ワンダーフォーゲル編集部ブログ

山本

コーヒー&レストラン山と溪谷

Posted by 山本 | Date 2012年12月25日(火)

ここは長野市内。

コートの襟を立てて通りをてくてく歩いていたら...。
この看板がいきなり目に飛び込んできたんです。


コーヒー&レストラン「山と溪谷」
変な気分です。そもそも、コレっていいんでしょうか?
ヤマケイのサンドウィッチって、どんな味??

この日は長野県庁に取材があって大関記者と2人で出張に来ました。
まったく偶然です。
大関記者とふたりで大興奮。せっかくだからと、さっそく店内へ。

長野に山と溪谷という喫茶店があるというハナシは、
いま考えるとだいぶ前の月刊山と溪谷のキャンプサイト(読者ページ)で読んだような......。

階段をあがってお店の前に来ました。
立派な看板があります。

この題字は1930年創刊『山と溪谷』そのもの。
われら山と溪谷社の創業者、川崎吉蔵さんの早稲田の学友、
坂野三郎さんによるものです。

大関記者と写真を撮りっこ。記念にパチリ。


ここで、編集部の松本に写メールを送ったら、
「え?、山ちゃん知らないの??有名だよ。
でもさ、なにしに長野へ行ってんの??」と返信メールが。

まあ、気にせず中に入ります。

ちょうどランチタイムが終わったころ。
空いていました。

オーダーを聞きにこれたご主人に「じつはヤマケイの者なんです」と打ち明けると、
「そうですか、ヤマケイさんの方ですか。ひさしぶりですよ」と喜んでいただけました。
よかったよかった。

「どうして、山と溪谷なんですか?」
思い切って聞きました。どんな歴史があるんでしょう。


大関記者とコーヒーを飲みながら、ご主人のハナシを聞きます。
ご主人は、青沼寿一さんといいます。
昭和55年ころ、この地に喫茶店を始めようと思い立ちました。
そのとき雑誌『山と溪谷』の名前に惚れ込んだ青沼さんは、
どうしても店名に「山と溪谷」を借りたいと考え、
東京港区芝大門にあった山と溪谷社の社長室まで、川崎吉光社長を訪ねて上京。
川崎社長と無事に面談をはたし、
とうとう雑誌名を店の名前として借り受けることができたのだそうです。
店内には、開店時に川崎社長から贈られた滝谷を攀じる小森康行さんの写真も飾られています。

ぼくたちはコーヒーとチーズケーキを食べながら、
青沼さんのハナシに静かに耳を傾けていました。


そろそろ、取材のアポイントの時間です。
ご主人に「また寄りますから」というと、
「松本とくらべてあまり長野には用事がないでしょう」とおっしゃいます。
いいえ、また必ず寄りますんで、とお別れしてお店の外へ。

「いやあ、いいハナシでしたね。出版社っていうのは、人のこころがわかる会社じゃなくちゃいけませんね」
大関記者とふたりでそんな話をしながら、あったかい気持ちになって長野県庁に向かったのでした。

おわり