応募」または「週刊ヤマケイ・読者の登山レポート投稿」「週刊ヤマケイ・山の川柳」「週刊ヤマケイ・よもやまばなし」とお書きください。

※表紙写真に採用された方、読者の登山レポートに採用された方には週刊ヤマケイのロゴ入り測量野帳を進呈します(初回のみ)。また山の川柳で高段位になられた方にも測量野帳を進呈します。どしどしご応募ください。

編集後記

警察庁から、平成29年(2017年)に発生した山岳遭難の概況と統計データが発表されました。

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/sounan.html

すでに報道などでご存知だと思いますが、昨年の山岳遭難発生件数は2583件(前年対比+88件)、遭難者数は3111人(前年対比182人)。山岳遭難統計は昭和36年(1961年)からとられていますが、統計史上、もっとも高い数値となっています。

統計を見ていて、興味深かったのは「態様別」のデータ。もっとも多いのは「道迷い」、次いで「滑落」「転落」と続きます。この傾向は5年ほど変っていません。

しかし「悪天候」による遭難は、64件(2013年)→42件(2014年)→70件(2015年)→18件(2016年)→18件(2017年)と明らかに減少しています。

これは山岳気象について、多くの登山者が知見を深めたということではないでしょうか。

「疲労」による遭難も2016年は204件発生しましたが、2017年は175件に減少しています。

これも多くの登山者がトレーニングを積んだり、無理な行動計画をたてなくなったことの表れかもしれません。

とはいえ、遭難件数、遭難者数自体は増えています。

特に死者・行方不明者の数は320人(2013年)→311人(2014年)→335人(2015年)→319人(2016年)→354人(2017年)と増減を繰り返しつつも、350人を超える数字となっていることは覚えておかなければならないでしょう。遭難者は全部で3111人ですから、山岳遭難者のおよそ9人にひとりは死亡するか、行方不明となっているのです。

遭難しようと思って遭難する登山者はいません。「自分だけは大丈夫」と思わず、万全の準備と装備を心がけましょう。

株式会社山と溪谷社
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
編集
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アートディレクター
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SSデザイン
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技術サポート
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プロデューサー
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