山と溪谷 編集部ブログ

自宅で見つけたもの

ども、イトーです。

すっかり春の陽気になりました。

冬から春に変わったときに吹く生ぬるい風、不思議なにおい。

あれってなんなんですかね。「あぁ、春だな~」ってものすごく感じます。

そしてくしゃみがとまりません。目のかゆみもやばいです。

うれしいような、いらだたしいような。

先日、部屋の掃除をしていたら、こんな地形図を発見しました。

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不思議な折り方をされたこの地形図。

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これは「ミウラ折り」という地形図の折り方で、地図の手前側といちばん後ろ側の部分を引っ張ると一瞬で地図を広げられる、そして同様に一瞬で折りたためるというおもしろい構造になっています。

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ちなみに、この地形図の図郭は九州の「志布志」。しかも、地図の発行日を見ると、なんと昭和62年10月30日。

なぜ、ナウでヤングな僕がこんな古い地形図を持っているのか。

今回は少し思い出話をさせていただきたいと思います。

* * * * *

僕は大学時代、「地図学」という授業を履修していました。

この授業は「地理学」や「考古学」専攻の1年生向けで、僕は「英米文学」専攻(しかも4年生!)だったため、本来は履修項目から外れていました。

ただ、おもしろそうな授業には片っ端から顔を出す性分だったので、地図学でも教室の前方にひとりで座って授業を受けていました(笑)

授業を担当されていたのは「富士山先生」という愛称でも有名な日本地図センター相談役(当時は筑波大付属高校の教員)の田代博さん。

本誌でも数々の企画で協力いただいている地図界の大先生です(当時は著名な方だと知りませんでしたが)

田代先生の授業はかなり個性的で、授業は毎回、「富士山グッズ」の紹介からはじまります。

特に「富士山ネクタイ」は田代先生の自慢のコレクションのようで、授業のたびに異なる富士山ネクタイを見せてくれるこだわりっぷり。

ある日の授業で「日本地図センターから古い地形図を生かしてほしいと頼まれたので、みんなでミウラ折りをしてみましょう」と田代先生。

そのときの地形図が、冒頭で紹介したミウラ折りの地図というわけです。

ミウラ折り、奥が深いんですよね。。。

地形図の折り方としては有名だと思いますし便利なんですが、当時はかなり苦戦した記憶があります。

また、このミウラ折りのほかにも、古くなった地形図を再利用するための方法を学生から応募したり、田代先生が考案した古い地形図をリサイクルした扇子の紹介?自慢話?など、まったく退屈しない授業ばかりでした(もちろん、地図のことも学んだはず、、、)

教室の前方に座っていると目立つこともあり、先生との会話もそこそこあって、就職先がヤマケイに決まったことを報告したときはとても喜んでくださりました。

そんな田代先生が2021年2月19日、病気のため亡くなりました。

闘病されていることは知っていましたが、入院中の昨夏も誌面で紹介する地図に関して、ご相談のやり取りをしていたので訃報を知り驚きました。

先生にメールで相談すると「とても良いお尋ねです(^_^)」というお返事が届くのも印象的でうれしい気持ちになりました。

学生のときから、そしてヤマケイに入社した後も、長きにわたっていろいろとご指導いただき感謝しかありません。

ご冥福をお祈り申し上げます。

* * * * *

地形図を見ていたら当時のことをいろいろ思い出しました。

スマホの地形図アプリも便利ですが、こういう紙で残るものっていいですね。

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